アズールレーン&艦これ ~蒼き航路に集いし少女達~   作:モンターク

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やはりと言って良いのか
この人登場です。


短編「不審者」

「…撮られている…?本当か、吹雪」

 

「はい、私が基地の外の桜道を通ってる時に急にカシャッて音が聞こえて……でも見回しても誰も居なくて……」

 

長門は吹雪からの相談を受けていた。

どうやら「盗撮」されているらしい。

なお吹雪曰く、グリッドレイなどめぼしいカメラ持ちの艦に話を聞いてみたところ、彼女達でもなかったそうな。

 

「基地内とは言え、気味が悪いな……人間が来るはずはないのだが……そして駆逐艦を狙って…か」

 

「はい…夕立ちゃんや時雨ちゃんも撮られたみたいで間違いじゃないんです……少し怖くて……」

 

「ひよこかなにかの仕業かもしれんが……わかった、調べてみよう」

 

――――――――

 

(とは言ったものの……判断材料としては駆逐艦を狙う盗撮犯…か……軽巡以上に目撃証言がない以上はそう考えるしか無い)

 

そして長門は桜道のところに来つつ、重巡青葉のことを思い出もいた。

彼女も鎮守府内のゴシップやらを嗅ぎつけたりで盗撮ギリギリまでしたりしているが、駆逐艦だけを狙っているというわけではなく、そして当然ながらこの世界にはいない。

 

(妖精やひよこのイタズラの可能性もなくはないが、聞く限りでは首を振っていた……隠している可能性もなくはないが……)

 

そう考えていると目の前に駆逐艦である「チャールズ・オースバーン」や「オーリック」「サーチャー」「スペンス」「フート」のいわゆるビーバーズが通りかかった。

何やら楽しそうな会話をしている。

 

(うむ、相変わらず元気で何よりだ……フレッチャー級は流石に多すぎるとは思うが)

 

長門は艦娘のフレッチャー級「フレッチャー」「ジョンストン」も思い出しつつ、そう思っていたのだが……

 

その時、カシャッという音がした。

 

「……!」

 

長門はその方角を振り返ると、誰も居ない。

いや木陰に姿を隠しているのだろうと察した。

 

 

そして長門は忍び足でその方へ近づき、41cm砲を部分展開して、その不審者にこう伝えた。

 

「……動くな!」

 

「……!」

 

そこには

ロイヤル所属の航空母艦「アーク・ロイヤル」の姿があった。

 

「貴様…ロイヤルの…!」

 

「お前は…艦娘の……!」

 

そのアーク・ロイヤルの手にはもちろんカメラがあった。

そのカメラはデジカメであるようで、その画面には駆逐艦の姿があった。

 

「貴様が駆逐艦の盗撮犯だっただと…?」

 

「と、盗撮ではない!これは駆逐艦の妹たちの記録を取ろうと真面目にやっていることで…」

 

「なら何故隠し撮りをする必要がある……?」

 

「それは……そもそもお前!最近、駆逐艦に懐かれているようだな!」

 

「懐かれている…まあ確かに最近は色々と聞かれたりも頼られたりもするが……」

 

そう長門が答えると、アーク・ロイヤルはなぜか涙を流しつつもこう話した。

 

「何故そんなことが普通にできるんだ……私のときはだいたい避けられてしまっているというのに……」

 

「何故涙を流す……良からぬことを考えているからではないのか?」

 

「なに!?私は決して犯罪などはしていない!確かに駆逐艦にははつじ…ではなく愛しく思っているが……」

 

「はつ……?」

 

「と、ともかくだ!確かに遠くから水着の駆逐艦達を望遠鏡で見たときもあるが……自重はしている…!」

 

「………」

 

(あの時の反射はこいつからだったのか……!)

 

艦達が海で水着で遊んでいたあの時、カメラのフラッシュの光が森のほうから反射してたのはやはりこの人のせいであった。

あまり理解できない表情をしつつ、長門は頭を抱えつつもこう話す。

 

「……はぁ、まあ性癖自体を否定するつもりはないが……だが、実際うちの艦娘達が怖がっている。控えてはもらいたい」

 

「う、うむ……そうか……なるべく気が付かれないように撮ろう」

 

「いや、撮るのをやめてほしいのだが…」

 

そうしていると、表で誰かが転んだようで――

 

「!?」

 

アーク・ロイヤルはすぐさま瞬時に走って駆け寄った。

どうやら駆逐艦が転んだらしい。

 

「こいつ?!」

 

その速さに思わず長門も驚いていた。

 

「ぽい………」

 

「全く、夕立はいつも早いから……ほら擦りむいてるよ」

 

「ホントだっぽい……でもこれくらい平気っぽ……痛っ!」

 

「医務室に行ったほうが良いよ?バイキンが入ってたら大変だよ」

 

「その通りだァ!」

 

「!?」

 

