ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達   作:カオスキマイラ

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白雲の章 数日後の青獅子の学級

ウード達が青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)に編入してから数日が経過した。

 

彼らはすっかりと青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)に溶け込んで、仲良くベレトの容赦ない授業を受けたり、親睦を深めるために手合わせを行ったりと学生生活を満喫していた。

 

そんなある日、ウード達とベレトはジェラルトに呼び出されて傭兵団の方に向かったため青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の面々は教室でウード達のことを話していた。

 

「さて……ウード達が編入してから数日が経つが……みんなすっかりと仲良くなったな。」

 

「そうですね殿下。俺はアズールとのナンパ対決は面白いのなんので、満喫させてもらってますよ。」

 

「……その尻拭いを私がやっているのは何故かしらねシルヴァン……。」

 

「うおっ!?……イングリット……悪かったって……。」

 

「……そういえば殿下。アズールのナンパに関してウード達は何もしていませんね。」

 

「確かにまたかといった風に呆れているだけでしたね。」

 

「それに関してはノワールに聞いたんだけど……注意しても止めないから放置しているんだって。」

 

「それで問題が起きても知らんぷりしているみたいね~」

 

「成程……自己責任ということですか。……私もそうした方がいいかもしれませんね。」

 

「あ……あの~イングリット……?」

 

アズールのナンパ癖にウード達が放置している話を聞いてイングリットも自分も参考にしようとしていた。いつもと様子の違うイングリットに流石のシルヴァンも戸惑いを見せた。

 

「アズールに関してはこれくらいにしておいて……ウードはどうだ?俺としては面白い奴だと思うが……」

 

「……ウードに関しましては、あの言動がなければいい人ですね。」

 

「そうですね。彼は困っている人は放っておけないらしく行商人のアンナさんを手伝ってましたよ。」

 

「……意外にもドゥドゥーとアッシュが仲良くしている様子を目撃したな。」

 

「おっ!それは本当かフェリクス!」

 

「別に大したことしてませんよ。彼は料理が上手いので一緒に研究していたんです。」

 

「それは意外ですね。」

 

「……俺の知らない調理方法や味付け方を知っていました。あれは長年研究していた証と思われます……。」

 

「人は見かけによらないとは言うものね~」

 

何時も奇抜は言動をしているウードが実は料理上手な一面があると知った青獅子の面々は人は見かけによらないと思っていた。

 

「ウードに関してもこれくらいでいいだろう。ではブレディはどうだ?」

 

「……あの見た目で運動音痴だとは思わんかった。……まさか剣もまともに握れんとはな……。」

 

「でも、メルセデス並みに回復魔法が上手だよね。」

 

「確かにお陰でいちいちメルセデスを呼ばなくても男子だけで手合わせを行えるようになったな。」

 

「後は攻撃魔法も使えてましたよ!ボルガノンをあっさりと放ったから相当魔法に関しては強いみたいです。」

 

「後は彼は貴族の嗜みを一通り身に着けていましたね。彼が淹れる紅茶はとても美味しかったです!」

 

「俺とアズールがお茶に誘った時は無視するのにブレディの時は受けるのかよ……。」

 

「シルヴァンと違ってお裾分けしたいだけだというのが伝わったからだろうな。あの紅茶は俺も飲んだがあんな美味しい紅茶があるとは知らなかったな。」

 

「殿下の仰る通りですね。誠意のないシルヴァンとアズールの声掛けより彼の方が好感が持てました。」

 

「イングリット……お前さあ、ほんっと俺に対して手厳しいよなあ……。」

 

ブレディも見た目と違って貴族の嗜みを一通りマスターしているところが評価されていた。

 

「それじゃあ次はセレナですね!」

 

「この前フェリクスをボコボコにしてたよな。声かけたけど無視されたわ……。」

 

「ちっ……。」

 

「それにしてもあのフェリクスをボコボコにするなんて相当な腕前よね~」

 

「ああ。もしかしたらカトリーヌ殿並みに強いかもしれないな。」

 

「私はセレナとは仲良くなったのですが、彼女のご両親はとてつもない天才だったそうです。」

 

「……確か天馬騎士団の団長の母と聖王の軍師の異名を持つ父を持つと聞きました。」

 

「そんなに立派な両親がいると娘に対する期待も相当だっただろうな……。」

 

「はいっ!努力であそこまで強くなったと言っているので相当な努力家ですね!」

 

セレナは偉大な両親を持つ努力家としてディミトリ達からは認められていた。

 

「ノワールはどうだ?」

 

