「おはよう。彰くん」
いつも通り彰くんを起こしに来た私。彰くんはまだ眠そうにしていた。私は声をかけながら、彰くんの体を揺する。
「ん~」
すると彰くんは私の腕を掴み、そのまま抱き寄せてきた。
「あ、彰くん…………」
彰くんに抱き締められて、凄く恥ずかしいけど、でも何だか落ち着く。彰くんの体温が凄く感じて…………
「ん~あれ?歩夢ちゃん?」
「お、おはよう…………」
「何で僕、歩夢ちゃんを抱き締めてるんだろ?もしかして夢かな?」
彰くんに夢じゃないよと言おうとしたけど、彰くんはさっきよりも強く抱き締めた。
「あき……らくん…………」
このまま抱き締められていたら、私…………
「彰くん…………」
このままキスしてもいいかな?私はキスしようとそっと唇を寄せた。
「歩夢ちゃん?あれ!?」
寸前の所で彰くんが起きた。そして今の状況を見て驚いていたのだった。
何故か目を覚ますと歩夢ちゃんを抱き締めていた僕。
まさか寝ぼけてあんなことするなんて…………
「ごめんね。歩夢ちゃん」
「ううん、気にしないで、それに…………」
「それに?」
歩夢ちゃんは何かを言いかけていたけど、すぐに言うのを止めた。
それにしても起きたとき、歩夢ちゃんの顔が近かったけど、あれって…………まさか…………
「あの歩夢ちゃん」
「ほ、ほら、早く用意しないと遅れちゃうよ」
「う、うん」
キスしようとしたのかなと言おうとしたけど、すぐに遮られてしまった。
今朝の事が気になっていた。あれってキスしようとしてたよね…………
「いい加減気持ち伝えないと…………」
「気持ちって誰に伝えるんですか?先輩」
不意に声をかけられ、振り向くとそこにはかすみちゃんがいた。
「かすみちゃん」
「こんにちわ。先輩。それでどうしたんですか?」
「どうしたって…………」
「気持ちを伝えるって、誰に伝えるんですか?」
まさか聞かれていたなんて…………
「その…………」
「気持ちって歩夢先輩に伝えるんですか?ようやくって感じですね」
ようやくって…………
「気持ちを伝えるのはいいですけど、どんな感じに言うんですか?」
「その、普通に好きだって…………」
「それでもいいですけど、直球じゃなくても言いと思います。どんなところが好きだとかきっちり伝えるのもいいですよ」
「そ、それは考えたけど、噛みそうで…………」
重要な所で噛んだら嫌だし…………
「そうですね~カミカミなのもどうかと思いますし…………試しに私に好きっていってみてください」
何でかすみちゃんに?もしかして練習みたいな感じに?
それならと思い、僕はかすみちゃんの肩を掴み、
「好きだ」
バサッ
何か物が落ちる音が聞こえ、振り向くとそこには歩夢ちゃんがいた。
「あ、あはは、ごめんね。邪魔しちゃったね…………」
そのまま歩夢ちゃんが走り去っていく。これって…………
「すみません、やらかしてしまいました」