異世界で俺がモンスター娘達と契約しまくる話。   作:ワロリッシュたん

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Stage1 死者の交換留学生

ぱんぱかぱんぱんぱ〜ん♫

 

「おめでとう!!

君は記念すべき1000000000………人目の死者じゃ!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

それは何の面白味の無い一日の出来事。

俺、瀬尾 英人

せお えいと

は夜の東京の街をぶらぶらと歩いていた。

 

「うるせー!」

「ああ!?やんのかてめえ!」

 

聞こえてくる街の喧騒。

酔った奴等が暴れている。

けれど、俺はそれすら羨ましく思う。

喧嘩ってさ・・・・友達居ないとできないんだぜ?

 

俺は大学入学に伴って上京してきたが、現実は非常で、希望に満ちたキャンパスライフなど俺には存在しなかった。

大学三年生、21歳にして友達ゼロ。

サークルに入っても何故か常にぼっち状態。

バイトでも先輩にいびられまくり。

俺は毎日に絶望していた。

 

「あーあ、なんか楽しい事ねえかなー」

 

独り呟く。

これが俺の大学生になってからの口癖だ。

 

そんな俺でも唯一、楽しみはある。

酒である。

 

大学二年生で二十歳になってからというもの、夜独りでふらふらと東京の街の居酒屋を転々とし、酒を飲む。

孤独感を紛らわせてくれるのは、最早俺には酒しか無いのだ。

 

思えば、二十歳になりたての頃、酒を飲み過ぎて泥酔した。

その時に自分がまるで自分じゃないような感じがして、物凄く楽しかったのを覚えている。

それからというもの酒にはまってしまった。

実家の仕送りやバイトの収入をすべて酒に費やし、俺なりに楽しい人生を歩んでいた。

独りだけど。

 

しかし、最近は酒にも慣れて、中々泥酔というほど酔っ払う事も無くなってきていた。

 

今日も俺は「何にも無い日、おめでとう!」なんて独りで巫山戯ながら居酒屋で酒を飲んでいた。

孤独を酒で紛らわせつつ、一軒目を後にする。

 

そして、次の店に入ろうと再び街をぶらぶら。

どうして、二軒目にわざわざ移動するのかって?

二次会気分を味わいたいからだよ!!

 

二軒目でも酒を飲み終え、更に三軒目。

 

普段は二軒でやめにするのだけれど、明日が休日なのもあってか、俺は三軒目に足を運んでいた。

 

俺は結構酒に強い方だが、三軒連続、更にただただ酒を飲むだけなので、ついつい今日は珍しく飲み過ぎて泥酔してしまう。

意識も朦朧としてきて、千鳥足になっていた。

 

・・・・だからだろうか、目の前に迫る信号無視のトラックに気付かなかったのは。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

目を覚ましたら、何も無い空間だった。

何も無い、真っ白な空間。

まるで病室のような、けれど何も無い。

目で見えるどころか、何かがある気配すら感じられない。

俺は自分の置かれている状況を理解すべく、キョロキョロと視線を迷わせる。

けれど、何も無い。

目の前に広がっているのは一面の白。

気持ち悪くなってくる。

 

「おーい、だれかー!

だれかいないのかー!?」

 

大声で叫んでみる。

するとーーー

 

ぱんぱかぱんぱんぱ〜ん♫

 

間抜けな音が鳴り響く。

そしてカー○ルサンダース似のおっさん(with羽)が現れる。

彼は偉そうに胸を張っている。

 

「おめでとう!!

君は記念すべき1000000000………人目の死者じゃ!!!

その記念として、君を異世界に転生させてあげよう!」

 

「・・・・」

 

呆気に取られる俺。

何?記念?転生?

そして、おっさんあんた誰?

 

「おやおや、説明が遅れたのう。

儂は神じゃ。」

 

「・・・・か、かみ?」

 

おいおい、神って何だよ。

あれか、キリスト教ですか?

宗教の勧誘ですかー?

うちはそういうのお断りですよー

 

「キリストは儂の孫じゃよ。

あと、キリスト教と儂は無関係じゃ。」

 

へ〜キリストのお爺さんですかー・・・・って!?

なんで、俺はまだキリストの事なんか口にしてないぞ!

