投稿出来てない期間も感想とか貰えると、やはり励みになりますね。
後は、ハイキューの最新話見てモチベ上げております。
説明しよう。木兎しょぼくれモードとは、木兎の気分の上がり下がりが激しく、アツくなりすぎると冷静さを欠いてしまうだけでなく、その状態でスパイクが決められない回数が続くと拗ねてしまい、その時に発生する木兎の弱点の1つである。
「てなわけで、木兎さんは今機能停止なので、この間にどんどん攻めてきましょう」
木兎の特性を知っている束はそう、チームに促す。
(とは、言ったものの。流石、梟谷。全然崩れないな……)
木兎が不調になるなんてよくある事。チーム全体の地盤が出来ている梟谷は、5人でも崩れる事なく、赤葦のツーアタックで、再び逆転。
梟谷は、エースである木兎が引っ張るチームではなく、木兎を伸び伸びプレーさせる為に、木兎を引っ張るチームなのである。
烏野 23ー24 梟谷
取り敢えず1点を取り、デュースに持ち込みたい烏野のサーブは、東峰。
しかし、このミスれば終わる状況に臆したのか、東峰は守りに入ったサーブを打つ。
「オーライ!」
小見が上げたボールを赤葦がセットアップに入る。
(烏野はそろそろ、ウチのチームがどういうチームか分かってきたはず。
つまり、木兎から気がそれ始める時間帯……
更に、木兎さんは打ちたくてソワソワし始める頃)
そして、赤葦はレフトにふんわりと山なりのトスを上げる。
(! ヤバい!)
「影山! ストレートしっかり閉めろ!」
一瞬反応が遅れた束は、影山に指示を出し、ブロックに入り込む。
しかし、木兎相手にブロックは1.5枚。
(((美味しい所はくれてやる! だからさっさと復活しろ、エース!)))
ギリギリ追いついた束だが、木兎のスパイクは束のブロックを弾いて、地面に叩き付けた。
「くっそ!」
ピッ、ピィー!
烏野 23ー25 梟谷
烏野高校、強豪梟谷を追い詰めるも、最後は木兎の強打によって敗北に終わった。
そんな中、束は悔しがりながらも、赤葦の方をチラリと見る。
束と目が合った赤葦は頷きながら、他のチームメイトともアイコンタクトをとる。
「いやぁ、流石木兎さん。最後のスパイク、完全に押し負けたなぁ」
「よっ! エース!」
「かっこいいね!」
「やっぱ、最後はエースですなぁ」
「きゃー! 猛禽類!」
「ミミズクヘッドー!」
そして、先程までしょげていた木兎は、煽てられた事によって、不意に笑い出す。
「やっぱり、俺って最強ー!! ヘイヘイヘーイ!」
(ハハハ、やっぱ、木兎さんって単純だな……)
あまりの木兎の復活の速さに、束は、ある意味流石だな、と思いながら苦笑いをする。
この烏野と梟谷の試合をもって、東京合宿の全セットが終了。
烏野は最後の最後もペナルティで終わったが、練習を頑張った者にはご褒美が待っているものである。
ジューと肉が焼ける音といい匂いが広がり、各チームの選手達が集まる。
「1週間の合宿お疲れー、諸君。空腹にこそ美味いものは微笑む! 存分に筋肉を修復しなさい!」
「「「いただきまーす!!!」」」
猫又のありが対言葉と共に、BBQと言う名のお肉争奪戦が幕を開けた。
「分かっているな、龍、虎」
「当然だぜ!」
「はい! 師匠!」
「このタイミングで浮かれついでに、潔子さんに近づく輩を、決して許すな!」
「「仰せのままに!」」
そう言う、西谷、田中、山本は、凄い形相で謎のオーラを醸し出している。
「何やってんだお前ら」
「そんな事やってないで肉食え肉」
しかし、縁下と束によって、3人は頭を叩かれる。
「おぉ、流石、2年のオカン2人組」
「しっかり、手懐けてるな」
それを見ていた木下と成田が感心するようにそう呟く。
烏野の2年は、田中と西谷と言う暴走2人組を抱えている。後の4人は比較的まともだが、その暴走2人組を止めるのは縁下と束の役割であり、その中でも縁下は筆頭だ。
ここだけの話、3年が抜け、もし今回の様に束が居ない時、2年と1年の曲者達を自分がブレーキをかけないといけないと考えると、縁下は胃に穴が飽きそうな思いである。
