朝、目を覚ますと最初に目に入ったのは、幼馴染みの顔だった。
「おはよう。彰くん。今日は声をかける前に起きれたね」
上原歩夢。僕の幼馴染みである。幼稚園からの付き合いのためか、こうして朝、起こしに来てくれる。
「おはよう。歩夢ちゃん」
「ふふ、眠そうだね。昨日は遅くまで起きてたの?」
「色々と見てて……」
「ほら、着替えて、ご飯食べて、早く学校に行こう」
「うん」
着替えようと思ったが、あることに気がつく。僕は笑顔の歩夢ちゃんを見て…………
「あの、着替えから出ていってくれないかな」
「あっ!?ごめんね」
歩夢ちゃんは何と言うかどこか抜けてる気がする。とりあえず早い所着替えないと…………
朝御飯を食べ終え、二人で電車で学校に向かっていた。
「今日もいい天気だね。お昼は外で食べる?」
「そうだね」
「今日はお弁当作ってきたから楽しみにしててね」
歩夢ちゃんのお弁当……凄く美味しいんだよね。特に玉子焼き。今から楽しみで…………
ぐ~
「もうお腹空いたの?」
「歩夢ちゃんのお弁当楽しみで」
「ふふ、ありがと」
学校に着くと一人の女の子が駆け寄ってきた。
「せんぱ~い!おはようございます」
「かすみちゃん、おはよう」
「おはよう、かすみちゃん」
後輩の中須かすみちゃん。スクールアイドル同好会の一件で知り合った子であり、何故か慕ってくれている。
「先輩、先輩。今日は一緒にお昼どうですか?今日はパン作ってきたんです」
「あ~ごめん。今日は歩夢ちゃんと約束してるから…………」
「かすみちゃんもどう?」
「いいんですか?それじゃご一緒させてもらいます」
かすみちゃん、何だか嬉しそうだった。
お昼になったけど、歩夢ちゃんとかすみちゃんのご飯が凄く楽しみで、午前中はお腹が空いて大変だった。
「お昼行こう。彰くん」
「うん」
二人で中庭に行くと既にかすみちゃんがレジャーシートをひいて待っていた。
「お待たせ」
「待ってましたよ。先輩」
「ふふ、かすみちゃん、楽しみだったんだね。お昼ご飯」
「いえ、そういう…………」
「僕も二人のご飯楽しみでずっとお腹が空いてたよ」
「私もそうなんです」
何だか言いかけていたけど、気にせずご飯を食べよう。
「はい、どうぞ」
歩夢ちゃんから受け取ったお弁当を食べる。美味しい…………歩夢ちゃんのお弁当は本当に美味しい。毎日食べたい
「歩夢ちゃん、結婚しよう」
「え、えぇ!?」
「ちょっと先輩、何求婚してるんですか!?かすみんの食べてみてからにしてください」
かすみちゃんのコッペパンを食べた。うん、美味しい。
「どうですか?美味しいですか?かすみんと結婚すれば毎日食べれますよ」
「美味しいよ。かすみちゃん」
「うぅ、求婚はなしですか…………歩夢先輩はもう胃袋を掴んでるんですね」
「何の話?」
「いえ、何でもないです。って歩夢先輩?」
さっきから話に入ってこない歩夢ちゃんの方を見ると、何故か顔を赤らめて何か呟いていた。
「彰くんと結婚…………結婚……」
「歩夢ちゃん?」
「あっ、何?」
「大丈夫?顔赤いけど……」
「うん、大丈夫だよ」
大丈夫ならいいけど…………
放課後、みんなが帰ったあと、僕は少し残って衣装のデザインや歌詞を考えていると、気がつけばもう遅い時間だった。
「帰らないと…………」
そう思い、部室から出ると、扉の側で誰かが眠っていた。最初は彼方さんかと思ったけど、よく見ると歩夢ちゃんだった。
「歩夢ちゃん、こんなところで寝てると風邪引くよ」
「ん、んん、あれ?寝てた?」
「先に帰ってても良かったのに…………」
「だって貴方と一緒に帰りたかったから…………」
笑顔でそう言う歩夢ちゃん。僕はそんな歩夢ちゃんの頭を撫でた。
「どうしたの?」
「ん、歩夢ちゃんは良い子だなって、帰ろう。歩夢ちゃん」
「うん」
基本的には歩夢は病ませません