心を読まれた!?・・・・そんなわけないかー

 

「だーかーらー、儂は神じゃて。

お主のようなただの人間の考えておる事などお見通しじゃよ。

わざわざ言葉を交わさなくてもいいのじゃ。」

 

「・・・・それはそれで嫌だな。」

 

ドヤ顔の神様に悪態をつく。

しかし、神様はまったく相手にしない。

それもそうか、俺は世界に70億人、死者を含めれば無数に存在する人間の一人でしかないのだから。

 

「そうか。

ではそろそろ本題に戻すぞ。

お主にはお主がかつて住んでいた世界とは別の『異世界』にて続きの生を歩む事ができる権利が与えられた。」

 

「・・・・い、異世界?」

 

お、おいおい、一気に話が胡散臭い話になったぞ。

大丈夫か、この神様。

 

「大丈夫じゃ、問題ない。

そう、異世界じゃ。

儂は"お主の世界の"神で、"異世界の"神と交流があっての。

お互いの世界の人間が他の世界でどのような一生を歩むのか興味をもってな、死んだ人間を一人、"相手の世界で生き返らせる"事にしたのじゃよ。

まあ、簡単にいえば世界規模の死者の交換留学じゃな。」

 

神様って一人だけじゃないのか。

しかし交換留学って・・・・神様って俺の思ってたよりやんちゃしてるんだなあ。

 

「ほっほっほ、神も人間と同じよ。

退屈は辛いのじゃ。

で、瀬尾英人。

君はどうするのじゃ?

異世界で生き返るのを望むのか?」

 

「・・・・」

 

俺は困った。

まだまだ死にたくは無かったので、生き返らせてくれるのは嬉しいのだ。

しかし、俺は生き返りを即決する事はできない。

理由は、人間だ。

俺は今までの人生で様々な人から排斥されてきた。

人に排斥されるのは、思っていた事を素直に言ってしまう俺の性格の所為だが、生き返った先で同じような目に合うくらいだったら、正直このまま死んでしまった方が良いのかもしれない。

死んで生き返ってもまたぼっちとか、悲しすぎる。

 

「わかっておる、わかっておるよ。

お主は人間が苦手なんじゃな。

なら、尚更異世界に行くべきじゃ。

そこはお主の世界とは違い、魔法や剣の・・・・いわゆるファンタジーの世界じゃ。」

 

「ふぁんたじぃ?」

 

・・・・神様、貴方の存在も十二分にファンタジーですヨ。

そして、さっきから神様の言葉のオウム返ししか出来ない俺である。

仕方ないね。

 

「ほっほっほっほ。

そう言うてくれるな。」

 

・・・・また心を読まれたか。

慣れないな、やっぱり。

 

「で、そこには人間だけでなく、化物ーーーまあ、いわばモンスターじゃ。

も数多く存在しておる。

その中には人間よりも美しい姿をしておる者もおる。

モンスター娘というやつじゃな。

そんな者達を伴侶とするのも「行きます。」

 

『モンスター娘』という単語を耳にした瞬間に俺の心は決まった。

神様の言葉を遮り行く意志を伝える。

 

話は逸れるが、人間が苦手な俺の夜のオカズは専らモンスター娘達だった。

彼女達は人間には無い様々な身体的特徴を生かし、人間を絶頂に導く。

それに俺は異常な興奮を覚えた。

その妄想だけで何度抜いたことか・・・・

しかし、モンスター娘達は俺の住んでいた世界には存在しない、架空の生き物達だ。

俺はただただ妄想するしかなく、モンスター娘に会い、エッチなご奉仕をしてもらうのは俺の夢となっていた。

 

その夢のモンスター娘達の世界へ行けるとは!!!

断る理由が無い!!!!

ありがとうございます、神様!!!!!

僕は貴方の世界に生まれてきて幸せです!!!!!!

 

 

「そうかそうか!

行ってくれるか!!

お礼と言ってはなんじゃが、お主には儂の加護をたーんとやろう。」

 

俺の感謝の言葉に機嫌を良くした神様はそう言うとおれの頭を撫でた。

すると、俺の身体を光が包んだ。

 

「ふむ、多少の戦闘用の術とモンスター娘達を伴侶とするのに必要な能力を付加しておいたぞ。

一先ずはこれで十分じゃろう。

もし何か他に必要な事があったら儂に向かって祈りを捧げよ。

儂も多忙じゃからすべてを叶える事は出来ないと思うが、善処しよう。

では、

行ってこーーい!」

 

神様がそう言うと、俺の意識は薄れていき、暗転。

 

そして、目を覚ますとそこは異世界だった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺が目を覚ました場所は小高い丘の上であった。

