部長とライザー・フェニックスさんとの、婚約を懸けたレーティングゲームが10日後に決まった翌日。
その10日後に向けて僕たちは山を登り、部長の別荘に向かっている。
「意外ときついものだね、イッセー君」
「その割には涼しい顔」
明らかに自分よりも大きいなリュックサックを背負っている木場は、爽やかな汗をかきながらそう言ってきた。
「いや、僕は騎士だから力仕事が苦手なんだ」
「木場も線細いからね」
途中まで電車で向かい、それからは徒歩で基礎体力を作る鍛練。歩いてから2時間はたっている。
僕の荷物は少ないけど、部長と朱乃さんの荷物も持っているから木場よりも大きい。
「イッセー先輩、祐斗先輩、お先にです…」
「木場も頑張ろうね」
「ありがとう……イッセー君」
木場を励ましながら部長達の元に駆け足で向かうのであった。
「ここは10日間、私達が合宿を行う別荘よ」
「僕が知る別荘とは違う」
僕の視線の先には、本当に漫画とかに出てくる位に、大きな屋敷のような建物があった。
これで別荘って部長の家はどんだけなの!?しかも、周りにはプールも見えるし、今さらながらグレモリ一家の凄さを身に感じる。ドライグは周りの環境に感心していた。
『修行には最高の場所だ。人間は結界で入れないようにしているし、幻想郷と同じで自然も多い。人間界にもこんな場所があったとはな』
確かにここだったら、多少の無茶な修行も出来るよな。
『そっ言って、相棒はフランドールに修行の相手に良いけど、重傷を負ったのは誰かな?』
それを言わないでよドライグ。
「みんな、直ぐに着替えなさい、早速だけど修行を始めるわよ」
部長の号令で別荘の中に入っていく。
別荘の中は良く綺麗されていて、埃1つなかった。僕と木場は案内されて、そこで修行が出来る格好に言われて着替えることにした。
「イッセー君の体、僕と同じで線が細いのに、触るとしっかりと鍛えいるね」
「くすぐったよ」
「イッセー君。この傷痕はどうしたのかい?」
木場がわき腹の怪我を見て驚いていた。
「ごめん今は言えない」
仲間でもこの怪我は驚くよね。もしも、みんなで幻想郷に行ったときに言うよ。
そして、僕と木場は着替え、そしてそのまま部長が指定した別荘の中庭に向かうのであった。
レッスン1木場との剣術訓練
「はっ!」
「むきゅ!」
今は僕と木場は部長に言われるまま、お互いに木刀を持って剣術の訓練をしている。
僕は神器を使うことを禁止されている。理由が神器無しでどこまで戦えるのかを理解をするためらしい。
木場の戦闘スタイルはスピードで敵を翻弄し、手数で圧倒し、隙をついて、一気に攻め倒す。
まるで咲夜さんと射命丸さんを足して2で割った戦法ね。
連続攻撃を流す僕に木場が問う。
「僕の攻撃を受け流すなんてね。どこかで剣術を習っていたのかい?」
「剣術じゃないけど、ナイフ術なら若干覚えているよ。行くよ」
「僕のほうが速いけど、まるで動きを読まれているみたいだ…」
木場の動きが読めるのは、射命丸さんに何度もセクハラされてるから体が覚えている。
「一々驚かない」
木刀を逆手に持ち変えて、木場のわき腹に突きつけた。
「僕の負けだ!」
「木場はもしかして、相手の動きを目で追っているの?」
「イッセー君は違うのかい?」
「目を追うのも大事だけど、それ以上に相手の気配を追うほうが大事よ。もし木場が自分よりも速かったらどうするの?」
「それは……」
「目だけで追わないで五感を全て使うの。そうすれば目で追えなくても体が勝手に動くことが出来る。当分はそれを目標にすればいいよ。木場は速いし技術力もある。これを覚えていけばさらに強くなれる」
「分かったよ、イッセー君」
レッスン2朱乃さんとの魔力特訓
「魔力と言うのは体から溢れるオーラを流れるよるに集めるのですわ。」
木場との訓練を終え、次はアーシアと共に朱乃さんに魔力の訓練をしてもらっている。
「では、やってください」
朱乃さんの説明通りしてたら何か霊力の球が出てきた。
「あらあら、イッセー君…不思議ですわ。何故か、懐かしく感じますわ」
「何でですかね?」
朱乃さんも霊力や博麗の巫女も知っているのかな?
すると横にいるアーシアの手元には小さな緑色の魔力を集中したものを出している!
