二人は夢を歩む   作:水甲

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05 気持ちを伝える 後編

「それで…………追いかけずにいると言うことですか」

 

「はい……」

 

「あの……しず子……かすみんは…………」

 

「かすみさんは少し考えて行動しましょうね。誤解を招いた原因なんですから」

 

「えっと……」

 

「かすみさん」

 

「はい……」

 

しずくの前で正座させられる僕とかすみちゃん。歩夢ちゃんは早退してしまったみたいだし…………

 

「彰さんは歩夢さんの誤解を解くように」

 

「はい」

 

しずくのお説教が終わり、歩夢ちゃんに電話をするけど…………出ない。どうしよう…………

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

彰くんがかすみちゃんに告白してたのを見て、私はその場から逃げてしまった。

 

みんなには調子が悪いと伝えたけど…………彰くんからの電話が鳴り響いていた。

出てあげたいけど…………出たくない

 

「何でこんなに苦しいの…………」

 

ベッドの上に座りながら、私は泣いていた。

 

『歩夢ちゃん?』

 

不意に彰くんの声が聞こえた。もしかして…………

 

「どうして…………」

 

『心配で…………』

 

心配できてくれた…………彰くんはやさしいけど…………

 

「私の事は気にしなくていいよ…………かすみちゃんと一緒にいてあげて…………」

 

『歩夢ちゃん…………』

 

ごめんね。直ぐに元の私に戻るから…………

 

「開けないで…………そのまま帰って……」

 

『…………』

 

彰くんの声はもう聞こえない。ごめん…………

 

ガチャ

 

突然扉が開く音が聞こえ、彰くんが部屋に入ってきた。

 

「歩夢ちゃん‼」

 

彰くんは私にキスをした。私はびっくりして引き剥がそうとしたけど、彰くんの力が強くて出来なかった。

 

「あ、彰くん…………」

 

「僕は歩夢ちゃんの事が好き…………大好きなんだ」

 

「か、かすみちゃんは?」

 

「練習に付き合ってもらったんだよ。告白の…………」

 

「そ、それじゃ…………私、勘違いしてたの?」

 

「ごめん……誤解させちゃって…………僕は歩夢ちゃんの事が好き…………付き合ってください」

 

「はい…………」

 

私と彰くんはもう一度キスをした。

 

帰ろうとする彰くんの服の裾を掴んだ私は…………目を潤ませながら…………

 

「ねぇお母さんたちが帰ってくるまでの間…………甘えていい?」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

彰side

 

それから歩夢ちゃんとキスをしたり、ハグをしたりと甘い時間が流れるのであった。

 

 

 

 

そして次の日

 

「先輩たちが付き合い出したのは良かったですけど…………」

 

かすみちゃんが祝福してくれているけど…………

 

「多少は気を使ってくれませんか?」

 

「「気を?」」

 

普通に歩夢ちゃんが僕にくっついてるだけじゃないかな?

 

「うぅ~かすみんも早く恋人作りたいです~」


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