オーバーロード ~集う至高の御方~   作:辰の巣はせが

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第18話 パンドラズ・アクター、元に戻れ

 アルベドのことはさておき、モモンガはヘロヘロ達を連れて宝物殿へ向かった。

 これから情報収集という名目の……いや、もちろん情報収集を主目的とした、冒険者活動を行うのだ。それに先立ち、弐式炎雷の装備を調えなくてはならない。

 と言うのも、こちらの世界に弐式が転移した際、主武器の短刀……天照と月読。切り札たる巨大忍刀、素戔嗚(スサノオ)を所持していなかったのだ。モモンガとしては、弐式が引退する際に預かった装備は、霊廟のアヴァターラに装備させていたので、それを取りに行くのである。

 

「おー、久々で見たけど。宝物殿スゲーな。てゆうか、ナマで見たら超ド迫力だ」

 

 宝物殿に入ってすぐ、弐式が積み上げられた金貨の山や、それらに埋もれたアイテムなどを見て呟く。一緒に付いてきたヘロヘロも、「ほへー」などと声をあげていた。モモンガとて感じたことは同じで、暫し宝の山に見入っていたが、すぐに目的を思い出す。

 二人を連れて、モモンガはブラッド・オブ・ヨルムンガルド……薄紫色をした毒空気の中を進み出した。この罠は毒無効化のアイテムや能力がないと死に到るという恐ろしいものだが、死の支配者(オーバーロード)であるモモンガ、ハーフゴーレムの弐式炎雷、古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)のヘロヘロには何の問題もない。

 そして到着したのは、<全体飛行(マス・フライ)>の魔法を使って金貨の山を越えた先……武器庫前だ。

 

「確か、源次郎さんが整理してたんでしたっけ? あの人、仕分け好きでしたから」

 

 ヘロヘロが懐かしそうに呟く。

 エントマ・ヴァシリッサ・ゼータの創造主、源次郎は、自身の部屋を汚部屋化するほどに物臭だったが、戦利品たるアイテムを収納整理することに関しては、並々ならぬ勤勉さを持って担当していた。

 その武器庫の扉が、今目の前にある壁に貼りついた闇である。一応、扉の形をしているが、ここを抜けるためにはパスワードが必要だ。ただ、モモンガを始め、弐式もヘロヘロもパスワードは覚えていなかった。

 

「俺は引退して長いし……。ヘロヘロさんは?」

 

「俺も駄目ですね。覚えてません。モモンガさんはどうです?」

 

 二人からの視線を受けたモモンガは、少し考えてみたものの……やはり思い出せない。

 

「いや~。ここ数年はギルドホームの維持費を宝物殿に持ち込むぐらいで、ここまで来てなかったんですよね~」

 

「「うぐ……」」

 

 何の気なしに言ったモモンガの言葉。だがそれは、ヘロヘロと弐式の胸に深々と突き刺さった。このナザリック地下大墳墓を維持するための費用を一人で稼ぐ。それは、どれほどの時間を必要としただろうか。他にギルメンが数人、いや三人、せめて一人、モモンガと一緒に居たのであれば、どれほど負担が軽減したことか。

 

「ちょ、二人とも!?」

 

 一気に重くなった場の空気にモモンガが気づき、項垂れてしまったヘロヘロらを宥める。第一、ナザリックを維持するため奔走し続けたのは、ギルド長として当然であり、何より大好きだった皆との思い出を護るためだった。

 なのに、当のヘロヘロらに暗い顔をされては……。

 

「ほら、気にしないで。振り返ってみたら、割りと良い思い出なんですから! ね!」

 

 徐々に持ち直してきた二人を前に、ホッと胸を撫で下ろすモモンガであったが、さて解決しなければならないのはパスワードのことだ。やはり三人とも覚えていない。となれば、ナザリック地下大墳墓の共通パスワードを使うこととする。

 

「せっかくですから三人で唱えましょう!」

 

「そ、そうっすね! いっちょやりますか!」

 

「ああ、アレですか。いいですねぇ。やりましょ~!」

 

 モモンガの提案に弐式とヘロヘロが乗り、三人で扉に向き直るとタイミングを合わせて口を開いた。

 

「「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ」」」

 

 それに反応し、湖面に浮かぶように漆黒の扉上で文字が浮かぶ。

 英文だ。それはナザリック内のギミック考案担当、タブラ・スマラグディナによるものだ。

 

『かくて汝、全世界の栄光を我がものとし、暗きものは全て汝より離れ去るだろう』

 

 凝り性のタブラが設定したであろう名文句に、モモンガ達は苦笑を浮かべ歩を進める。そして武器庫内を暫く行った先で……当のタブラ・スマラグディナが居た。

 

「へ? た、タブラさん!? やっぱ、こっちに来てたんすか!」

 

