全3話の短編です。1番最後が異様に長いですけど気にしないでください!
・筍組の問題児
ここはキメツ学園。由緒正しき学園である。
俺はここで国語教師を担当している天宮煌之介だ。まだ新任なので教師歴の長い悲鳴嶼先生の補佐をして学ぶため1年筍組の副担任を任されている。
だがこのクラスがなかなかの問題児揃いだ。
問題児1人目、竈門炭治郎。
彼はパン屋の息子でとても礼儀正しく基本は良い子なのだがいつもピアスを付けており、注意しても外すことは無い。
よく冨岡先生に怒られている。
問題児2人目、嘴平伊之助。
彼は猪突猛進な性格で常に制服を着崩している。炭治郎くんと違って礼儀の欠片もない。
よく冨岡先生に怒られている。
そして問題児3人目、我妻善逸。
彼は1番の問題児かもしれない。髪を金色に染めていて問いただしても地毛だと言い張るので困っている。冨岡先生もよく怒りの鉄拳制裁を食らわしている。そんな彼は風紀委員なのだがいつも女子の荷物だけ妙に綿密にねっとりとした視線で見ているので苦情が絶えない。本当に困ったものだ。
また、この3人と宇髄先生でハイカラバンカラデモクラシーというバンドを組んでいるのだが、このバンドがとてつもなく破滅的な音楽を奏でるので文化委員と協力してなんとか文化祭には出さないように話し合っているが未だいい案は出ていない。
・ハイカラバンカラデモクラシー
「俺がなんとかしよう」
そう言った冨岡先生は何故か彼らの音楽に魅せられて彼らを応援するようになった。ミイラ取りがミイラになるとはこの事だ。
「はぁ……」
「大変だな、胡蝶」
「えぇ、天宮先生どうにかしてくださいよ。このままだと文化祭で失神者が多数でて保護者から苦情が沢山来ます。助けてください」
「そうは言ってもなぁ……」
なんかないかなぁ…奴らを文化祭で演奏させない方法は。
「オーディション」
栗花落がポツリと呟いた。
「「それだ!!」」
簡単な事じゃないか。オーディション制にして奴らを落とせばいい。少し汚いかもしれないが他の生徒の為だから仕方ない。
こうして無事彼らをオーディションで落として文化祭は大成功したのだった。
ちなみにその他のバンドは全員受かっているので彼らからすごい勢いで苦情が来たが無視した。冨岡先生は残念そうな顔をしていた。
・密着!天宮先生の1日 〜とある密偵の調査報告〜
天宮煌之介の朝は早い。妹と自分の朝食と弁当を作るのに時間をかけるからだ。
彼はそこら辺がうるさい。栄養をしっかりと取らせようと生徒にも口うるさく言ったり時間が空いてると調理実習に無断で参加したりしている。
朝食を食べると学校へ向かう。徒歩ですぐ行ける距離なのでペースはゆっくりだ。
学校に着くと彼はすぐ机に向かって小テストの採点やその日の授業の確認をする。
「うむ!天宮先生のその姿勢はとても素晴らしいものだ!俺も見習おう!」
同期の煉獄先生が褒めてくれる。
「ったく、地味な作業ばっかで飽きねぇのかよ。もっと派手に採点しろよ。0か100だけでいいんだよ」
宇髄先生は少し辛口だ。恐らくまだ文化祭の件を根に持っているのだろう。伊黒先生並のしつこさだ。
「おい天宮、今失礼なこと考えただろ」
「いえ」
伊黒先生は察しがいい。
彼の作業が終わった時、ちょうど朝礼が始まった。
産屋敷理事長はお忙しい身でありながらこの朝礼だけはいつも欠かさず顔を出し、挨拶をしてくださる。そのためどの先生も理事長を尊敬している。
それが終わるとチャイムが鳴り悲鳴嶼先生と共に筍組のHRへと向かう。連絡事項を告げるといつも教室を出るのだが、今日は1限目がこのクラスの授業のため教室に残って生徒との雑談に興じる。
「天宮先生!今日は小テストありますか!」
「いや、今日は作ってないよ。作った方が良かったか?」
「いえ、先生のテストはとても難しいし平均点以下だと居残りもあるので無くて良かったです!」
「ふむ、正直者め。だが残念だったな。今日は小テストを返す予定だ。もちろん平均以下は居残りな」
「「「「「えー」」」」」
こんな感じでやり取りをしていると1限目のチャイムがなる。
「お前ら席つけー。座らねぇと強制的に居残りだー」
すると蜘蛛の子を散らすように集まっていた生徒たちが席に戻った。そして日直が号令をかける。
「じゃあ授業を始める。まずは昨日の小テストの返却からな。今回の平均は60だ」
生徒たちからブーイングが飛ぶ。だがそんなのお構い無しに返却を開始する。天宮先生は名前を呼んでも来なかった場合点数も高らかに叫ぶので点が低いことを恥ずかしく思う生徒は大人しく従う。
「我妻善逸」
「はい」
彼は勉強は出来る。素行は悪いが。今回も平均を大きく上回る95点だ。
「いい点だ、我妻。これからも頑張れよ。」
「ありがとうございます!」
「竈門炭治郎」
「はい!!」
