「わぁ~凄い部屋だね」
「うん、僕もビックリしてる」
夏休み、歩夢ちゃんと二人で北海道旅行に行くのであった。
「私、てっきり飛行機で行くと思ったよ~」
「その……ゆっくりしたいと思って……」
「でもこの部屋……高くなかったの?」
心配そうにしてる歩夢ちゃん。物凄く高かった。この北斗星は運行廃止になっていたけど、今回は記念で動くことになり、普通の値段より高かったし、夢空間と呼ばれる所だったから更に料金がかかったけど…………
『これ、差し上げます』
『これって…………北海道旅行?それも北斗星?』
『はい、頑張ってる先輩と歩夢さんに旅行をプレゼントしようと思って…………』
『ありがとうしずくちゃん。でもこれ高かったよね。流石に』
『いえ、こちらは福引きで当たったものです。手続きなども済ませてあるので、楽しんできてください』
『でも……』
『良いですか?先輩‼これは私たちからのお礼ですので素直に受け取ってください。じゃないとみなさん悲しみますよ』
しずくちゃんに念を押されまくり、受けとるのであった。
「そっか……何だか嬉しいね」
「うん」
電車が動きだし、僕らは景色を見て楽しむのであった。
食事を終え、二人でのんびりソファーに座っていた。
「貴方とこうして旅行するの久しぶりだね」
「昔は家族と一緒だったよね?二人きりは…………」
「えぇ~覚えてない?子供の頃、二人で外国に行こうって言って、着替えとか用意して歩いていこうとしたの」
そういえばそんなこともあった。途中で二人して迷子になって警察に保護されたんだっけ?
「あれも旅行だったね」
「うん、貴方と手を繋いで歩いたよね」
あの頃はただ仲のいい幼馴染みと言う感じだったけど…………今は…………
「あっ…」
僕は歩夢ちゃんと手を繋ぐ。歩夢ちゃんも握り返す。
「彰くん……」
「歩夢ちゃん……」
お互いに見つめあい、顔を寄せようとした。
「……お、お風呂入ろうか」
けど恥ずかしくなり、僕は話題を変えた。
「ふふ、顔真っ赤だよ」
「歩夢ちゃんこそ……」
お互いに顔を赤くしていて、二人で笑いあった。
「お風呂……一緒に入る?」
「い、いいの?」
「冗談だよ~」
クスクス笑う歩夢ちゃん。なんと言うか…………そう言うことも言うようになったんだね…………
次の日、札幌に着くと観光スポットを調べた。
「歩夢ちゃんは…………」
「貴方が行きたいところならどこでもいいよ」
だよね…………とりあえず近いところは…………大通公園かな
僕らは手を繋いで大通公園へと向かうのであった。
大通公園につきさ、二人で花壇の花を見ていたり、芝生の座ってのんびりしていた。
「ここでお弁当持ってきて食べたかったね」
「何だかいつも通りだね」
「うん、だって色んなところを見て回るよりも…………貴方とこうして二人でいるだけで私は楽しいよ」
笑顔で言う歩夢ちゃん……いい子だな……
すると僕は眠くなり、欠伸をすると、歩夢ちゃんは自分の膝をポンポンと叩いていた。
「少し休む?」
「えっと……いいの?」
「うん」
「それじゃお言葉に甘えて…………」
僕は歩夢ちゃんに膝枕をしてもらう。歩夢ちゃんは膝枕している僕の頭を優しく撫でた。
「結婚したら…………こんな風に彰くんに何時までもしてあげたい」
「出来るよ……と言うかしてほしいって頼むと思う」
「ふふ、彰くんらしいね」
次の目的地まで電車で向かい、着いた場所は…………
富良野のラベンダー畑だった
「綺麗だね…………」
「うん……」
二人で歩くのではなく、ただラベンダー畑を見つめていた。
「…………歩夢ちゃん」
「何?」
「好きだよ」
「ど、どうしたの?突然////」
「何となく……言いたくって…………」
「変な彰くん」
何故か好きという気持ちを伝えたかった僕であった。
特急で綱走へ向かい、今日は旅館で休むことになった。そう言えば旅館の予約とかはみんながしてくれたんだっけ?
「ご予約の方ですね。部屋はこちらです」
案内された部屋は…………露天風呂つき…………
「それではごゆっくり」
ごゆっくりって…………
「とりあえず…………先にお風呂入ろうか」
「うん……」
別々に入ろうと言うことになり、僕は一人で露天風呂に入っていた。
「いい湯だな…………」
夜空も綺麗だし…………でも歩夢ちゃんとこの景色を見れたらな…………と言う事を思っていたら…………
「湯加減どう?」
「いい湯…………って歩夢ちゃん!?」
振り向くとタオルを巻いた歩夢ちゃんがいた。歩夢ちゃんは露天風呂に入り、僕の隣に座った。
「夜空綺麗だね」
「う、うん」
歩夢ちゃんと一緒にって思うと……凄く緊張する。と言うか歩夢ちゃん……大胆だよ…………
「どうしたの?」
「い、いや……恥ずかしいと言うか……」
裸とかそう言うのは……まぁ誕生日の時に色々とあって見たことあるけど…………一緒のお風呂は恥ずかしい
「もう///恥ずかしがらないでよ////私も恥ずかしいんだから…………」
「だって……子供の頃は気にならなかったけど…………」
「あの頃は…………侑ちゃんもいたからね」
侑か…………今回の旅行は侑が企画したんだっけ?
「嫌われてると思ってたんだけどな…………」
「そうなの?」
「いや……だって……」
侑は歩夢ちゃんが大好きで……僕の事を敵視と言うか…………ライバルだと思われてたからな
「今度は侑ちゃんと一緒に行こうね」
「うん」
侑と和解したから…………楽しい旅行になりそうだな。そう言えば…………侑は何処かに行ってるって聞いたけど…………どこに行ってるんだろう?
「いい湯だったね。かすみちゃん」
「はい、それにしても……今頃先輩たちはのんびりしてるのでしょうか?」
「たぶんね」
15章の反動でイチャイチャさせています