二人は夢を歩む   作:水甲

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04 気持ちを伝える 前編

「おはよう。彰くん」

 

いつも通り彰くんを起こしに来た私。彰くんはまだ眠そうにしていた。私は声をかけながら、彰くんの体を揺する。

 

「ん~」

 

すると彰くんは私の腕を掴み、そのまま抱き寄せてきた。

 

「あ、彰くん…………」

 

彰くんに抱き締められて、凄く恥ずかしいけど、でも何だか落ち着く。彰くんの体温が凄く感じて…………

 

「ん~あれ?歩夢ちゃん?」

 

「お、おはよう…………」

 

「何で僕、歩夢ちゃんを抱き締めてるんだろ?もしかして夢かな?」

 

彰くんに夢じゃないよと言おうとしたけど、彰くんはさっきよりも強く抱き締めた。

 

「あき……らくん…………」

 

このまま抱き締められていたら、私…………

 

「彰くん…………」

 

このままキスしてもいいかな?私はキスしようとそっと唇を寄せた。

 

「歩夢ちゃん?あれ!?」

 

寸前の所で彰くんが起きた。そして今の状況を見て驚いていたのだった。

 

 

 

 

 

 

何故か目を覚ますと歩夢ちゃんを抱き締めていた僕。

まさか寝ぼけてあんなことするなんて…………

 

「ごめんね。歩夢ちゃん」

 

「ううん、気にしないで、それに…………」

 

「それに?」

 

歩夢ちゃんは何かを言いかけていたけど、すぐに言うのを止めた。

それにしても起きたとき、歩夢ちゃんの顔が近かったけど、あれって…………まさか…………

 

「あの歩夢ちゃん」

 

「ほ、ほら、早く用意しないと遅れちゃうよ」

 

「う、うん」

 

キスしようとしたのかなと言おうとしたけど、すぐに遮られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝の事が気になっていた。あれってキスしようとしてたよね…………

 

「いい加減気持ち伝えないと…………」

 

「気持ちって誰に伝えるんですか?先輩」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこにはかすみちゃんがいた。

 

「かすみちゃん」

 

「こんにちわ。先輩。それでどうしたんですか?」

 

「どうしたって…………」

 

「気持ちを伝えるって、誰に伝えるんですか?」

 

まさか聞かれていたなんて…………

 

「その…………」

 

「気持ちって歩夢先輩に伝えるんですか?ようやくって感じですね」

 

ようやくって…………

 

「気持ちを伝えるのはいいですけど、どんな感じに言うんですか?」

 

「その、普通に好きだって…………」

 

「それでもいいですけど、直球じゃなくても言いと思います。どんなところが好きだとかきっちり伝えるのもいいですよ」

 

「そ、それは考えたけど、噛みそうで…………」

 

重要な所で噛んだら嫌だし…………

 

「そうですね~カミカミなのもどうかと思いますし…………試しに私に好きっていってみてください」

 

何でかすみちゃんに?もしかして練習みたいな感じに?

それならと思い、僕はかすみちゃんの肩を掴み、

 

「好きだ」

 

バサッ

 

何か物が落ちる音が聞こえ、振り向くとそこには歩夢ちゃんがいた。

 

「あ、あはは、ごめんね。邪魔しちゃったね…………」

 

そのまま歩夢ちゃんが走り去っていく。これって…………

 

「すみません、やらかしてしまいました」

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