異世界で俺がモンスター娘達と契約しまくる話。 作:ワロリッシュたん
今回は色々な話を盛り込み過ぎてカオスになっています。
まず、一言だけ言わせてくれ。
"責任とってください"
なんて
美少女に
上目遣いで
言われる
とか男の夢が叶ったったぁああああああ!!!
こほん、話を戻そう。
オクタヴィアと契約した後、とりあえず俺はエリーゼとオクタヴィアの2人を連れて"ハチノス"に帰っていた。
・・・・あのー、オクタヴィアさん?
どうして俺と腕を組んでらっしゃるのでしょうか?
・・・・以外と胸あるな、じゃなくて!!
エリーゼさんが物凄い表情でこちらを見ていますヨ?
ただでさえエリーゼさんは最近吸血してないせいかイライラしてたんですから、刺激するのは止めて頂きたいです、怖すぎです。
オクタヴィアさん、あと仕切りに自分の唇を触らないで下さい。
意識してしまいます。
「・・・・どうして、ど・う・し・て、先の小娘がいるのじゃ!?」
沈黙を破ったのはエリーゼだった。
確かに彼女からしてみれば
『さっきまで敵として戦っていたオクタヴィアが急に俺と仲良くなっている』というカオスな状況だろう。
エリーゼの問いにオクタヴィアは自分の手の甲を見せる事で応じる。
そこには、俺と契約したという証の痣がある。
「な、何故、お主も妾やエイトと同じ痣を持っておるのだ!?」
エリーゼの疑問ももっともだ。
基本、契約が出来るのは人間1人につきモンスター1人ずつだ。
しかし、この世界に来る際に神様から貰った"多重契約可能"の加護のおかげで俺は複数のモンスター達と契約する事が出来るのだ。
「それは、マスターと私の愛の力ですよ。」
ムギュッと俺の腕により強く抱きつくオクタヴィア。
当たってる!当たってますよ!?オクタヴィアさん!?
腕に感じるは柔らかいマシュマロ。
・・・・ここは天国ですかー?
いいえ、エリーゼさんが物凄い目で睨んでいます。
「・・・・お、オクタヴィアさん。」
と、とりあえずエリーゼの機嫌をなんとしても取らなくては!?
「なんですか?マスター?」
「そろそろ腕を離して貰えると嬉しいんですがねえ?」
「嫌、です。」
「そ、そこをなんとか・・・・」
「い、や、で、す」
「・・・・さいですか。」
・・・・俺は抵抗と考えるのを止めた。
そこ、情けないとか言うな。
オクタヴィアに腕を抱きつかれ、エリーゼから熱い視線(怒)を受けながら俺は"ハチノス"に向かって歩く。
直後、俺は大事な事に気が付いた。
「・・・・エリーゼにオクタヴィア。
君達、今着ている以外のお洋服はお持ちで?」
「「いいえ」」
エリーゼは今着ているドレス、オクタヴィアはローブ以外に洋服を持っていないのだと言う。
エリーゼ先生曰く、
「着れればなんでもいい。」
オクタヴィア先生曰く、
「奴隷に服は必要なのですか?」
「君達!!
それでも女の子ですか!?
帰る前に洋服を買いに行くぞ!!」
「お、おい!?エイト!?」
「やんっ」
俺は両腕で2人の肩を抱いて街の商店街へ歩みを始めた。
・・・・オクタヴィアさん、エロい声出すの止めてくれないですかねえ。
悪い事してるみたいじゃないか。
はじまりの街では定住する人が珍しい為、服は防具と一纏めにして防具屋においてあり、あまり種類が少なかった。
しかし、ここ商業都市ではパジャマなど戦闘向きでない服も取り扱う専門の服屋がある。
防具屋の隣に建っている、その服屋は外からでも中の可憐な洋服達が見える為、自然と足を運びたくなる・・・・のは俺くらいのもので、基本この世界の人々は貴族以外服にあまりこだわりを持っていない。
だから、質のいい服が店頭に並ぶこの店でも客足は少ない。
「いらっしゃいませー」
明るい声で俺達を迎えてくれる女性の声。
声の主に目を向けるとーーー
「・・・・ロリ?」
思わず口にだしてしまったが、声の主は小学4年生くらいの女の子だった。
ピンクの髪をツインテールにしており、それが彼女の子供っぽさをより強調している。
「誰がロリですか!?誰が!?
