アズールレーン&艦これ ~蒼き航路に集いし少女達~ 作:モンターク
帰還、そして新たなる道標(前編)
「これで全員ですか?霧島さん」
「はい、それ以外は居ないようです。大和さん」
その爆発の後、霧の中でなんとか合流した一部の艦
艦娘は明石含め全員揃っていたが、KAN-SENのほうはエンタープライズ、ベルファスト、ジャベリン、綾波、ニーミ、ラフィー、明石しか居なかった。
「しかし嵐と爆発の後に急に霧なんて…それより、エンタープライズ怪我は大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ…サラトガ。しかし…爆発が起こったと思えば霧の中か……またセイレーンの手によるものか?」
「わかりません。ただ、霧が晴れてきましたので、そろそろ合流できると思われます」
ベルファストの言う通り、その濃い霧は晴れつつあった。
そんなときに動くのは危険なのでただただ待つこととなった。
そして――
「…!」
「どうしました?鳥海さん」
「いえ、GPSの反応が……海上通信の反応も!」
「ほ、本当ですか!?」
「はい、吹雪さん」
鳥海が感じたのを始め、他の艦娘もGPSなどの端末が復旧したということだ。
「まさかこれは……」
大和がその理由を考えると急に別の航空機が飛び込んできた。
「な、なんだ!?」
「電探に感あり!深海棲艦の艦載機です!」
摩耶が驚き、鳥海は引き続き冷静に反応を伝える。
「セイレーンではないのか?」
「はい、間違いなく深海棲艦です。エンタープライズさん」
「ど、どういうこと!?ま、ま、まさか!?」
「お、落ち着いてください!ジャベリン!」
ジャベリンが驚き、ニーミがそれを抑えているうちに艦載機群はこちらに攻撃を仕掛けてくる。
「くっ!対空砲火!艦隊を守れー!」
摩耶が対空砲火でなんとか敵を寄せ付けないようにしようとする…が
次の瞬間、また別の艦載機が飛び込んできた。
その艦載機達は次々と深海棲艦の航空機を撃墜していった。
「あれは……」
そして艦載機を出そうとしていた赤城もその存在に気づいた。
「オーオー!」
「トツゲキー!」
上空を飛んでいたのは零式艦上戦闘機52型丙、天山、彗星、流星であった。
そして尾翼には「601」のマーキングがされていた。
「これは…あの子達の!?」
赤城がそう気づいた通り、そこより少し離れた方では……航空母艦「大鳳」「雲龍」「天城」「葛城」及び随伴の戦艦「陸奥」「武蔵」重巡「高雄」「愛宕」などの艦隊が居た。
「陸奥!これは……」
「長門達…!?見慣れない艦も居るみたいだけど……」
「ず、瑞鶴先輩!?」
もちろん、こちらも大和達に驚いていた。
だが深海棲艦は依然迫っているということで、引き続き攻撃を行う。
『こちら第1護衛隊旗艦「いずも」こちらで敵艦隊の本隊を捕捉した。座標を送る。そちらへ攻撃されたし!こちらも攻撃態勢に入る!』
そしてその付近で海上自衛隊第1護衛隊群第1護衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」ミサイル護衛艦「まや」汎用護衛艦「むらさめ」「いかづち」が深海棲艦の敵本隊を捕捉した。
現代艦船は確かに深海棲艦への攻撃としては力不足であるが、艦娘の電探及び索敵範囲よりは当然ながら相当上である。
そのため、この深海棲艦戦においても十分活躍の場はあるのである。
「よし、いくわよ!」
「第六〇一航空隊、発艦始め!」
陸奥、大鳳の掛け声とともに深海棲艦への攻撃が始まる。
『対水上戦闘!SSM発射始め!用意、てーっ!』
護衛艦「まや」「むらさめ」「いかづち」より90式艦対艦誘導弾(SSM-1)が発射され、こちらも深海棲艦へ攻撃を始める。
言うまでもなく効果は薄いが、それでも気をそらし、艦娘への迎撃行動を遅らせることは可能であった。
「!?」
当然ながら事実上のアウトレンジ攻撃を喰らい、深海棲艦のヲ級flagship率いる艦隊は一気に総崩れとなり、全隻撃沈となった。
「あそこまで連携して攻撃するとは……」
エンタープライズは護衛艦と艦娘の連携攻撃に驚いていた。
なにせ自分達は基本KAN-SENのみで作戦を行っており、人間達とは共同作戦を取ったことがほぼないからである。
当然ながらベルファストはあることに気がついた。
「……なるほど、つまりここは貴方達「艦娘」の世界ということですね」
「ああ……ベルファストの言う通り、ここは我々の世界だ」
長門は遠くにいるであろう陸奥のことを感じ取っていた。
(まさかこんな形で帰還することになるとはな……)
―――――――――――
その後、横須賀鎮守府に入港した失踪していた艦娘及び今度は転移する側となったKAN-SEN。
当然ながら水上部隊・機動部隊旗艦である大和、赤城は提督へ今までのことを報告することとなった。そして「来訪者」の代表であるエンタープライズ、ベルファストも同行している。
「以上です。提督」
「はぁ…まさか居ないと思ったら別世界にいてそこでドンパチしてたなんてなぁ……まだまだ俺も知らないことがたくさんあるようだ」
「提督驚かないんですね…」
「赤城、これでも驚いてるぞ?俺あんま表情出さないタイプだから」
(本当ですか…?)
