オーバーロード ~集う至高の御方~   作:辰の巣はせが

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第67話

 食事を終えて、モモンガは茶釜らと雑談に興じていた。

 なお、今のモモンガは胡座の中央にアウラを乗せた状態である。

 

「よーし! 乗っちゃえ、アウラ!」

 

「い、いいんですかっ!? 茶釜様!?」 

 

「私が許す!」

 

「俺の意思はっ!?」

 

 というやりとりの結果、モモンガはアウラの椅子と化していたのだ。

 モモンガの感覚としては、少女であるアウラを胡座の中に置くというのは、どうにも額に汗する状況である。周囲からどう見えているか非常に気になるし……ましてや真正面にはアウラの創造主である茶釜が居て、じっと見てきているのだ。

 

(危険だ! このままだと、ふとしたことでアウラに良からぬ真似をしている……ように取られかねない! そんなことになったら、ナザリックにおける社会人としての俺が死ぬ! どうかタブラさんが、遠隔視の鏡で覗き見していませんように!)

 

 保護者(茶釜)が容認しているので、あり得ない想定(タブラのことは別にしても)なのだが、モモンガは大真面目であった。

 

「あ~……アウラよ。座り心地はどうだ? もし、座りにくければ降りても~……」

 

「温かくって、凄く居心地良いです!」

 

 言い終わるより先に、振り仰ぐようにして見てくるアウラ。そのキラキラした瞳に、モモンガは頷くしかない。無邪気な少女に対して「否」を突きつけるほど、彼は鬼ではないのだ。

 

(鬼ではないけどアンデッド! 今は人化してるけどさ! でもな~)

 

 人としての実年齢を考慮すると、モモンガ……鈴木悟に妹が居れば、アウラのような年頃だろうか。いや、それだと歳が離れすぎだから、姪っ子ポジションだろうか。

 

(茶釜さんとこの子だしな~……) 

 

 そういったことを考えていると、茶釜が話しかけてきた。

 

「モモンガさん? ところでさ~」

 

「はい?」

 

 茶釜は両脇で座るアルベドと、ルプスレギナ。その双方が、共にモモンガと交際中であることを確認してくる。聞かれたモモンガとしては肯定するしかない。

 

(アルベドとルプスレギナが同席してるんだぞ! 「いや、そうじゃなくて!」なんて、照れとか物の弾みでも言えるかよ!)

 

 しかし、茶釜は何の意図があって今の質問をしたのだろうか。正直言って、女性ギルメンから改めて複数女性と交際してると指摘され、モモンガは羞恥で頭がどうにかなりそうだ。アルベド達との交際を恥じているのではない。女性側で望んだこととは言え、二股かけていることを女性ギルメンに確認されたのが恥ずかしいのだ。

 

(これがNPCなら、無闇矢鱈な忠誠心で納得してくれるだろうけど! 茶釜さんは『鈴木悟』を知ってる女の人だぞーっ!?)

 

 許されるならば<転移門(ゲート)>を発動して何処かへ逃げてしまいたい。だが、アルベドとルプスレギナを置いて逃げるわけには……。

 

「いや、あのね? 責めてるわけじゃないのよ? 男なら一人に決めんか~い! とか言うつもりはないし!」

 

「ぐふぅ!?」

 

 気遣ってくれたらしい茶釜が言うのだが、それはモモンガの胸を深くえぐってしまう。だが、女性二人と交際している件を責める気はないとのことだ。これは朗報である。

 

(良かった……。この件で、ペロロンチーノさんが普段されてるみたいに説教なんてされたら、俺……ショック死して蘇生魔法の世話になるところだったよ~)

 

 モモンガは内心で胸を撫で下ろした。しかし、そうなると茶釜は何を話したいのだろうか。ユグドラシル時代、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』にあっては唯一の芸能人で、女性声優だった彼女。彼女の意図するところは……。

 

「モモンガさん……あのね? モモンガさんの恋人の席とか枠って……まだ余ってる?」

 

「へっ? へぁっ!?」

 

 変な声が出てた。

 恋人の席や枠の余りとは何なのか。今の交際人数に、新たに誰か加えようと言うのか。今のアルベド達二人でも、一杯一杯なのだが……。

 

(エンリやニニャを除いても二人居るんだぞ!? いやまあ、今日のピクニックなんか、茶釜さんとアウラが居ても上手く回せてた感じだし? それを思えば……)  

 

 余裕があると言えば、あるのだろうか。

 考えてみれば、転移後世界のモモンガは頑強かつ強大だ。体力面に関しては、人化した状態でも常人を遙かに上回っているし、金銭面に関しては前述の体力(あるいは魔法など)をフル活用すれば、やはり常人を上回る稼ぎを得られるだろう。そもそもナザリック地下大墳墓で住むなら、ギルドホームの維持費さえどうにか出来れば、一生安泰だ。

 

(アンデッドだから『一生』は終わり無いんだけどな……。ギルドホームとしての維持費は……ギルメンが増える程に分担が減るだろうし。……あれ? 恋人や奥さんが増えても大丈夫なのか?)

