ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達 作:カオスキマイラ
白雲の章 青獅子の学級
翌日……。
与えられた部屋で起床した六人は兵舎にて集合を言い渡されていたため、兵舎でベレトが来るのを待っていた。しばらくしてベレトが六人分の制服をもって兵舎にやってきた。
「あっ!ベレト!」
「教師になるって聞いたわよ!」
「ああ、君たち六人も一緒に入学するとレア様から聞いた。」
「なら話は早いな。」
「むっ、貴様が手に持っているものは一体なんだ?」
「これは君たち六人の制服だ。さっさと着替えてくれ。これから教室に向かうからな。」
「わ、分かりました。」
ベレトから制服を受け取った六人が、男女に分かれて着替えを始めた。
「そういやベレトは教師になるのだったな。」
「そ、そうね。先生と呼ばないと……」
「いや……いつも通りで構わない……。」
「あんたがそれでよくても、俺達以外の連中が見たら面白くねぇだろ?」
「まあ、あたしたちを導いてくれるんだから最低限先生と呼ばないとね……」
「……君たちからそういわれると違和感があるな……。」
士官学院に入る都合上最低限のマナーを守ろうとする六人にベレトは難色を示した。
「ねえ、だったらさ!あたしたちやジェラルトさんだけがいる場所だけはいつも通りはどう?」
「悪くないと思うな……。教室やクラスメイトの中だけでは先生と呼ぶだけだからね。」
「ベレト……これならどう?」
「…………まあそれならばいいだろう。」
「よしっ!それで決まりだね!」
それから少しして制服に着替えた六人は待っていたベレトの前に来た。
「う~ん。いい服ね!気に入ったわっ!」
「ふっふっふ、ここから俺の新しい伝説が始まるのだ!友達何人できるかなーーっと!」
「ちょっとウード。浮かれすぎじゃない?」
「で、でも気持ちはわかるかも……。あんな体験をしているからなおさらね……。」
「……それをいわれると浮かれたくなるのもわかるな……」
「あんな体験……?まあいい。とりあえず俺が担当するクラスに移動するぞ。」
「はーーーいっ!」
兵舎を出た七人はベレトが担任となるクラスへと向かっていった。
「そういえば聞き忘れていたけど…ベレトはどこの担任になるの…?」
「え~っと、確かエーデルガルトのところが
「次にディミトリのところは
「そして最後にクロードのところは
「我等の聖地となる空間は何処に……」
「もったいぶってないで言ってよ~」
「もったいぶるつもりはないが……。俺が担当になったクラスは……」
急かすシンシアにベレトはゆっくりと担当するクラスを告げた。
「
◇◇◇◇◇◇
ウード達六人は
「えっ、新しい先生って、まさか……あわわ、あたし、友達みたいに話しかけちゃって……同い年くらいに見えたから、つい……!すみません、気をつけますっ!!」
「構わないよ。君たちのやりやすいようにしてくれ。」
「そ、そんなこと言われても……。」
「ええ、こちらの気が済みません。」
「先生が言うんだし、いいんじゃないですか?つーか、それを言ったらですよ、殿下……。そもそも、俺たちがあんたにこんな口を利いてるのだって、不敬もいいとこでしょ。」
「いや、ここは王国ではないんだし、それとこれとはまた別の話で……だがまあ、先生がそれでいいならありがたくその厚意に甘えるとしようか。」
ベレトは
「先生のほうはこれくらいにして……。俺としては後ろの六人も気になっているんですがね……。」
赤髪の青年であるシルヴァンがウード達に視線を向けると、クラスの注目はウード達六人に移った。
「……いきなり、六人増えたか……。どうやら隙がない奴がいるな……。」
「フェリクス。いきなり喧嘩売らないでよ……」
「……殿下、彼らはお知合いですか……。」
「ああ。この前の盗賊騒動の時に出会った六人だ。」
ディミトリが出会った経歴をクラス内に説明するとウード達は信用されたらしく、クラスの生徒の中から様々な感想が飛び交った。
「
「じゃあ!一番乗りはあたしね。初めましてシンシアよ!夢はみんなを守るヒーローになること!」