秘書艦である大淀は横で心のなかでツッコミを入れた。
そして話題はエンタープライズとベルファストのほうへ移った。
「それで…君たちがKAN-SENと呼ばれる艦か?」
「ああ、ヨークタウン級航空母艦のエンタープライズだ」
「エディンバラ級軽巡洋艦のベルファストでございます。以後、お見知りおきを」
ベルファストは一礼をする。
「ほう…どちらもかなりの武勲艦と来たか……別世界にも艦娘と似た存在はいるんだなぁ……パラレルワールドとかあんま信じちゃいなかったが……厄介なことに巻き込まれたね、赤城、大和」
「はい…あちらでは私達が元の世界に戻れるかを考えていましたが、こうなってしまえば今度はエンタープライズさん達を元の世界に戻す方法を考えないといけません」
「大和…ああ、あちらではまだセイレーンがいる……私が居なくなればアズールレーンは……」
「提督、そして私達もまだあの世界でのことが終わってないと思います」
「と言うと?」
「あちらにも深海棲艦が現れていることです。そして雲龍さん達に確認したことですが、ここ最近はこちらでは深海棲艦の出現率が大幅に低下しています。これは看過できないと思います」
赤城の言う通り、あちらのKAN-SENの世界では艦娘が転移した時と同時に深海棲艦が突如出現している。とてもじゃないが偶然とは考えにくいものだった。
「なるほどな……だがあちらの世界に行ける方法がないのがねぇ……色々とこっちも調べてはいるし、希望がまったくないわけじゃないが……」
「………」
エンタープライズは拳を握りしめる。
ピュリファイアーに襲撃された後の基地についてやはり気になっているようで、いますぐ駆けつけることができない悔しさが出ていた。
それを見て提督はある提案をする。
「まあ、KAN-SEN方には当分この基地に居てもらおう。もちろん補給などその他の心配もしなくていい。我々も全力を尽くそう」
「…ああ、感謝する。提督」
―――――――――――
「長門…本当に長門なのね…」
「ああ、心配かけたな。陸奥」
余程心配していたのか、陸奥は長門に抱きついていた。
その光景をじっと見ているのは重桜のほうの綾波であった。
「あらあなたは……」
「えっと…綾波…です。あっちの綾波とは違うけど、同じ艦です…」
「あらあら……あなたが噂の……確かに「綾波」ね…」
陸奥は重桜の綾波の様子をマジマジと見ている。
「…やっぱりわかるんですか?」
「なんとなくね。しかし、こうも外見が違うなんて……」
「あ、あんまり見ないでください……」
綾波は恥ずかしそうに少し照れていた。
一方のニーミもニーミで驚いていた。
「れ、レーベさん…?」
「ああ、君が噂の?」
「なるほどね……確かにZ23って感じね」
Z1、ビスマルクからマジマジと見られてしまっているからであり、ニーミもタジタジになってしまっている。
「あわあわわわわ」
――――――――――
「やれやれ……どうしたことやら」
一方提督はそとの海を見ている。
来訪者の件をどうするか……というのもあるが、提督の中では深海棲艦のここ最近の数の減少と転移していた艦娘達の証言を聞き、点と点が結ばれたと確信したからだ。
だが、その理由に関しては一向にわからなかった
(怪しいのはセイレーンだが……これまたなあ……深海棲艦とは違い、ある程度の冷静な知能はあるとは聞くが……)
とその時
「海上自衛隊第3航空隊の哨戒機より報告!深海棲艦及び未確認海上生物の接近を確認!各隊はスクランブルを急げ!」
「……こんな時にか……って未確認海上生物だと?」
提督は聞き慣れない言葉が聞こえたが、それについて考えている暇はない。
すぐさま編成準備に取り掛かった。
本来は色々と描写したいものがあったけど、流石にダレそうなので結構カット。
なんとか終わらせていきます。