かすみside
「最近……彰くんの会えてないの……」
「えっ?」
部室で歩夢先輩に突然の相談を持ちかけられた。
「えっと……冗談とかではなく……」
「うん…」
暗い顔の歩夢先輩。これは本当みたいだ。あの同好会……いや、虹ヶ咲学園で校内一のバカップルの……二人が最近会えてない?
「ほ、ほら……朝とか一緒に登校……」
「朝、声をかけに行くんだけど……彰くんのお母さんにもう出たって……」
「お、お昼休みとか……」
「教室に行くんだけど……いないの」
「放課後……」
「侑ちゃんに休むって声をかけて、先に帰ってるって……」
歩夢先輩は物凄く落ち込んでいる。こんな姿を見るのは初めてだ。
「な、何か心当たりは?」
首を横に振る歩夢先輩。喧嘩とかしたわけじゃないと言うことは…………
「誰か知ってる人いないか聞いてみませんか?」
「かすみちゃん……」
「私もお二人が一緒にいないと少し変な感じがするので……ほら、行きましょう」
「うん」
私は歩夢先輩と一緒に彰先輩の調査をするのであった。
「えっ?彰が何かしてるかって?」
私たちは最初に愛先輩とりな子に話を聞いた。どうして子の二人なのかと言うと、たまたま最初に出くわしたと言うことだからだ。
「いや~愛さんは知らないよ」
「私も分からない。歩夢さん、ごめんね『ぺこり』」
「ううん、気にしないで」
「二人は知らないか~って歩夢先輩!?まだ始めたばかりなのに落ち込まないでください‼」
「うん、ごめんね。かすみちゃん」
「ほら、次に行きますよ」
次へと向かう私たち。
「彰さん、何してるんだろう?」
「……そうだね~」
「愛さん、何か知ってるの?」
「うーん、知ってるけど口止めされてるんだけど……歩夢のあんな顔を見てるとね……」
「彰くん?ごめんね。分からない」
「エマ先輩も知らないですか……」
「あれ~でも前に~スーツ着た人といたよ~」
「彼方ちゃん、しー‼」
分からないって言ってたのに……反応がおかしい。
「エマ先輩、知ってるんじゃないですか!?」
「えっと……知ってるのはスーツ着た人と一緒にいたことだけだよ。今は知らない」
「本当ですか?」
私はエマ先輩を見つめた。エマ先輩は物凄く動揺していた。すると歩夢先輩は
「エマさん、彰くんは……悪いことしてるんじゃないんだよね?」
「うん、それは断言できるよ」
「そっか、それなら……」
歩夢先輩、凄く安心してる。少しでも情報が入ったらそれだけでも良かった。
「二人ともありがとうね。かすみちゃん、行こ」
「はい」
「彰?知らないわね」
「果林先輩、嘘つくとろくな事が起きないですよ」
「果林さん、知っていたら教えてください‼」
二人で詰め寄る。果林先輩はどうしたものか考えていた。
「口止めされてるのよ……ただ私は協力者の一人なだけ」
「一体何に協力してるんですか‼」
「その……せつ菜なら教えてくれるわ」
「分かりました‼行きましょう‼」
「うん!」
私たちはせつ菜先輩の所へと向かった。
「咄嗟に嘘ついちゃったわね……せつ菜ごめんね」
「果林さん、どうしたんですか?」
「あぁ、しずく。彰は大丈夫そうだった?」
「はい、心配でしたが……」
「はい?彰さんのことですか?」
「果林先輩が知ってるって言ってましたよ‼」
「お願い‼せつ菜ちゃんが知ってること話して‼」
「あの……何のことだか……」
「せつ菜先輩まで嘘つくなんて……がっかりです」
「せつ菜ちゃ~ん」
泣きそうになってる歩夢先輩。こんな先輩はもう見たくない‼
「その……本当に知らないんです。確かに彰さんがここ最近顔を出さないことに対して、気にはなってますが……」
この感じ……せつ菜先輩は知らないみたいだ。
「果林先輩、嘘ついて……」
「……かすみちゃん……」
「何ですか?」
「もういいよ」
「でも……」
「彰くん……悪いことしてる訳じゃないなら……それだけで…」
歩夢先輩は涙をこらえながら笑顔でそう告げ、帰っていく。
「もう‼」
歩夢side
かすみちゃんに協力してもらったけど……彰くんが悪いこと巻き込まれてないだけで……良かった。良かったはずなのに……何故か涙が出てきた。
どんな理由があっても……私は……彰くんに会いたい
「会いたいよ……」
「歩夢ちゃん?」
不意に声をかけられ、振り向くとそこには彰くんの姿があった。私は急いで涙を拭くが……溢れてきて止まらない
「歩夢ちゃん、どうしたの?何処か痛いの?」
心配そうにしている彰くん。少し会えなかっただけなのに……こんなに嬉しいなんて……
「彰くん……」
私は彰くんに抱きついた。彰くんは突然の事で戸惑っていた。
「歩夢ちゃん?」
「しばらく会えなかったから……寂しかったの……」
「ごめん……色々とやっていて」
「心配したんだよ……何か悪いことに巻き込まれてるのかな……浮気しちゃったのかなって」
「浮気なんてしないよ。歩夢ちゃん一筋だから……悪いことなんか巻き込まれてない。歩夢ちゃんが心配するから……って今心配かけてるよね」
「ねぇ、教えて……何してたの?」
「実は……」
彰くんがしていたこと……それは……
「同棲するために……お金を貯めてたの?」
「うん、早いうちにお金とか部屋とか見てたんだよ……出来る限り内緒にしておきたくって……歩夢ちゃんを不安にさせてごめんね」
「ううん、話聞いて良かった……でも出来たら……」
「うん、ちゃんと話すから……だから……歩夢ちゃん」
「何?」
「高校卒業したら……一緒に暮らしてほしい」
私は悩むことせずに、すぐに笑顔で……
「はい」