アズールレーン&艦これ ~蒼き航路に集いし少女達~ 作:モンターク
「あやなみいいい!にーみいいいいい!」
そしてKAN-SENの綾波とニーミを見つけ、涙流しながらも駆け込む夕立、時雨、雪風の3人。
だが後ろの存在に夕立は気づく。
「あー!お前らあの時の!」
「はははは……」
「ああ、もうひとりの僕たち…」
「ですね」
「ぽい」
色々と交戦してきてまあ、顔見知りになったのであった。
「ちょっ!?なんでニーミ達がアズールレーンと行動してるの!?」
「話は後です。みんなで赤城を止めるのです」
アドミラル・ヒッパーのツッコミもごもっともであるが、綾波の言う通り、今はそんなことを言っている場合ではなかった。
「だからさっきからやってるっての!」
「違う。みんな。仲良く」
「はい!そうです!」
ラフィーとニーミの言葉でプリンツ・オイゲンはその真意を理解した。
「…そういうこと」
(ニーミ、あなたが見つけた答えはそれなのね)
「おしゃべりは終わったかしら?」
「ええ、話はまとまったわ……改めて共同戦線よ」
そうして鉄血がアズールレーン・艦娘連合軍と連携攻撃へ移行し、セイレーンへ攻撃を集中させた。
だがこれも焼け石に水…。
「想定外の変数ね。この演算結果は受け入れがたい」
そうオロチが言うと、上の空間より多数の船が降りてきたのだ。
「ここにきて援軍かよ!」
「数だけ多いですね…」
摩耶、鳥海の言うとおりであった。
そんな中、ベルファストは懐中時計を確認する。
「予定ならばそろそろですが…」
「え?何が?」
「何があるの…?」
W瑞鶴がはてなを浮かべていると――
「パーティーの時間よ!」
「撃ち方始め!」
その号令とともに相次いでの砲撃戦が開始される。
「今のは…!」
「待たせたわね!円卓の騎士の到着よ!」
クイーンエリザベス・長門率いる大援軍であった。
「余は長門。重桜の長門である。これよりレッドアクシズとアズールレーンはセイレーンを打倒するため連合艦隊を結成する!なお総旗艦を務めるのは余ではない」
そしてその長門の後ろより現れたのは――
「我は敷島型前弩級戦艦「三笠」これよりこの連合艦隊の総旗艦を務める!」
「あれが……三笠さん!?」
長門は驚きの表情であった。
なお大和は続けてこう宣言する
「こちら艦娘連合艦隊旗艦「大和」これより我々はレッドアクシズ・アズールレーン連合艦隊へ協力を申し入れます!」
「うむ!了解した!ともにセイレーンを撃破するぞ!こう…いや、世界の荒廃、この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ!」
三笠よりZ旗(=後がない)が上がり、それは艦娘・KAN-SEN達の士気を向上させるものであった。
「…知っていたのか?」
「…ふふっ、でも、まさか三笠様方からホットラインを繋げられるとは思っても見ませんでしたが…」
これにより、レッドアクシズ・アズールレーン・艦娘による連合艦隊が編成された。
これは艦娘の世界でもKAN-SEN世界でもあり得なかったほどの数を誇る超連合とも言っていいだろう。
そしてそのまま攻撃は開始された。
まさしく大決戦とも言える。
砲弾があちこちで飛び回り、航空機もかすれるほど飛び続けていた。
「あら、あなたが噂の「私」ね!」
「ほう……あなたが噂の艦娘の…私?」
「はい!」
なおKAN-SENのプリンツ・オイゲンから見て、艦娘のプリンツ・オイゲンはキラキラしすぎている…らしい。
「はぁ…じゃあ、私があなたに合わせるから。いいわね?」
「はい!Wプリンツ・フォイヤー!」
(何その必殺技…)
この状態が引き続いていたが、やはり埒が明かないものであった。
「赤城さん!」
「加賀さん!大丈夫ですか?」
「ええ、これくらいは……でもやはりこれは…」