私はここ、由緒正しき洋服屋『クローズ・スミス』の9代目当主、ヒラリー・クローズです!!」
ぺたんこの胸を張り、精一杯背伸びをするロリ、もといヒラリー。
・・・・こんなちっちゃい娘に店番をさせるとかたるんでるなここの店主は。
いっちょ喝を入れてやるか。
「はいはい、お嬢ちゃん、店主さん呼んでくれるかな〜?」
「誰がお嬢ちゃんですか!?
そして、店主は私だと言ったじゃないですか!?」
「いやだって店主にしてはちっちゃ、こほん、可愛い過ぎるから。」
「今、ちっちゃいって言ったです!?
私は見た目はこんなんですが、歴とした25歳のレディーですよ!!」
・・・・25!?
嘘だろ・・・・精々14歳くらいが多めに見積もっても限界だろ。
それを余裕で越していきやがった・・・・最早、モンスターだよ、ロリーモンスター。
俺がヒラリーの見た目と実年齢のギャップに衝撃を受けている時、俺の連れのエリーゼとオクタヴィア、2人の話が耳に入ってきた。
「おい、小娘。
あの小さい人間は何と言っておるのだ?」
「小娘じゃなくてオクタヴィアですって。
・・・・って、エリーゼさん人間の言葉が分からないんですか?」
そういえばオクタヴィアは人間と魔女のハーフだから人間の言葉が分かるけど、エリーゼは分からないんだったな。
人間の言葉が分からなくてもあんまり困らなかったから忘れてたぜ。
「うむ。
妾はお主と違って吸血鬼の純血だからな。
人間の言葉なぞ、分からん。」
「じゃあなんでマスターの言葉は分かるんです?」
あー、そういえばオクタヴィアに俺はモンスターと会話出来る事を伝えてなかったなー。
今度機会を見計らって話をしておこう。
そして、エリーゼはオクタヴィアの質問に対して待ってましたと言わんばかりのドヤ顔を作って
「妾とエイトの愛の力よ。」
・・・・さっきオクタヴィアに言われたの気にしてたのね。
オクタヴィアと契約出来たのもエリーゼと話が出来るのも両方愛の力じゃなくて神の力なんだけどーーーーーそれは言わないでおこう。
「ちょっと、聞いてますか!?」
「ああ、ごめんごめん。」
おっと、2人の話を聞くのに夢中でヒラリーの事をスルーしてたみたいだ。
・・・・もう彼女の体型と年齢について突っ込むのはやめよう。
キリがない。
さっさと買う物買おう。
「えっと、俺の後ろにいる連れ2人の私服とパジャマを買いにきたんだけど。」
「やぁーっと私を店主だと認めやがりましたね。
じゃあ、まず採寸しましょう、そうしましょう。」
ヒラリーは2人の背中を押して試着室へ連れて行く。
・・・・さて、俺は自分のパジャマでも探すかな。
「ぬ!?貴様!何をする!?」
「暴れないでくださいよー!!
採寸出来ないじゃないですかー!!」
「わ、私が彼女を抑えますから、その隙にっ」
「離せ!小娘!!」
どったんばったんどかーん
・・・・さーて、パジャマパジャマーっと。
店内を歩き回る。
「ん?」
俺が見つけたのは試着室とは別の黒いカーテンで隠されたスペース。
そのカーテンの掛け方といいそれはまるでレンタルビデオ店のアダルトコーナーのようで。
・・・・俺みたいな紳士(笑)を呼んでいる気がする。
「うわー、体が勝手にー」
完全な棒読み。
自分でも演技下手くそだなと思う。
カーテンを押し上げ、中に入る。
「・・・・こ、ここは理想郷か!?」
そこに並べられていたのは沢山の服達。
それらはただの服ではない。
メイド服、巫女服、チャイナ服、セーラー服、ブレザー・・・・etc。
俗に言う"コスプレ"というものだ。
「ユートピアはここにあったのか・・・・。」
「ふっふっふ、見つけてしまいましたか・・・・。」
無駄にポーズを決めて登場する店主ヒラリー。
・・・・・・・・店主ヒラリー→店の管理をしているのはヒラリー→理想郷を作ったのは→ヒラリー。
「ひ、ヒラリー、まさかお前がこの・・・・」
「・・・・ええ、その通り。
これらの服は全て私が素材から厳選して作り上げました。」
小さい胸を張るヒラリー。
その仕草が今の俺には神々しく見えた。
神は世界を創造した。
だから、このファンタジーの世界でコスプレを創造したヒラリーは神様だってことだよ!!!(錯乱)
「ここらへんの人達はこれらの可愛らしく美しい服達をただの作業服としか見れないんですよね。
・・・・ですが、貴方は違うようですね。
貴方のその瞳の輝きが、服達へ対する愛と欲望を表しています。
ようこそ!
