ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達   作:カオスキマイラ

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序章 夜明け前の出会い

ウード達がジェラルド傭兵団に拾われてから数週間後……。

 

彼ら六人は正式にジェラルド傭兵団に加入して働いていた。アズールとセレナは元傭兵であったため、そのまま戦力として……。ノワールはその弓の腕を買われて食料調達などの狩猟要因として……。ブレディは回復魔法が使えるため救護班として……。そしてウードとシンシアに関しては、傭兵として正式に採用されていた。

 

「ふうっ、今日も疲れたな……。」

 

「仕方ないよブレディ。ジェラルドさんがまた飲んだくれちゃったし……。」

 

「それに乗じてウードとシンシアの奴も飲みすぎたけどね。」

 

「仕事が上手くいってタガが外れちゃったのかな……。」

 

アズール、ブレディ、セレナ、ノワールは近くの街で飲んだくれたジェラルド傭兵団の連中を今しがた運び終えて休憩しているところであった。そんな四人にベレトが声をかけてきた。

 

「四人とも助かった。父さんのアレは今に始まったことじゃないからな……。」

 

「気にしないでくれベレト。」

 

「ブレディが居ない時は大変だったんじゃない?」

 

「………そうだな。酔い覚めの回復魔法をかける人間が居なかったからあの状態になると大変だったな。」

 

ベレトは現在飲んだくれて眠っているジェラルドの天幕を見ながらつぶやいた。その言葉に四人は納得の顔をした。

 

「まあブレディの魔法なら明日には回復してるよ!」

 

「……多分それがあるから飲んだくれる日が多くなっているじゃないかな……。」

 

「ノワールの言うとおりかもしれないわね。……ってアズール!?どこ行くのよ!」

 

「飲んだくれた連中は介抱したから遊びに行ってくるよ!」

 

そういってアズールは夜の街に向かっていった。その様子をみてブレディが溜息をついていた。

 

「そういってまたナンパしにいくんだろが……。」

 

「……明日までに戻ってくれば大丈夫だから見逃してやってくれ。」

 

「あんたがそういうなら従うけど……。」

 

この数週間でウード達はベレトと仲良くなっていた。ベレトと同年代である彼らとは馬が合うのか時間を見つけては一緒に訓練を行ったり、雑談を行ったりしていた。

 

「……明日は昼頃にルミール村に向かう予定だからそろそろ寝た方がいい。」

 

「次の移動先のルミール村はここからどれくらいかかるの?」

 

「え、えっと………大体2日ぐらいかな……。」

 

「2日か……。ベレト!また訓練に付き合ってよね!」

 

「ああ、問題ない。それじゃあ、三人ともお休み……。」

 

ベレトは3人から離れてテントに戻っていった。

 

「次こそはベレトに勝って見せるわっ!」

 

「つーか、ティアモさん直伝のアレ使ったら勝てるんじゃねえか?」

 

「か……母さんのアレは……未完成だから……。」

 

「で、でも化け物じみたベレトには……使った方がいいんじゃ……。」

 

「うっ……そう言われると何とも言えないわね。」

 

「そういうノワールもサーリャさんから呪術学んでいるんじゃないのか?」

 

「うん、確かに母さんが危険じゃない呪術を教えてくれたわ。でも……どちらかというとまじないに近いかな……?」

 

「成程な。」

 

「そういうブレディはどうなのよ……。マリアベルさんから教わっているんじゃないの?」

 

「まあな、母さんからバイオリンやら紅茶やら貴族の嗜みを学んださ。」

 

「で、でもバイオリンは結構評判じゃないかしら?」

 

「まだまだだな。精進あるのみといったところだ」

 

それから三人は元の世界での思い出話に花を咲かせていた。しかしいつになってもキリがないため途中で豹変したノワールが中断させた。そして明日の移動に備えて休むことになった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

翌日ブレディの回復魔法のお陰で回復したジェラルド傭兵団は次の目的地であるルミール村へ向けて移動を開始しだした。その道中は安全で特に何か変わったことはなかった。因みにセレナはベレトに訓練を挑んだが、ティアモ直伝の技をあっさりとかわされて敗北した。残りの五人もベレトに打ち負かされて、アドバイスなどを受けていた。

