永遠の巫女の魂を持つ赤龍帝   作:レオナ

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6話

数日後。

今は放課後、僕は昨日の事で悩んでいる。

部室に戻り、部長から『あのシスターからは諦めなさい。残念だけど教会関係の人間と悪魔は交わることはないのよ。堕天使との戦いで私の可愛い眷属を失いたくないわ……分かってちょうだいイッセー……』って部長が言っていた。

確かに部長言いたいことも分かる最悪、悪魔と堕天使の争いが起きる可能性もある。でも、アーシアを放っといたら嫌な予感がする。

 

「あれはもしかして……」

 

ふっと見上げると目の前にベールを被ったシスター服の少女がいた。

 

「イッセーさん!」

 

そこにいたのはアーシアだった。

僕はアーシアに駆け寄った。

 

「アーシア、無事だったんだ……本当によかった」

 

「はい!私は大丈夫です」

 

でも本当によかった。アーシアが悪魔と繋がって、堕天使に拘束されていないかと心配していた。

何より元気が一番だね。

 

「アーシアどうしたらの?顔が真っ赤だけど」

 

「恥ずかしいですけど、お腹が空きました」

 

アーシアが顔を真っ赤になって言った。

 

僕はアーシアと一緒に近くのホットドッグ屋に行ってホットドッグと飲み物を買った。

 

「イッセーさんいいですか?奢ってもらって」

 

「いいの、僕がやりたりからやっているからね」

 

「では、主の感謝をこめていただきます」

 

そう言ってアーシアはホットドッグを食べた。

 

「もぐもぐ……」

 

アーシアはいい食べっぷりだな……なんか見ているだけで癒されるな。

アーシアから聞いた話ではお休みをもらったのはいいけど財布を忘れて昨夜から食べて無かったらしい。まるで家事専門のアンドロイドの女の子みたいね。

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末様です。そう言えばアーシア」

 

何でアーシアは堕天使の所にいたのだろう。それがきになり僕はアーシアに質問をする。

 

「イッセーさん何でしょうか?」

 

「前々から気になったけど、シスターの君が堕天使と一緒にいるの?答えなれなくてもいいよ」

 

「いいえ、イッセーさんには私の過去を聞いて下さい」

 

アーシアは欧州の教会に住んでいた。8歳の頃、教会に迷いこみ。怪我した子犬を発見し、アーシアは自分の神器の力で子犬の怪我を治癒した。その現場を教会の関係者に見られ、アーシアを人を癒す聖女と祀られていた。

だか、アーシアはそれを望んでいなかった。本当は友達が欲しかったのだ。だけど神器を持っていたために周りの人とは距離を置かれたため友と呼べる者かいなかった。

ある日の頃、傷を負って倒れた悪魔を助けた。神器は種族関係なく影響するため神聖ではない。悪魔でも癒すことが出来るため、アーシアを魔女と呼び教会から追放されていた。それから極東の日本にはぐれ悪魔祓いを組織に入り、堕天使の加護を受けるしかなかった。

 

「私の信仰心が足りないから神様から与えられた試練です。これを乗り越えたら私の夢、友達だって……」

 

「それは違うよアーシア」

 

「イッセーさん?」

 

「アーシアは十分耐えて来たよ。それに僕は君のこと友達だよ」

 

「友達……ですか?」

 

「出会ってからあんまり時間はたってないけど、僕たちはお互いの気持ちを伝えることが出来るのね。僕たちはもう、友達よアーシア」

 

「レイナーレさんの言った通り、イッセーさんは優しいですね」

 

「レイナーレを知っているの?」

 

「はい。レイナーレさんだけは優しく接してくれました」

 

アーシアの表情が少しだけ明るくなった。それにしてもレイナーレはわざわざ偽名を使って僕に接触したのかな?

 

「イッセーさんもレイナーレさんの事知っていますか?」

 

「まぁ……少しだけ」

 

僕が言いかけた時だった。

 

「アーシア!見つけた。心配していたのよ!イッセー君も一緒なの?」

 

公園の噴水の方から声が聞こえた。振り替えるとレイナーレがいた。

 

「レイナーレ!?どうして君が!?」

 

「私はアーシアがいなくなったから探していたの」

 

「イッセーにお礼を言いたかったです。レイナーレさんには無理にお願いして来ました」

 

「僕に?何もしてないよ」

 

すると、アーシアは僕に答えた。

 

「いいえ、イッセーは私に優しくしてくれました。教会に案内の時とフリード神父から守っていた時に助けてもらいました」

 

「アーシア、僕は好きでしただけよ。それにアーシアとレイナーレはもう友達だね」

 

「私とレイナーレさんが?」

 

「うん。ここまで来て、心配してくれているのは友達の証拠よ」

 

僕が思っていたことをアーシアに伝えた。

 

「イッセー君の言うとおりよ、アーシア。私たちは友達よ」

 

「すみません……。私は友達ができたのが嬉しいです」

 

僕たちはお互い別の種族だけど理解し友達になろうとした時だった。

 

「友達か下らんな。堕天使が他の種類とつるんでレイナーレ」

 

「ド、ドーナシーク……」

 

「ほう。レイナーレよ、私を呼び捨てにいて生意気になったな。それに……」

 

ドーナシークはレイナーレに睨みながら言い、僕の方に見る。

 

「この前の神器使いの人間か。いや、オーラでは悪魔に近いが悪魔ではないか。そんなことより貴様、アーシア・アルデェントとレイナーレをこちらに渡してもらう」

 

「断るって言ったら?それに此処は悪魔の領地って知っているのかな?」

 

「我々の堕天使の一部しか知らない。貴様を始末すれば問題ないが我々も時間が惜しい。無論、この者を連れてな」

 

ドーナシークが言うと、アーシアとレイナーレの足元から魔方陣が現れて、アーシアとレイナーレが光となってその場から消えていた。

 

「転移魔法!?」

 

「我々の計画にはこの2人が必要。いざという時、2人に強制転移のマーキングを仕掛けておいて正解だった」

 

「止めろぉぉ!!」

 

霊力に纏った御札を投げるが、僅かの差で転移が早くドーナシークには当たらなかった。ドーナシークが転移を終わると気配まで消えていた。

 

「ドライグ!僕は行くよ」

 

『相棒、無茶だけはするなよ』

 

2人を助けるため僕は、教会へと向かって行くのであった。あっ、これがばれたら部長から説教かもね。


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