少しでも見晴らしのいい場所をという神様の心遣いだろうか、そこからは小さく街の姿が見えた。

とりあえず、街へ向かってみる。

段々と大きくなる街のシルエット、そして

その街の姿は俺に衝撃を与えたのだった。

 

「ビルが無い!!」

 

つい大声で叫んでしまった、てへぺろ。

 

辿り着いた街にはビルのような近代的な建物は無く、レンガ造りの中世ヨーロッパをイメージさせる建物ばかりであった。

まるで、RPGの世界である。

街の人々の姿もドラ○エのものにそっくりである。

俺のシャツ姿が妙に目立っているように思う。

 

 

「いらっしゃいませー!」

「安いよ安いよー!」

「武器ならうちに任せなー!」

 

俺は早速、街を歩き回る事にした。

聞こえてくる威勢のいい商人達の声が心地よい、ついつい買い物をしたくなってしまう。

 

しかし、その気持ちを俺はぐっと堪える。

 

理由は

 

 

金が無いからだ。

 

「くそ!あの神様!金ぐらいくれよ!!」

 

悪態をつくが、事態は決して好転はしない。

ここはファンタジーの世界だが、金銭の問題は現実と違いはない。

金が無ければ生きていけない。

 

RPGだったら一文無しでも死ぬ事は無いが、実際、俺はお腹は空くし、放置し続けたら餓死する。

金銭の問題は一刻も早く解決しなければならない問題だ。

下手しなくても死ぬ。

 

 

 

 

「きゃあ!!私のバッグ!!!」

 

すると突然、女性の叫び声が響き渡る。

叫び声のした方向に目をやると、倒れている女性とこちらに向かって走ってくるひったくり犯と思われる男の姿が。

 

「・・・・ファンタジーの世界にもひったくりがあるのかよ。」

 

ボソッと呟く。

悲しいがな、これが現実なのだ。

 

「まあ、見逃すのは後で目覚めが悪くなりそうだからな。」

 

俺は息を殺し、右足を走ってくるひったくり犯の足元に向けてそっと差し出す。

ひったくり犯は咄嗟の出来事に反応する事が出来ず、俺の足にひっかかりこけてしまう。

その隙に女性のものと思わしきバッグを回収し、こちらに向かってくる彼女に手渡す。

 

「お嬢さん、はいどうぞ。」

 

ひったくりを捕まえた自分に酔った俺はついつい調子に乗った事を言ってしまう。

そんな俺にペコペコと頭を下げて感謝の意を示す被害者の女性。

 

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 

「どういたしまして」

 

「本当にありがとうございました。

これは、ほんの気持ちですが・・・・」

 

彼女はそう言うと、金貨を五枚程俺に手渡した。

 

後で分かった事だが、俺が助けた被害者の女性は貴族の御令嬢らしく、俺の金銭面の問題は一瞬で解決したのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

街を歩き続けて三つほど分かった事がある。

一つ、この街は『オリジネート』という名前で、一般にはじまりの街と呼ばれているらしい。

 

一つ、この世界で金を稼ぐ為には商店で働くかモンスターを狩ったり、捕獲して身体の一部を換金所でお金に交換する必要があるらしい。

 

"らしい"という曖昧な表現なのは、街人の話を盗み聞きして得た情報だからだ。

何故か人々の言葉は日本語として聞く事ができるのだが、

この世界で用いられている文字は俺の知っているどの文字とも異なる独特のもので、俺は読む事が出来ない(数字は読める)。

 

そして最後に、この街の近くに吸血鬼の巣食う館があるということだ。

そして、その館に足を踏み入れた人間は血をすべて抜かれた死体で発見されるらしい。

 

この街は比較的平和らしく、モンスターを見る事は稀であるらしい。

だから、吸血鬼を一目見てモンスターとはどのようなものか知ろうと思い、俺は吸血鬼の館へ向かう事を決意した。

 

「まあ、死にそうになったら逃げればいいだろ。」

 

そんな軽い気持ちで。

 

 

「いらっしゃいませー!」

 

しかし、丸腰のまま吸血鬼の元へ向かうのは自殺行為でしか無い。

俺は先ず武器屋と防具屋で装備を整える事にした。

 

「つっても、所持金は金貨五枚・・・・おっちゃん、これでどれぐらい買えんの?」

 

自分でひたすら考え続けても答えは出ないので、武器屋のおっちゃんに話しかける。

 

「おう、坊主。

見ない顔だな。」

 

「ああ、最近ここに来たから。」

 

最近どころか数時間前ですがね!

