虹の彼方に (リメイク版)   作:けにおう

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戦闘描写頑張ったけど自信ないなぁ…


恨み

煌之介side

 

 

村の方を宇髄に任せ、俺は鬼が生贄を取りに来るという祠の前に来て鬼を待っていた。

 

「鬼狩り殿、本当に大丈夫ですかな?」

 

「村長……安心してください。この村の悪鬼は必ず滅殺してみせます」

 

っ!鬼の気配!?

 

「村長!急いで村に下りて宇髄を呼んできてくれ!」

 

下から上昇してくる鬼の気配に咄嗟に反応しその場から飛び退く。

 

そして俺のいた場所には爪を突き立てた鬼が立っていた。瞳には下陸と刻まれている。村長は走って逃げている。

 

「俺の爪を躱したのはお前が初めてだぜェ。お前、柱かァ?」

 

「下弦の陸か…」

 

「そうさ!お前はこの村での9人目の生贄となる鬼狩りだぜェ。村にいるもう1人は10人目だァ!」

 

「この村ではってことはほかの村でも生贄として隊士を食ってるんだな?」

 

「ケケケケケ……鬼狩りだけだと腹減るし栄養も偏るからよォ。移動する度に村の奴らも全員食ってんだよなァ。あんま美味しくねェし肉も少ねェけどよォ、空腹なら仕方ねェよなァ!今まで村人と隊士合わせて150は食ったぜェ」

 

「もういい。お前はさっさと殺す」

 

『虹の呼吸 弐ノ型 一騎橙閃』

 

一瞬で頸を切ろうと迫る。

 

『ー血気術ー 恨盾』

 

「ケケケケケ…俺の血気術は厄介だぜェ。俺に恨みを抱いて死んでいった奴の魂を武器に出来るんだァ。しかも恨みが強いほど硬く鋭くなるぜェ」

 

なんて鬼にとって有利な能力だ…鬼に殺されて恨みを抱かない人なんて普通はいない。死してまで鬼に弄ばれるとは…酷すぎる…

 

「どこまで死人を冒涜すれば気が済むんだ!安らかに眠らせてやれ!」

 

「いやだねェ!」

 

『ー血気術ー 恨爪』

 

「くっ!」

 

『虹の呼吸 陸ノ型 大伽藍 三連』

 

なんとか防ぐが、

 

『ー血気術ー 恨矛』

 

技を出し切った後の隙を狙って矛のような形の魂を打ち出してくる。

 

(っ!油断した!まずい!)

 

『音の呼吸 肆ノ型 響斬無間』

 

「ったく、柱のくせに情けねぇな」

 

ギリギリの所で宇髄が駆けつけてくれた。

 

「少し怒りで心を乱してしまっていた。助かった。感謝する」

 

「ケケケケケ……お前がもう1人の鬼狩りだなァ。見たところ柱では無さそうだが大丈夫かァ?今しがた柱が手こずってたのを見たろォ?大人しく恨みを抱いて殺されなァ!」

 

『-血気術- 恨魂・乱舞』

 

殺された人の魂が凄い速さで俺たちの周りを縦横無尽に飛び交う。

 

「これは当たったらまずそうだな」

 

「回避に専念するかァ?させねェけどなァ」

 

『ー血気術ー 恨爪』

 

冷静になって観察してると大して脅威でも無いように感じる。

 

見える斬撃なんて飛んで来ても怖くない。

 

飛んで来た爪を躱す。

 

『音の呼吸 伍ノ型 鳴弦奏々』

 

「なんか思いついたか、天宮」

 

宇髄が飛び交う魂を切り飛ばしながら近づいてくる。

 

「いや、冷静になると大した脅威に感じなくなってきた」

 

「ケケケケケ……何強がり言ってんだァ?為す術ないんだろォ?強がるなァ!」

 

「うるさいな。お前こそ人の魂に頼らなきゃろくに攻撃も出来ない雑魚じゃないか」

 

「ケケケケケ…挑発には乗らねェぜェ」

 

『ー血気術ー 恨爪』

 

めいっぱい酸素を取り込む。

 

『虹の呼吸 陸ノ型 大伽藍 三連』

 

「ケケケケケ…さっき同じことして死にかけただろォがァ!!」

 

『ー血気術ー 恨矛』

 

型が終わる前に咄嗟に呼吸を切り替える。

 

『虹の呼吸 肆ノ型 早緑月』

 

矛を弾く。

 

「何だとォ!?」

 

呼吸を切らさないようそのまま次の斬撃に繋げる。

 

『虹の呼吸 壱ノ型 小赤啄木鳥』

 

『ー血気術ー 恨盾』

 

俺の斬撃は防いだ。だが盾が奴の視界を塞ぐ。

 

「宇髄、今だ!」

 

「派手に任せろ!」

 

『音の呼吸 肆ノ型 響斬無間』

 

その瞬間、鬼の頸が飛んだ。

 

「やったか!」

 

おい、その言葉はダメだ。そう思った時、奴の体が膨れ上がった。

 

「宇髄、伏せろ!」

 

「よくも俺の頸を斬りやがったなァ!鬼狩りを食いまくって強くなってさっさと上弦に上がる予定だったってのによォ!許さねェ!俺の怨みでてめェらも道連れだァァ!」

 

