ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達   作:カオスキマイラ

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唐突に料理勝負だと話がおかしいと思ったので、変更しました。

アドバイスや改善点がありましたらお願いいたします。


白雲の章 二つの過去

ブレディの意味深長な言葉を聞いても青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の面々は彼に対する態度を変えなかった。アッシュがブレディの言葉の意味を考えれば成長できると説得したことが功を奏したようであった。

 

「やあ、おはよう!」

 

「早いなアズール……。」

 

「ブレディこそ早いね。」

 

「……まあな。先日の一件のことで悩んでいたんだ。」

 

「……覚悟、の話だよね。」

 

「……ああ。俺達はあの世界で生きて希望を繋げる為にどんなことでもやったよな……。」

 

「うん……。」

 

ある日早朝の教室でブレディとアズールが先日の覚悟に関することを話し合っていた。ギムレーを倒すために彼らは絶望と戦い抜いていたからだ。

 

「あの竜を倒す希望になる宝玉を探すために苦労したよね……。」

 

「ああ。倒れた仲間が屍兵になって、俺達を襲ってきたり……。」

 

「ギムレーの力を宿した連中を命からがら振り切ったりね。」

 

「あの時はマークの奴とレンハさんが助けに来てくれなかったら死んでいたかもしれなかったしな。」

 

絶望の未来で希望をつかみ取るために『白炎』を取り戻しに向かった時、大量の屍兵に囲まれて大変な目に彼らはあった。ルキナに頼まれてペガサスで助けに来たマークと偶々通りがかったレンハの二人が居なければウード達はこの世にいなかったかもしれなかった。

 

「あの吊り橋を渡り切ってイーリス城に辿りつくまで生きた心地がしなかったからね……。」

 

「まあ、マークの奴はイーリス城に先に戻っていて少し驚いちまったがな。」

 

「うん、マークが無事だったのは本当によかったよ。……父さんと母さんが亡くなって、もう誰も仲間を失いたくなかったからね……。」

 

「そうだったな……。」

 

ブレディとアズールが絶望の未来で苦労したことを思い出して神妙になりながら話しているとディミトリ達が入ってきた。

 

「ブレディとアズールか!早いな。」

 

「おはようディミトリ。」

 

「……何か話していたのか……?」

 

「……まあな。悪いが話すつもりはないぞ。」

 

「まっ、そう言われると気になってしょうがねぇがな。」

 

ブレディとアズールは先程まで話していたことを彼らには話さなかった。

 

「おっはよー!さあて、今日も頑張ろうねー!」

 

「はは、シンシアはいつでも元気だな。」

 

「……毎朝付き合ってるあたし達は嫌になるわ。」

 

「……シンシアって、朝起きるのは苦手だし意味不明な寝言言うものね……。」

 

相変わらずの元気の良さを見せるシンシアを起こしに行ったセレナとノワールは溜息をつきながら教室に入ってきた。そのあとも続々と青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の面々が教室に入ってきた。ブレディにも普通に挨拶をしており、昨日の一件を気にしている様子は見られなかった。そしてチャイムが鳴る直前にウードが入ってきた。

 

「遅かったわねウード……。」

 

「我が瞳が覚醒しせし時、血が騒ぎすぎていて……抑えるのに時を擁してしまった。」

 

「単純に遅刻しそうになったんでしょ……。」

 

「御機嫌よう、あたくしの一限目を始めるわよ。」

 

厨二発言で言い訳しようとしたウードの発言をアネットがバッサリと切った。それと同時にマヌエラが一限目を始めるために教室に入ってきた。マヌエラの理学の時間になったため青獅子の一同は授業に集中しだした。

 

◇◇◇◇◇◇

 

その日の授業が終了後セレナは大広間でルフレから貰った戦術書を読んでいた。因みに書庫はトマシュとセテスが本の整理を行っているため本日は立ち入り禁止となっていたため大広間に向かったのだった。

 

「ふぅ……。いつまでも父さんから一本取れないのは良くないよね……。」

 

セレナは偶にルフレに戦術ゲームを挑んでいたが、まだ一回も勝てていなかった。ヴィオールの真似をして挑んでみたこともあったが、全て読まれていて駄目だったのだ。余りにも高すぎる壁であるのだが、負けず嫌いな彼女はルフレから彼が愛用している戦術書とルフレが書いた戦術書を貰って自習を行うようになっていた。