ここは服屋『クローズ・スミス』の裏メニュー、『コスプレ・スミス』です!」
服屋に裏メニューなんてあるのか・・・・。
そして、ロリが胸を張って言うもんだから迫力のカケラもないが。
「・・・・とりあえず、全種類一着ずつ貰おうか。」
「毎度ありー
ところでサイズはどれくらいで?」
金ならある。
迷わずに即☆購☆入!!
モンスター娘達に着せて楽しもう。
そうしよう。
「連れの2人のサイズに合わせてください。」
・・・・とりあえず、あの2人にコスプレをさせよう、そうしよう。
「・・・・無理です。」
「なん・・・・だと!?
何故だ!?」
貴様、ヒラリー!!
俺の"モンスター娘コスプレ計画"を邪魔するのか!?
許せん!!
「いや、明らかに身長違いますし、バストも金髪の娘の方が一回りも違いますし。」
・・・・デスヨネー、ワカッテマシタヨー。
エリーゼが身長もおっぱいもオクタヴィアより断然大きいことくらい。
だが、勘違いするなよ!
オクタヴィアはエリーゼに比べられると負けてしまうが、一般的に言う巨乳の部類に入ってはいるのだ。
・・・・Dはあるな、絶対。
「じゃあ、とりあえず・・・・」
まあ、今日無理に沢山買わなくてもいいか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「マスター!似合ってますか!?」
「エイトは・・・・こうゆーのが好きなのか?」
ヒラリーに服を注文してから30分くらい経った頃だろうか、不意に試着室のカーテンが開き、服を変えたエリーゼとオクタヴィアがその姿を現した。
「・・・・凄く、可愛いです。」
思わず本音を口にしていた。
「やったー!ありがとうございます!」
Vサインとウインクで喜びを表現するオクタヴィア。
彼女が身にまとっているのは白のブラウスの上に黒いブレザーだ。
スカートはミニスカートとまではいかないまでも短めで彼女の細く美しい脚を拝むことが出来る。
・・・・脚だけでご飯三杯はいけますね。
元気で活発な女子高生って感じかな、オクタヴィアは。
「か、かわ、可愛い・・・・?
妾が?」
頬に手を当てもじもじとするエリーゼ。
彼女が着ているのはセーラー服だ。
大きな黒い襟に白のセーラー服。
短いスカートを彼女は嫌がったのだろう、スカートはロングスカートだ。
気の強そうな顔に金のロングヘアー、さらに制服のロングスカート、まるで不良女子高生のようだ。
"不良"というと少しエリーゼのイメージを悪くしてしまうだろうから補足しておくと、不良は不良でも金持ちの家の跳ねっ返り娘だ。
・・・・フォローになってないか。
まあ、悪っぽいけどどこか品があるって感じだよ、うん。
そしてなにより、俺の目を引くのはセーラー服の上から激しく自己主張する乳房。
おお、エロいエロい。
・・・・エリーゼのおっぱいには困ったものだ。
彼女の方を見ると毎回視線が彼女の胸にいってしまう。
「エイト、どこを見ているのだ・・・・」
エリーゼが俺の邪な視線に気付き、睨む。
仕方ないじゃない、男だもの・・・・。
「な、なんでもないぞ!なんでもない!」
慌てて手を振り無罪を主張するが、エリーゼはジト目で俺を見つめる。
堪らず、視線をオクタヴィアの方へずらす。
「?どうかしましたか、マスター?」
オクタヴィアは良い。
彼女はエリーゼのような魔乳を持っていないので、安心して目を見て話すことが出来る。
・・・・でも、彼女の健康的な美脚に目がいってしまうんですがね!!