 驚き話しかける弐式に対し、タブラは脳食い(ブレインイーター)特有のタコのような顔をククッと傾けて見せる。

 

「ハア……。もう良い。パンドラズ・アクター。元に戻れ」

 

 あまり見たくなかった存在と出会したモモンガは、命令しつつ溜息をついた。

 パンドラズ・アクター。

 それは、モモンガが作成した領域守護者の名だ。持ち場の領域とは、ここ宝物殿。一〇〇レベルのドッペルゲンガーであり、四十五の外装をコピーして八割の能力を行使できる。普段は頭髪の無い卵頭に、三つの黒点で構成された目と口。そして着用するのは現実(リアル)における、欧州アーコロジー戦争で話題になったネオナチ親衛隊の制服。それに酷似した軍服を着用……しているのだが。

 すべてが格好良い。モモンガにとって趣味と嗜好と憧れの固まりだ。

 と思っていたのは作成後、暫くまでのことで、今となっては一点の曇りもなくモモンガの黒歴史である。

 

(うひー、恥ずかしい! 知ってるヘロヘロさんはともかく、引退組の弐式さんに見られるなんて……。だいたい、どうしてタブラさんの格好をしてるんだ? 俺、姿を変えるコマンドとか入れたままだったっけ? あと、命令したのに何で元の姿に戻らないんだよ?)

 

 パンドラズ・アクターには、アインズ・ウール・ゴウンのギルメン全員の外装をコピーさせてあった。それは、居なくなった仲間達の姿を留め置くためであり、タブラの姿になれること自体はおかしくないのだが……。

 パンドラズ・アクターは相も変わらずタブラの姿のままだ。

 少しばかりイラッと来たモモンガは、声を大きくして再び命じている。

 

「パンドラズ・アクターよ。元の姿に戻るんだ!」

 

「んモモンガ様! (わたくし)、すでに元の姿へ戻っておりますが!」

 

 その芝居がかった言い回しは、モモンガ達の右方……積み上げられた武具系アイテムの陰から聞こえた。

 

「はっ?」

 

 間の抜けた声を出し、モモンガが声のした方を見ると、そこから軍服姿のドッペルゲンガーが姿を現す。紛れもなく、モモンガが作成したパンドラズ・アクターである。

 

「え? ええ? じゃあ、こっちのタブラさんは?」

 

 モモンガは混乱するが、展開について行けないのはヘロヘロや弐式も同じだ。三人が恐る恐る、最初から居た方のタブラに目を向けると、そのタブラは照れ臭そうに頭を掻いてみせる。

 

「いや~。私、タブラ・スマラグディナ本人です。どぉ~も、モモンガさん。それにヘロヘロさんと弐式炎雷さんも。お久しぶり」

 

「え?」

 

 唐突に語られる衝撃の事実。

 モモンガが一声発した次の瞬間。宝物殿には至高の御方三名の、悲鳴にも似た驚きの声が木霊するのだった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

 普段はパンドラズ・アクターの住居となっている宝物殿管理責任者室。

 今そこに、モモンガとギルメン三人が詰めてテーブルを囲んでいた。ちなみに、都合の良いテーブルセットが無かったので、モモンガが<上位道具創造(クリエイト・グレーター・アイテム)>で一式作成し、管理責任者室の一角に設置している。

 

「お茶とお茶菓子でも用意しましょうか?」

 

 と進言したパンドラズ・アクターを黙らせ、モモンガはタブラを座らせた。対する自分達は、タブラの対面側。中央にモモンガ、その右に弐式、左側でヘロヘロという配席だ。

 

「う~む。何だか刑事ドラマの、取調室の雰囲気ですね」

 

「いや、そういうのじゃないんですけど。色々とタブラさんに聞きたいんですよ」

 

 ノホホンとしているタブラに対し、モモンガは身をテーブル上に乗り出すようにして言ったが、そのモモンガをタブラは興味深そうに観察する。

 

「フム。予想していたよりも遙かに冷静だね。もっとこう感激して喜んでくれるかと思ったんですけど」

 

「喜んでますよ! 喜んでますとも!」

 

 怒ったように叫んだモモンガは、その骸骨顔を伏せて肩を震わせた。

 ユグドラシル終焉の日、招待メールを出して出して出し続け、ついには、ほとんどのメンバーから返事を貰えなかった。タブラも返信して貰えなかった一人である。モモンガは仕事が忙しいのであろうか、あるいは何かあったのか……と心配したものだ。

 そうして心配させてくれた人物が、今、この異世界でのナザリックに居る。

 こんな嬉しいことが他にあるだろうか。

 嬉しさのあまり、アンデッド特性の精神安定化が発生しかけたが、その瞬間、モモンガは人化の腕輪により人化した。

 ふと顔を上げると、先程まで骸骨だった顔は鈴木悟のそれに変貌しており、驚きによって固まったタブラの前で、モモンガはハラハラと落涙する。

 