 

「あー!見つけたぞっセレナ!」

 

「……うるっさいわね。何の用よカスパル!」

 

自習を行っていると、カスパルが大声を上げてセレナの方に向かってきた。勉強をしていたセレナは当然のごとくカスパルに怒った。

 

「もうすぐ実戦だろ?体が疼いちまってな。だからバトルしようぜっ!」

 

「……はぁ、今あたしは勉強中なの。手合わせしたいなら他の人に頼みなさいよ!」

 

「なんだよ。手合わせするくらいいいじゃねぇかよ。」

 

「いやよ。あたしは父さんに勝つために今は勉強したいの!」

 

カスパルは手合わせを引き受けてくれないセレナが言った父親に反応した。

 

「おっ?お前は親父を超えるのが目標なのか?」

 

「ええ、あたしの父さんは最強の軍師。戦術ゲームで今まで一度も勝てたことないわ。」

 

「戦術ゲーム……ってなんだ?」

 

基本的に体を鍛えることに集中しているカスパルは戦術ゲームを知らなかった。

 

「簡単に言うと駒を使って摸擬戦争をするゲームよ。」

 

「へぇー。」

 

「……あんた興味なさそうね。」

 

「まあな。そういうものはリンハルトやヒューベルトにやらせた方がいいからよ。」

 

「……あんた少しはこういうのに興味持ちなさいよ……。」

 

戦術ゲームに全く興味をしめそうとしないカスパルを見てセレナは勘づいた。

 

「……あんた、もしかして小テストで赤点取ってんじゃないでしょうね?」

 

「うおっ!なんでそのこと知ってんだよ!」

 

「……本当に赤点取ってたのね……。」

 

「うぐっ……。べ、別にいいだろっ。卒業はできるんだからよ!」

 

「あんたは良くてもあんたの両親はなんていうかしらね。」

 

「そ、それは……。」

 

「分かったら、少しは勉強しなさいよ!」

 

カスパルはセレナに赤点を取ったことを指摘されて黙っていた。その様子を見たセレナは辺りを見回すとアズールが大広間に入ってきたのを発見した。

 

「……そんなに手合わせしたいんだったら、アズールに頼めば?」

 

「……ん?おっ、アズールいるじゃん。そんじゃあ、また今度バトルしてくれよ!」

 

アズールを発見したカスパルは一気に元気を取り戻してアズールの元へと向かっていった。

 

「ふぅ……やっと戻れるわね……。」

 

カスパルはアズールを連れて訓練場に行ったのを確認したセレナは戦術書の勉強に戻るのであった。

 

 

「……なるほどね。前にヴァルハルトさんとの戦いでやっていった策はこれを参考にしたのね……。」

 

カスパルが居なくなってからセレナは戦術書を読み更けていた。そんな彼女にイングリットが近づいてきた。

 

「セレナ……となりいいですか?」

 

「イングリット……ええ、いいわよ。」

 

イングリットに言われて大広間を見回すと生徒たちがチェスをしたりとたくさん集まっていた。セレナの隣に座ったイングリットは読書を始めた。セレナも戦術書に戻ろうとするとふとイングリットが読んでいる本のタイトルが目に入った。

 

「あれ……イングリット……あんたが読んでいるのって…『タリスの天馬騎士 シーダ』じゃない。」

 

「知っているのですか?……って、セレナはイーリス聖王国出身でしたね…。」

 

「もしかして……シンシアから借りたの?」

 

「はいっ!私のおすすめの騎士物語を貸したところ彼女がこれを貸してくれたんです。」

 

「確かにあの子……英雄物語を多く持っているもんね……。」

 

セレナはこの世界に来るときにシンシアが何十冊かの本を持ってきていたのを思い出した。何を持ってきたかを聞いたところ全て英雄物語であった。

 

「ええ。アッシュにも貸出ししていましたよ。……そういえば、セレナは読んだことあるのですか?」

 

「……幼いころにだけどね。あたしが幼いころは母さんと父さんは忙しくてね……妹のマークによく読み聞かせていたな……。」

 

「セレナに妹さんがいたんですね……。羨ましいです……。私は一人っ子なので……。どんな人なんですか?」

 