「い、いや、似合ってるなーと思って。」
俺の咄嗟に呟いた言葉を聞いたオクタヴィアは笑顔を輝かせて
「あ、ありがとうございます!!
・・・・ですが、奴隷の私にこんな素晴らしい服を買っていいのですか?」
彼女の笑みに陰る。
・・・・俺にとって服を買うのは当たり前の事なのだが、奴隷生活の長かった彼女にとってそれは当たり前の事ではないのだろう。
奴隷は主人に逆らえず、服も食事も必要最低限だけ。
それが彼女の当たり前なのだ。
・・・・そんなの悲しいじゃないか。
「・・・・オクタヴィア、聞いてくれ。」
「は、はい、なんですか?」
いつもより少し低い声でオクタヴィアに話しかける。
急に真剣な口調になった俺に彼女は一瞬驚くが、俺の話に耳を傾けてくれる。
「これから自分のことを『奴隷』って言うのはやめてくれないかな、いや、やめてくれ。」
「・・・・どうしてですか?」
「俺はお前に奴隷としてじゃなく1人の女の子としての人生を歩んで欲しいと思っているから・・・・それに、俺は人を支配出来るような人間じゃないからさ。」
「いいえ!マスターは素晴らしい人です!
地獄の底にいた私を救ってくださいました!!」
首をブンブンと振り俺の言葉を否定するオクタヴィア。
どうやら、彼女は俺に感謝と尊敬の意を持っているようだ。
・・・・そんな、たいした事してないんだけどな。
「なら、俺の言うことを聞いてくれよ。
自分の事を『奴隷』って言うのはやめること!
お前は奴隷なんかじゃない、1人の女の子なんだから。
・・・・分かったら、エリーゼと一緒に寝巻きを買っておいてくれ。」
俺はオクタヴィアに金貨を数枚手渡しする。
ここまでしたら彼女は断れないだろう。
「はいっ!ありがとうございます!」
満面の笑みで俺に頭を下げるオクタヴィア。
・・・・うん、やっぱり女の子は笑ってる方がいい。
オクタヴィアはエリーゼを連れて服を見始めた。
オクタヴィアはこの世界の人間の言葉を使えて文字も読めるから買い物とかに物凄く役に立つな、本当に契約して良かった。
「はい、毎度ありー!
また来てくださいねー!!」
「ああ、また来るよ。」
手を思い切り振って俺達を見送るヒラリー。
服屋では2人の下着と普段着、パジャマを購入した。
ちなみに、俺は寝巻き兼部屋着のジャージ(何故、この世界にあるのかは分からん)と外用の服を数着、購入しました。
まあ、この世界には知り合いなんていないからジャージで外を歩いても恥ずかしくないんですがね。
誰得情報ですが、これからの俺の服装は基本、白のワイシャツに動きやすい黒ズボンですよ。
「あー、そういえばさー」
帰路の途中、俺は気付いた。
今後の生活に関わる大事な事に。
「なんだ?」
「なんでしょうか?」
俺の呟きに首を傾げて反応する2人。
・・・・仲悪い風だけど2人とも少し似てるとこあるんだよな。
「お前ら料理出来るのか?」
そう、俺が気付いた大事な事とは食事の事だ。
一応、俺は元の世界で一人暮らしをしていたので料理は出来ない事はないが、得意ではない、普通だ。
そしてなにより、モンスター達の好みに合う料理を作れる自信がない。
だから、2人に手伝って貰おうと思った。
「妾は普通だな、かつては母上の料理をよく手伝っていたものだ。
・・・・だが、料理器具の触れる機会が無くてな、かなりのブランクがある。」
確かに、エリーゼは家族を失くしてからずっと人間の血液で生活してきたんだもんな、そりゃあブランクも仕方ないか。
「私もです。
奴隷に包丁を持たせるなんて言語道断ですから。」
奴隷に刃物なんて持たせるなんて、まるで「反逆してください」って言ってるようなもんだからな。
なるほど、2人とも料理をするなんて久しぶりだから慣れが必要なんだろうな。
まあ、今日のところは本格的な調理は俺がやるとして、2人には手伝いをしてもらうとしよう。
「とりあえず、今日は俺が夕飯を用意するから。」
「・・・・マスター、申し訳ないです。」
オクタヴィアが申し訳なさそうに俯く。
・・・・なんで申し訳ないって思ってるんだろ?