「う……ふぐ……。タブラさん、おか、お帰りなさい……」

 

 ローブの袖で拭うことを繰り返すが、涙は止まらない。いい年をした大人が泣きじゃくるのはみっともないと思うが、モモンガは泣くことを止められなかった。

 

「モモンガさん……」

 

 呟くように友人の名を口に出したタブラは、両斜向かいのヘロヘロと弐式を見た後で、テーブル上に手を突く。そしてそのまま、タコに似た頭部を擦りつけるようにして頭下げた。

 

「モモンガさん。メールを返信できなくて、ごめん。からかうようなことを言って、ごめんなさい。ここにモモンガさんを一人にして、本当に……すみませんでした」

 

 ユグドラシル時代。それはタブラにとって真剣ではあったが、一方ではゲームだった。モモンガ達との交遊も真剣なものではあったが、やはりゲーム上の付き合いだったという思いもある。だが……自分の帰還を迎えてくれて、その上で泣きはらすモモンガを見たタブラは再認識していた。

 現実(リアル)だのゲームだの関係なく、モモンガやギルメン達は自分にとって大切な仲間であり、友人なのだと……。

 ……。

 その後、モモンガは数分ほど泣き続けたが、いつまでも泣いていられないと異形種化して気分を入れ替えている。こういう時、異形種化と人化を使い分けられるのは、本当に便利だとモモンガは思っていた。

 

「いや、すみませんね。年甲斐もなく泣いちゃって……」

 

「いえ、その……。え~……ヘロヘロさん達が合流したときも?」

 

 泣いたのか……とまでは言えず、タブラは言葉を切る。だが、言いたいことは伝わったらしい。ヘロヘロと弐式が顔を見合わせていた。それをキョロキョロ見回したわけではないが、モモンガは察しておりバツの悪そうな顔をする。

 

「俺の時はモモンガさん、驚いて喜んでくれてましたっけ。喜色満面、いや喜び一色とでも言いますか……。合流第一号の特権ですかねぇ」

 

「俺の合流ん時だと、モモンガさんは異形種化してたままか。喜んでくれてたとは思うんだけど、状況が状況だったし……。こりゃ、土下座は真面目にやるんだったな」

 

 モモンガとの合流状況等が語られ、聞いているモモンガはバツが悪いを通り越して照れ臭くなった。が、タブラは興味深げに首を傾げる。

 

「ほうほう。どうやら例の『土下座』は、お二人ともされたようで。では、私も一つ……」

 

「いえ、遠慮します」

 

 ガタッと席を立ちかけたタブラを、モモンガは素早く制した。合流ギルメンの三人目にして、初めての『土下座阻止』成功である。残念そうに腰を下ろしたタブラは、キッとモモンガを見て言い放つ。

 

「阻止されましたか。ですが、モモンガさん。油断しないことです。第四、第五のギルメンが、必ずや貴方に土下座を……」

 

「なんの勝負が始まってるんですか。まったく……」

 

 ふて腐れたようなモモンガの声に、管理責任者室の空気が和んだが、少ししてタブラが咳払いをした。

 

「さて、私としては物足りないのですが、モモンガさんへの不義理に対する謝罪は一先ず終えたとして……。気になることが幾つかあるんです」

 

 タブラは主に、モモンガに対して聞いてきた。

 今、どうなっているのか。

 どう考えてもゲームに入っている感覚ではなく、現実感が過ぎる。自分は人間ではなくなったようだ。NPCのパンドラズ・アクターが動いていて喋っているし……やはり、信じがたいが、これは現実ではないのか。

 

「それとね。さっき弐式さんが言いましたよね? モモンガさんは、異形種化してたままか……って。モモンガさん、人化アイテムを使うようになったんですか? 意外だな」

 

 効率重視でありながら異形種の、死の支配者(オーバーロード)としてのロールを好んでいたモモンガだ。人化アイテムは使いようによっては便利だが、それでもモモンガのイメージではない。

 

「タブラさん……。今、把握できてることだけですが、お話しします……」

 

 モモンガは語る。

 自分が玉座の間で転移したこと。直前に戻って来たヘロヘロも共に転移したこと。弐式炎雷が、ナザリック外で転移し、ひょんな事から合流を果たしたこと。

 そして、この転移した後の世界が、自分達の住んでいた現実(リアル)と違いながらも、紛れもない現実(リアル)であることも。

 

「異形種化云々に関しては、ええ、私は人化の腕輪を使用しています。都合によっての使用ですが、実に良い具合。いえ、少しばかり精神的な問題はありますが……。それは、それとして……ヘロヘロさんと弐式さんは、また違った形で……」

 

 そこまでモモンガが言ったとき。不意にタブラの姿が変貌した。

 ローブにマントを羽織った中年男性。

 オフ会で会った際のタブラ・スマラグディナ。その現実(リアル)での姿だ。

 