一番乗りでいつもハイテンションのシンシアが名乗った。みんなを守るヒーローになる夢を初っ端から言ったが、クラスの女子からは「かっこいい」、「素敵」といった声が聞こえてきた。
「ふふっ、凄く元気一杯な子ね。……誰かに元気を分けてほしいわね~。」
「メルセデスも同じことを思ったか……。」
「……おいっ、猪!喧嘩売っているのか?」
「こらっ、フェリクス!あなたと明言していないんだから怒らないの!」
「ちっ……。」
「はいはい。次の自己紹介に行くぞ。色々言いたいのは分かるが、全員の自己紹介が終わった後でな……。」
初っ端から天真爛漫なシンシアが自己紹介したおかげで、場が温まったので残りのメンバーが名乗りだした。
「次はあたしね、初めましてセレナよ。」
セレナは無難に自分の名前だけを名乗って終わらせた。変なことを言ってドン引きさせるよりは無難な方を選んだようだ。
「わ、私はノワールで……す。よろしくお願いします。」
緊張しながら自己紹介したノワールを
「初めましてアズールです。こんなに可愛い子が多いクラスに入れて僕は嬉しいな。」
アズールの自己紹介にクラスの一部の女子から歓声が上がった。その一方でイングリットは渋い顔をしていた。
「ブレディだ。よろしく頼むぜ」
強面のドゥドゥ―が
「俺の名は¨漆黒のウード¨……。異なる空間より来たれし選ばれし闇の戦士だ!」
最後のウードの個性溢れすぎる自己紹介にクラスの面々はしーんとしていた。
「……個性的な人ですね。」
「そ、そうですね。」
「……ねぇメーチェ?彼の言ったこと分かる?」
「う~~ん。ごめんなさいねアン。私にもさっぱりだわ~。」
「……非常に個性的な人間だが、腕は確かだ……。」
「……殿下の仰る通りでしょうが……少々理解に苦しみますね……。」
ウードの厨二溢れる自己紹介に引き気味であった
「さて……彼ら六人を加えてこの一年間指導していく。よろしく頼む。」
「「「はいっ!」」」
こうしてウード達は
「後で訓練場に来い。まずはお前の腕を見せてもらいたい。」
「構わないよ。」
「抜け駆けとは感心しないな、フェリクス。その試合、是非俺も交ぜてくれ。」
「……チッ。」
「舌打ちかよ……。」
一国の王族相手に平然と舌打ちするフェリクスにブレディは呆れていた。
「あ、あのっ! 後学のため、僕も見学させていただきたいんですが!」
「アッシュ。見るだけと言わず、お前も加わればいいだろう。」
「じゃあじゃあ、あたしも混ぜてよ~!」
「ふっ……この¨漆黒のウード¨の真の力を見せるときが来たか……」
「う~~ん。やっぱり、ウードって変な人だよね……。」
「あいつのアレは無視していいわよ。」
「……だから最近の俺に対する扱い悪くないかセレナ!?」
「あっ……普通に喋れるんだね……。」
「……アレしか喋れないと思ったわ。」
「ふふっ、彼らがやってきて賑やかになったわね~」
ウード達がやってきたことですっかりと賑やかになった様子をメルセデスは慈愛の眼差しで見ていた。
「なあ……親睦を深めるのに剣を交えるって、何か根本的に間違ってると思うんだけど?」
「……気持ちは分かるけど。あの空気を変えることできる?」
「……無理だな。」
「さてと、そろそろ授業を始めるぞ!全員席に着くように!」
授業を始めるというベレトの言葉を聞いた彼らはそれぞれ自分の席に座った。全員が着席したのを確認したベレトは授業を開始した。
◇◇◇◇◇◇
その日の授業が終了後、
「ディミトリ、案内を買って出てくれてありがとう。」
「礼は要らないさ。これから級友として切磋琢磨する中なんだこれくらいは当然さ。」
「殿下。もしよろしければ、セレナ、シンシア、ノワールの三人は私たちが案内します。」
「同じ女性同士で案内した方がいいと思うんですよ!」
「だからここは分けた方がいいと思うわ~。」
「……殿下。男だけですとどうしてもいけない場所があると思うのですが……。」
「そうだな……。シンシア達はそれでいいか?」
「問題ないよーー!」
「まあ、女性陣だけの方が気が楽ね。」
「も、問題ないと思います。」
「分かった。それではよろしく頼む。」