夕立と時雨の間に瞬時に入ってくるアーク・ロイヤル

そして続けて興奮気味にこう話す。

 

「だから、お姉さんが、舐めて…消毒して……」

 

「ぽいいいいいいいい!?」

 

その一部始終を見ていた長門はすぐさま艤装を一部展開。

 

「てーっ!!!」

 

言うまでもなくすぐさまその不審者に火を噴いた。

 

――――――――

 

基地内医務室にて

 

「すまぬ、勢い余って主砲を展開してしまった……」

 

「いえ…むしろ主砲でお灸をすえてくださり、感謝しております…」

 

「一応演習弾で砲撃をしたのだが……まあこうなってしまうか…」

 

饅頭達により手当中のアーク・ロイヤルの横で、長門と迎えに来たベルファストで話していた。

 

「察するにそちらではいつものことのようだな……私の知る艦娘のアーク・ロイヤルはああではなかったのだが……世界そして艦娘とKAN-SENの違いというものが改めて実感できた」

 

艦娘のアーク・ロイヤルはビスマルクと絡んでいる時こそ天然な風になってしまうが、言うまでもなくここまで偏狂な人ではない。

それゆえに長門は驚いて、主砲を演習弾とは言え緊急発射することになったのであろう。

 

「そこまで……。アーク・ロイヤル様は悪い方ではないのですが……駆逐艦の方々へ対しての愛のベクトルが……」

 

「ああ……私にも嫉妬しているようだからな……はあっ…」

 

「ぐへへへ……くちく……おねえさんが……」

 

そう二人が話す中、アーク・ロイヤルは夢の中で良からぬことをしているようで、寝言として漏れていたそうな。

 

(全く……)

 

――――――――

 

その後、近海に深海棲艦が出撃したというのが、哨戒艦から発信され、艦娘・KAN-SENが出撃した。

 

「…しかし深海棲艦とは……見慣れないやつも増えたのだな」

 

「…ああ、私達の世界から何故かな…」

 

(まさか同じ出撃になるとは……)

 

編成は戦艦「長門」空母「アーク・ロイヤル」「イラストリアス」重巡「鳥海」軽巡「クリーブランド」駆逐「シグニット」であった。

 

「基地で待っている駆逐艦の妹たちのためにも頑張るぞ!」

 

「駆逐艦以外のためにもお願いいします」

 

「ふふっ…相変わらずですね」

 

「ハハハ……相変わらずのアーク・ロイヤルだ…」

 

アーク・ロイヤルのその意気に鳥海は冷静にツッコミ、クリーブランドとイラストリアスは苦笑いしている。

そして当の駆逐艦1人は……。

 

「ううっ……なんでうちがアーク・ロイヤルさんと…」

 

こんな感じであった。

 

(本当に大丈夫なのか……?ベルファスト曰く、戦闘のときは真面目のようだが……)

 

「電探に反応!敵艦捕捉!ル級1、ネ級2、へ級2、ニ級1」

 

「来たか…私が先に航空機を出して突破口を開こう。良いな?長門」

 

「あ、ああ……」

 

アーク・ロイヤルはどうやら戦闘モードに入ったようで、先程までの有様が一転して凛々しくなっている。

その様子にも長門は驚いていた。

 

「ソードフィッシュ中隊、出撃の準備を!」

 

「全主砲装填!」

 

「皆さん、前進します。最大船速!ヨーソロー!」

 

「了解!」

 

「……うん、うちも頑張る!」

 

こうして戦闘配置に入り、特に難なく深海棲艦を撃破することに成功した。

 

――――――――

 

そしてその後の主要艦による会議でも……

 

「どう思いますか?アーク・ロイヤルさん」

 

「うむ、私から見る限りは重桜はまだ……」

 

「……」

 

(本当に駆逐艦が絡まなければ真面目なのだな……)

 

その様子のアーク・ロイヤルは艦娘のアーク・ロイヤルとはベクトルこそ違えど、同じ魂を感じられる。

やはり「元」は同じらしいと長門は思っていた

 

「では今日はこれで解散とする。以上」

 

プリンス・オブ・ウェールズの言葉で解散となり、アーク・ロイヤルは何か急いで走っていった。

 

「アーク・ロイヤルさん、あんなに急いでどうしたんでしょう?」

 

「……まさか…」

 

イラストリアスがはてなを浮かべる中、長門はどこかピンと来ていた。

 

――――――――

 

「……良い……良い……」

 

そこは大浴場であり、駆逐艦が入っている中、アーク・ロイヤルは鼻血を垂れ流しつつ、その様子を見ている。

 

「………」

 

一応手を出しておらず、ただ見ているだけなので、長門はまあ見逃しているわけだが、如何せんなんとも言えない気持ちであった。

 

(褒めていいところもあれば……こういう一面もある…か……)

 

「へへへ………」

 




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