うちの指揮官はコミュ力が高過ぎる。   作:創作魔文書鷹剣

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 次回にキャラクター設定を挟んで、第一戦役は終了となります。


事後処理と明日への前進

「・・・つまり、件の前線基地を改修してこちら側の前線基地として利用しようという事か?」

 

「はい。設備の大半が無傷で確保できたので、多少の改修でも基地としての機能は十分に確保できるかと。それに『鉄血に占領されたエリアをグリフィンが解放した』というイメージ戦略も狙えますし。」

 

 グリフィン本社にて、ナターシャはクルーガー社長と対面し作戦の報告をしていた。前線基地が陥落した事により鉄血は部分的に撤退を始めており、その影響で放棄されたエリアもいくらかある。横槍が入る前にそのエリアと前線基地をグリフィンが接収するべきと直接提案したかったのが理由だが。

 

「いいだろう、だが直ぐには動けん。先ずは前線基地の改修から始まるだろう。」

 

「いいですよ、待つのは慣れてるので・・・では。」

 

「・・・待ちたまえ。君があの前線基地を攻撃した理由、やはり・・・」

 

 ナターシャの脚が止まった。

 

「それ以上は言わないでください。あのクズの名前は・・・」

 

 ナターシャは社長室を去った。

 

「ナターシャ・E・ロックハート、やはり、怨みは消えてなかったか・・・」

 

《R03基地》

 

「指揮官、昨日の襲撃作戦の報告ですが・・・」

 

 M4A1は昨日の襲撃作戦について報告しようとナターシャのいる執務室を訪れたが、忙しなく動く彼女を見て報告してもいいか戸惑った。まあナターシャは書類仕事の片手間にパソコンを弄れるぐらい器用だから報告はいつだって受け付けてるが。

 

「あ、それはもう大丈夫。上にも報告してあるし、形式だけ守ってくれればいいから。」

 

「はあ・・・」

 

「気にしてるの?あんまり活躍出来なかった事。」

 

「はい・・・」

 

「気にしないの、ハイエンドモデルを仕留める事よりも基地を制圧する方が重要だったんだから。」

 

 M4を励ますと同時にナターシャが処理している作業、机の上に積まれた書類は全て「前線基地の改修及び放棄されたエリアの再建計画」と銘打たれた物である。ようは「言い出した奴が責任持って管理しろ」というクルーガー社長の命令だ。一応ナターシャの能力を見極めた上でやらせているのでパワハラではない。いいね?

 

「指揮官、それは・・・」

 

「制圧した前線基地の改修と、グリフィンが解放したエリアの再建・・・管轄はここだから防衛と、市街地が再建した後の治安維持はうちの仕事なんだけど・・・頭数がねぇ・・・」

 

「そう言うと思ってましたよ指揮官様!!」

 

「うわびっくりした!!」

 

 勢いよく開かれた扉から飛び出てきたカリーナ、どうやら金の匂いがしたらしい。この守銭奴め(褒め言葉)。

 

「戦術人形の数が足りないと聞きまして!I.O.Pには直ぐにでも発注をかけられますよ!!何人ぐらいお必要ですか!?」

 

「いや・・・私のツテを使って直接スカウトしてくる。時間はかかるけど安く済むし、何よりしっかり言う事聞く子が来た方が問題起こさなくていいしね。」

 

 そう、ナターシャは大抵の指揮官がお世話になるI.O.Pに発注をかけず自分の足で部下にする人形を探すのである。このやり方に苦言を呈する部外者もいるが、スカウトされた人形達はより良い環境を与えてくれたナターシャに恩返しをするべく頑張るのだ。だいたいは廃棄処分寸前の人形を拾ってくるわけだし。

 

「これから忙しくなりそうだしね、新兵でも数を揃えれば治安維持ぐらいできるから。」

 

「むぅ・・・ま、まあそれでも私は構いませんし・・・」

 

 どうやら勢いよく出てきた割に上手く躱されたのが納得いかない様子のカリーナ。でも手法はどうあれ基地内の人形が増えればショップの売り上げが伸びてカリーナの財布が厚くなるから結果オーライなのだ。この守銭奴め(褒め言葉)

 

「じゃあ早速、明日からスカウトしに行こうかな・・・私がいない日は任せたよカリン。」

 

「はい!こっちにはVectorさんもいますからね!!」

 

「M4もよろしくね。」

 

「は、はい!」

 

 大仕事が一つ片付いたナターシャだが、これからも忙しい日々が続くようだ。

 

《一方その頃・・・》

 

「なぁんだ、やっぱりあの基地ダメだったんだ。」

 

 モニターを眺めるピンク髪、ナターシャの怨敵たるラヴァーが前線基地陥落の一部始終を見ていた。

 

「・・・エリザ様の御命令でなければ見せたりしないのですが、その事をお忘れなきように。」

 

「わかってるよエージェントちゃん♡」

 

「・・・。」ゾワッ

 

 代理人(エージェント)、立場上ラヴァーの上に位置する彼女すらもラヴァーの気持ち悪さには敵わないようだ。

 

「その呼び方はやめなさいと何度も言ったはずですが。寒気がするので。」

 

「え!?寒気がする程私の事好きなの!?」

 

「いえ、違いますが。」

 

「式はどこで挙げようかなー?子供は何人ぐらいがいいかなー?ベッドの上ではどんなプレイをするのかなー?あ、その時はちゃんとかわいいの履いてきてね?タンスの奥にある白とp「お仕置きぐらいは許可されてるんですが?」あちゃー、怒ったエージェントちゃんは容赦ないなー。」

 

 寒気すら感じる程に嫌悪してもコイツは謎の超理論により「自分の事が好き」という都合の良い解釈に到達する。そして「両思いでラブラブなんだからこれぐらいの事は当然」と言い張って風呂や着替えを隠し撮りしたりする。本当になんだコイツ。

 

「スケアクロウもエグゼキューショナーもハンターもやられちゃったんだねー、やっぱり勝負下着じゃなきゃ負けるんだよー。」

 

「貴女がエリザ様のお気に入りでなければ今すぐにでもAIを矯正して差し上げるのですが・・・」

 

「ホントは『AIを矯正されちゃったら、ラヴァーちゃんが私の事好きじゃなくなっちゃう!私はこんなにラヴァーちゃんの事が好きなのに!」って考えてたでしょ?」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

 当初の目的はどこへやら、エージェントを玩具にして遊ぶラヴァー。因みにいつもこんな調子でハイエンドの面々をイジっている。迷惑な事極まりなし。

 

 

 

《翌日、R03地区にて・・・》

 

「やっと着いたっと・・・相変わらずここは酷い所だね。」

 

 R03地区の隅、治安も悪く夜の店が立ち並ぶ危険地帯にナターシャは足を踏み入れた。戦術人形に転用できる人形を探し求めてやって来たこの地において人形は「換えが効く女」程度の認識でしかなく、動かなくなった人形が道端に転がっている。

 

「どこの店から探そうかな・・・、ん?」

 

 視界の端で、何かが動いた。




・夜の店
・棄てられた人形

この2つの情報でも、次回誰が出て来るかわかるはず。
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