『ー血気術ー 無限怨針』

 

奴の死体から大量の針が噴出される。

 

『音の呼吸 壱ノ型 轟』

 

『虹の呼吸 陸ノ型 大伽藍 十連』

 

「まずいな、斬っても斬ってもキリがない!2人だけだとさすがにジリ貧だ!」

 

「喋ってる暇なんてないぞ宇髄!死にたくなけりゃ死ぬ気で斬れ!」

 

その時、俺たちの周囲に花が舞った。

 

『花の呼吸 弐ノ型 御影梅』

 

「遅くなってごめんね。煌之介くん」

 

「来てくれただけありがたい、桜」

 

鴉で近くの柱を呼んで貰ったのだがどうやらかなり近くにいたらしい。

 

「君が甲隊士の宇髄天元君だね?私は花柱、島原桜。よろしくね」

 

「俺は宇髄天元。元忍だ!柱が来るとは心強いねぇ!」

 

「忍って実在したんだ!凄い!」

 

針を切り伏せながら雑談に興じる。

 

2人だとキツかった針が1人増えただけでこんなに楽になるとは…

 

そして遂に奴の体が散り、針も消える。

 

「助かったよ。本当にありがとう、桜」

 

「ううん、鬼の頸を斬ったのは2人でしょ?それに比べたら大したことなんて出来てないよ」

 

「いやいや、もし島原が来てなかったら俺たちは間違いなく死んでた。感謝するぜ!派手にな!」

 

「はぁ…?まぁそこまで言うなら受け取るとしようかな」

 

「あぁ、ぜひ受け取ってくれ。受け取りついでにきびだんごも食え」

 

「お、ありがとう!煌之介くんのお菓子、やったー!すごく急いで来た甲斐あったよー!姉さんに自慢しよーっと!」

 

それはまずいな…茜の事だ、俺が殺される。

 

ちなみに彼女の姉、島原茜は現鬼殺隊の水柱だ。

 

「やめて。帰りに蝶屋敷に寄ってきびだんご持ち帰ってくれ。桜にだけあげたとしたら茜に殺されるから」

 

「わかったー。わざわざありがとうね!」

 

「おう。茜によろしくな」

 

「うん!」

 

「なぁ、地味にハブるのやめてくれ」

 

「悪い悪い、宇髄も怪我ないか?」

 

「あぁ、派手に無事だぜ!」

 

「そっか、皆怪我なく下弦の陸を倒せて良かった。宇髄もこれで柱に近づいたな」

 

「おう!…だが疲れたな。早く帰りてぇ。」

 

「それもそうだ。一応村長に挨拶して帰るとするか」

 

「そうだね!」

 

こうして俺たちは村を襲う鬼たちを無事退治し村長にお礼をされた。

 

だが生贄と称して俺たちを嵌めていたことは許されることでは無い。

 

その説明をした所、この村全体を鬼殺隊向けの休養地とするらしく、後にお館様とも相談した結果それが決まった。

 

しっかりと任務で疲れ切った隊士を癒して士気の上昇に繋がると幸いだ。

 

俺は帰りに蝶屋敷でお土産にきびだんごを持たせた。

 

宇髄の嫁からは大絶賛だったらしく、たまに蝶屋敷に顔を出しては俺に菓子を作らせる。

 

不満ではないが一応まだ俺が上司ではあるので少し遠慮を覚えて欲しい。

 

1度それを言ったら、

 

「死地をくぐり抜ける仲間に上司も部下もねぇ!」と言われた。

 

俺はその言葉に感動して大量の菓子を作って持ち帰らせた。

 

今考えたら上手く言いくるめられただけかもしれない。いや、絶対そうだな。今度来た時茶菓子にわさびめっちゃ入れてやろう。

 

それと任務から帰った翌日に茜がわざわざお礼を言いに来た。

 

「あの程度のきびだんご如きで調子に乗らない事ね!あれくらい、あたしにだって作れるわ!今度は絶対あたしの方が美味しいお菓子を作るんだから!で、でも、貰ったからには一応礼を言っておいてあげないことも無いわ!」

 

そう言って帰って言った。

 

割と付き合いが長いので彼女のことはだいたい分かる。ツンツンしたいらしいけど普通にいい子だ。

 

最初の頃は彼女のことがよく分からなかったけど今では良き料理のライバルだ。

 

そして最近カナヲの様子が変だ。

 

なんかずっとこっちを見ている。特に鍛錬中に俺をよく見ている。

 

目が合うと何かを言おうとして口がもごもごしているが結局逃げる。

 

なので鍛錬中見ていたカナヲを呼び出して話を聞いてみる。

 

「カナヲ、最近様子が変だがどうかしたか?俺に言いたいことがあればなんでも言ってくれ。俺に出来ることならなんでもするから。」

 

我ながらカナヲには甘いと思う。

 

みんなに内緒でよく色んな食べ物をあげている。決して餌付けでは無い。最近はカステラをあげた。

 

「…えっと、兄さん!私に、稽古をつけてください!」

 

今まで聞いたことないような大きな声でカナヲは言った。




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