 

「そうかそうか。

で、金貨五枚だな・・・・そんだけあれば、この店と隣の防具屋のすべての商品を買い尽くしても余るだろうよ。」

 

「ふぇ?」

 

さらっと驚くべき事を口にするおっちゃん。

商品を買い尽くす?

テレビで昔やってたコンビニの商品をすべて買うと幾らするみたいな?

そういう事がこの金貨五枚でできるわけ?

しかも隣も含めると二軒分も!?

 

「まあ、この街の物価は帝都に比べると圧倒的に安いからな。

金貨一枚あれば、一ヶ月は何もしなくても生活できるぞ。」

 

「おぅふ」

 

金貨五枚あるから五ヶ月は何もしなくても生活できるのかー

・・・・金貨をくれた女性にちゃんとお礼しとけば良かった。

 

 

おっちゃんと話を続けている内にこの世界の硬貨の種類とその価値がわかってきた。

 

銅貨、銀貨、金貨の三種類があって

銀貨は銅貨100枚分の価値があり、金貨は銀貨100枚分の価値がある。

これを日本円に直すと

銅貨は1円、

銀貨は100円、

金貨は10000円分の価値があるという事になる。

 

俺は今5万円相当の金額を所持しているわけだ。

5万円というとなんだか安いように聞こえるかもしれないが、この世界では鉄の剣1本が銀貨1枚ーーーつまり、鉄の剣が100円で売られているのだ。

自動販売機で売れるレベルの値段ですよ、マジで。

むしろ缶ジュースのが高いくらいだ。

しかし、それはここはじまりの街だけの話。

この世界の中心地である大都市ーーー帝都『エインペリア』では、剣1本に金貨10枚の値段がする事がざらであるらしい。

・・・・帝都怖え。貧乏人じゃあ、行けないな。

 

俺は武器屋で鉄の剣、防具屋で村人に紛れる為のカモフラージュ用の黒いコートを購入した。

合計銀貨10枚(内訳は鉄の剣1枚、コート9枚)、日本円にして1000円。

 

後、長丁場になる可能性もあるので水や非常食などを道具屋で購入し、本日の買い物の合計金額は銀貨20枚となった。

 

俺はコートを羽織り、腰に鉄の剣を下げて、食料の入ったリュックサック(道具屋で買いました)を背負って吸血鬼の館があると言う(街人の口コミ)街の西の方向へ歩く。

 

「まあ、RPGみたいな世界なんだから西に真っ直ぐ進んでいけばいずれ辿り着くだろ。」

 

余裕、余裕〜♫と口笛を吹きながら西へ歩く。

歩いて歩いて歩く。

日は傾き、夕闇のオレンジが空を染める。

長時間の移動の末、俺が辿り着いたのはーーー断崖絶壁だった。

 

目の前に広がるのはまるでアメリカのグランドキャニオンのような巨大な谷。

 

「こ、この先に吸血鬼の館がっ!?

・・・・んなわけないか。」

 

と自分にツッコミをいれて、今まで来た道を引き返す事にした。

 

とりあえず、今夜は街の宿屋に泊まって、明日誰か街人に案内をお願いするかな。

 

そう決めて俺は道を引き返す。

 

引き返しはじめて数分後、雫が頬を濡らし、ポツポツと雨が降りはじめた。

 

やばっ!雨具買い忘れた!

 

俺は街へ急いで帰ろうとするが、それを嘲笑うかのように雨は更に勢いを増した。

例えここで、本気で走って街に辿り着いたとしても、風邪をひいてしまうのは確実だろう。

 

そこで俺はたまたま近くにあった元は大きな城だった思わしき半壊のレンガ造りの廃墟に足を踏み入れた。

 

ーーーーそこが件の吸血鬼の館だと知らず。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ぷるるるるる、ガチャ

 

お〜もしもし、儂じゃ。

神じゃよ。

ん?お主も神じゃと?

・・・・この返し、お主は別世界の神じゃな!

え?お前とコントしてる場合じゃない?

一体どうしたのじゃ?

・・・・ああ、交換留学の、あやつが何かしでかしたか?

お主の世界から送られて来た奴は中々落ち着いた好青年じゃぞーーー儂好みの。

おっと、話がそれたな。

で、儂が送ったあやつがどうしたのか?

え?

 

転生一日目にして早速死亡フラグを建てた?

 

まあ、安心せよ。

あやつは儂の世界では上手く適応できていなかったが、お主の力が全ての世界でなら、しっかり適応できることじゃろう。

 

では、儂も忙しいのでな〜

またな〜

 

ガチャリ

 




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