「出来ました」
「あらあら、アーシアちゃんは魔力の才能があるかもしれませんね」
「すごいよアーシア!」
「本当ですか?嬉しいです~」
照れいるアーシアも可愛いね。
こうして、僕とアーシアは魔力の基礎を学んだのだった。
レッスン3小猫ちゃんとの格闘訓練
朱乃さんのレッスンを終え、僕は小猫ちゃんとの組手を興じていた。
「当たってください」
「流石に嫌かな?」
小猫ちゃんの攻撃は鋭いけど単調だし、目で追える速度だから避けきれる。
「小猫ちゃんはパワーもスピードもあるけど、動きは単調だから攻撃が読まれてやすい。僕みたいね」
「どうすればいいですか?」
「そうね、カウンターやフェイントを覚えたいいかな?それに、敵に攻撃をするには中心線に向けて打ったほうがいい」
「カウンターやフェイントは分かります。中心線?」
「そう、打撃を中心線に狙って、的確に打てば、力が分散せずに相手に一点に伝わるの」
美鈴さんに教えてもらった。
「やってみます」
こうして僕と小猫ちゃんは日がくれるまで格闘訓練を続けるのであった。
修行が終わって晩ごはんを食べている。
ご飯は当番制で、今日は僕の当番だった。
メニューは合宿で有名なカレーライス。
「イッセー、美味しいわ」
「本当ですか!?嬉しいです」
「イッセー君、美味しいですわ」
「料理が更に上手くなっているね、イッセー君」
「上手いです」
「見た目どうり…」
気に入ってもらって良かった。
木場は前に食べてもらったことがあった。
「ドライグ、今日の特訓を見てどったらか、正直に答えてもらえるかしら」
『総合力なら、相棒が1番だな』
『一分野で勝ったらとしても、相棒はそれを補う戦闘技術がある。無論、お前たちに非があるわけはない』
「僕の速度にも対応して、力技によるゴリ押し戦法以外も秀でている、相手にしたら厄介なレベルです」
「あの修行の中で手傷を負わせたのは1度だけでした」
「魔法と霊力の総合合戦でしたら、イッセー君に分がありますわ」
「アイデアが凄かったです」
「とにかく、イッセーはこの眷属の中で頭1つ飛び抜けているわ。戦闘センスはもちろん、自分を追い込めるほどの覚悟と根性、そして神器を使った戦術……正直、イッセーは『王』に向いていると思っているわ」
「部長、そんなことはないです」
『相棒は元から強かった訳ではない。相棒の強さは全て努力によって裏付けされた物。後は、残りの特訓しだいだ』
「強いって言っても、努力を忘れていたら、直ぐに錆びます。それに、僕に出来ることがあったら何でもします。打倒ライザー・フェニックスさん!」
今出来ることをするだけ、10日はなんて、あっとゆう間なんだ。
「それもそうね、まずは温泉に入って今日の汚れを落としましょう」
部長は話題を転換してくれた。
すると、何故か僕の方に見ると、部長が悪そうな顔をしている。嫌な予感。
「ねぇ、イッセー。一緒に入る?ここは露天風呂だから、日本には裸の付き合いって言葉があるでしょう?」
的中だよ!!この空間から早く逃げたい。
「誰に聞いたのですか?そんな悪い日本の習慣は!そもそも男女が一緒のお風呂に入るなんて間違っています」
入る前提なの?嫌です。紅魔館のメンバーと同じ事を言っている。
「なら聞いてみましょうか」
「私はイッセーさんと裸の付き合いしたいです!」
アーシアは恥ずかしくなの?僕は恥ずかしいよ!
「あらあら、でしたらイッセー君の身体を流してみたいですわ」
朱乃さんも乗らないで!でも目はマジだよ。
「イッセー先輩と一緒に入るのは……恥ずかしくありません」
小猫ちゃんも僕と入りたいの?みんな、僕は男って知っているよね!?
こうなったら!!
「木場!男子2人で入るよ」
「ちょ、ちょっと!」
木場の腕を握って逃げるように僕は風呂場に向かった!
このままだと、また恥ずかしいくなる。
「やっぱり露天風呂は良い」
「露天風呂は日本の文化だよ、イッセー君」
僕と木場は湯船に浸たりながら修行の疲れを癒した。
僕が紅魔館でメイドの仕事の疲れを癒してくれたな。
「イッセーはいつから神器に目覚めていたんだい?」
すると木場は興味津々と言ったように僕に言ってくる。
「小学5年の時かな?」
「確かにその時から力を持っているなら納得できるんだけどね、イッセー君は」
「僕はまだ弱いよ。だからこそ強くなりたいんだ!」
誰にも弱さと強さを持っている。それが例え、矛盾がしてたとしてもね。
「君を見ていると、また無茶をするから僕たちも強くならないといけないね。今は部長の夢の為に頑張ろうねイッセー君」
「うん」
その後、僕と木場はお風呂から出てから数分後に女子メンバーが入って来た。
危なかった……少し遅れていたら女子メンバーと入浴するはめになっていた。
火照っていた身体を冷やしたいから、テラスで夜風に当たろうとしたら部長を遭遇。
「あら、イッセーまだ起きていたの?」
部長は眼鏡をかけて、寝巻きを着ており、幾つも重ねられている本を横にして椅子で座っている。
「あ、これのことかしら?」
すると部長は眼鏡を外して説明をしてくれた。
「何か集中したい時にこれを掛けると集中ができるの……単の願かけね。人間界にいるのが長いから、人間の風潮になれたのかしら」
部長もパチュリーと同じで眼鏡を掛けると集中するタイプなのか~。僕の視線は部長の手元の本に行く。
レーティングバトル関係の資料かな?
「部長、それは」
「正直、これを読んでも気休めにしかならないけどね」
部長は本のカバーを指になぞりながら、自信なさげに嘆く。
「部長はライザー・フェニックスさんとの縁談を拒絶しているですか?」
僕の言葉で部長は腕を組み、ゆっくりと口を開いた。
「ライザーは私との婚約は『仕方がない』『家のため』『純血の悪魔を』『悪魔の未来のため』……そう言ってくるの」
「確かにこの前も言っていましたね」
「私が我が儘を言っているのも分かる。でも私は、好きな人と結婚したいの」
部長は悲しげに言った。
「部長も1人の女の子ですね。ライザー・フェニックスさんの事は好きですか?」
「えっ!?それは……!」
おや、部長の顔が赤いよ。ライザー・フェニックスさんとは脈がありですね。
「お休みなさい部長」
「イッセー待ち ―――」
部長の言葉を残しながら足早に部屋へと向かっていた。