 

因みにベレトの評価ではアズール>セレナ>シンシア>ウード>ノワール>ブレディの順番に剣術の腕は強く、槍術はシンシア>セレナ>ウード>アズール>ブレディ>ノワールの順に強く、弓術はノワール>ウード>セレナ>ブレディ>アズール>シンシアとのことであった。シンシアの弓術に関しては変な方向に飛んでいくため触らないように言われるのだった。

 

そんなこんなで2日後ルミール村にジェラルド傭兵団は到着した。

 

「ついたーーーー!」

 

「くっ!? この感じは何だ……!? 血の騒ぎ方が……いつもと……違う……!?」

 

「シンシアの嬢ちゃんは相変わらず元気いっぱいだな。……それに引き換えウードの奴は相変わらず何言っているか分からねぇな……。」

 

「ジェラルドさん、付き合いの長い私たちでも彼のアレは偶に理解できませんから。」

 

「……そんな昔からアレをやっているのか……。」

 

「う~ん、いい村だね。よしっ!見回りに行ってくるよっ!」

 

「またナンパしに行くつもり?まだ陣営出来てないんだから……ってもういないし……。」

 

「安心しろアズールの分まで俺が働くさ!」

 

「そういうならさっさと手を動かせよウード!」

 

「……って、シンシア!あんたドジなんだから手伝わなくていいから!」

 

「平気~平気~……って、あいたっ」

 

ドンガラガッシャーン!!

 

「シンシア、貴様っ!我を巻き込んで転ぶなといつも言っておろうがっ!貴様を弓矢で追いかけまわしてやろうかっ!」

 

「ノワールゴメーーーーン!!」

 

「……やれやれ、あいつらが加入してから賑やかになったな。」

 

六人が加入して賑やかになった団を見て、やれやれといった感じでジェラルドは見ていた。

 

そんなこんなで何とか陣営の準備を達成した傭兵団は、ナンパだけじゃなくて見回りもちゃんとやってきたアズールの報告を聞いてから食事をそれぞれ採りだした。ウード達が加入してからもう一ヶ月……。ジェラルド傭兵団の一員としてすっかり溶け込んだ六人は雑談をしながら、楽しい夕食を行っていた。

 

夕食後自由時間が出来たので、それぞれ分かれていった。ウードは暗夜王国時代に魔術を学んでいたため森に練習しに向かい、アズールはいつもの様にふらりと居なくなり、セレナとノワールは武具の手入れを行い、ブレディはルミール村の村人のためにミニコンサートを開催しに向かい、そしてシンシアは傭兵団で飼っている動物のお世話をしに向かった。そしてジェラルドとベレトは天幕に戻っていった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

それからしばらくして、動物のお世話を終えたシンシアは森で鍛錬を行っていた。

 

「はあぁぁぁぁぁぁっ!旋風槍!」

 

この世界に来てからシンシアはベレトの指導で戦技の存在を知った。ヒーローにあこがれる彼女は一刻も早く習得しようと張り切っていた。正確には彼女のヒーローとして必殺技があればいいという情熱に火が点いたからここ最近毎日行っていた。

 

「う~ん、勝利の決まり文句は十分だし、あとはヒーローに相応しい必殺技を身に着けるだけなんだけどなぁ~」

 

ブツブツと呟きながらも練習している彼女に三人の人物が近づいていた。

 

「やあぁぁぁぁぁぁっ!雷神槍!よしっ、雷を纏った一撃の完成だよっ!やっぱりヒーローは雷の力を操るよね~」

 

「……お取込み中、悪いが少しいいか?」

 

「あれ、あなたたち誰?」

 

「なあ、クロード。話しかけて大丈夫か?」

 

「問題ないと思うわディミトリ。…単純に戦技の練習していただけみたいだしね。」

 