「ええ、私がケリを付けないといけないわね……後ろを頼むわ。加賀さん」
「了解です。赤城さん」
艦娘の一航戦の二人はまるで弾丸列車かのようにオロチ本体へ突撃を敢行した。
そして――
「……!」
赤城と赤城、再び対峙するのであった。
――――――
「邪魔はさせないわ」
「……「赤城」……」
「…私は……もう、後戻りはできない……」
「…」
その目は光なきものであった。
「私の愛は時を越え…神ですら凌駕して……重桜を、姉様を、加賀を!みんなを救うのよ!」
「……」
だが艦娘の赤城は彼女へゆっくりと近づく。
「来ないで!だから……!」
そんな彼女を艦娘の赤城は優しく抱きしめた。
「……!」
「よく一人でここまで我慢しました…辛かったんですよね?一人でここまで抱え込んで……」
「でもそんな……もう…!」
「大丈夫です。やり直しはあなたが生きている限り、いくらでも効きます。これからは私も一緒に考えますし………もうひとりじゃないんです」
「うっ……くうっ……!」
「ありがとう」
「……姉さん…」
「天城姉さま……」
コアを失ったオロチは崩れ落ちていった。
これをもって、この戦いも終止符を打ったと言えるであろう。
――――――
「見事よ…今回はあなたたちの勝利」
「アハハハッ!負け惜しみだー!」
首だけとなったピュリファイアーのそんな言葉にオブザーバーは切れたのか、その首を振り回し始めた。
「ああああっー!」
「でも実際オロチの喪失は想定外でしょ?あちらの世界とわざわざ境界線を開いて、深海棲艦を傘下にしてあの子達の「先輩」の艦娘達まで呼び寄せた手間まで掛けて…」
「我々の予測を超えることは喜ばしいことよ……お陰でこの世界はその「先輩」達のお陰でこの人類の未来は大幅に広がるわ……ふふふっ」
テスターのその疑問にオブザーバーは不敵な笑みを見せつつも、そうも話す。
それは敵というより、どこかまるで子を見守る親のような目であった。
――――――
その後、レッドアクシズ・アズールレーン間で正式に講和条約が締結された。
内容としてはレッドアクシズ艦の一部追放などが盛り込まれたものの、完全勝利というわけでもないため史実にはあった戦犯裁判などは行われなかった。
だがあまりにも早い講和条約の締結に艦娘の長門は疑問を浮かべていた。
「提督」
「んー?どうした」
「いや、あまりにもあちらの講和条約の締結が早すぎる。現場が一致団結したところで、上層部はそんなことを無視して戦争を継続するはず。いくらセイレーンの活動が本格的になったとは言え、そう簡単に割り切れるものか?」
長門は自身の経験も含めてごもっともな言葉を話す。
対して提督はこう答えた。
「それはアレだ。俺達が仮想敵になったからだ」
「仮想敵…だと?」
「いやね、俺達があの後、国交を締結するために外交官を護衛艦伴って行かせただろう?その護衛艦にはミサイルやら高性能レーダーやらが搭載されているのは目だけでもわかったはずだ。あちらは通常艦はせいぜい第二次世界大戦レベルしかない。
各国の上層部は大層驚いたことに違いない……だからこそ、今はこちらで争うよりはあちらの出方を見たほうがいいってことでまとまった…と推測できる」
「なるほどな…なんとも言えんが、確かにそれならあり得るな……戦争とはそう簡単になくならないもの…か」
「まあ暫くはセイレーン・深海棲艦という未知の敵がいるから共同戦線は取れるだろうけどね。今は目先の敵に集中するこった。じゃ」
提督は急に立ち上がり、提督室を後にする。
「どうした提督?」
「仮眠。一昨日からまともに寝てなくて…ふあああっ……暫く大きな書類もないから仮眠室いかせてもらうよー」
ガチャンッと提督室のドアは閉まった。
「……はぁっ、全く……」
それに対して長門はやれやれの表情であった。
まだあと一話続きます。