 

 また、場合によってはパンドラズ・アクターに商人働きでもして貰って、援助して貰う手もある。配偶者が増えたとて、それほど問題では……。

 

(いや! 問題あるだろ! 何馬鹿な計算してんだよ、俺! アルベド達の気持ちが優先じゃん! あと、パンドラのことも!)

 

 自分を叱り飛ばし、モモンガは皆の様子を窺う。アルベドとルプスレギナは……平然としているように見えた。話の流れによっては、モモンガの恋人(そして将来の妻)が増える可能性があるのにだ。アウラはと言うと、モモンガの顎下でキョロキョロしているのが解る。その視線はアルベド、茶釜、ルプスレギナへと巡っていき、最も長く留まるのは茶釜を見ているときのようだ。

 どうも……場の空気がおかしい。

 そして、自分もおかしいとモモンガは思う。

 茶釜は「恋人枠は余っているか?」と聞いた。アルベド達が同席している以上、モモンガとしては「アルベド達が居ますので、余っていません」と言うべきなのだ。しかし、先程テンパって色々考えたのもあるが、「余っていません」の言葉が出てこない。出てこないなら、自分は茶釜に向けて何と言いたいのか。

 

(逆のことか? 逆ってことは、恋人枠は余ってます~……とか? いやいやいや、目の前にアルベドとルプスレギナが居るんだぞ!? どんな軽薄男なんだ、俺は!? でも、そうなると……) 

 

 結論……恋人枠は余ってないが、余っていないと言いたくない。

 そこに思考が到ったモモンガは愕然とする。異形種化していたなら、間違いなく精神の安定化が発動したはずだ。

 

(なんたる唾棄すべき優柔不断! 茶釜さんのことが嫌なら、断ればいい話だよな! すでに恋人が居るんだから、断る理由としては十分なんだし。ということは俺……茶釜さんのことが嫌じゃ……ない? ……いや、いや待てよ!? ちょっと待った! さっき茶釜さんは『自分の席』の話だと言ってたか? ……なんで俺、いつの間に茶釜さんのことを対象だと……)

 

 瞬時に沸き上がった自分への怒り。だが、ふと気がつくと、意外な方向に考えが向かっている。茶釜は『恋人枠の空き』について、自分のことだとして話を切り出したわけではない。なのに、今のモモンガは茶釜を対象として恋人枠のことを考えているのだ。

 

(俺……茶釜さんのことを、そういう対象として認識してるのか?)

 

 茶釜のことは嫌いではない。それは確定事項だ。何故なら、嫌いな相手と友だち付き合いすることはないのだから。

 

(では、では……す、すす、好きって気持ちがあるのか? 相手は茶釜さんだぞ!?)

 

 モモンガは内心パニックになる。顔に出さずに居るのは奇跡と言っていいだろう。そして、この時……茶釜にとって幸運なことが三つあった。

 一つ目は、アルベド達が絶世の美女とはいえ、元はゲームキャラであること。

 例えば、モモンガの好みを集約して作成されたとアルベドといえど、元はゲームキャラという認識がモモンガの根底にあるのだ。これは好きや嫌いの話ではなく、アルベドらNPCにとっての事実でもある。

 二つ目は、茶釜が元々人間で、モモンガにとってはアルベドらより身近な存在であったこと。

 ユグドラシル内で言えば、共に過ごした時間の長さはアルベドらの方が長いかもしれない。しかし、茶釜とはオフ会で会ったこともあるのだ。その人物も、友人としてでなら良く知っている。

 そして三つ目。モモンガが茶釜に対し、異性として「いいな……」と思っていたこと。声優業がメインとは言え、茶釜はれっきとした女優だ。容姿も整っているし、職業柄トークも上手い。特定の話題に対して当たりは強いが、総じて人格者でもある。異性として惹かれる要素は多いのだ。

 

(この俺の好みのドストライクは、やはりアルベドだ。しかし、だけど……俺は……)

 

「アインズ様……」

 

 グルグルと回る思考に、モモンガが沈もうとしたとき。アルベドがモモンガを呼んだ。

 我知らず頭を抱えかけていたモモンガだが、その手を下ろすとアルベドに顔を向ける。

 

「アインズ様。(わたくし)やルプスレギナを気遣われているのでしたら、もったいないことですが、その必要はありません。至高の御方の伴侶に、人数制限はないと心得ております」

 

「私も、そう思います!」

 

 アルベドの発言にルプスレギナが乗った。語尾が「っす」になっていないあたり、彼女の真剣さが伝わってくる。そして、これらのことにより、モモンガが茶釜を受け入れるにあたっての最大の障害……『現恋人らの反対』が解消されたことになるのだ。だが、同時に退路を断たれたことにもなる。

 つまり……。

 

(「もう恋人が居ますので」が断る理由として使えない!)