「凄い腕前ですよ殿下!以前彼女の訓練を見たことがありますが……百発百中でしたよ。」

 

「お茶に誘ってみたら分かったんですが、意外とお菓子作りが上手ですよ。」

 

「少しばかり気弱ですけど、いい人ですよ!」

 

「……そういえば、シンシアが言っていたんですが、ノワールは怒ると怖いそうです!」

 

「それは意外だな。」

 

「でもあまり怒らない人が怒った時、怖くなるのはよくあるわよね~」

 

「……まあ兎に角怒らせないようにすればいいだろう。特にシルヴァン……頼んだぞ……」

 

「ちょ……なんで俺だけなんですか!?」

 

ノワールは気弱であるが弓術の腕前が凄いことが話題になっていた。そしてシンシアが言っていた怒ると怖いということに関しても話題に上がった。

 

「最後はシンシアだな。」

 

「イングリットとアッシュが良く話しているのを見るわね~」

 

「はいっ!ヒーローになることが夢というので、ちょっと話してみたら意気投合しました!」

 

「彼女もイーリス聖王国の騎士物語を紹介してくれたりと積極的に交流してくれますよ。」

 

「アズールがナンパに失敗して落ち込んでいたら励ましていたな。」

 

「話してみると底なしに明るい人ですよ!」

 

「彼女も困っている人は放っておけない人柄みたいね~」

 

「……太陽みたいな人だな。彼女の姉はジェラルト殿以上に強いと聞く。……イーリス聖王国か。興味深いな……」

 

「……そうですね。」

 

シンシアは騎士に憧れるイングリットとアッシュと仲良くなったらしく、教室ではイーリス聖王国の話題が飛び交っていた。

 

「さて……彼らに関してはこれくらいでいいだろう。」

 

「それにしても、彼らは強いですよね。」

 

「ああ、アズールはアズールでこの前黒鷲のカスパルに圧勝しているところをみたな。」

 

「ウードはウードで、剣術も理学も両方優れていましたよ。」

 

「ブレディも私よりもいろいろな回復魔法を知っていたわね~」

 

「……セレナは金鹿のレオニーを瞬殺しているところを見ましたな。」

 

「私もそれなりに槍術の腕前に自信があったのですが、シンシアには歯が立ちませんでした。」

 

「僕も、ノワールの弓術にはまだ追いつけそうにないです。」

 

「……来月の摸擬戦に奴らが参加したらすぐに終わりそうだな。」

 

「そうだな。ただ先生は今月末の摸擬戦には戦闘力が高すぎるからという理由で不参加させるらしい。」

 

「まっ、フェリクスをボコボコにするアズールやセレナが参加していたら楽勝ですものね。」

 

「……俺達も精進する必要がありそうですね。」

 

「そうだな。」

 

そんなこんなで話し合っていたら、ベレトたちが教室に入ってきたので全員着席してベレトの授業を受ける体制になった。ベレトは青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の仲が深まっていることに気が付いたが特に追求せずに授業を開始した。

 

◇◇◇◇◇◇

 

その日の授業が終了した後ハンネマンにウード達が呼び出されて、彼らはハンネマンの研究室に向かった。

 

「やあ、来てくれて済まないな六人共。ベレト君の紋章の研究に夢中になっていて君たちの紋章を確認するのを忘れてしまっておったのだよ。」

 

「それは構いませんが……。」

 

「何を使って紋章を調べるのですか?」

 

「うむ、この装置を使って君達に紋章の力があるかを確かめさせてくれ。」

 

「そ……そういえば、紋章ってそもそも何なんですか?」

 

紋章を調べようとするハンネマンにノワールが紋章とは何かを聞いた。

 

「なに、紋章を知らない?そうかフォドラの外から来たと言っていたな……少し長くなるが、我輩が説明するとしよう。さて、まずは紋章とは何か、であるな。……紋章とは、力だ。遙か昔、女神より人に授けられたと言われ、人の体に宿り、血によって受け継がれる。紋章を宿した者は、魔道に優れたり、強靭な肉体を有したり、等々……それぞれの紋章に対応した、人智を超える力を持つのだ。」

 

「人智を超える力……か。」

 

「その反応だと何か心当たりがあるようだな。」

 

「あー、そうだな。」

 

「ふむ。その反応は気になるが……。まあよい、さてと吾輩の装置に一人ずつ手を乗せて行ってくれたまえ!」

 

「……因みに拒否権はありますか?」

 

