ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達   作:カオスキマイラ

3 / 14
序章 ガルグ=マク大修道院

盗賊たちを撃退したウード達はジェラルドの元に向かった。

 

そこではジェラルドとセイロス騎士団の人間が話し合っていた。

 

「やはり、ジェラルト団長ではないですか!うおおお!! お久しぶりですなあ!!私のこと、覚えておられますか!?自称“あなたの右腕”、アロイスですぞ!!団長が突然いなくなってから20年、ずっと生きていると信じておりました!」

 

「相変わらずうるせえ奴だな、アロイス……。シンシアの嬢ちゃん並みに元気あるやつだぜ……。」

 

ジェラルドは久しぶりに会った知り合いが相変わらず元気一杯なことに呆れていた。

 

「あの人はアロイスさんというのか……。それにしてもうちの団長は嫌そうな顔をしているな……。」

 

「確かに……。それにあの人の元気な様子……。シンシアに似ているわね………。」

 

「えーーーっ!あたしはもっと元気一杯だよ~!」

 

「んなとこで張り合わなくていいんだよ。」

 

アロイスとジェラルト親子の会話をウード達は眺めていると、エーデルガルト達が声をかけてきた。

 

「さっきはありがとう、あなた達。おかげで助かったわっ!」

 

「気にしなくていいよ~!ヒーローとして困っている人に手を貸すのは当然だからねっ!」

 

「わ、私たちは居合わせただけだから……気にしないで……。」

 

「そういうなよ。……それにしてもあんたら腕がたつよな。」

 

クロード達はウード達の強さに興味を惹かれたらしく気さくに話しかけてきた。

 

「そうだっ!みんな自己紹介しない?どう呼んだらいいか分からないでしょ?」

 

「それもそうね。……それじゃあ、あたし達から名乗るわよ。」

 

「そうしてもらえるとありがたい。シンシアとはここに来る途中で自己紹介はしたな。」

 

「そうか、それじゃあ俺から名乗らせてもらうぜ、俺はブレディだ。」

 

「あたしはセレナよ。」

 

「は、初めましてノ……ノワールです。」

 

「俺は…異なる空間より来たる、選ばれし希望の戦士…ウードだ!」

 

「僕はアズールだよ。」

 

シンシア以外の5人が名乗ると三人が名乗りだした。

 

「それじゃあ、私から名乗らせてもらうわね。私はエーデルガルト=フォン=フレスブルグ。アドラステア帝国の皇女であり、第一位の皇位継承者よ。」

 

「ファーガス神聖王国第一王子、ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダッドだ。」

 

「クロード=フォン=リーガンだ。実家はレスター諸侯同盟の盟主だが、そんなことは気にしなくていいさ」

 

三人が自分の身分を明かすとウード達は目の前の三人が偉い人だと知って少し驚いた。

 

「あれっ!?三人とも皇女様や王子様、そして盟主の一族って凄い家柄だっただね~」

 

「その様子だと俺のレスター諸侯同盟やエーデルガルトのアドラステア帝国、ディミトリのファーガス神聖王国に関しても知らなさそうだな……。」

 

「我等は異なる空間より……」

 

「普通に喋れや」

 

「俺達はフォドラ大陸の外から来たからここに関してあまり知らねぇんだ。」

 

「ほう……フォドラの外から来たのか……。どこから来たんだ?」

 

「クロード……。あまり詮索するな……。」

 

クロードが興味を持って問いかけるとディミトリが注意した。

 

「あ~……。まあ言ってもいいか。俺たち六人はイーリス聖王国から来たんだ。」

 

「イーリス聖王国……?聞いたことがないわね。」

 

「因みにウードとシンシアの二人はイーリス聖王国の王族になるな。」

 

「ウードは現国王の甥で、シンシアは第二王女になるわね。」

 

「ほう。あの二人が……?」

 

「やれやれ……俺が知らない場所からの人間か……。」

 

「…そう。確かに俺たちは英雄の血を継いだ選ばれし者なのだ…」

 

「他の王族だからって警戒しないでいいよ~。それに今は傭兵だからさ~。」

 

「というか、僕も二人が王族であること忘れてたしね」

 