突然現れた三人にシンシアは驚いた。彼女に声をかけてきた三人は男二人と女一人の一行で、三人とも似たような制服を身に纏っていた。

 

「そうだよっ!あたしの夢のために戦技の練習をしていただけだから警戒しないでっ!」

 

「夢?」

 

「それってさっき言っていたヒーローか?」

 

「あっ、そこから聞いていたんだ!うん、そうよ!それはそうと、あたしに何か用?」

 

「そうね、今は本題を話したほうがよさそうね。」

 

流石に初めて会った人間に自分の夢を話すつもりはなく、三人が急ぎの様子だったのでシンシアは話を元に戻した。

 

「俺達はこの近くで演習を行っていたんだが……。」

 

「いきなり、盗賊団に追われちまってね。近くに野営が見えたからこっちに来たんだが、アンタ関係者か?」

 

「うん、そうだよ~!あたしはこの近くの傭兵団に所属している傭兵だよ~。」

 

「ふうっ、何とかなりそうね。傭兵団まで案内してくれないかしら?」

 

「そうだね。盗賊団が来ているっていうし……。急ごうかっ!」

 

シンシアは自分の荷物を持つと三人を野営まで案内しだした。

 

「こんな状況だけど自己紹介するね~。あたしはシンシア!よろしくね!」

 

「俺の名はクロードだ。」

 

「ディミトリだ。よろしく頼む。」

 

「エーデルガルトよ。宜しくねシンシア。」

 

「うん、よろしく!それじゃあ、団長の元に急ぐよ~!」

 

自己紹介を終えて、元気一杯な彼女を見てクロード達はひそひそと話していた。

 

「元気一杯な奴だが、悪い奴ではなさそうだな……。」

 

「そうだな。……あいつにこの元気を分けてほしい気分になったな……。」

 

「それに関しては私も同感よ。彼女の元気を何処かの誰かに分けてほしいわね。」

 

基本テンションが高いシンシアを見て三人はその元気を自分たちの知っている人間に分けてほしいと思っていた。どうやら、シンシアの天真爛漫な様子をみて警戒心はほとんどない様子だった。

 

シンシアは三人を連れて陣営まで向かうと、ジェラルドを呼んでもらうように傭兵に頼んだ。少しするとジェラルドがベレトを連れて天幕から出てきた。

 

「あーっ!ジェラルドさんっ!こっち来てっ!一大事だよ~!」

 

「何だシンシアの嬢ちゃん……。」

 

クロード達の前にジェラルドが姿を現すとディミトリが話し出した。

 

「突然、申し訳ありません!」

 

「こんな時間に、ガキどもが揃って何の用だ?」

 

「実は私たち、盗賊団に追われているんです。どうか力を貸していただけませんか?」

 

「盗賊、だと……?」

 

「ええ、野営中に襲撃されたのです。」

 

「上手いこと仲間と分断されて多勢に無勢、金どころか命まで盗られるところでしたよ。」

 

「その割には随分とのん気な……。ん? その制服……。」

 

「ジェラルドさんっ!村の外にかなりの団体が来てやがるぜっ!」

 

「来やがったか。ったく、ガキどもはともかくこの村を見捨てるわけにはいかねえ……。おい、行くぞ。用意はいいな?」

 

「ああ、準備ならできている、父さん!」

 

ジェラルド達は準備を終えると迎撃の構えに入った。ベレトはウード、シンシア、セレナとエーデルガルト、ディミトリ、クロードを引き連れて構えた。アズールとノワールは背後からくる盗賊団の迎撃に向かい、救護班のブレディは村で待機した。

 

「くっ……血が騒ぐ……っ!!」

 

「はあっ!?……血……!?」

 

「そいつのソレに関しては今は無視していいわよ。」

 

「そ、そうか……。」

 

「おいっ!最近俺に対する扱い酷くないかっ、セレナ!」

 

ウードは自分の扱いに抗議したが、セレナは無視して向かってきている盗賊団に目を向けていた。

 

「さてと…盗賊が来たぞ……。準備はいいな……。」

 

「問題ないな。」

 