「なるほど。人化を願えば人になれる。しかし、精神性は完全な人のそれではない。人化した瞬間から、異形としての精神的影響を受け始める……か。この分だと逆パターンもあるようで……。実に興味深いですね」

 

 驚くべき理解力である。

 モモンガ達が自分達を比較し合い、辿り着いた結論に、タブラは瞬時に到達したのだ。

 だが、彼が理解したのは、そこまで……だけではない。

 理知的な瞳が、親愛の情を湛えてモモンガを射貫く。

 

「モモンガさん~。先程から挙動が怪しいですよ? 視線が泳ぐというやつです。貴方……私に何か言いたい事があるんじゃないですか? いえ、この場合は……そう。言わなければならない事があると見ましたが?」

 

「ううっ……」

 

 呻くモモンガをヘロヘロと弐式が見た。

 モモンガは再び泣きそうな表情……もとい、異形種化しているため表情は変えられなかったが、泣きたくなる思いが自らの中で充満し、精神安定化するにいたる。

 そうやって平坦化しつつも燻った心で、すべてをモモンガは白状した。

 自分がアルベドに対してしたこと。アルベドの現状、そのすべてを語ったのだ。

 

「……」

 

 それら辿々しい口調での説明を、タブラは先程と同様、黙したまま聞き続けている。

 

「……そう言った状況でして。アルベドは、その……俺を愛してると言うのですが。俺が設定した事の影響が消えたわけではなく……」

 

「素晴らしい……」

 

「はっ?」

 

 タブラの口から不可解な一言が漏れ出たことで、モモンガは目を丸くした。

 素晴らしい。いったい、何が素晴らしいのだろうか。一連の説明の中に、何処か素晴らしい要素があったのだろうか。

 

 パンパンパンパン。

 

 たった一人、タブラだけが行う拍手が管理責任者室内で鳴り響く。

 

「素晴らしいですよ。モモンガさん! 貴方は私の発想を易々と飛び越えていく。許された文字数を使い切り、それでも一文一文に丹精込めて意味を綴り込んで、凝縮させたアルベドの設定を。ただ一文を削除し、ただ一文、『モモンガを』とだけ入力することで混乱せしめ、結果的には、物事を思案するアルベドに一瞬の停滞を発生。感情によって踏み出しながら、感情を忘れることなく、それでいて冷静たる思考の再構築を実現する。私の思い描いた守護者統括の先を、上を行き、器のサイズさえ塗り替えた……。まさに、素晴らしいとしか言いようがありません!」

 

「タブラさん……」

 

 よく解らないがタブラは、アルベドの設定に手を加えたことを怒ってはいないらしい。それどころか感心しているようですらある。一瞬、安堵を覚えたモモンガであるが、その彼の心をタブラが付け加える一言によって打ち砕いた。

 

「まあ、私の作ったNPCの設定を無断で変えるのは、どうかと思うんですけどね」

 

「う、うわああああん! すみませぇえぇぇん!」

 

 ……。

 と、最終的に泣きながら謝ることになったが、そこは異形種化しているため精神安定化が発生し、モモンガは落ち着いている。

 

「タブラさん。本当に、すみませんでした」

 

「ハッハッハッ。いや~、謝ったり謝られたりで忙しいですねぇ。アルベドに関しては、別に怒ったりしてませんよ。元々はモモンガさんを愛するように作ってましたし」

 

 パンドラに用意させた紅茶を啜りながら、タブラは重要な情報をサラッと言い放った。

 

「え? やっぱりそうだったんですか?」

 

「ええ。設定の中程に、幾つかの設定書きが組み合わさるようにしてね。AがBだからCになって、CがあることでBの効果を打ち消しに掛かるけれど、Dの一文があることで打ち消し効果はEに波及。結果、Fが生じてBへの打ち消し効果が半減化されて……。最終的には、モモンガさんを愛している……という設定が、複合的に組み上がる……と。大まかには、そんな感じですかね。どうです? 凝ってるでしょ?」

 

「凝りすぎです。と言うか、そういうところ変わりませんね。でも、本当に良いんですか? タブラさんの作成NPCですよ? 俺なんかを……」

 

「良いんですよ。アルベドの元々の作成目的は、そこですし」

 

 タブラ・スマラグディナが言うには、自分が多忙によりユグドラシル引退を決意したとき、モモンガの行く末を考えたらしい。本人を前に言うのは心苦しいが、モモンガはユグドラシルに依存していた。これから先、どんどんギルメンは減っていき、モモンガ独自の判断で増やさなければ、ナザリック地下大墳墓におけるプレイヤーはモモンガだけとなるだろう。それは、去って行くタブラ自身から見た場合、ひどく申し訳なく気の毒なことだった。

 