「どうやら色々と事情がありそうね。」

 

「確かにな……イーリス大陸か……。興味深い話だ。」

 

そんなこんなで談笑しているとベレトが此方にやってきた。

 

「……みんな大丈夫だったか?」

 

「あっ、ベレトさん!」

 

「あなたもさっきはありがとう、助かったわ。それにしても腕が立つのね。貴方は傭兵なのよね?しかも貴方の父は……セイロス騎士団の元団長、歴代最強の騎士と謳われる“壊刃”ジェラルト……。」

 

「元団長とは知らなかった」

 

「そんなことがあるの?此方も何か言えない事情がありそうね……。」

 

ベレトと三人が話し出してしばらくするとジェラルトがやってきて出発することになった。途中で三人から熱烈な勧誘(特にベレトに対して)があったりしたが、ジェラルト傭兵団は結局セイロス騎士団の本拠地であるガルグ=マク大修道院に向かうことになった。

 

 

ガルグ=マク大修道院に到着するとエーデルガルト達、士官学院の生徒とは別れてウード達教団所属の傭兵用の兵舎で待機をしていた。ジェラルトとベレトはアロイスの案内で施設に入っていった。

 

「それにしても凄い人達だったな……。」

 

「確かにフォドラ大陸の三人の跡取りと出会ったからね。」

 

「アズールはエーデルガルトにナンパして断られていたけどね……。」

 

「そ、それを言うなら王族もここにいるじゃない。」

 

「あたし達の中なんだから王族として扱わないでよ~!」

 

「今更王族として扱われると調子狂うぞ……。」

 

手持ち無沙汰になった六人はエーデルガルト達との出会いを含めて色々と話し合っていた。しばらく話し合っているとジェラルトが此方にやってきた。

 

「よう、探したぞお前等ここにいたか」

 

「あっ、団長!」

 

「あれっ!?ベレトがいませんね。」

 

「それを含めて説明するが、まずは俺はセイロス騎士団に戻ることになった……。ってそこまで驚いてねぇな……。」

 

「アロイスさんの様子を見る限りだとそうなるだろうなと思ってましたよ。」

 

「……まあ、あいつらの様子を見れば分かることだよな……。」

 

「それで傭兵団はどうなるんですか~?」

 

シンシアがジェラルト傭兵団はどうなるのかを聞いた。

 

「それに関してはセイロス教の傭兵団として働くことになる。」

 

「つまり、セイロス教と契約したということですね。」

 

「ノワールの嬢ちゃんの言う通り、セイロス教の傘下に入るということだ。」

 

「成程。……ジェラルトさん。ベレトはどうしたんですか?」

 

ジェラルト傭兵団の扱いに関して了解した六人だったが、ここでウードがベレトがこの場にいないことに気が付いた。

 

「あいつなら士官学院で教師を行うことになった。実はあの盗賊騒動の時に一名教師が逃げたらしくな。その代わりだとよ……。」

 

「あれ~?教育者になるには普通は試験とかあるんじゃないですか~?」

 

「確かに普通はそういった試験が存在する。だが、アロイスの奴がレア様に推薦したらしくな……。レア様もレア様で随分と乗り気だしな……。」

 

「あのジェラルトさん……。レア様って誰なんですか?」

 

「セイロス教の大司教だ。まあ……教団のトップと考えてくれりゃあいい。」

 

「……もしかして、そのレア様の鶴の一声でベレトの教師就任が決まったのですか?」

 

色々と察したアズールの言葉にジェラルトは頷いていた。

 

「今頃あいつは自分が担当することになる学級を巡っているはずだ。……ところでお前等六人を見込んで頼みがある。」

 

「ふっ……我が同胞の頼みならば……聞き入れよう……」

 

「まだ何も言っていねぇが……。まあいい、頼みってのはお前等六人もベレトの生徒として士官学院に入学してほしい。」

 

士官学院に入学してほしいというジェラルトの頼みにウード達は驚いていた。

 

「いきなりですね。」

 

「自分で言うのもなんだけど……フォドラの外から来た人間だけど大丈夫なの……?」

 