申し訳なく思う要素無いと思うんだが。
「・・・・料理をするのは妻の仕事なのに。」
・・・・・・・・・・・・うん、好意を持ってくれるのは嬉しいな。
オクタヴィアさんの中ではもう俺と貴女は相思相愛なんですね。
ま、間違ってはないんですが、俺はハーレム目指してるんですよ。
後ろから刺されそうで怖いです。
「俺だって料理得意なわけじゃないからさ、手伝ってくれよ、2人とも。」
「うむ、分かった。」
「はい!分かりました!」
さて、メニューはハンバーグが安定かな、簡単だし。
挽き肉丸めて焼くだけだ。
結論からいこう、俺はハンバーグを・・・・焼き上げる事に成功はした。
だが・・・・俺は困っていた。
「っあむ、うま、あむ・・・・おかわりだ!」
「・・・・」
花が咲くような笑みで俺に空の皿を突き出してくる、エリーゼさん。
・・・・何杯目でしたっけ?5を越えたあたりから数えるのをやめたんですが。
ていうか、その細い身体の何処に入るんですかねぇ。
「・・・・11杯目。」
オクタヴィアが呆れ顔をして小声で呟く。
そして彼女の手にはハンバーグ型に丸められた挽き肉の塊。
彼女がハンバーグの形を作り、俺が焼いてエリーゼが食べる。
それの繰り返しだ。
これだとエリーゼがタダ飯喰らいにしか見えないだろうが、彼女はちゃんと仕事を終えている。
オクタヴィアの目の前に山のように盛られた挽き肉とみじん切りの玉ねぎ。
それは両方共エリーゼが用意したものだ。
この世界にはスーパーのように挽き肉がパックにされて売ってはいない。
だから、ハンバーグは牛肉をミンチにしなければならない。
エリーゼは凄かった。
彼女は自分の爪を鋭く伸ばし、それを包丁のように使って大きな牛肉のブロックをあっという間にミンチにして、玉ねぎを握っただけでみじん切りの姿に変えた。
で、エリーゼは自分の仕事を終えているので、俺が焼き上げたハンバーグを頬張っているというわけだ。
「それにしてもエリーゼはよく食べるなあ・・・・」
「彼女は吸血鬼ですからね、人間の物差しでは測りきれません。
はい、これ次です。」
オクタヴィアが俺にハンバーグを手渡す。
彼女曰く、モンスターにとっての食事は栄養補給の他に魔力の補給も兼ねているらしい。
そして、大人姿のエリーゼは自然と大量の魔力を消費してしまうらしい。
だから、その分の補給をするために大量の食事を取らなければならないので、彼女は大喰らいなのだ。
・・・・家では大人しく幼女になってもらおうかな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あぁ〜、疲れた。」
俺は頭から自室のベッドに倒れこんだ。
ベッドのスプリングがギシッと音をたてる。
エリーゼが満腹になるまでハンバーグを食べさせた後、オクタヴィアに彼女の部屋の場所を伝えた。
・・・・本当に疲れたなぁ、今日は色々な事があったから、仕方ないといえば仕方ないか。
エドワードを倒し、オクタヴィアと契約・・・・これ、ニュースになったりするかも。
契約は1人につきモンスター1人だけだし、なにより契約されているモンスターを契約して自分のものにするなんてこの世界の人間にとっては全てが奇跡だろうから、話題になるのは当然の事だろう。
「・・・・俺はただ、静かにモンスター娘達とのハーレムライフを目指してるだけなんだけどな〜。
まあ、とりあえず今は寝るかな。」
ベッドに倒れこんだからか睡魔が一気に襲ってきた。
俺はそれに抗う事はせず、身を任せて意識を手放した。
・・・・ん?
俺が眠りに入ってから1、2時間くらい経った頃、不思議な感覚がしたので俺は少し目を覚ました。
桃のような甘い香りが俺の鼻を擽る。
そしてさらに俺の左腕に違和感が・・・・おそるおそるゆっくりと瞼を開ける。
「あっ、ごめんなさい。
起こしちゃいましたか。」
そこには俺の左腕を腕枕に俺に抱きつくオクタヴィアの姿があった。
・・・・すごく、柔らかいですーーーって!そうじゃなぁい!!
