日陰に埋もれた短編集   作:ヴラド·スカーレット

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一話と同じ時期に考えていたモノなのでほとんど同じような流れになってますね…( ̄▽ ̄;)
まぁ、気にせずに見てくださる方はゆっくりしていってね♪(*´ω`*)


仮面ライダーローグ-ハイスクールDxD-

コツン…コツン…

 

暗闇廃屋の廊下に響く足音。

辺りを照らすのは月明かりのみ。

しかし、歩くにつれて廊下の奥から何かの息遣いが聞こえてくる。

 

『ケケケ…今日もまたバカな人間がやってきた』

 

獣のような息遣いと共に地下深くから響くような声も聞こえてきた。

しかし、歩くのを止めず寧ろ声のした方へとドンドン進んでいく。

 

しばらくして、広いホールのような場所に出た。

先程までと違い、天井の一部が大きく崩れている為、月明かりでとても明るい。

そしてホールの奥には大きな巨体の獣がこちらを見ていた。

 

『ケケケ…今日の獲物は今までのヤツよりも旨そうだなぁ…』

 

獣がこちらに近寄ってきたことで月明かりに照らされその姿を目の当たりにした。

 

それは全身に宝石を纏った醜い豚のような化け物であった。

しかしほとんど理性は無く、ただ本能のままに生きている野生児よりも酷い有り様であった。

目の前にいる存在を獲物としか認識できていないのだ。

 

『今日は何処から食べようか…悲鳴を聞くのも飽きたし、一口で食べてしまおうか…』

 

どうやら目の前の化け物は何人もの人間を喰らっているようだ。

それだけ"はぐれ"でいた時間も長い…か…

 

『ククク…しかし、ただ食べるのも飽きているからな…おい人間、最後に何か言いたいことがあるなら聞いてやる』

 

…どうやらかなり嘗められてるようだなぁ?

まぁ…確かに"最後"になるしなぁ?

じゃあ…あえて乗ってやるか。

 

「そうか…なら、お言葉に甘えて…」

 

そう言いながら俺は左手でコートからあるものを取り出し腰に装着した。

 

[スクラッシュドライバー!!]

 

『あ?』

 

続けて右手にワニの意匠が入った紫のボトルを取り出し蓋を回し、腰に装着したスクラッシュドライバーに蓋を下にして装填した。

 

[デンジャー!!]

[クロコダイル!!]

『な、なんだ?!』

 

するとスクラッシュドライバーからまるでパニック映画のようなおどろおどろしい待機音が鳴り響く。

俺は化け物に左手を向け、右手をスクラッシュドライバーのレバーへと手にかけ…告げる。

 

「変…身ッ!!」

 

レバーを倒すと俺の周りを囲うように大型のビーカーのような装置と両脇にワニの顎みたいな装置が形成されビーカーに紫の液体が満ちると、両脇のワニの顎によってビーカーが砕け散り同時に黒と紫の装甲が形成された。

 

『な、なんた!?いったいなんなんだ!?』

 

[割れる!喰われる!砕け散る!!]

[クロコダイルイン!ローグ!!オラァッ!!!]

[キャーーッ!!]

 

そして紫のワニの顎が挟むように頭に装着し、仮面に皹が入り緑の複眼が形成され同時にベルトから女性の悲鳴のような声が発せられた。

天井の隙間から射し込む月光によりその不気味さが一層極まった。

 

『な…なんなんだ、お前は!?』

 

「自己紹介がまだだったな、俺の名は…ローグ…仮面ライダーローグ…今から貴様を処罰する男の名だ」

 

そう言って俺は右手にネビュラスチームガンを装備し、化け物へ速射した。

無論化け物は避けれずに全弾命中した。

すると化け物は悲鳴を上げてながら突然のたうち始めた。

 

『ギキャァァアッ!?イタイイタイイタイイタイイタイッ!!?』

 

「ほぉ…対悪魔用に開発した弾丸の性能は良好のようだな」

 

開発した作品が効いている事を確認しながら弾丸を次々と放ちながら徐々に距離を詰めていく。

化け物も黙ってやられる気は無いようで避けようとしているが…

 

「そんな巨体で避けれると思っているのか?」

 

『グガァッ!!?』

 

大きなホールとは言え、化け物の巨体では思うように動ける訳もなく全弾命中している。

しかし致命傷を避けるように動いている為、まだまだ動けるようだ。

 

『ケ、ケケケ…いくらその弾丸が効こうとこの俺様が人間ごときに負けるわけ無いだろッ!!オラッ!!!』

 

今度はこちらの番とばかりに巨体を活かした強力な拳を振り下ろしてきたが…拳が装甲に当たると同時に拳を振り下ろしてきた化け物の方が拳から血を流していた。

 

『イデェェエッ!?なんでだ!?何故俺様の拳が効かないんだ!?』

 

「そりゃ…腰が入っていないからだ…」

[クラックアップフィニッシュ!!]

 

化け物の懐へ入ると再びレバーを倒し、右腕に力を溜め紫のオーラを纏った拳を化け物に壁を突き破る勢いで畳み込み…殴り飛ばした。

化け物は叫び声も上げずに吹き飛んでいき…案の定、廃墟の壁を突き破って屋外へと吹き飛び、外の木を幾つか薙ぎ倒して止まった。

 

「…死んだか?」

 

化け物の生命反応を感知しなくなったので近づいてみると…薙ぎ倒した木々が肉体を貫いており、身体中から血を流して事切れていた。

俺は何も入っていないボトルを向けると化け物の身体から粒子がボトルへと入っていく。

ボトルは粒子を取り込むと変化し、宝石の意匠が入ったボトルへと変わった。

 

「ほぉ…ダイヤモンドフルボトルになったか…さて、そろそろ退散するとするか…」

 

そう言って変身を解除してポケットから転移結晶取り出し地面に落としてその場を去った。

その数分後、とある悪魔の集団が来た頃にはホールの崩れた壁から見える血だらけの化け物だけしかいなかった。

 


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