アズールレーン&艦これ ~蒼き航路に集いし少女達~   作:モンターク

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今回は幸運艦のお話を少々…。


幸運

「うむ……うむ……?」

 

「……本読んでるの?エンタープライズ」

 

基地内の図書室において、苦戦しながらも本を読んでいるエンタープライズ

そんな時に何か読む物はないかと探しに来た瑞鶴と出会った。

 

「瑞鶴か……ヴェスタルとベルファストに本を読むのも挑戦する一歩と言われてな…」

 

「ああ……でどうなの?」

 

「さっぱりだ。面白いものなのはわかるのだが、意味が…」

 

「ああ、それね……ってかこっちの世界にもそんな本があるんだ…あのね…」

 

そして瑞鶴によりその本の単語の意味などをすらすらとエンタープライズに教えていく。

それによりエンタープライズは段々とわかるようになってきたらしく、最終的にはしっかりと読み終えることができた。

 

「どう?」

 

「うむ、確かに面白いものだな……どこか暖かい気持ちになれる」

 

「…そう……じゃあこれ。のど渇いたでしょ?」

 

そう言って瑞鶴は紙パックのジュースをエンタープライズに差し出す。

 

「ああ…感謝する」

 

そう言ってジュースを飲む二人だが、エンタープライズはあることが気になったのか、瑞鶴へこう話し始める。

 

「瑞鶴……お前は私に挑もうとしないのだな」

 

「挑もうと?」

 

「いや、重桜のお前は私に戦いを挑んできたりしていたが、お前はそうではないから…」

 

「ああ、それね……まあ、確かに私もあんたと戦ってみたい…あの時のリベンジをしたいと思う時はあるけど……それでも今は…エンタープライズを見てるとどうしても放っておけないって言うか……」

 

「放っておけない?私がか?」

 

「そうよ、いつも死にかけてるようなもんだし……私より幸運艦なのに私より傷ついて……」

 

エンタープライズは史実においても最初の真珠湾攻撃の難を流れたことを始め、様々な幸運や乗務員の努力により轟沈を免れ生存し続けたが、その分被害を受けたりする回数は多く、それで中破して飛行甲板に大穴が空いているにも関わらずカダルカナル島周辺の防衛に駆り出されたりしている。

 

艦娘の瑞鶴はそのことがわかっており、そして元々割り切っていたこともあり、彼女を敵視やライバル視をすることはせず、むしろ「放っておけない」という思いが出ていた。

 

「明石から聞いたけど、艦橋が根こそぎ折れるくらい無茶するなんて……」

 

「う、うむ……それについては反省するが……」

 

「反省だけじゃダメよ。もっと他の皆も頼ったほうがいい……エンタープライズほどじゃないけどこの幸運艦もついてるし」

 

「そうか……そうだな。なるべく気をつけることにする」

 

「だからなるべくもダメだってば」

 

これは改めさせるには骨が折れるなと瑞鶴は思ったそうな。

その後も本を読み続けるエンタープライズだが――

 

 

「……っ…」

 

慣れないことや日頃の疲れも相まって、眠ってしまった。

 

(……全く……やれやれね)

 

そして瑞鶴は毛布をエンタープライズにかけてあげた。

 

(しかし、こうしてると普通の女の子なのよね……)

 

使命を感じ、いつも何かを背負っている彼女。

だがその使命を少し忘れ、眠りにつくと、やはり他と変わらない女の子だとわかる。

 

「あら、瑞鶴様……エンタープライズ様も…」

 

「ええ、今は眠っちゃってるけど」

 

何かで呼びに来たのか、ベルファストがこの場に来た。

そしてもちろんベルファストもその寝顔を見ている。

 

「あら……ここでお眠りになるのは少しお体に悪いのですが……」

 

「まあ、この寝顔で起こすのはちょっと気が引けるから……でもなんか呼びに来たんでしょ?」

 

「はい、瑞鶴様。整備の方からのことなのですが……急ぎの用事でもございませんし、このままお休みになられたほうがよろしいかと」

 

「そう……あ…!」

 

「どうかされましたか?」

 

「いや……これから艦載機の点検するんだった。妖精さん達へも色々としないといけないから」

 

「でしたらこの場は私が見ていますので、瑞鶴様はそちらへ」

 

「ええ、頼んだわベルファスト」

 

こうして瑞鶴は工廠のほうへ急いでいった。

なおエンタープライズは引き続き寝言こそあれどぐっすりと眠っている。

先程声が多少出たが、それでも起きない限り、やはりかなり疲れていたようだ。

 

「……姉さん……ほーねっと……」

 

――――――――

 

そして工廠では……

 

「これが妖精さん?」

 

「はい、そちらで言うひよこ…饅頭さんみたいなものです。私達の補助をしてくれます」

 

「かわいい……」

 

「アワワワ…」

 

ユニコーンが妖精さんを撫でている中、瑞鶴が艦載機の様子を見て、ホーネットがその様子を見学している。

 

「へー、艦娘ってそういう感じで整備するんだ……」

 

「まあね、KAN-SENはこんな細々にやらないんでしょ?」

 

「ああ、メンタルキューブがどーのこーの…で詳しいことはよくわかんないけど」

 

「へー……よし、流石明石さん。いつも決めてる」

 

「いやー褒めてもネジはでませんよー?」

 

「そうにゃ、赤本は出さないのにゃ~」

 

褒められて嬉しくなっているダブル明石

そんな時にホーネットは瑞鶴にこう話しかける。

 

「なあ、姉ちゃんどうだった?」

 

「エンタープライズ?まあ、今日は読書してたわよ。途中で寝ちゃってたけど……でもそんなことくらいエンタープライズから聞けば良いんじゃないの?あなたの姉なんでしょ?」

 

「いや、そうなんだけど……なんというか姉ちゃん、色々と考えているときが多いから近寄りにくくて……」

 

「はあっ……そういうの関係ないと思うから、早く行ってあげたら?多分図書室にまだ居ると思うし」

 

「そっか……そうだな!行ってくるよ!」

 

そうしてホーネットは足早に工廠から図書室へ向かっていった。

そして瑞鶴は引き続き艦載機の様子を見ている。

 

「……」

 

(なんかずっと引っかかってるのよね……エンタープライズ……嫌なことが起きないと良いんだけど)

 

ここへ来てから引っかかってる「エンタープライズ」のことを思いながら……。

 




次回投稿でやっと決戦前を出せるかなぁ…と
(まだ7話ではなく、6.5話になると思うけど)


それはそれとしてネジと赤本ください(血涙)
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