「それに関してはないと言っておこうか…。まあ、セテス君の様に例外中の例外はいるが吾輩の研究室にいる以上拒否権はないと思ってくれたまえ!」

 

有無を言わさぬ雰囲気であったため、渋っているセレナは溜息をつきながら承諾した。全員が承諾したのを見たハンネマンは一人一人確認していったが、アズール、ブレディ、ノワールの三名からは紋章は発見されなかった。

 

「さて、残るは君達であるが……」

 

「ふっ……¨漆黒のウード¨の出番のようだな。」

 

ウードカッコつけながらが装置に手をかざした。すると……

 

「こ、これは……!?見たことのない文様……間違いなく大紋章!まさか、フォドラの外にも紋章があったとは……この世にまだ我輩の知らぬ紋章が存在したとは……!格別の刺激だ!」

 

「ふっ……我が聖痕か……くっ……血が騒ぐ……っ!!」

 

「あー……やっぱりウードはそいつが出てくるか……」

 

「むっ?君たちはこの紋章を知っておるのか?」

 

「よく知っていますけど……全員の確認してからでいいですか?」

 

「ふむっ……構わないが……それではシンシア君も頼むぞ!」

 

「はーい!」

 

元気よく飛び出したシンシアがハンネマンの装置に手をかざした。

 

「先程に比べれば小さいがウード君のものと同じものだな。」

 

「うわー!あたしにもこれがあったんだーー!ルキナだけじゃなかったんだね!」

 

「……何やら大喜びしているが……事情があるのだな。」

 

自分も聖痕があったことを知ったシンシアは大はしゃぎしていた。その様子をハンネマンは生暖かい目で見ていた。

 

「最後は渋っていたセレナ君か。それでは装置に手をかざしてくれたまえ!」

 

「……シンシアが出てきたってことは……。はぁっ仕方ないわね……。」

 

セレナは渋々ハンネマンの装置に手をかざした。するとハンネマンからすると謎の紋章が、六人からすると見覚えのある紋様が出てきた。

 

「こ……この紋様は!?先程の紋章と同じく見たことのない形だ!……やはり、フォドラの外は興味深くなってきた。吾輩の人生の目標が一つ増えたよ!」

 

「あ……あの紋章って……。」

 

「シンシアに出てきたから……まさかとは思ったが……。」

 

「セレナ……。」

 

大喜びするハンネマンと対照的にウード達は空気が重くなっていった。その様子を見たハンネマンが問いかけてきた。

 

「……その様子から察するに色々な事情があるのだな?」

 

「はい。」

 

「すみません……。ハンネマン先生、両方とも僕たちは知っています。」

 

「でも、説明に関してはウードとシンシアの紋章からにしてくれや」

 

ウード達の真剣な表情を見たハンネマンは承諾した。

 

「まず……ウードとシンシアにでた紋章ですが……」

 

「俺達の国では聖痕と呼ばれているものです。」

 

「イーリス王家の人間に代々伝わっていくという聖王の一族である証です。」

 

「イーリス聖王国の話はベレト君やセテス君から聞いているが……大変興味深いな……。」

 

ハンネマンはウード達が話す聖痕の話を大変興味深く聞いていた。

 

「もしかして……シンシア君が先程喜んでいたのは……。」

 

「こいつの姉のルキナには聖痕があるが、シンシアにはなかった。多分姉との繋がりを確認出来て喜んだだろうな……。」

 

「ルキナやウードには聖痕があったけど、あたしにはなかったからちょっと気になっていたんだ~。でも今日ハンネマン先生のお陰であたしとルキナの絆を確認できたから喜んじゃったんだ!」

 

「吾輩の研究がシンシア君のコンプレックスを救ったというなら研究者として喜ばしいことはないな。」

 

シンシアが喜んだことに感激したハンネマンは複雑な顔をしているセレナに声をかけた。

 

「……さてと、セレナ君。いいかね?」

 

「……ええ、問題ないわ。」

 

「君はこの紋章を知っているのかね?」

 

「セレナ……。」

 

「……大丈夫よ。その紋章はね……。一言で言うとあたしの父さん由来の紋章よ。」

 

複雑な表情を崩さないセレナにウード達は心配したが、セレナは表情を変えずに答えた。

 

「君の父親由来の紋章か……。何か事情があるのだね?」

 

「まあ……俺達も無関係じゃねぇし、俺らの説明に参加させてもらおうか。」

 

「そうだね。」

 

事情を聴いてきたハンネマンにブレディとアズールが説明に参加すると宣言して、程なくしてウード達全員が説明に参加した。

 