返事はとてもいい。だが点数は35点。居残り決定だ。頭が堅い炭治郎は国語が苦手なのだ。
「先生!!点数が間違ってると思うのですが!!」
「何も間違ってないぞ竈門。お前は35点だ」
「ハハハハハ!だっせぇな権八郎!」
「嘴平伊之助、0点」
「あぁ!?なんか文句あんのか!!」
「文句しかねぇわ!このシャツ全開の馬鹿野郎!ちょっとは勉強しろ!」
こいつはもうダメだ。勉強以前の問題だ。小学校の勉強からやり直した方がいい。
こんな感じで一人一人の事を思いながら思いながらテストの返却をする。
そしてささっと授業に入る。
「竈門、ここ読め」
「はい!春はあけぼの………」
「じゃあ続きを嘴平」
「俺に命令するんじゃねぇ!」
「廊下に立ってろ阿呆」
こんな感じにテストの点が低い者をよく当てる。
「今回の居残りは8人だ。放課後、この教室に残っておくように」
授業が終わるとそれだけ告げて教室を後にする。2限目は彼の授業が入っていないため2年菫組の調理実習へと行くらしい。今回は許可を取っているとの事。
そして家庭科の先生に追い出されたらしい彼は職員室で大人しく珈琲を飲んでいた。
3限目~4限目も1限目と大して変わらない授業風景で、小テストをして生徒からの大ブーイングを食らったりブーイングした生徒の点数を-10するという権力の使い方をしていた。
そして昼休み。
彼は冨岡先生と階段で座って昼ごはんを食べていた。
天宮先生は弁当を持参しているが冨岡先生は竈門家の営むパン屋で買ったフランスパンを食べている。
「冨岡先生はいつもパンですよね。料理しないんですか?」
「(俺は料理は苦手なんだ。だから)俺には関係ない話だ」
「俺は料理好きですよ。冨岡先生の分も作りましょうか?」
「(俺なんかの為にわざわざ忙しい天宮先生の手を煩わせる訳にはいかない。だから)必要ない」
「でもそれだと栄養が全然取れませんよ?」
「(それは俺の健康の問題だ。だから)お前には関係ない」
会話が成り立ってないようにも見えるがこれでも2人は仲がいい方だ。冨岡先生の口べたを完全に理解していて、更に言いたいことを読み取ってくれる人は冨岡先生にとって初めての存在なのだ。彼も良く思っている…はず
あんな会話で昼休みを終え、5限目が始まる。昼飯の後という事で眠たい生徒も沢山いるようで、天宮先生は5限の授業の時はあえて何らかのビデオを見せ、眠っている生徒を叩き起し、次の授業までに眠気を落とせるようにしている。
6限目に1年かぼす組の授業に行った彼は割れた窓と血塗れの不死川玄弥の姿を見て「ああ、5限目は不死川先生だったんだな」と察して玄弥に同情の念を送っていた。不死川玄弥は不死川実弥先生の弟で、かなり仲が悪いように見える。というか兄が一方的に弟を突き放している。彼らには仲良くなってほしい。そう、割れた窓を見ながら思っていたと彼は語る。
全ての授業が終わり放課後、居残りの生徒も帰ったので彼は自身の受け持つ調理部へと向かっていた。
すると後ろから恨みのような念を感じ振り向く。そこにはあらん限りの憎悪で天宮先生を睨む我妻善逸と申し訳なさそうにしている竈門炭治郎の姿があった。
「どうした?何か用か?」
「モテる秘訣を教えてください!」
「はぁ?モテてる?俺が?冗談だろ」
「これだからデフォルトイケメンは!!でも俺は知ってますよ!あなたがこの学校で1番バレンタインチョコを貰ってるって事をね!」
「あんなもん義理で渡してるだけだろ?それにあれの半分以上が琥珀からのだしな」
「はァァァ!?琥珀先輩だとぉ!?学園トップクラスの美少女じゃん!絶対に許さねぇ!それに!その貰えて当然みたいな言い方!!いいか!?世の中にはなぁ!チョコが1個も貰えない奴もいるんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」
「モテたいならその態度を何とかしろ。阿呆らしくて目も当てられん。冷静沈着なクール男子の方がモテるぞ」
「そんなんでモテたら苦労はしねぇんだよ!結局顔か!?そうなんだろ!?俺みたいなやつがクールに気取っても寒いだけだろ!?」
「もういいだろ善逸!天宮先生に失礼だ!帰るぞ!!」
ここで空気と化していた竈門炭治郎が止めに入る。
「いやぁぁぁぁ!!離せよ炭治郎ぉぉぉ!!俺もモテたいのぉぉぉぉ!!」
連れ去られていく我妻善逸の姿を終始哀れな目で見つめる天宮先生であった。
仕事を終わらせ家に帰ると彼はすぐに晩飯を作り始める。疲れていると簡単なもので済ませようという気持ちになるが、彼はいつもしっかりと自炊する。真面目なものだ。私に沢山食べさせたいというのが大きいのだろうが彼は些か頑張りすぎるところがあって、琥珀はいつも心配しています。しっかり休んでほしいです。
次こそ続きを出しませう