 

 たっち・みーばりに課金エフェクトを用意していたとしたら、背景を暗転し、雷を落としていたところである。

 今聞いた言葉を真に受けて、アルベド達を気遣わなくて良いのか。彼女たちに無理を強いていると判断して気遣うべきなのか。すべて自分の責任において判断し、モモンガは返事をしなければならない。それは大人の男として当たり前のことだったが、恋愛初心者の域を脱していないモモンガにとって、大きな精神ストレスを伴う選択だった。

 

(ど、どうしたら……。そ、そうだ! ちゃ、茶釜さんが、御自身のことを指して『空き枠』の話をしているのかどうか。そこを確かめなければ!)

 

 返事の前の大事な確認事項。だが、それをするには、質問に対して質問で返すことが必要になる。何か、上手い言い方を考えなければならない。モモンガは、過去にギルメン達から「モモンガさんは対応力が高いから」と言われたことを思い出し、脳をフル回転させた。モモンガとしては、そこまで言われる程ではないと思う。しかし、ここはギルメンらの言葉にすがりたい気持ちで一杯だったのである。

 

(よし、これだ! 腹をくくって……言うぞ!)

 

 モモンガは、敢えて一歩踏み込むことを決意した。重要なカード、それを一枚切りつつ茶釜に確認するのだ。

 

「茶釜さん。アルベド達は、ありがたくもこう言ってくれています。俺自身、恋人枠……でしたか? そこに空きがあるかと言われると……汗顔の至りですが、あると思います」

 

 そこまで話した段階で、茶釜の表情が輝いた。これを見る限り、茶釜の言う『空き枠』とは、『彼女自身を対象とした質問』である可能性が高まったように思える。残るは確認あるのみだ。

 

「ときに……その空き枠に対して、どなたか推薦されるおつもりでしょうか?」

 

 瞬間、場の空気が凍ったような気がした。

 女性三人の表情は笑顔だが、発する緊張感はモモンガの胃に継続的なダメージを与えている。

 

(ど、どうだ? と言うか、このリアクションは何だ!? 怒ってるの!? 呆れてるの!?)

 

 人化したままのモモンガは、左手を胃の部分に当てながら額に汗を浮かべた。

 

『ここまでの話の流れで、対象者が誰だか認識してないのか? それとも認識した上で、知らん顔で質問しているのか、このヘタレ骸骨野郎!』

 

 という女性陣の思いが、今感じてるプレッシャーに込められているのだろうか。

 しかし、そう思われたとしてもだ。確認もせず茶釜を対象者として話を進めて、それで別人物の恋人推薦だった場合……。モモンガは恥ずかしさのあまり、ナザリック地下大墳墓を離脱し、ギルメンらに見つからないよう姿を隠してしまうだろう。

 

(深い海の底で千年ぐらい沈んでるかもしれないな~……)

 

 それでも探索役として優秀な弐式が存在し、他にも数人のギルメンが揃っている以上、早々に発見されてしまうのだろうが……。

 

「モモンガさん……」

 

 茶釜の声がしたので、モモンガは我に返って視線を向ける。茶釜はニカッと笑うや、親指で自分を指し示した。

 

「その恋人枠。空き枠を所望してるのは……この私!」

 

 やはり、そうだったのか。と思うモモンガの前で、茶釜の顔……その白い肌が急速に紅潮していく。そしてドヤ顔ながらプルプルと震え、目尻には涙が浮かんでいた。

 事ここに到り、モモンガが発する言葉は一つしか無いと言って良い。

 

「茶釜さん。さっきも言ったとおり、恋人枠には空きがあります。そして……結論から申し上げますと、有り難くお受けしたいと思います」

 

「モモンガさん……」

 

 感極まったのか、茶釜の目の端から溜まっていた涙がこぼれ落ちていった。それを見たモモンガの胸に、何やら突き刺さるような感覚が生じる。

 

(うわ……茶釜さんの泣き顔、ヤバすぎ。綺麗っ! で……結論出した途端、胸がドキドキしてきたぞ。さっきまでのドキドキと違うって解るのがまた……)

 