「そこで考えたんです。モモンガさん好みのNPCを作って、置いて行こうと。いきなり嫁設定だと、押しかけ女房みたいでアレだから、まずは『愛してる』から始めて……とね」

 

 いずれ、モモンガの気が向いてアルベドの設定を見るかもしれない。その際、一見して彼を愛していると知られるようでは興醒めだ。タブラ好みな事の発覚方法でもない。そこで、先程説明した記述の組合せで『モモンガを愛している。』が生まれるようにしたのだ。

 

「どうせあの長文ですし。読もうとした人が読み飛ばすような位置に配置しておいたんですけどね~」

 

「よ、用意周到すぎる……」

 

 多少はアレなことをしているだろうと覚悟していたが、改めて本人から聞かされるとドン引きである。もっとも、今の話を聞いたことで、アルベドに対する申し訳なさや後ろめたさは、モモンガの中からほぼ消えていたのであるが……。

 

「そんなわけで、モモンガさん。アルベドに関しては遠慮なく嫁にしてやってください。私は父親風を吹かす気はないので、『面倒を見るべき嫁の親』というのも居ないと思っていただいて結構ですから」

 

「そ、それは……何とも……」

 

 ありがとうございますと言って良いのだろうか。

 少しばかり複雑な思いを抱くモモンガであったが、その彼の隣りで弐式が口を開いた。

 

「それがですね、タブラさん。聞いてくださいよ。モモンガさんたらねぇ。アルベドとイイ感じになりゃあいいのに『お友達から』とか言うんですよ?」

 

「弐式さんにはナーベラルが居て、俺にはソリュシャンとメイドが居る。ギルド長も、誰かと幸せになって良いと思うんですけどね~。……アルベドが嫌って言うなら、パンドラズ・アクターとでもいいんですけど」

 

 最後にヘロヘロが爆弾を投入してくる。部屋の隅で立っていたパンドラが、「えっ?」と恥ずかしげに両手で頬を覆ったが、それをモモンガが睨んで止めさせた。

 

「俺はですねぇ、『お前、俺のこと愛してるって? じゃあ、結婚しよう!』ってタイプのキャラじゃないんです! いいじゃないですか、時間はあるんだし! それよりタブラさんは、いいんですか? ヘロヘロさん達のことを考えると、タブラさんもアルベドと一緒の方が良いのでは?」

 

「私は良いんですよ。アルベドの姉妹……ルベドやニグレドが居ますし。ちなみに、ニグレドに関しては私だけの隠しコマンドで、普通に面皮のある外装へとチェンジが……」

 

「できるんですかっ!? 超初耳なんですけど!」

 

 この日だけでモモンガは何度驚いたかわからない。だが、今聞いた情報も相当に重大だ。しかし、タブラは「まあ、試してませんし。内緒ですとも」とハッキリしたことを教えてくれなかった。

 その後、幾つかの雑談を挟み、タブラは「自分もナザリックに、この世界に残る」ことを述べている。これを聞いたモモンガ達は大いに喜んだが、タブラが元の現実(リアル)を切り捨てた理由を聞いて暗くなった。

 

「妻子とはかなり前に死別していますが、先日、両親が亡くなりましてね。そこへきて自分の体調も良くない中、失職もしまして。ああ、人員整理のリストラです。何もかもやる気を無くしたところで、モモンガさんからメールを貰ったんですが……」

 

 このような、お先真っ暗な状態でモモンガと顔を合わしても、碌なことを口走らないだろうとタブラはナザリック訪問を断念。自室で自殺する方法でも考えようと思い、スプラッター映画のデータを漁っていたところ……今度は弐式からメールが来たらしい。

 

「そっちの方には何となく顔出ししてみる気になって。ふらっと出向いたんですが……懐かしい顔と喋っているうちに……」

 

 この転移に巻き込まれたとタブラは言う。宝物殿に居ることに気づいたのは、つい先程だとのこと。

 

「私の姿をしたパンドラズ・アクターを見たときは、驚きましたけどね。アルベドに真なる無(ギンヌンガガプ)を持たせるときに来て、思いつきで外装をチェンジさせた……そのままの状態だったし。彼がフレンドリーに話しかけてくるものですから、つい話し込んでたんです」

 

 このようにタブラの証言から彼の転移前後の状況と、元現実(リアル)への帰還を切り捨てた理由が把握できたが、もう一つ解ったことがある。

 それは、今居るモモンガ以外のギルメンらが同じタイミングで転移し、転移完了した時間に関してはズレがあることだ。

 

「時間差を付けて、一人ずつ飛ばされてきている?」

 

 かすれるような声で弐式が呟くと、タブラが頷いて見せた。

 

「まだ、私で三人目ですけどね。たまたま時間がズレているのか。何らかの……何者かの意図により、一人ずつ時間差を付けて転移して来ているのか。やはり判断材料が少ないです。でも、時間差を付けてバラバラで一人ずつ転移してきているのは、今のところ事実でしょう?」