「レア様に聞いてみたら、お前等の実力もアロイスの奴から聞かされていたらしく問題ないとのことだ。素性に関しては……まあ、何とかなるだろ……」

 

ウード達六人はジェラルトの頼みに了承の姿勢を見せていたが、ブレディが問いかけた。

 

「それに関しては構わねぇけどよ……なんか理由でもあんのか?」

 

「……正直な話をするとあいつを教師にする意図が分からん……。何か意図がありそうだからな……。」

 

「確かに見ず知らずの人間を教師に採用するのはおかしいわね……。」

 

「もう~。ジェラルトさん!一言でベレトが心配だからって言ってくれればいいのに~!」

 

「まっ、断る理由が俺達にはないから構わねぇぜ!」

 

「ふっ……。我等選ばれし闇の戦士たちに任せておくがいい……!」

 

「そうかい?そんなら任せたぜ!」

 

ジェラルトはウード達に頼みごとをすると修道院に戻っていった。入れ替わりとなってアロイスがウード達に近づいてきた。

 

「探していたぞっ!貴殿らここにおったか!」

 

「は、はい!」

 

「アロイスさん、何か御用ですか?」

 

「うむっ、レア様とセテス殿が君たちと会いたいと言っておられるからな。探しに来たのだ!」

 

「アロイスさん……セテス殿って……誰なんですか?」

 

「大司教レア様の補佐をしてらっしゃる方だウード殿。」

 

「分かったわ。直ぐにいきましょ!」

 

六人はアロイスについて大司教の待つ謁見の間に向かった。

 

 

「レア様、セテス殿!ジェラルト傭兵団所属の六人を連れてまいりました。」

 

「ご苦労様ですアロイス。……さて、あなた方がジェラルトが言っていたフォドラの外から来た六人ですね。」

 

大司教に直接会うことになり、緊張していたウード達であったがレアの威厳と母性のある声で緊張が解けた様子で返答した。

 

「は…はい!」

 

「ようこそガルグ=マク大修道院へ。私はセイロス教の大司教を務めているレアです。」

 

「私は大司教の補佐をしているセテスだ。」

 

セイロス教の大司教とその補佐が名乗ったので、六人はそれぞれ名乗りだした。

 

「は……初めましてイーリス聖王国より参りましたウードと申します。」

 

「同じくイーリス聖王国より参りましたアズールです。」

 

「同じくブレディです。」

 

「初めまして!イーリス聖王国から来たシンシアです!」

 

「同じくセレナです。」

 

「同じくノワールです。」

 

六人はイーリス聖王国から来たことを隠さずにレアとセテスに伝えた。

 

「成程、イーリス聖王国というフォドラの外にある王国出身なのですね。」

 

「は、はい!」

 

「澄みきった目をしています。嘘をついていないでしょう……。」

 

「レア……。後のことは……。」

 

「分かっていますセテス。ジェラルトの推薦で士官学院に入学するあなた方ですが、手続きを行う必要があります。後のことはセテスに従ってください。」

 

「「「はい!」」」

 

「それでは、君たち六人は私の執務室に来てもらおう。」

 

大司教レアと面会した六人はセテスの執務室に移動した。

 

「さあ、そこに座りたまえ……。正直な話をするとイーリス聖王国という名前を私は聞いたことがない。」

 

「そうですね。フォドラ大陸からかなり離れた場所に存在していますから……。」

 

「大司教の決定だから君たち六人が士官学院に入学するのは決まっている……だが、私からの質問にいくつか答えてもらう。」

 

「話せる限りでしたらお答えします。」

 

真面目に会話をするウードの了承の言葉を受けたセテスは椅子に座り書類とペンを取り出してから問いかけてきた。

 

「まずは君たちの身分などから聞かせてもらいたい。イーリス聖王国から来たことは分かったが、王国である以上身分はあるだろう?」

 

「は、はい!」

 

「よろしい、では六人それぞれの身分を聞かせてくれ。」

 

「了解いたしました。」

 

「まず、イーリス聖王国は王族、貴族、平民の3つの階級で分かれています。」

 

「……其処等はファーガス神聖王国と変わらないようだな。」

 