 落ち着きのない自分の心臓に苦笑を禁じ得ないが、重大な申出と、その受諾が完了した事でモモンガは一気に肩の力が抜けた。

 晴れて交際相手となった茶釜。こうなった以上、恋人同士になる前に思っていたことや、茶釜に聞きたかったことを話したり聞いたりしても良いかもしれない。今の茶釜は、ススッと膝移動したアルベド達によって祝福されているが、モモンガは敢えて口を挟むようにして問いかけた。

 

「茶釜さん。ユグドラシルやオフ会でお目にかかったときは、普通に話していたように思うんですけど。その……俺のことは、いつから?」

 

「くふふ、気になる?」

 

 アルベドのような笑いと共に、茶釜が指で目尻を拭う。そしてオフ会などで、自分がどのようにモモンガ……鈴木悟にアプローチしていたかを説明するのだが、当時を振り返ってみても思い当たることはなかった。ましてや、鈴木悟にとっての当時の茶釜は、まさに高嶺の花。ストレートに告白でもされない限り、悟側で気がつくのは困難であったとしか言えない……。それがモモンガの認識だったが、これを馬鹿正直に言ったところ、「モモンガさんは自分に自信を持たなくちゃ! 自己評価が低すぎるのも考え物よん!」と茶釜に言われてへこむこととなる。その様子を見て茶釜が笑い、アルベド達もつられて笑った。まさに和気藹々だ。

 

(いや~、へこむけど……楽しい。男が俺一人で、交際相手の女性が三人って状況なのに、刺されもせずに無事とか……。マジ、ハーレム……)

 

 男冥利に尽きるとか、幸せ満喫中だとか。そういった事をモモンガが思い浮かべていると、顎下でアウラが振り仰いでくるのを感じた。

 

「ん? アウラ、どうかしたか?」

 

 相手が階層守護者なので、威厳がある……と自分で思っている太い声を出す。しかし、さっきまで茶釜と素の声で話していたため今ひとつ決まらない。だが、アウラやアルベド達にしてみれば、支配者らしく振る舞うのは喜ばしいことらしく、アルベドとルプスレギナが瞳を輝かせているのが見える。

 

(素の声でも、作った声でも喜ばれるとか……)

 

 まるでアイドルだ。もっとも元の現実(リアル)のアイドルと比べれば、アルベドらにとっての『至高の御方』というのは比較にできないほど素晴らしいものなのだろう。たぶん、自分には一生理解できないかもしれない。そんなことを思うモモンガに、下方からアウラが問いかけてくる。

 

「アインズ様。アインズ様は、ぶくぶく茶釜様を……お嫁さんにされるのですか?」

 

「ぐふっ!」

 

 設定年齢が70代とは言え、見た目は少女。そのようなアウラから、母とも言える茶釜のことについて聞かれ、モモンガは一瞬むせた。

 

「ん、んん、まあ今のところは、アルベドらと同じ交際相手だな。結婚というのはお互い、相手を良く知って行うものだ。将来的……そう、将来的には……うっ!?」

 

 将来的には結婚する……ことがある……かもしれない。

 そう言いかけたモモンガであったが、茶釜から鋭い視線を、アルベド達からはウルウルした瞳を向けられて言葉に詰まる。

 

(何、この目力(めぢから)の圧力! 今はまだ交際期間中なんだから、結婚とかは可能性の話だろ~っ!? ……現状、九割九分以上の可能性かも知れないけどさぁ!)

 

「アインズ様?」

 

 戸惑うようなアウラの声に、モモンガは気を取り直して会話を再開した。

 

「おっと、すまんな。茶釜さんとは、アルベドにルプスレギナもそうだが、将来的に結婚する可能性はあるだろうな」

 

 なんとなく「そうとも! 結婚するぞ!」と言いたくなかったので、そう述べたのだが、モモンガの耳に舌打ちが聞こえたような気がする。それが誰によるものかは明白だったが、モモンガは知らん顔で通した。

 

(いいじゃん別に! 責任取って結婚する気はあるけど、ぐいぐい押し込まれるのは男としては嫌なんですぅ!)

 

 そう言って舌を出したいところだが、実行するわけにはいかない。心を落ち着けるためにアウラの頭を撫でたが、そのアウラが続けて口を開いた。

 

「アインズ様……。私……は駄目ですか?」

 

「なに?」

 

 思わず太い声で反応したモモンガであるが、これは威厳を意識したのではなく、驚きのあまり太い声が出てしまったことによる。一方、アウラは「あ、しまった!」とでも言いたげに手で口を押さえていた。

 

「す、すみません、アインズ様! 今のは、何と言うか……その……」

 

「う、うむ……」

 

 このピクニックが始まってから、ここまでの展開を鑑みれば……モモンガとしても、いつものように聞き違いで流したりしない。ましてや、アウラの気持ちに気がつかないということもない。アウラは、茶釜やアルベド達のように、モモンガのことを好いている。慕っているというレベルを超えて恋しているのだ。