セレナ達女性陣はディミトリからの了承を得ると大聖堂方面へと向かっていった。
「さて、ではウード達は俺が案内しよう。」
「……俺も付き合おう。」
「僕も付き合いますよ!」
「よろしく三人とも!」
「ふっ……頼むぞ…。」
「まっ、男は男でいこうや。」
ウード達男性陣はディミトリに連れられて訓練場方面に向かっていった。
◇◇◇◇◇◇
それからしばらくしてイングリット達にガルグ=マク大修道院の施設を一通り案内されたセレナ達は食堂で夕食を一緒に取っていた。
「今日は案内してくれてありがとね。」
「結構いろんな施設があったんだねー!」
「これから楽しみになってきたわ」
「気にしなくていいよ三人とも!」
「ふふっ、私たちの案内でここまで感激してくれると嬉しいわね~」
「そうですね。……偶にはこういうのもいいかもしれないですね。」
イングリット達もセレナ達の案内で新鮮な気持ちになったらしく嬉しそうであった。
「そういえば、あなた達は何処から来たの?」
「あたし達はイーリス聖王国という国出身だよー!」
「……イーリス聖王国?聞いたことがないですね。」
「まあ、ここからかなり距離の離れた場所にある王国と考えてくれていいわ。」
「聖王国ってことはセイロス教とはまた別の神様がいるのかしら?」
「ええ。私たちの王国は神竜ナーガ様という女神様を信仰しているわ。」
「神竜ナーガ……もしかしてガルグ=マク大修道院のような場所はないのですか……?」
イーリス聖王国の文化に興味を持ったイングリット達は宗教面から問いかけてきた。
「こ、ここまでの施設はないわね。……でもナーガ様を祀るための聖なる山はあるわね……。」
「そんな山があるんだ……。」
「あたしの父さんがその山で儀式を行って聖王を継承したけど……。凄い場所だったよね……。」
「確かに……。次にみられるとしたらルキナが継承するときかしらね…。」
シンシアの父がイーリス聖王国の王であること聞いたイングリット達は驚いていた。
「えっ!?シンシアって王族なのっ!?」
「あれっ!?言ってなかったっけ?あたしの父さんはイーリス聖王国の聖王だよ!」
「お……王族の方だったんですね……。すみません、正直王族に見えませんでした。」
「別に気にしなくていいよ~!このフォドラ大陸では関係ないしね~。」
「そう~?だったら、普通に接しさせてもらうわね~。」
「あっ!因みにセレナのお母さんはイーリス聖王国の天馬騎士団団長で、お父さんはイーリス聖王国の最高軍師だよ!」
「……ってあたしの情報を勝手にさらすんじゃないわよっ!」
ついでとばかりにセレナの親の情報をばらしたシンシアにセレナが噛みついた。
「天馬騎士団団長ということは……セレナのお母さんはペガサスナイトってこと?」
「……まあ、シンシアが言っちゃったからもういいけど……。ええ、そうよ。あたしの母さんはペガサスナイトよ!」
「そ、それじゃあ主君に使える騎士ってことですよね!どんな方なんですか?」
「えっ!?ちょ……ちょっと落ち着いてよイングリット……。」
「な、なんかイングリットの喰いつきようが凄いわね……。」
「うふふ、イングリットは騎士に憧れているからね。本物の女騎士が気になって仕方ないのよ~。」
物凄い勢いでセレナに問いかけてきたイングリット様子を見てノワールが唖然としていると、メルセデスがこの状況を説明した。
「ねぇ、イングリット。その話はあとの方がゆっくり聞けるんじゃないかな?」
「はっ!す、すみません。」
「……別にいいわよ。でも、もう少し落ち着いてよね……。」
「話を戻すわね。さっきノワールが言っていたルキナって……誰なの?」
「ルキナはあたしの姉でイーリス聖王国の第一王女だよ!」
「物凄く強い人なんだけど。も、もしかしたら……ジェラルトさんより強いかもしれないわね。」
「あらあら、ジェラルトさんより強いのね~。シンシアのお姉さんは……。」
「そ、それって相当なんじゃない……。」
「あっ、言い忘れてたけどウードはあたしの従弟だよ。父さんの妹の息子だよ~。」
「「「………えーーーーーーー!?」」」