 

 その内、他に解ることもあるでしょうと、タブラが話を締めくくったことで、モモンガ達は宝物殿を訪れた最初の目的を果たすこととなった。すなわち、弐式の装備の回収だ。事のついでにタブラの装備も調えようとモモンガが提案したところ、タブラは了承している。

 そうして行動に出た……いや行動を再開したのだが、特に大きなトラブルは無かったものの、一悶着する場面はあった。

 ギルドの指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)を所持したままでは、霊廟に到るとアヴァターラ達に襲われる。そのため、外で待たせるパンドラに指輪を預けてから、霊廟へ入ったのだが……。居並ぶ『ギルメンを模し、預かった武装を装備させたアヴァターラ』を見たヘロヘロ達が居たたまれなくなり、三人揃ってモモンガに土下座しようとしたのである。

 結果、モモンガが慌てて止めさせる羽目になった。

 

「はああ。疲れた……。アンデッドだから疲労しないはずなんだけどな~」

 

 言葉どおり疲れ気味となったモモンガが霊廟を出たとき。ふとパンドラズ・アクターの姿が目に止まる。偶然目にしたのではなく、ギルドの指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)を回収する際に見ただけなのだが……。

 

(こいつ、ここでずっと一人だったんだよな)

 

 ユグドラシル最終日は、自分もナザリックにて一人であった(途中、ヘロヘロや他のメンバーは顔を見せたが)から、一人ぼっちの辛さは理解できる。加えて言えば、今のモモンガは独りぼっちではないため、ここにパンドラを一人で残していくのは、どうにも気が引けた。

 

「あ、あ~……ゴホン。パンドラズ・アクターよ」

 

「はい。アインズ様!」

 

 皆にギルドの指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)を返却し終えたパンドラは、モモンガに向き直ってビシリと敬礼をする。

 

「うっ……。あ、いや……お、お前も管理人室で同席して聞いていたから、諸々は理解できているだろう。今の我々は異世界に転移して来ており、外に出なければならないが……人手は大いに不足している。そこで、お前も宝物殿から出て、私に力を貸して欲しいのだ」

 

「承知しました!」

 

 即答だ。一瞬の躊躇も見せないパンドラの態度に、モモンガは呆気に取られた。

 

「い、いいのか? これは人事異動のようなモノだが、今までにしたようなことのない仕事も頼むと思うぞ?」

 

「我が創造主がお望みであれば、如何様な任務もこなして見せましょう!」

 

 クルッと回って掌を掲げるポーズは、モモンガの精神にダメージを与えたが、本人がやる気十分なので無視することとする。だが、次の一言は無視できなかった。

 

「ちなみにアルベド殿がお気に召さないのであれば、不肖、この(わたくし)が……」

 

「却下だ!」

 

 大声で黙らせる。

 やはり宝物殿に閉じ込めておいた方が良いのではないだろうか。その様な考えが脳裏をかすめるも、パンドラの擬態能力と高い頭脳は放置しておくには惜しい。モモンガとしては断腸の思いではあったが連れて行くこととした。

 なお、パンドラを見たヘロヘロらの感想は特に悪いモノではない。オーバーアクションこそ、面白可笑しく見えるし引かれることもあったが、総じて好印象であった。

 

「属性が中立ってのが大きいんじゃない? その上で社交性もあるから、基本的にイイ奴に見えるし。同じドッペルゲンガーなんだから、ナーベラルには色々と見習って欲しいねぇ」

 

「俺のソリュシャンも負けてないと思うんだけど。パンドラは人間蔑視が表に出ないのが良いですよね~。ナザリックNPCのほとんどって、人間に関する悪感情を表に出すことを遠慮しませんし。……ああ、俺達も同じように思ってると考えてるんでしょうけどねぇ」

 

「私がした設定上、アルベドは人間嫌いですから。人間関連で発言させたら、面倒くさいキャラでしょうね。モモンガさんの設定改変で幾分は、マシになってるんでしょうが。え? イイ感じ? それは良かった。製作した当時はギャップ萌えとか、面白さ優先で作ったので、実用性の足を引っ張るようなことも書きましたから。それなら一安心ですよ。は? なんで『ちなみにビッチである。』を入れたかって? 清楚で有能な良妻が、実はビッチだとか……凄く萌えじゃないですか!」

 

 最後の一名に関しては聞かなければ良かったな……と思うモモンガであったが、パンドラズ・アクターの評判が良いのは大きな安心材料だ。もっとも、ギルメンの前でオーバー・アクションをされる度に精神安定化するか、それに近しいところまで追い込まれるのは、モモンガとしては考えものである。正直、心身が持たないので、後で機会を見て、パンドラに言って止めさせようかと思うのであった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