セレナに妹がいることを聞いたイングリットは心底羨ましそうにしていた。

 

「……どこまでも甘えん坊で……天真爛漫だけど……ちょっと何処か抜けたところがある妹ね。」

 

「……それはいい妹さんですね。私の場合は……シルヴァンやフェリクスの面倒ばかり見ていましたから……。」

 

「……何となくだけどシルヴァンの方がやらかしたことの重大さが目に浮かぶわね……。」

 

「全くです。王国の名将 グェンダル卿の息女を口説いて、激怒した彼に何故か私が頭を下げに言ったりしたことがありましたし……。」

 

「うわっ……シルヴァンって、幼馴染がいるからって調子に乗りすぎなんじゃ……。」

 

その後はセレナはシルヴァンのやらかしたことにドン引きしていた。

 

「ええ、彼の父君もあまり叱りませんでしたし……。そのしわ寄せが私に来てしまって……アズールはどうなんですか?彼もナンパをよくしていますよね?」

 

「……まあ、アズールもアズールで、人妻や王女を口説いて問題起こしていたわね。その後始末は父さんやマークス様がやっていて、特にマークス様からは頻繁に怒られていたわ……。」

 

セレナは暗夜王国時代にアズールがマークスによく叱られていたことを思い出していた。

 

「あの……セレナ。マークス様……ってどなたなのですか?」

 

「あっ!……ごめん。その話は今度にさせて……ちょっと複雑な話だから……。」

 

「は、はあ。……分かりました。」

 

セレナはアズールの愚痴でうっかりとマークスの名前を出してしまったことに気が付いて、慌てて今度に話すと言ってごまかした。イングリットの方は何か今は話したくない事情があると思って追及してこなかった。

 

「……そういえば、セレナが読んでいる本って何ですか?色々と書き込みもしているみたいですけど……」

 

「これ?これはあたしの父さんから貰った戦術書よ。」

 

「……ちょっと見てみてもいいですか?」

 

「ええ、構わないわよ。」

 

セレナはイングリットに自分の戦術書を渡した。受け取ったイングリットは戦術書を一通り見てみたが、非常に高度な戦術指南が乗っており自分では無理だと思って彼女に返却した。

 

「非常に高度な戦術書ですね。……私では無理ですね。」

 

「……まあ、至高の軍師である父さん直筆の戦術書だからね。あたしでも追いつくのがやっとよ……。」

 

「……セレナのお父様はルフレさんというのでしたね?どんなお方なのですか?」

 

フォドラ大陸では見ることが出来ないほどの高度な戦術書を直筆できるセレナの父にイングリットは興味を持って聞いた。

 

「……そうね。一言で言うと万能の天才ね。剣と魔法の両方を使いこなせる天才だったわ。あたしの剣も父さんから習ったからね……。」

 

「凄い方ですね……。」

 

「ただマークのようにどこか抜けたところはあったわね。料理の味を『鋼の味』にしてしまったりね……。」

 

「……どうやったら、そのような味になるのでしょうか……」

 

イングリットはセレナの語るルフレの人物像を興味深そうに聞いていた。

 

「……でも、あたしにはそんな父さんに一本取るという目標はあるけど人生の夢はないわ。その点あんたは騎士になるという夢があるんでしょ?」

 

「はい。私は幼い頃から王国に仕える騎士になるのが夢でしたから……。色々ありますが今でも諦めてません。」

 

「……夢があるのは羨ましいわね。あたしはもう誰かに仕えようとは思えないから……。」

 

「もしかして、マークスさんという方が関係していますか?」

 

「……まあ、ある意味関係しているわね。悪いけどそこに関しては今は話せないわ……。」

 

「セレナ……。」

 

寂しそうに呟くセレナに対して、イングリットは何も言えなかった。

 

「あっ、悪かったわね。こんな雰囲気にしてしまって……。」

 

「構いませんよ。私にも話したくないことだってありますから……」

 

「……そっか。さてと、話題を変えるわよ。」

 

「ええ、分かりました。」

 

湿っぽい空気になってしまったのを感じたセレナが空気を変えるために話題を変更した。

 

「あんたは騎士物語が好きなの?それとも英雄物語が好きなの?」

 