 では、モモンガ側はアウラをどう思っているだろうか。答えから言うならば、人物的に好ましく思っているが、交際相手の女性としては対象外……という事になる。

 

(いや、見た目は可愛いし、美人に成長する目も十分あると思うよ? でも、今現在の姿が……小学生ぐらいだし……)

 

 ここは、少女の夢を壊さないためにも将来に期待するようなことを言って、お茶を濁すのが良いかもしれない。ダークエルフのアウラがアルベドぐらいに成長するまで、百年ほどかかるだろうし、その頃までには、アウラの気持ちが別に向いている可能性だってある。

 

(そうだ。それで行こう!)

 

 それなりに方針立てて考えたのだが、言い訳がましいことを考えていた分、長考となってしまったらしい。口を開こうとした瞬間、茶釜の声がモモンガの鼓膜を揺さぶった。

 

「いいじゃない! アウラもモモンガさんの恋人になっちゃえば!」

「うぇえええっ!? い、いいんですかぁ!?」

 

 先程、モモンガの胡座のど真ん中に座ることを指示された……その時よりも、アウラの声が裏返っている。彼女の視線がモモンガと茶釜を行ったり来たりしているのが解るが、モモンガはそれどころではない。

 

(ちゃ、ちゃちゃちゃ、茶釜さん! 何言ってくれちゃってるんですかぁあああ!?)

 

 たった今、茶釜と交際します。彼女の告白を受け入れますと、そう言ったばかりなのだ。そこに更に一人追加しようと言うのか。しかも、アウラは茶釜とは母娘のような関係である。

 

「ちゃ、茶釜さん!?」

 

「なによ? モモンガさんは、アウラのことが不満なの?」

 

「不満……なんですか? アインズ様?」

 

 不機嫌そうな茶釜の声。一方、アウラの声からは不安が感じられた。何しろ声が震えているのだから、これはモモンガにだって感じ取れる。モモンガは軽く握った左の拳を口元に当てると、数秒ほど、誰とも目を合わさず考えた。

 

「茶釜さん……」

 

「な、何よ……」

 

 暫くして出した声は力がこもっており、あの茶釜をして少し身構えさせている。

 

「茶釜さん。俺はアウラのことが嫌いではないです。好感を持ってる要素も多いです。しかしですね……見た目上の年齢差はどうなんでしょうね?」

 

 ここで容姿が『交際相手としての好みから外れている』とは言わない。立場を逆にして考えれば、絶対に言うべきでない言葉だ。だが、ある程度はモモンガの女性の好みを知る茶釜としては、その意図するところを誤ることなく把握している。

 

(ぐぬう。考えてみれば、そうか……。モモンガさんの『彼女』になれたもんで、少し調子に乗りすぎたわね。愚弟を笑えないわ~。私だって、アウラぐらいの少年を押しつけられたら……いやまあ、マーレは別にしてもね。モモンガさんの気持ちは解るわよ……)

 

 ここで強く押せば、モモンガが折れてアウラを受け入れる可能性はあった。アウラは茶釜にとって大事な存在だ。彼女の恋心は叶えたいと思う。しかし、それはモモンガに強要することで成して良いものではない。双方、あるいは一方が嫌々交際するなど考えただけで吐き気がするのだ。

 

(元の現実(リアル)で、枕営業させられそうになったのを思い出すわ~……)

 

 そこで、アウラの気持ちの落としどころを考えなければならない。諦めるという選択肢は無しとして、彼女の恋を成就させようとした場合……アウラの現年齢、と言うよりも見た目の幼さが立ちはだかる。魔法やアイテムで、手っ取り早く成長させる手はあるだろうが、それはどうかと茶釜は思っていた。

 

(……しょうがない、アウラには百年くらい待ってもらいましょうかね~)

 

 アウラが成長するのを待つというわけだ。

 その時、アウラがモモンガを好きなままで居るのなら、再度アタックさせれば良いではないか。容姿が好みでない方向に成長しているかもしれないが、その時はその時だ。

 

(失恋したって事になったら、慰めてあげないとね~……。って、今から失敗したときのことを考えてどうすんの! アウラを応援しないと!)