クロードが答えたと同時に盗賊はこちらに責めてきた。

 

「よーしっ!我は正義の戦士シンシア!この聖なる裁きを恐れぬ者は、我が前に歩み出よ!」

 

「えっ!?いきなり何を言っているのっ!?」

 

「喰らいなさい!雷神槍っ!」

 

「「「ぎゃあああああああああああああっ!?」」」

 

「へぇー……、なかなかの威力だな」

 

ヒーローの名乗りを終えたシンシアが真っ先に飛び出して、戦技を放っていた。その様子をクロードは感心した様子で見ていた。

 

「ふっ、ふっふっふっふ。ここは漆黒のオーディンの力を解き放つとき……喰らえっ、必殺!アウェーキング・ヴァンダー!」

 

「「「ごあああああああああああああああっ!?」」」

 

「変な男だと思ったけど……以外にやるのね……。」

 

暗夜王国で磨き上げた必殺技をウードは放ち盗賊を吹っ飛ばしていた。その様子をエーデルガルトは意外そうな顔で見ていた。

 

「……全く、夜明けに盗賊が来るなんてついてないわね……。さてと、可愛がってあげるわ!はあぁぁぁぁぁぁっ!華炎!!」

 

「何だ、これは……!?ぐあああああああああっ!?」

 

「何なんだよ……。あいつら強すぎだろ……。」

 

「なんだあの技はっ!?見たことがない戦技を持っているのか……」

 

セレナは神軍師の奥義である『華炎』を放ち盗賊を吹っ飛ばした。その様子をディミトリは驚愕した表情で見ていた。

 

「セレナもあんな技を隠し持っていたのか……。」

 

「そういうベレトもやるじゃない!」

 

「ふっ、我等闇の同胞の力があればこの程度苦でない!」

 

「まだまだ行くわよーーーっ!」

 

あっという間に盗賊の先陣を壊滅させたウード、シンシア、セレナの三人を見て、クロード達三人は感心していた。

 

「凄いわね。あの三人……。」

 

「やれやれ、いくら何でも強すぎだろ……。」

 

「王国の近衛兵でも勝てないかもしれないな……。」

 

「盗賊の大多数はあいつらに任せて俺達は親玉のところに向かおう!」

 

ベレトはクロード達を連れて盗賊の親玉のところへと向かっていった。遅れてジェラルドが盗賊の親玉のところに向かっていった。ここでアズールとノワールが合流して五人は盗賊団の大半を相手に戦った。

 

 

 

「くそが……。『壊刃』に『灰色の悪魔』に加えて化け物じみた五人がいるだと!?こんな連中に付き合っていたら命がいくつあっても物足りねぇ……!」

 

「親分っ!セイロス騎士団の連中が近づいていますぜっ!」

 

「ぐっ……この上セイロス騎士団まで相手にしてられるかってのっ!てめぇら退却だ!退却しろーーーっ!」

 

盗賊団の親分 コスタスの命で盗賊たちは散り散りになって逃げていった。

 

「おっと、盗賊たちが逃げていくな。」

 

「た、多分あれが来ているからだと思う……」

 

「セイロス騎士団、ただ今参った!生徒を脅かす盗賊ども、覚悟せええ……い?おい、盗賊が逃げていくではないか!貴殿らは後を追うのだ!」

 

遅れてやってきた男が部下に命じると部下は盗賊を追っていった。

 

「さて、級長たちも無事のようだな。……と、そちらは……?」

 

「おっと……面倒な奴が来ちまった……。」

 

セイロス騎士団がやってきたことでひと段落したので、ウード達はブレディと合流してジェラルドの元に向かった。




オリキャラの募集をしております!活躍させるかどうかは別として……本編に登場させる予定です!

セレナはティアモとルフレの訓練を受けたことで『華炎』を傭兵の状態で放てるようになっております。

因みにシンシアのテンションを三人組の知り合いに分けてほしいという対象はというと……
エーデルガルト……ベルナデッタ 
ディミトリ……フェリクス 
クロード……マリアンヌ
です。

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