「私は騎士物語ですね。英雄物語も面白いと思いますが、私の理想である騎士の物語がいいです!」

 

「なるほどね。因みにあんたがシンシアから借りた『タリスの天馬騎士 シーダ』は、シンシアのご先祖様で自らもペガサスナイトだったシーダ王妃の物語よ。」

 

「えっ!この物語はシンシアのご先祖様の物語なのですか!?」

 

「シンシアは英雄王マルスとシーダ王妃の子孫ね。それはシーダ様に関する物語だからもしかしたら、騎士物語よりは英雄物語に近いかもしれないわね……」

 

「なるほど……シンシアのご先祖様の英雄物語だったのですね……。因みにアッシュが借りたのは『蒼炎の勇者 アイク』でしたね……。」

 

「『蒼炎の勇者 アイク』は最強の勇者であるアイクの英雄物語よ。」

 

「……見事に騎士物語ではないですね。」

 

どうやらシンシアは間違えて英雄物語の方をアッシュとイングリットに渡してしまったようである。

 

「……シンシアはかなりのドジだから。あんた達が英雄物語が好きだと勘違いしたと思うわ……。」

 

「……まあ、借りた以上は読ませて頂きます。」

 

「そうそう、シンシアは騎士物語もちゃんと持ってきているわよ。」

 

「本当ですか!?」

 

「ええ、ジェラルトさんと行動を共にしている時に確認したから間違いないわ。何の偶然かシンシアが持ってきた本の中にあたしが知っている騎士物語があったわね。」

 

「そ……それってどのようなタイトルですか!?」

 

イングリットは嬉しそうにセレナに聞いてきた。

 

「6つぐらいしか覚えてないけど……それでもいい?」

 

「問題ないです。というより、よくそれだけのタイトルの名前を覚えていますね……。」

 

「まあ、昔はよく読んでいたからね……。紙にタイトルを書いて渡すけどいいわよね?」

 

「是非お願いします。紙を見せたら、さすがに間違えませんよね……。」

 

「……一応借りた時にタイトルを確認しなさいよ。」

 

「ええ、分かりました。」

 

イングリットがセレナの忠告を了承したので、彼女は小さな紙を取り出して6つの騎士物語のタイトルを書きだした。

 

「これでよしっと……はい。」

 

「あ、ありがとうございます。えっと……タイトルは……『伝説の騎士~猛牛のカインと黒豹のアベル~』、『マケドニアのペガサスナイト三姉妹』、『黒騎士カミュ』、『伝説の女騎士 マチルダ』、『獅子王エルトシャン』、『漆黒の騎士と神剣エタルド』の6つですね?」

 

「そうよ。その6つはあんたが求めている騎士物語よ。アッシュにも伝えてあげたら?」

 

「はい、ありがとうございます。それでは、シンシアから借りた本を……」

 

イングリットがここまで言いかけた時にチャイムが大広間に鳴り響いた。

 

「あっ……チャイムが鳴ってしまいましたね」

 

「そろそろ戻らないとセテスさんが来るから急いで戻るわよ!」

 

二人は急いで、荷物をまとめて宿舎に戻っていった。宿舎に着くとイングリットは騎士物語を紹介してくれたお礼を言って自室に戻っていった。セレナはイングリットと分かれると部屋に戻り、キリのいいところまで戦術書の勉強をするのであった。




捕捉ですが、マークがウード達の救援に向かった理由は屍兵がウード達の方角に集合することを知ったルキナが救援に向かわせました。レンハは偶々通りがかって助けただけです。

セレナはカミラ以外にはもう忠誠を誓いたくないと思っています。これはウードとアズールも同じで、ウードはレオンにアズールはマークス以外には忠誠は誓えないでしょう。唯一の例外はクロムとルキナぐらいですね。

因みにシンシアが持ってきた英雄物語に関しましては、マルスやロイ、セリカなど代替予想の付く連中のものです。一部意外なキャラクターの英雄物語も持ってきております。そこに関しましては名簿に後で記載いたします。

最後にウード達の座学の成績はセレナ、ブレディ、ウード、ノワール、アズール、シンシアの順にいいです。因みに赤点はカスパル以外にラファエルとシルヴァンも取ったことがあります。

オリジナルキャラを募集しております。是非ともお願いいたします。
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