 

 このような考えにより、茶釜は思うところをモモンガに対して述べている。それはモモンガにとっても納得いく内容だったので、モモンガは大きく頷いた。

 

「なるほど。アウラの成長を待つ……ですか。俺は賛成です。アウラは、どう思う? 今すぐに……という話ではなくなったが。……そのときになって、まだ俺……じゃなかった、私のことを好いていてくれるなら……」

 

 内心ホッとしているが、ほとんど婚約に近い交際の約束であるため、モモンガの声は幾分か硬い。アウラはと言うと不安そうにしているものの、茶釜が頷いたのを見て瞳に力を入れた。

 

「私、待ちます! 百年頑張って……不敬かも知れないけど、茶釜様みたいな超美人になります! アインズ様のことだって、変わらずに好きで居続けるんですから! アインズ様! 期待しててくださいね!」

 

「う、うむ。期待させて貰おう!」

 

 モモンガが力強く答えたところ、胡座の真ん中で座るアウラは「やったー!」と諸手を挙げて喜んでいる。その様子を見た茶釜はもちろん、アルベドやルプスレギナも嬉しそうにしているが……。

 

(これで二人増えて一気に四人か……)

 

 どんどん恋人の数が増えていく。受け入れたのは自分の意思だから、ここは素直に嬉しいと思うべきなのだろう。だが、やはり恋人の人員増加は、この辺にしておくべきではないかとモモンガは思うのだ。

 

(外部には、エンリとニニャも居るんだっけ……)

 

 この二人と交際するかはともかく、何となくだが、外部の人間である彼女らに『癒し』を感じてしまうのは気のせいだろうか。

 

(いや、現状から逃げたいのではなくてね……)

 

 今目の前では、モモンガの胡座から抜け出たアウラが、中央の弁当類を避けて回り込み、茶釜に抱きついている。

 

「茶釜様! 私、頑張ってアインズ様好みの美人になります!」

 

「その意気よ! 頑張れ!」

 

「はい!」

 

 微笑ましい母娘の情景……に見えるが、モモンガとしては何とも複雑な光景だ。その母娘の両方が、自分の恋人……あるいは配偶者になるかもしれない。片方は確定である。

 

(ああ、そうだ……。ペロロンチーノさんに話しておかないと……)

 

 茶釜と結婚するなら、ペロロンチーノはモモンガにとって義理の弟になるのだ。やはり、この話はしておくべきだろう。そう考えながらモモンガは、じゃれ合う茶釜とアウラを見ていた。しかし、今考えた『誰々と交際する件』について話さなければならない相手。それが新たに一人、ナザリック地下大墳墓に近づいていることを、この時のモモンガは知る由もなかったのである。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「いっきし!」

 

 一人の男がクシャミをした。転移後世界の者が見たなら、変わったデザインだとしか思わないだろうが、南蛮胴具足風の甲冑を身につけた男だ。

 

「風邪か?」

 

「違うって……」

 

 行動を共にする剣士から声を掛けられて否定した彼は、周囲を見回した。青空の下、踏み固められた街道を八足馬二頭で引く馬車が行き、周囲を雇われた六人の冒険者が固めている。自分達二人は、ある目的のため街道移動中だったが、この馬車隊と遭遇、面白い話を聞いたので同行することにしたのだ。

 彼の名はシシマル……こと、獣王メコン川。ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルメンにして、ルプスレギナ・ベータの創造主である。

 『モモンガさんに対して申し訳ないギルメンの集い』に出向いた前日。メコン川は、一つの予定をこなしていた。それは、元の現実(リアル)でベルリバーと会い、あるデータを預かることだったのだが……。

 

「弐式さんの誘いに乗って、えらい事になったよな~。モモンガさんには、正直すまんかったと思うけどさぁ」

 

「まったくだ……。俺は……まあ、アレだが……」

 

 相槌を打ったのは、メコン川と比べると軽装……胸当てや肩当てなど、最小限の防具を装着した男、バリルベ……ことベルリバーである。メコン川と同じくギルメンだ。メコン川がニヒルな笑みを浮かべているのに対し、こちらは気むずかしそうに顔を顰めている。

 ベルリバーが元の現実(リアル)でメコン川を呼び出したのは、巨大複合企業の不味い情報を入手し、それをメコン川に託すためである。それ自体は無事に終えていたが、ベルリバー自身は数日内に、得た情報を元にして『行動』に出る予定だった。もっとも、彼の行動は察知されており、予定どおりの行動に出たとしたら……いや、それよりも早く企業側の手によって殺害されていたのだが……。

 

メコ(メコン川)さんは、もう死んでたはずで……」

 

「いや、集会の時も言ったけど、俺は知らないぞ? ベル(ベルリバー)さんが言ってる日付って、集会に行った日じゃん。俺がベルさんと会った次の日だよ! ベルさん、俺と似た名前の奴が死んだ話を、ニュースとかで見たんじゃないのか?」

 

 どうにも話が噛み合わない。

 集会における、たっち・みーとウルベルト。それに、茶釜とペロロンチーノ。前者二人は、ヘロヘロの時系列を基準に言うなら三日前。後者は、ユグドラシル終了後、ある程度の日数が経過してからのログインだった。その様な者は他にも何人か存在しており、つまるところ、集会に居合わせたギルメンらはほぼ全員、ログインの時系列がバラバラなのである。