「あっ、強羅さん。スパイクサーブの安定させるコツ教えてくれて、ありがとうございます」
「おう、潮崎。こっちもブロックのコツ教えてくれて助かったわ。ウチはサーブ&ブロックが主軸だからな」
束はこの合宿中、ちょくちょく、強羅にスパイクサーブを教えて貰っていた。
束自身、スパイクサーブは打てるものの、試合後半に連れて、若干安定性に欠けていた為、生川の中でも特にサーブが上手い強羅に聞いていたのだ。
「おい、なんか、あそこの絵面がヤバい」
「うぉ、町中だったら通報されそうですね」
小鹿野と千鹿谷の視線の先には、巨人の密林に迷いこんだ小さな少女がいた。
別に、東峰達は親切心で話て居るのだが、バレーで鍛えられた巨人達に囲まれては、はたから見たらただのエグい絵面である。
「あぁ、俺はあっちに囲まれてー」
小鹿野が次に目が行ったのは、各々のチームのマネジャー達が集まっている場所である。
「我が、梟谷グループのマネちゃんズはレベルが高いが烏野が加わって、更にそれが上がったとおもうが、どうだろうか?」
「異論ないです」
そんな女子の花園に、1人の少年が入り込む。
「おい! 潮崎が行ったぞ!」
「なっ! うらやまけしからん!」
別に束自身、飲み物が切れたので、ついでに皆の分の飲み物を貰いに行っただけである。
「烏野の3年生って、真面目そうですよね」
「まぁ、エースはメンタル弱いけどね」
「えっ、あんなに怖そうなのに……」
「けど、単細胞エースよりはマシでしょ」
マネちゃんズがそう話していると、
「それにしても、潮崎くんって、爽やかで、いかにもイケメンって感じだよねー」
先程、飲み物を取りに来た束を見ながら、白副が幸せそうに、お肉を食べながらそう呟く。
「確かに、バレーも上手いし、人当たりも良い。モテる要素が詰まってるわよね」
「実際、潮崎、彼女いるしね」
「えっ、そうなの!?」
清水の発言で、話がヒートアップしていく。女の子はいつになっても恋バナが好きなのである。
そんな話をされているとはつゆ知らず、爽やかイケメンは、単細胞エースがいる元へ、飲み物を持って行く。
すると日向がキラキラした瞳で木兎に話かけていた。
「うぇえ! 全国で五本の指!? すげぇー!」
「だろー?」
「でもお前らの所の牛若は3本の指に入ってくる奴だぜ?」
「3本!?」
「おい! そんな事言ったら俺が霞んじゃうじゃねーか!」
「3本って事は後2人いるんですよね?」
木兎が黒尾にそう言うと、リエーフが肉をほうばりながら、黒尾に問いかけてくる。
「東北の牛若、九州の桐生、関東の佐久早。これが今年の全国高校3大エース」
「因みに、五本の指の残り1人は、稲荷崎高校の尾白アランさんだね」
飲み物を配りながら、黒尾の言葉に束が付け加える。
「潮崎さんは、あんな上手いのに、五本の指に入ってないんですね」
「まぁ、僕そんなに、認知度高くないしね」
月島の疑問に、束は笑いながらそう答える。
「それに、個人が強いからって、チームもトップ3とは限らないぞ?」
「まぁ、聖臣がいる井闥山は優勝候補筆頭ですけどね」
「「じゃあ、それを倒せば日本一ですか!?」」
黒尾と束の話しを聞いた日向とリエーフのセリフが被る。
「言うねぇ、下手くそトップ2」
黒尾はニヤリと笑い、そう答えるのであった。
「じゃあ、またな」
「おう。また」
太陽が沈み始め、空が茜色になる中、黒尾と澤村は言葉を交わす。
宮城から来ている烏野は、一足先に帰ることになる。
他の選手達に見送られる中、烏野高校の東京合宿、全日程が終了した。
烏野は、予選で2回勝てば、10月の代表決定戦に参加出来る。
あるチームには、2mが。
あるチームには、小さな巨人が。
あるチームには、鉄壁が。
あるチームには、大王様が。
あるチームには、全国3本の指の大エースが。
様々な選手、多くの思いを持ったチームが集まる。それが春高。
8月11日。全日本バレーボール高等学校選手権大会。通称、春の高校バレー。宮城県代表決定戦1次予選。ついに開幕。