スカイウォールの移動の衝撃はnacitaにも届いていた。
「うぉ!なんだこれ!?」
「外だ!」
驚く万丈を横目に戦兎は屋上へ向かう。拓哉もすぐ後を追いかける。
「おい!待てよ!」
万丈は念のため、ビルドドライバーを持って行った。なにか嫌な予感がしていた。が、彼の性格上それはすぐに忘れられていた。
屋上に上がった拓哉達が目にしたのは、空中に浮遊する巨大な建造物だった。
「あれ…スカイウォールか…?」
戦兎が呟く。それに対する答えは思わぬところから発せられた。
「せいかーい!よくわかったね!さすが天才物理学者!」
その声の主は地上にいた。その姿は、拓哉と瓜二つだった。
「お前…っ!」
「あいつが、エイマだな?」
「あぁ、俺の顔使いやがって…」
そう答えると、後から来た万丈が戦兎にビルドドライバーを渡した。
「下がってろ!あいつは俺達が倒す!」
「あ、あぁ…」
そう答え、地下へ向かう。一階ではもしかしたら戦闘の余波が来るかもしれない。
「よっしゃ行くぞ戦兎!」
「あぁ!」
二人はビルドドライバーを腰に巻く。
「2対1ー?まぁ、負けないけどね!」
エイマはエボルドライバーを巻く。
戦兎はラビットタンクフルボトルを、万丈はグレートクローズドラゴンを起動する。
《ラビットアンドラビット!》
《覚醒!グレートクローズドラゴン!》
そのままビルドドライバーへと装填する。
「「変身!!」」
《紅のスピーディージャンパー!
ラビットラビット!ヤベェーイ!ハエーイ!》
《Wake up CROSS-Z!get Great Dragon!
ブラブラブラブラブラァ!》
戦兎はラビットラビットへ、万丈はグレートクローズへそれぞれ変身する。
「それじゃあ僕も」
エイマはホルダーからボトルを取り出す。そのボトルは蝙蝠の意匠が感じられた。そのボトルとライダーシステムボトルを、エボルドライバーへと装填する。
《バット!》
《ライダーシステム!》
《エボリューション!》
「変身」
《バット!バット!エイマバット!フハハハハ!フハハハハハハ!》
「さぁ、来なよ」
エイマは戦兎達に向けて、挑発する。
「言われなくても…」
「やってやる!」
二人でエイマに向け走り出す。二人の英雄を前にしてもエイマから余裕が消える様子はない。
戦兎達がエイマと邂逅したころ、拓哉は地下にいた。
(なにか…俺にできることは…!)
辺りを見渡すと机の上に、ドライバーが置いてあった。思わずそれを掴む。
「これを使えば…!」
その隣にある空のボトルも掴み外へと走り出す。自身も戦えると興奮していた拓哉はそれが空だと気付いていなかった。しかし、これが彼の遺伝子を呼び覚ますきっかけになる。
「くっ…なんだよあいつ、強すぎだろ…」
「あぁ、最悪だ…」
戦兎と万丈。その二人と対等に戦える相手などそうはいない。ましてや一人など。しかし、エイマに立ち向かった二人は返り討ちに遭っていた。変身解除されていないことから恐らくこれでも力をセーブしているのだろう。
「行くぞ万丈!」
「あぁ!」
戦兎はフルボトルバスターを、万丈はビートクローザーを構え走り出す。エイマは特に構えもせず二人を迎え撃つ。
「はぁっ!」
戦兎がフルボトルバスターを一閃する。しかしエイマはその攻撃を左腕で軽々と受け止め、逆に戦兎を蹴り飛ばす。
「ほらほらどうしたぁ!」
「くっ…」
その一撃で変身が解除される。
今度は逆サイドから万丈が攻める。
「だったらこれで!」
ビートクローザーのレバーを引っ張る。
《ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!》
「オルァ!」
《メガスラッシュ!》
さすがの万丈もこれで決められるとは思っていなかった。だがある程度のダメージは与えられるだろうと思っていた。が、しかし。エイマは受け身すら取らなかった。
「これで…なんだい?」
「嘘、だろ…」
「ラァッ!」
油断した万丈はエイマに殴り飛ばされる。
「ぐぁっ!」
万丈もまた変身を解除されてしまう。
「さぁ、終わりにしよう…」
エイマがエボルドライバーのレバーへ手をかける。
二人は劣勢に立たされていた。
(どうすれば…)
「まだ!俺がいる!」
nacitaの方から声が聞こえた。その声の主は刺崎拓哉だった。