「そ、そうですね。因みにイーリス聖王国の王族は自警団を作ったりと平民とも積極的に交流します。」

 

「……成程。」

 

「そして俺は現国王であるクロム王の甥です。そちらのシンシアはクロム王の娘で俺の従姉です。」

 

「むっ?王族が傭兵をしているのか……!?」

 

「其処等に関してはフォドラとの文化の差です。一度では説明しきれませんので……」

 

「……まあいい。ウードとシンシア以外の四人は平民なのか?」

 

セレナの一度では説明できないという回答に少し難色を示したが、セテスは続きを促した。

 

「いえ、俺の母はイーリス聖王国の辺境伯の娘です。」

 

「成程な。ウードとシンシア二名は王族で、ブレディが貴族……。残りの三名は平民ということか……。」

 

「はい!」

 

「……宜しい。君たちの故郷と異なり、フォドラは身分をはっきりとする必要があるからね。」

 

「それに関しては、郷に入っては郷に従えですよ!」

 

セテスはウード達を警戒している様子を見せながらも次の質問をしてきた。

 

「君たちはどのようにしてフォドラにやってきた?」

 

「どのように……って言われましても歩いてやってきたとしかいませんが……」

 

「……ダグザの方から来たのか?」

 

「ダグザ……?」

 

「……ダグザを知らないのか……!?やはり怪しいな……。」

 

セテスは警戒していたが、答えられないものは答えられないため六人は返答できなかった。

 

「……では最後の質問だ。君たちはフォドラで何をしようとしている?」

 

「何って言われましても……見聞を広げるために六人で旅をしていますので……」

 

「明確な目的はないとしか言いようがないです……。」

 

「見聞を広げるため……か。」

 

「これ以上は言いようがないです!」

 

セテスは溜息をつきながら書類に何かを書き込んでいった。

 

「……私個人の見解では君たちは今のところ信用に値しない。だが、大司教の決定に私がどうすることはできない。」

 

「それは……まあ、仕方ないですよね。」

 

「……君たちに関してはまだまだ聞きたいことはたくさんあるが、生憎と私も忙しい身でね。今日のところはこれくらいにしておこう。」

 

「あ……ありがとうございます。」

 

「……私は大司教のレアを信じている。そのレアの決定に歯向かうつもりはないが、この大修道院で何か妙なことをしたら只では置かないことを頭に入れておくように……」

 

「「「………。」」」

 

「ちょっとなんであたしとウードを見てくるの!?」

 

「ものすごく侵害だぞ!」

 

「……あんた達、自覚ないの……?」

 

「物凄く心当たりはあるだろうがよ……。」

 

「そ、それに関してはアズールもだよね……。」

 

「えっ!?僕も!?」

 

セテスの言っていた妙な事をする該当者三人をジトーっとした目で見たブレディ、セレナ、ノワールの三人はセテスの警告に了承した。少し遅れてから該当者三名も了承した。当然セテスもその視線に気が付いており、三名をジト目で見ていた。

 

「……すでに三名が心配だが……。今日のところは下がりなさい。」

 

セテスに下がるように言われた六人はセテスの執務室から出るとそれを待っていたかのようにジェラルトが出迎えた。

 

「よう、どうやらセテスとの話は終わったみたいだな。」

 

「あれっ!?ジェラルトさん?」

 

「士官学院に入学するにあたって伝えることがあってな。お前等は生徒になるのだから一人一人の個室が用意されることになった。」

 

「えっ!?本当ですか!」

 

「ああ。色々な手続きがあるからいったん兵舎で待機していてくれ」

 

「了解しました!」

 

ジェラルドはそう伝えると去っていた。残った六人は一端兵舎に戻っていった。それからしばらくして、セイロス教の教団兵がやってきて六人を個室に案内した。案内された彼らは自分の荷物を置いてその日はゆっくりと休んだのであった。




次回はウード達の名簿を記載させていただきます。
次々回に関しては最初の一部分は三つの学級共通となっております。
順番ですが、青獅子→金鹿→黒鷲の順番にしていこうと思います。
オリキャラをまだ募集しております。

また誤字脱字に関してありましたら、お願いします。アドバイスなども随時大歓迎です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。