「その紋章は俺達のいた場所では邪痕と呼ばれているものです。」

 

「邪痕……?つまり、何やら禍々しいものだというのか……。」

 

「邪竜ギムレー……。大きさで言いますとこの修道院全部を覆ってしまうほどの大きさをもつ巨竜由来のものです。」

 

「そ、そんなに巨大な竜がいるというのかね!?」

 

「信じられないだろうが、実際そんな竜と俺達は死闘を繰り広げてきたんだ。」

 

「大いなる邪竜。世界をも滅ぼしてしまうほどの力を持つ邪神だからな。」

 

ハンネマンはギムレーの話に絶句していた。ガルグ=マク大修道院を覆ってしまうほどの大きさを持つ邪竜……。そんな相手と目の前にいる六人が死闘を繰り広げてきたというのだから無理もない話であった。

 

「……あたしとしては父さんとマークの繋がりを確認できたことが嬉しい反面。ギムレーとの繋がりもまだあることが怖い反面があるから複雑な気持ちになっているのよ……。」

 

「……すみません、私達全員のトラウマ的な存在なので……これ以上は話せそうにないです……。」

 

「……そうか。残念だが、無理して聞こうとは思っておらぬから安心してくれたまえ。」

 

ハンネマンは興味を持っていたが、トラウマを刺激すると言われてはこれ以上聞く気になれなかった。その言葉を聞いたウード達は機嫌が元に戻った。

 

「その代わりといっちゃあ何だが。俺の持っているイーリス聖王国の歴史書を貸出しするぜ。」

 

「そんなの持ってきていたんだ……。」

 

「え~!そんなよりあたしの騎士物語の方が面白いって!」

 

「いやあんたの物語は脚色されているでしょ!研究なんだから歴史書の方が良いに決まっているわよ!」

 

「ぶーーぶーー」

 

「ふむっ、確かにイーリス聖王国の歴史は興味深いな……。申し訳ないが、借りたとしても返すのに時間が掛かってしまうがよろしいかね?」

 

ハンネマンは紋章学の権威として色々調べる必要があるため返却まで時間がかかるとブレディに伝えた。

 

「ああ。構わないぜ、俺は3回読んだからな。」

 

「……って今持ってたんだね。」

 

ブレディは懐から分厚い歴史書を取り出すとハンネマンに手渡した。

 

「感謝しよう。むっ?これは上巻か……。」

 

「ああ、上中下の全3巻だが中以降はそれが読み終わってからの方がいいだろ?」

 

「……あんたそんな分厚い本持ってきてたんだ……。」

 

セレナは分厚い歴史書を持っていたブレディに呆れていたが、ハンネマンは歴史書の貸し出しについて了承した。

 

「……うむ。大変面白い時間であった。これは紋章学の新たな一面が見られるやもしれん。では、吾輩は研究をつづけるから戻ってくれて構わないぞ!」

 

「はい……失礼しました。」

 

「ふむっ、この紋章はベレト君の紋章と違って面白いな。聖痕か……。ブレディ君の貸出ししてくれた歴史書を早く読まなくてはな……。」

 

ウード達との会話が終了するとハンネマンは紋章の研究をしだした。その様子をみた彼らは邪魔しないようにそっと扉を閉めて宿舎に戻っていった。ただ、宿舎に戻る際セレナは無言であった。他の5人もそんな彼女を気遣って、お喋りをせずに歩いたのであった。

 

しかし、次の日には元気なセレナを見たことでウード達は安心するのだった。




絶望の未来で生と死の狭間で戦ってきたウード達はこの世界では上位の強さを誇っています。

因みにハンネマンは後で弟子のリンハルトにだけ聖痕と邪痕のことを教えております。そのせいもあって、しばらくリンハルトがセレナとシンシアに頻繁に話しかけていました。まあ、二人共リンハルトの追及をのらりくらりでかわしましたが。

支援会話などを考えましたが、青獅子の学級終了後に別枠で纏めさせていただきます。
現在考えている支援会話の相手は以下の通りです。それぞれ3名ずつ決めています。推薦ありましたらお願いします

ウード……ドロテア、ドゥドゥ―、アッシュ
アズール……シルヴァン、フェリクス、ヒルダ
ブレディ……フェルディナント、ディミトリ、ローレンツ
セレナ……カスパル、フェリクス、イングリット
シンシア……アッシュ、イングリット、フレン
ノワール……ベルナデッタ、アネット、リシテア

オリジナルキャラを募集しております。ぜひご協力をお願いいたします。
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