歩夢side
「私に貴方を守らせてください。姫」
「////」
「かすみさん、顔赤いですよ」
「ふぇ!?だ、だって///」
部室では何故かせつ菜ちゃんが王子様みたいな台詞をかすみちゃんに言っていた。これって…………
「この間のイベントの?」
「はい‼果林さんとこの間のイベントの話をしていて、ぜひみなさんが見てみたいと仰っていたので‼」
「自分から『かすみんはそんなせつ菜先輩を逆に照れさせますよ』って言っていたのに…………」
「だって~」
「せつ菜ちゃん、本当に王子様みたいだね~」
確かにそういった格好をしたらせつ菜ちゃんに凄く似合いそう…………
「せつ菜さん、私が王子様やってみていいですか?」
「はい‼それじゃ私が姫やりますね」
しずくちゃんが王子様……どんな感じなんだろう。
「姫‼」
「はい‼王子」
「私に貴方を守らせてください」
同じ台詞だけど、せつ菜ちゃんは手をさしのべるだけだったのが、しずくちゃんはせつ菜ちゃんの手をつかみ、甲にキスをした。
「こ、これは……中々///」
「どうでしょうか?」
「しずくさん、王子様でした‼」
「流石は演劇部ね…………」
「しずくちゃん~せつ菜ちゃんの見て、対抗心メラメラ~」
「いえ、そんなことはないですよ」
「せつ菜王子としずく王子……格好いい『ドキドキ』」
「か、かすみんだって王子様出来ます~」
「かすかすは、王子と言うよりお姫様っしょ‼」
「かすかすって呼ばないでください‼でもお姫様ですか~」
「お転婆そう……」
「お転婆って!?りな子ひどい」
「でも同好会で誰がお姫様で誰が王子様が似合うかな?」
「そうね……」
みんなで誰が王子様向きなのか、お姫様向きなのかを話し合うこと10分…………
せつ菜ちゃん……王子様、お姫様と言うより姫騎士?
しずくちゃん……両方似合う
果林さん……お姫様(女王様byかすみちゃん)
彼方さん……お姫様
愛ちゃん……両方似合う
エマさん……お姫様
璃奈ちゃん……お姫様
かすみちゃん……お姫様
私……お姫様
侑ちゃん……お姫様
ということになった。でも……
「わ、私……お姫様なんて似合わないよ……」
「えぇ~歩夢先輩、凄くお姫様似合うと思いますよ」
「確かに歩夢はお姫様~って感じがする」
「そうそう、自信をもって」
「う、う~ん、やっぱり……」
私には似合わないと言おうとしたとき、彰くんと侑ちゃんが部室に入ってきた。
「あれ?みんなで何の話?」
「お姫様と王子様?私……お姫様なんだ……」
「実はですね」
かすみちゃんが二人に今までの話の経緯を説明した。
「なるほどね。みんなぴったりじゃないの?」
「でも歩夢さんが……」
「私……お姫様なんて似合わないよ……」
「う~ん、そんなことないと思うけど……彰」
「……わかった」
侑ちゃんが彰くんにアイコンタクトを送ると、彰くんは私をお姫様抱っこして…………
「姫、僕と一緒に行きませんか?」
「あ、彰////くん////」
「歩夢先輩、顔真っ赤ですね」
「歩夢の王子様は彰だからね」
「逆に彰くんのお姫様は歩夢さんと言うことになりますね」
み、みんな、お願いだから見ないで…………は、恥ずかしい…………
「あ、あの……恥ずかしいから降ろして……」
「あ、ごめん」
彰くんは私を下ろしてくれた。あのままだと恥ずかしくってどうにかなりそうだよ……
「お姫様抱っこじゃダメなら…………」
彰くんは私の側により…………キスをしてきた。
「ん…」
「愛する姫様には愛の口づけを……でよかった?」
「/////////」
あまりの恥ずかしさに私は気が遠くなるのであった。
彰side
「歩夢ちゃん!?」
「彰先輩、やりすぎですよ」
「と言うかノリでいちゃつかないで欲しいわね」
「彰、歩夢が気絶したの貴方の責任だからちゃんと送っていってあげてね」
「分かった」
僕は気絶した歩夢ちゃんをお姫様抱っこして家まで……
「いや、起きたときの歩夢先輩がまた気絶しますよ…………」
「駄目なの?」
「彰さん、やめてあげましょう」
渋々おんぶに切り替えて、家まで送るのであった。