「た、タブラ・スマラグディナ様!?」

 

 異形種化した状態でモモンガらが玉座の間へ戻ったとき。その場で待機していたアルベドが、タブラの姿を見て声をあげた。清楚美人の悪感情無しに驚く顔というのは、見ていて新鮮であるし眼福と言える。

 何故、玉座の間へ移動したかと言うと、そこがアルベドにとって設定された待機場所であったからだ。言い換えれば、彼女には自室というものが存在しない。

 玉座の間への移動前。最初に気づいたのはモモンガで、ヘロヘロや弐式も含めた三人で指摘すると、タブラは苦笑することしきりであった。

 

「いやあ、彼女の設定を考えることに夢中で、生活感とか考えてなかったですから」

 

 苦笑するには理由がある。そもそもNPCに対して個室を用意したり等は、余程の凝り性でないとしないことだからだ。タブラはタブラで凝り性なところがあるが、モモンガやウルベルトら、NPCに個室を用意した面々とは方向性が違うのである。

 ともかく、先のメンバーにパンドラも加えた五人連れで姿を現したモモンガらを見て、中にタブラの姿を確認したアルベドは小走りに駆け寄ってきた。

 

「やあ、アルベド。久しぶり。長いこと留守にしていてすまなかったね」

 

「いいえ、いいえ!」

 

 頭を振って否定したアルベドは、その大きな瞳から涙を溢れさせる。そして、タブラの前で跪くと、瞳を閉じ、タブラ個人への忠誠の儀を行う。

 

「守護者統括アルベド。至高の御方であらせられる我が創造主、タブラ・スマラグディナ様に対し、ここに新たな忠誠を捧げることを誓います」

 

「う、うん。よろしく頼むよ。それで……ああ、立っていいよ。幾つか聞きたいことがあるんだが……」

 

 はいと言って立ち上がったアルベドに、タブラは幾つかの質問を投げかける。それは人間が嫌いかどうかであったり、守護者統括として何をしなければいけないかであったりだ。タブラとしては確認をしておきたいことなのだろう。

 数歩ほど距離を取って見ていたモモンガ達は、質問にアルベドが答えていくのを、一々頷きながら聞いていた。が、最後にタブラが発した質問で、モモンガが噴き出すこととなる。

 

「モモンガさんについては異性としてどう思っているかね?」

 

「愛しています! これはタブラ様から頂いた中で、最も重要な気持ちです!」

 

 モモンガにしてみれば、『友人に対する想いを娘に口頭確認する父親』そのものの姿であり、驚いた後は脂汗が流れる感覚を味わっていた。「同じ場所で俺達が居るのに、なんてこと聞くんですか!」とタブラを睨むも、タブラは脳食い(ブレインイーター)の姿を取っているので、その表情から何を考えているのか窺い知ることはできない。ただ、声が朗らかなので「ニヤニヤしてるんだろうな」というのは何となくわかる。

 

「モモンガさんに設定を変えられたそうだが、客観的に自己診断して、なにか不都合なことはあるかな?」

 

「現に生じている事柄は、モモンガ様に対して何かを考え、一定の感情の昂ぶりに達すると一瞬、思考が停止することです。これは感情任せの行動に走ることを抑制できるため、有益な変化だと判断いたします。また、この現象は緩やかではありますが、モモンガ様限定の思考に対する以外の思考にも及びつつあります」

 

 ここで初めて、タブラは首を傾げた。

 

「ふむ……生きて活動している。つまり思考能力がある生き物だからかな。一つの心理的変化があり、それを容認することで、慣れが拡大している……か。なるほど、なるほど。よくわかった。アルベド、私は君の変化を歓迎する。だが、もしも不具合を感じたら速やかに報告するように。なに、悪いようにはしないさ」

 

「ありがとうございます。タブラ・スマラグディナ様」

 

 胸に手を当てたアルベドが頭を垂れる。

 そのアルベドに「必要なとき以外は、タブラと呼ぶように。私のは長いからね」と言ったタブラは、もう一つ思いついたとポンと掌を叩いた。

 

「そう言えば君、私室を設定していなかったよね。本当に申し訳ないことをした」

 

 タブラが頭を下げると、アルベドが「か、顔をお上げください! タブラ様が謝罪することなど何一つとしてありません!」と慌てる。その彼女を制するように掌を出し、タブラはチラリとモモンガを見ながら話し続けた。

 

「この際だから君の私室を設定しよう。……モモンガ君の私室の隣はドレスルームだったと思うが、その隣には空き部屋があったはずだ。そこを使うといい。守護者統括なのだから、ギルド長の部屋には近い方が何かと便利だろう。そう、何かとね」

 

 モモンガさんも良いですよね。と確認してくるタブラに対し、モモンガは頷くことしかできない。しかし、その心境は複雑であった。

 

(随分と近いところに私室を設定してきたな。夜這いとかされそうで怖いんだけど。あ、いやビッチ設定じゃなくなったから、それは無いのか。……いやいや待て待て、アルベドはサキュバスだぞ! 種族特性だと獲物を狙う行動に出るんじゃないか!?)

