ほんの少しの未来
歩夢ちゃんと同棲を始めて、お互いに仕事をしながら幸せな生活を送っていた。
そんなある日……
仕事が終わり、疲れきった状態で家の扉を開けた。今日は疲れた……このまま玄関先で倒れ込みたいけど…………
「彰くん、おかえりなさい」
スーツの上にピンクのエプロンをつけた歩夢ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
「ご飯出来てるよ~」
パタパタとスリッパの音を鳴らしながら、台所へと向かう歩夢ちゃん…………
僕は上着を脱ぎ、台所でご飯を温めてる歩夢ちゃんを後ろから抱き締めた
「ど、どうしたの?」
「その……お帰りのキスを……」
「もう……」
歩夢ちゃんは僕にキスをして……
「お帰り♪」
「ただいま。何か手伝うよ」
それから二人で一緒に夕飯の準備を済ませ、夕飯を食べることになった。
「歩夢ちゃんの……本当に美味しいよ」
「毎日言ってるね」
「だって……本当に美味しいんだもん」
「私も貴方にそう言ってもらえると嬉しいな~」
歩夢ちゃんの笑顔を見るたびに本当に癒される。
「歩夢ちゃんも仕事で疲れてるのに…………いつも家事とか任せていてごめんね」
「ううん、貴方のためだもん。全然苦にならないよ」
歩夢ちゃん……職場が違うけど……本当に無理とかしてないよね。もしかして職場の上司の人にセクハラとか…………
考えただけで怒りがわいてきたけど…………
「歩夢ちゃん……」
「なぁに?」
「その……仕事……楽しい?辛いこととか……ない?」
「うん、楽しいよ。女性だけの職場だからみんなと仲いいよ」
「そっか……」
セクハラとかの心配はないから大丈夫そうだ
ご飯を食べ終え、一緒にお風呂に入ることに、
「疲れが吹き飛ぶ……」
「ふふ、本当にお疲れ様」
高校生の頃は特に恥ずかしい思いをすることなく、一緒にお風呂に入っていたけど……同棲してからは歩夢ちゃんは恥ずかしがるようになった。
ちょっとずつ慣れていくようにしていき……今はタオルを巻いた状態で入れるようになった。
「背中流すね」
「それじゃお返しに歩夢ちゃんの背中も流すね」
「えへへ、ありがとう~」
一緒の布団で寝ていると…………歩夢ちゃんは僕の手を握ってきた。
「歩夢ちゃん?」
「何だかね。今日はこうしていたなって……思ったの」
「……手を握るだけでいいの?」
「他に何かしてくれるの?」
他に…………僕は歩夢ちゃんを抱き締めた。
「こんな風にぎゅっとするのは?」
「うれしい」
まだ結婚してないけど、結婚してくらいに…………いや、結婚以上に幸せだった。
いつも間にか歩夢ちゃんは眠っていた。僕は歩夢ちゃんの寝顔を見つつ、頭を撫でた。
「歩夢ちゃん……大好きだよ」
ただスーツ姿にエプロンの歩夢ちゃんを書きたかった