 もっとも、この時のメコン川とベルリバーにしてみれば、知り得た一部のギルメンの情報と、自分達二人分の情報だけで情報整理するしかなかった。集会の場でも話し合いはしたのだが、当時、場を支配していた『妙な雰囲気』によって会話らしい会話にならなかったのである。

 

「俺は、ベルさんからデータを預かった後、自宅に戻っててな。集会の当日、弐式さんからメールが届いてたんで、緊張をほぐすためにログインしたんだわ」

 

 そうして集会の場へ赴き、ギルメン同士の会話がループしたり、他の思考に勝手に誘導されたりしていた。だが、遅れてログインして来たヘロヘロの発案によって、皆と共にナザリック地下大墳墓に向かっている。とにかくモモンガに会おうとしたのだ。結果として、異世界転移に巻き込まれることとなるが、その際、すぐ近くで途方に暮れていたベルリバーと共に転移してしまったのである。

 

「……メコさん。集会の時も言ったけど、俺が知ってる『事実』……いや『現実』は違う。メコさんと会った次の日にな、メコさんの住んでる区画が吹っ飛んだんだよ。爆破テロだったそうだが……。本当かどうか怪しいもんだ」

 

「マジかよ……」

 

 ベルリバーは、このような話を冗談で言う男ではない。それを知っているメコン川は、どうやら自分が死んだらしいという事を真剣に考え始めた。特徴的な笑みを引っ込めたメコン川を横目で見ながら、ベルリバーは自身も考えにふける。が、そこにメコン川から声がかかった。

 

「ベルさん。今の話どおりなら、ベルさんがログインしたのはユグドラシル終了の後じゃないか。どうやって集会の場に行ったんだ?」

 

「取っかかりは同じだよ。俺も弐式さんからメールを貰ってた。もっとも俺の場合は、外を歩いてたとき、携帯端末に着信があったんだけどな」

 

 その段階で、すでに話がおかしくなっている。

 例えばヘロヘロが弐式からメールを貰ったのは、ユグドラシル終了日の当日だ。なのにベルリバーは、ユグドラシル終了後……メコン川の居住区が爆破された後でメールを受信している。明らかに時系列がおかしいのだ。

 

「……どうなってるんだ? 変だったのは集会の場だけの話じゃないのかよ?」

 

 ベルリバーは舌打ちしたが、頭をバリボリ掻いてから話を続ける。

 弐式からのメールだが、ベルリバーはメール本文を読み終えた瞬間、集会の場へと転送されていたのだ。

 

「魔法のある転移後世界に来ておいて何だが、あれはもう超常現象だな。集会の場に居たときは、何故か気にもならなかったけどさ。……後は、メコさんと同じ展開だ。俺は、あの場から現実(リアル)に戻りたかったが、その手立ても無く、それを模索する意識も別の方向に誘導されてた。モモンガさんに会って謝りたい気持ちってのは、あったけどな。ヘロヘロさんが来なかったら……あのままだったかも知れないなぁ」

 

「モモンガさんの所へ行くんだ! でも合わせる顔が……って皆で言い合ったまま、ずっとあの場所であのままでか? 寒気がするな……」

 

 結局は二人とも、集会の場で異世界転移に巻き込まれることとなった。転移し終えたのは……つい数日前、場所は帝都西側の荒野である。他のギルメンに<伝言(メッセージ)>しても通じず、手持ちの金はなく、アイテムボックスにあったのは三流のゴミ装備のみ。どうにか街道を発見し、帝都に転がり込んだのだが、行き着いた冒険者組合で王国冒険者チーム……漆黒の噂を耳にした。

 主立った構成員はモモン、ブリジット、ヘイグ、ニシキ、ナーベ、ラッセル、セバス……。

 ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルメンやNPCを連想させる名に、これは! と思い立ち、そのまま二人は帝都を飛び出したのだ。なお、主に帝都で行動しているはずの弐式は、ブルー・プラネット帰還により一時期、自班の班員らと共にナザリックへ戻っている。そして再び帝都に戻ったときには、メコン川達は帝都を出ていたのだからタイミングが悪いと言うほかない。

 

「それにしても、ベルさん……。俺も焦ってたけどさ、冒険者組合で登録して路銀ぐらいは稼いでおきたかったな」

 

「まあな……」

 

 二人揃って一文無しなのだ。せっかく人里……帝都に入ったのだから、旅の準備ぐらいはするべきだった。ユグドラシル時代は知的に立ち回っていたベルリバーも、モモンガ達と合流できる目があると知って、やはり焦っていたのだろう。