 

 身の危険を感じることおびただしい。これでビッチ設定が残っていたら、今頃モモンガは犬に与えた骨のようにしゃぶられていたかもしれない。いや、人化の腕輪で人化ができるのだから、それ以上のことをされて……やはり骨の髄までしゃぶられていたことだろう。

 

(しゃぶられることに変わりないんじゃないかーっ!)

 

 頭を抱えたいが、目立つ行動は慎む。状況を見守っていると、タブラとアルベドの会話はモモンガとの交際レベルに移っていた。つまり、『このようなお付き合いにしなさい』という主旨の会話だ。

 

「いいかい、アルベド。モモンガさんは派手に女性と交遊することをしなかった人だ」

 

(「女性との交際経験が無いだけですけどね!」)

 

(「物は言い様ですよね~」)

 

 モモンガが小声で主張し、ヘロヘロも声を潜めて感想を述べる。

 アルベドはと言うと、怪訝そうな表情でタブラに問い返していた。

 

「それは……清い交際をせよとの仰せでしょうか?」

 

「う~ん、ちょっと違うかな」

 

 アルベドの問いを聞いたモモンガが、「おお! いいぞ! いい感じだ!」と喜んだのも束の間、タブラが否定してきたのでモモンガは目を剥く。しかし……。

 

「いきなり子作りをして結婚に雪崩れ込むようなのは、よろしくないと言ったところかな。簡単に言えば、お友達感覚から始めると良いということだね」

 

 それはモモンガが言った『お友達から』そのものであり、弐式とヘロヘロが「ええっ!?」と驚く一方、モモンガは歓喜した。

 

(「さすがタブラさん! その調子ですよ!」)

 

(「必死ですね~」)

 

 ヘロヘロの呆れ声も、モモンガの脳には届かない。

 アルベドはと言うとタブラの言を聞き、フムフムと頷いてはいたが、やはり完全に納得はしていないようだ。この辺は、彼女がサキュバスであることが大きいのかもしれない。

 だが、ここにタブラはトドメの一撃を加える。

 

「いいかい、アルベド。よくお聞き。お友達付き合いから恋人関係に発展し、恋人同士で甘酸っぱくデートして、イチャイチャするというのは……独身でないとできないことなんだよ。君達には時間があるのだから、慌てずに恋人ライフを満喫するべきだと、私は思うんだがね」

 

「た、タブラ様! (わたくし)は未熟でした! 確かに、仰るとおりです! モモンガ様と恋人デートでイチャイチャ……ああ……。ふう……」

 

 精神の安定化が起きたらしいが、アルベドは非常に上機嫌だ。やはりモモンガの『アンデッド特性による精神安定化』とは違う現象らしい。

 その後、モモンガは宝物殿から連れ出してきたパンドラズ・アクターをアルベドに紹介し、アルベドにはタブラ・スマラグディナ帰還を皆に周知するよう命じた。

 続けて、デミウルゴスを呼び出し二人で円卓の間に来るよう付け加えると、モモンガ達はパンドラズ・アクター込みで連れだって移動を開始する。行き先は前述したとおり円卓の間だ。

 話し合いたいことがある為だが、その内容とは……モモンガを始めとしたギルメンが、ナザリック外で活動するための打ち合わせである。供回りの選抜に関し、アルベドらの知恵を借りたいところであったし、どうせ反対されるのだから事前に説得しておきたかったのだ。

 




ギルメンの帰還三人目はタブラさんとなりました。
直前に活動報告とか書いてた時点では、宝物殿で彼を登場させる予定は無かったのですが
タブラ擬態をしたパンドラを出したところ、ここでタブラさんを出してこそ『ギルメン帰還系の御期待ムーブの一つじゃん!』ということで、急遽登場させています。

あと、お気に入りが1000件を超えました。すっごい嬉しいです。
評価をつけて下さってる方も、本当にありがとうございます。

<モモンガ様の正妃様は誰が良い?アンケートについて>
気がつくと目標の300票超えてましたので終了します
第1位は単独で350票以上叩き出したアルベド
今回のお話で書いたように彼女の正妃ルートに向けて大いに前進
第2位は89票の『女性ギルメンの誰か』で、第3位は41票『転移後世界の女性の誰か』
側室枠がありますので、その内にでも側室アンケをやりたいと思っています
と言うか、女性ギルメンだと茶釜さんか、やまいこさんですかね
餡ころもっちもっちさんは、ちゃんと描写できるかどうか不安なので出さないかもです

<誤字報告>
リリマルさん、ありがとうございました。

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