・・・・すごく、パジャマのネグリジェがエロいですーーーって!それも違う!!
「お、オクタヴィアさん、どどど、どうしてここに!?」
「ただ、寝に来ただけですよ?」
「貴女の部屋はここじゃないよ!?」
俺の言葉にオクタヴィアは人差し指を唇にあてて
「言い方を変えましょう。
つまり、よ・ば・い、です。」
夜這いだと!?
美少女の夜這いだと!?
モンスターだけど!?
まあ、オクタヴィアはハーフだから十分人間だけどね!!
つーか、仕草がエロ過ぎです!!
思わず俺の息子がごにょごにょごにょ・・・・
「あ、でも勘違いしないでくださいね!
私がこうやって夜這いをするのはマスターだけですから!!
私は誰にでも股を開くようなビッチじゃないですから!!
マスターだけです!!
それにーーー」
自分がビッチじゃないと俺に捲し立てるオクタヴィア。
・・・・そんなに言わなくても信じてるって。
そして、彼女は頬を紅く染めて
「ーーーそれに、私まだ処女ですから!!!」
物凄い事を言いなさった。
「へ、へ〜処女ナンダ〜?」
「はい、前のクソマスターは私の魔法にしか興味がありませんでしたから!」
・・・・俺、初めてエドワードに感謝したかもしれない。
よくぞ、よくぞ、こんなオクタヴィアという超絶美少女に手を出さないでくれた!!
あんたは紳士だよ!!
「・・・・今でも吐き気がします、あの人はゲイでしたから。」
・・・・なんも言えねえ。
「・・・・」
「・・・・」
静寂が俺達を包む。
オクタヴィアは前の主人がゲイだったという事実を思い出して、なんともやるせない顔をしていた。
・・・・まあ、人生辛いことばっかりさ。
つーか、ゲイとかホモとか・・・・今度は百合が出てきそうだな、なんて。
オクタヴィアの頭を撫でてやる。
すると曇っていた彼女の顔が一転、笑顔に変わる。
やっぱり、笑顔が一番可愛いな、オクタヴィアは。
「ありがとうございます・・・・やっぱり、マスターは優しいですね。」
「そんな事ねえよ・・・・」
思わず俺は顔を曇らせてしまう。
現に俺は契約で奴隷としてオクタヴィアを縛ってしまっていて、彼女にとってすれば、ただ主人が変わっただけだ。
俺は彼女を奴隷として扱わないように心掛けてはいるが、心の奥ではずっと『奴隷』という言葉を忘れる事が出来ずにいた。
そして、その考えが俺をネガティブにさせる。
「いいえ、マスターは優しい人です!」
「そんな事ねえよ!!」
「っ!?」
思わず、オクタヴィアに対して怒鳴ってしまった。
彼女は何も悪くないのに・・・・。
「・・・・俺は優しくなんか無い。
お前とエリーゼを契約で縛って。
解放する事が出来ない、駄目な奴なんだよ。」
まだ眠気が入っている俺はまともに考える事が出来ずに、自分のネガティブな考えを口にしてしまう。
・・・・最低だな、俺は。
自分の事なのにオクタヴィアに八つ当たりしているだけだ。
「・・・・マスターは言いました。」
そんな駄目な俺の目をオクタヴィアは真っ直ぐに見つめ、言葉を紡いでいく。
彼女の瞳は力強く、それは奴隷という自らの運命に縛り付けられて絶望していた時の彼女の瞳からは想像出来ないほどだった。
「マスターは私に自分の事を『奴隷』って言うのをやめろって言いました。
でも、私やエリーゼさんの事を一番『奴隷』だと思っているのはマスターの方じゃないんですか?」
「っ・・・・」
図星だった。
俺は何も言い返せなかった。
「それにーーー私はもう解放されていますよ。
貴方が掛けてくれた、たった一言、労いの言葉で。」
「・・・・そう、なのか?」
「はい!マスターが私に最初に掛けてくれた言葉です、私はもうその言葉を一生忘れません、そしてその言葉で私は救われました。
その時は言えなかったので、今言います、ありがとうございます!!」
・・・・俺も憶えている。
俺がオクタヴィアに初めて掛けた言葉。
『無理すんなよ。』
たったその一言。
それだけで自分は救われたのだと彼女は言う。
「・・・・本当に、俺はお前を救ってやれたのか?」
おそるおそる疑問を口にする。
・・・・怖い。
もし、オクタヴィアに否定されたら。
俺が今までしてきた事が全て無意味になってしまう。
そう思うと、凄く怖い。
「マスターは少し考え過ぎです。
私やエリーゼさんが貴方と一緒にいて辛そうな顔をした事がありますか?