ウードの奇怪な行動を見ていた彼女たちは、ウードが王族であることに心底驚いていた。一緒に上げた声に食堂内にいた人たちが一時注目してしまったほどだ。
「ウード……って、王族だったの!?」
「し……知りませんでした。あのような行動をとっているのでとっても王族に見えませんでした。」
「びっくりしたわね~。まさか彼が王族だったなんで……。」
「ちょ……ちょっと。みんなに注目されているから声を抑えて……抑えて…。」
「あっ!確かに注目されちゃってるね。」
「コ……コホン。すこし声を抑えないといけませんね。」
周りの視線に気が付いたイングリット達は声を抑えだしたので、食堂にいた他の人々は何事もなかったかのように視線を外した。
「ふぅ、どうやらみんなの視線が元に戻ったみたいね~」
「まあ、ウードに関してはあの行動から王族に全く見えないからね。気持ちは分かるわ……。」
「それで……その。ウードは何故アレをやっているの?」
アネットは王族でありながらウードが何故あんな行動をとるか聞いた。
「あっ……そ、それは……。」
「………。」
「シンシア?」
「ど、どうしたんですか?」
ウードの行動の理由を聞いた途端に三人が黙ってしまったためイングリット達は心配してしまった。
「……ゴメン。それだけはあたしの口からは言えないわ。」
「あたしも同じね。何故ウードがアレをやっているのかは知っているけど……。」
「言えないというより、言いたくないといった方が早いと思って……。」
「……何か事情があるのね。」
「そ、それならノワールのお母さんはどうなの?」
気まずい空気になったためノワールの両親の話にアネットは話題を変えた。
「ノワールの母さんか……。ねぇ、正直に言っていい?ノワール……。」
「……別に構わないわ。娘の私から見てもそう見えるし……。」
「えっと、無理して言わなくていいですよ。」
「……無理してないから大丈夫よ。……ちょっと変わっているんだ母さんは。」
「えっ?変わり者のお母さまってことなのかしら~?」
「簡単に言うと呪術師ね。結婚前はあたしの父さんに付きまとっていたと聞いているわ。」
「ず、随分変わった方なんですね……。」
ノワールの母 サーリャの少し変わった行動を聞いてイングリット達は少し引いた。
「そ……そうだ!アズールとブレディはどうなの?」
「アズールのお母さんは旅する踊り子よ。物凄い踊り手だったわね。」
「そのような方がいらっしゃるのですね。」
「でも、オリヴィエさんってとても恥ずかしがり屋さんなんだよ!」
「そうなのね~。アズールには似てなさそうね~」
「……そうでもないだけどね。」
イングリット達はアズールとオリヴィエが似ていないと評したが、ノワールはボソッと否定していた。
「ブレディのお母様はどうなの~?」
「ああ、マリアベルさんね。あの人は正しく貴族のお嬢様って人だよ!」
「で、でも頻繁に言葉遣いが荒くなったわね。」
「それってどんな風になるのですか?」
「う~ん、返答に困っちゃうな~」
「な、なんて説明したらいいのか分からないのよね。」
「そんなに荒くなるんですか……。」
「う~ん、やっぱり本人に聞いた方が手っ取り早いんじゃないかな?」
「それは……そうですね。」
「じゃあ~。今度本人たちに聞いてみるわね~。」
「それじゃあ……次は……」
それからどんどん話が盛り上がってしまい、結局話が終わったのは食堂の閉鎖を知らせるチャイムが鳴った時であった。彼女たちは少し残念に思いながらも食堂を後にしてそれぞれの部屋に戻っていった。
因みに男子勢はというと、一通り案内を終えた後は訓練場にて手合わせを行うことで交流を深めていた。途中ウードが大きなくしゃみをしてしまうことがあったが、男は男で仲良くなれたようであった。
ナーガを祀る聖なる山はFE覚醒の『虹の降る山』のことです。
また何故ウードが厨二病になったかに関しては、FE覚醒のDLC『絶望の未来2』のグレゴとの親子会話などで一部判明します。
因みに子世代の単純な戦闘力に関しては、ルキナとジェロームが強いようです。この作品においては、ルキナはジェラルト以上に強い設定になっています。
オリジナルキャラなどを募集しております。是非ともお願いいたします。