 その様な状態で出発し、最初に問題となったのは水と食料である。

 この時点で、一度帝都に戻ろうかと議論になったが、もう出発しているのだからと王国行きを続行した。それほどに他のギルメンらと会いたかったのだ。

 と、二人は結論づけたが、今の会話をモモンガやタブラ達が聞いたなら「精神に影響が出始めてる……」と思ったことだろう。

 しかし、異世界転移後、それなりの日数が経過しているモモンガ達とは違い、メコン川達は日が浅い。自分達の体調に関しても良く解っていない状態なので、特に違和感もなく会話を継続している。

 

「水とか食料が何とかなったのは幸いだったな~」

 

「メコさんのおかげだよ。鼻の性能が凄いったら……」

 

 水に関しては、メコン川が異形種化して水場を嗅ぎつけた。食用にできるモンスターについても同じである。更に都合の良いことに、異形種形態で多くの口を持つベルリバーや、獅子の獣人であるメコン川にとって生肉を食すことは苦痛にならなかったことが大きい。

 ただ、途中で合流した、ナザリックを目指すワーカーら……を乗せた馬車隊の面々から「少しだが食料は分けてやれるぞ? 金は貰うがな」と言われ、銅貨一枚も所持していなかったメコン川らは非常に情けない思いを味わっている。倒したモンスターの部位でも持っていれば話は変わったのだろうが、ここまで食べることしか考えていなかったので、部位収集を失念していたのである。つまり対価として出せる物は、何も無かったのだ。

 その体験が、王国の……話で聞いた漆黒の拠点、エ・ランテルという都市。そこに向かうことを一時中断、路銀稼ぎとして遺跡行きを決定した理由だった。

 

「この先にあるって言う遺跡で、少しでも路銀を稼げるといいんだけどな~……」

 

「まったくだよ……」

 

 メコン川のぼやきに、ベルリバーが言葉少なに答えた。

 現地の遺跡に到達したら、そこで二人は目を剥くほどに驚くことになるのだが、それはもう暫く後のこととなる。

 




 恋愛が絡むと書く速度が遅くなるようです。

 今回、茶釜さんがモモンガハーレムに加入しました。
 茶釜さん当人は、第三夫人で良いという考えですが、モモンガさんが誰を一番好きになるかはモモンガさん次第という考えも持ってます。とはいえ、原作のシャルティアのように「モモンガさんにとって面倒くさい」方向で張り合う気はないので、基本的にアルベドとは協力関係だったりします。
 あと、話の流れの上で、今回はルプスレギナの影が薄いですね。
 次回は冒頭に出番を持ってこようかな……。

・・・・・・・・・・・・・・・・

 弐式さんのメールは時空を超える。
 超えさせてる存在があるのですけど、本編で触れられるかは未定。
 まあ、戦国自衛隊とかでもタイムスリップした理由とか不明のままですしね。

 メコン川&ベルリバーの現状は、自力での人化が可能。アイテムボックス内は、武器防具一組の装備のみ。わりと頻繁に人化と異形種化を繰り返してるのだけど、発狂ゲージは蓄積中。ナザリックのギルメンらとは接触してないので<伝言(メッセージ)>不可。

 人間名に関しては、よく見かける二次設定ですがベルリバーさんが鈴川さん。メコン川さんが、目根川さんって感じにしようと思います。二人の間からして、二人きりの時は本名で呼び合う気もしますが、基本的にゲーム時代のユーザー名で通す感じ。何となくですけど、元の現実(リアル)に踏ん切りついてるのかもですね。

 原作のベルリバーさんは、企業の不正データを誰かに渡してますが、本作では、その誰かはメコン川さんということにしました。
 ベルリバーさんは、合流ギルメンで初の『元の現実(リアル)に戻りたい』メンバーになるか? 集会の場に集えた条件を満たしてるので、どうなるかな……。
 二人で組んでるときは、基本的にメコン川さんが主で動いています。
 メコン川さんに関しては、ニヒルかつ建御雷と弐式を足して割ったような性格として書いていくつもりです。
 ベルリバーさんは原作準拠な感じにしたいのですが、どうなるかは未定。 

 ルプーのパパが合流しそうなので、合流してからが楽しみです。

 しかし、せっかくのワーカーイベントなのに、この二人出したらヘッケラン達の影が薄くなるかな~……。
 うまく調整できるといいんですけど、無理でもまあ、原作でもワーカーはゲストキャラでしたしね。
 今、変換ミスって「ゲストキャラでした死ね」となりました。ワーカー、死んぢゃうの? まあ、書いてみてのお楽しみかと……。

<誤字報告>

macheさん、yu-さん、佐藤東沙さん

毎度ありがとうございます。

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