無いでしょう?
私はとても今、幸せなんです。
もう一生手に入らないと思っていたエリーゼさんという同じ境遇の友人に恵まれて。
そしてなにより、貴方に出逢えて良かった。」
「・・・・っ、俺は間違ってなかったんだな。」
「はいっ!」
俺はオクタヴィアの言葉を聞いて自分を肯定してくれた安心感からだろうか思わず涙がこみ上げてきた。
泣き顔を見せるのは恥ずかしいので、オクタヴィアに背を向けて寝たふりをする。
「あれ?マスターどうしたんですかー?」
「ZZZ」
話し掛けてくるけど無視して寝たふりを続ける。
「・・・・マスターは演技が下手ですね。
ゼットゼットゼットって言いながら眠る人なんていませんよ。」
・・・・ばれてました。
「ほらっ、こっち向いて下さいよ!」
オクタヴィアに無理矢理身体の向きを変えられる。
視界が全てオクタヴィアの顔になる。
彼女は頬を染めて上目遣いで俺を見つめてくる。
オクタヴィアは普段は髪を今は下ろしている。
いつもはポニーテールで明るいイメージのオクタヴィアだが、今のオクタヴィアは下ろした髪とネグリジェの所為かとても妖艶な雰囲気を醸し出している。
簡単に言うと、髪を下ろしたオクタヴィアが超エロい。
「うふふ・・・・私とイケナイことしちゃいますか?」
ゴクリと唾を飲む。
ネグリジェの胸部からたわわな果実がその姿を覗かせる。
・・・・据え膳食わぬは男の恥って言う言葉もあるくらいだしな。
俺が据え膳(オクタヴィア)に手を出そうと決意した刹那。
バーンという大きな音と共に俺の部屋のドアが大きく開かれた。
そしてそこから現れたのは
「き、貴様ぁあああ!!小娘ぇえええ!!」
「え、エリーゼ!?」
「エリーゼさん!?」
ドアから姿を現したのはエリーゼだった。
頬を膨らまし、怒りを表現している。
・・・・なんで怒ってらっしゃるのでしょうかねぇ?
すると突然、エリーゼは俺に飛びかかり、俺の右腕に抱きついた。
俺とエリーゼとオクタヴィアの三人で川の字にベッドに寝ている形になる。
「エイトと一緒に寝るのは一番である妾の役目だ!
小娘は1人で眠っていろ!」
一番?
ああ、俺と一番最初に契約したのはエリーゼだから一番なのか、そしてオクタヴィアが二番だと。
エリーゼは順番とか気にしちゃうタイプなのかー。
「順番なんて関係ありません!!
マスターは私と一緒に眠るんですー!!」
逆にオクタヴィアは順番を気にしないタイプのようだ。
・・・・ていうか、オクタヴィアさん貴女さっきエリーゼと友人になれて嬉しいみたいな事を言ってませんでしたっけ?
どうしてその友人のエリーゼさんに向けて思いっきり敵意剥き出しの視線を向けてるのでしょうか!?
「うるさーい!
エイトは妾のものなのだー!!」
ガブリ。
エリーゼが俺の首筋に噛み付いた。
そして、ちゅーちゅーと血液を吸っていく。
・・・・エリーゼさーん、人の血は飲んじゃ駄目って約束しませんでしたかー?
ちゅーちゅーちゅーちゅーちゅー
ああ、もうダメだ・・・・意識が・・・・
後に聞いた話によると、吸血鬼にとって人間の血を全て吸い尽くさない吸血は親愛の意味を持つんだとか。
・・・・数日間貧血による頭痛に悩まされましたけどね。