異世界で俺がモンスター娘達と契約しまくる話。 作:ワロリッシュたん
ここは内容に変化は無いですが、次話の後半に新しい展開を追加してます。
「ちくしょー、頭痛い・・・・」
目を覚ますとそこは牢屋だった。
両腕を縛られ、装備を没収された俺は独りそこに転がされていた。
「正直、生きてるだけましだなー。
油断してた、反省反省。」
丁度、俺のいる牢屋が並ぶ地下室(?)には見張りはいない。
脱獄するなら今のうちだろう。
「ふぬぬぬぬ!!・・・・はぁ、無理か、手錠だったら無理矢理壊せそうなのにな。」
残念な事に俺を拘束しているのは手錠ではなく、ロープだ。
恐らく、俺を誘拐した犯人は経験豊富な人間襲撃の常習犯なのだろう、見事な結び方で腕に力が入らない。
「・・・・仕方ない、寝るか。」
「寝るなー!!」
「うおっ!?」
俺が横になろうとすると突然、俺の足元から声が聞こえて来た。
直後、俺の足元の影が立ち上がり、少女の形になった。
「・・・・リサか?」
「そーだよー!
足元影に潜ってお兄ちゃんに着いていったんだ!」
流石は影人と書いてドッペルゲンガーと読むだけある。
リサの身体は影で出来てるんだな。
・・・・いや、リサにはちゃんと実体があり触れる、影で出来てる身体なら触れるわけがない。
じゃあ、リサの身体は一体・・・・深く考えるのは止めよう、それは突っ込んじゃいけない部分だろう、ファンタシー的に。
「お兄ちゃん命を狙われてるんだよ!?
殺されちゃうよ!?」
ズイッと俺に顔を向けるリサ。
・・・・ん?
「なんで、俺が命を狙われてるんだ?
俺は今ピンピンしてるぞ?」
俺の命が欲しいなら、眠ってる間にさっさと殺せばいい。
どうしてわざわざ俺を牢屋にいれた?
「えっと、お兄ちゃんを殺そうと悪い女の人が魔法をかけたんだよ。
だけど、お兄ちゃんには効かなかったみたい。」
「なるほど。」
エリーゼの能力、【魔力吸収】のおかげだな。
・・・・俺は何度エリーゼに命を救われて来たんだろう、感謝感謝。
さて、今の情報で分かった事は犯人は複数の可能性が高いな。
俺を殴って気絶させた男と魔法で殺そうとした女。
最低でも2人組だ。
「・・・・まあ、それが分かったところでこのロープから抜けないと何も出来ないからなー。
なあリサ、なんか刃物持ってないか?」
駄目元で聞いてみる。
持ってるわけないだろうけど。
「持ってないよ。」
「だよなあ・・・・どうしよっかな。」
「持ってないけど、"なる"ことならできるよ!」
「へ?」
「えいっ!」
直後、リサの身体がスライム状の黒い液体に変化し、再構築される。
そして現れたのは柄の黒い一本のナイフだった。
「おお!すごいな!!」
「でしょー?」
「じゃあ、早速。」
ナイフでロープを切り拘束を脱した。
・・・・うわ、痕がついてるよ。
「ねえ!ねえ!リサ偉い?ねえ!」
「おお、偉いぞ。」
「じゃあ、撫でてぇ」
幼女の姿に戻り俺に頭を差し出すリサ。
・・・・どうやら撫でられるのが気に入ったようだ。
減るもんでもないし、撫でてやるか。
「えへへー」
にへらっと表情を崩すリサ。
彼女を撫でている途中、俺は彼女の身体にあるとんでもないものに気がついた。
「・・・・お、おい、リサ?
その右手の痣は・・・・」
「ん?これ?
なんかねー、英人お兄ちゃんの影から出てきたらついてたの。
かっこいいよねー、お兄ちゃんとお揃いだし!」
どういうことだ!?
俺はリサの血液を口にしていない。
それなのに、彼女の右手の甲には俺の痣と同じ契約の痣があった。
リサが俺が気絶している間に血を飲ませた?
それはない、痣に対する反応から判断するにそもそも彼女は契約について知らないのだろう。
彼女が俺に干渉したのはただ俺の"影に潜った"だけ
・・・・どうやら、俺は契約について少し勘違いをしていたようだな。
恐らく、契約の条件は『モンスターの血液を口にする』のではなく、『モンスターの身体の一部を身体に取り込む』ことなのだ。
だから、リサは俺の影という俺の身体の一部に潜ったことで、俺はリサを身体に取り込んだことになり契約が成立したのだろう。
身体と影は一心同体。
影も身体の一部として判断されたのだろう。
・・・・でも契約したなら取得した能力を見せてくれるはずなんだが、気絶していたから確認できなかったのだろうか。
とりあえず、今は考えるのは止めよう。
「今は、ここから脱出するのが先決だな。
・・・・リサ、もう一つ頼んでいいか?」
「いいよー、なになにー?」
「今度は剣になってくれないか、牢屋の鉄格子を壊して此処を出たい。」
「わかった!えいっ!」
リサが身体を変化させる。
今度彼女が変化したのは、漆黒の柄が印象的な日本刀だ。
刃渡り75センチくらいだろうか、それをしっかりと掴む。
「!?軽い!?」
驚いた。
まったく日本刀から質量を感じないのだ。
まるで日本刀が身体の一部であるかのように質量が感じられない。
おもむろに鉄格子を斬りつける。
すぱっと抵抗なく鉄格子は切れた、切れ味も抜群だ。
「しばらく、剣のままでいてくれるか?リサ。」
「わかった!」
「じゃあ、脱出しますか!」
「おー!」
・・・・喋る剣ってなんか違和感あるなぁ。
俺は地上を目指して地下室の階段を登っていくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はぁ、はぁ、ちょっと、待ってくださいよー!」
「なんだ、小娘。」
「私は魔女なんですから、エリーゼさんみたいに身体能力が高くないんですよ!!」
「・・・・ふっ、その程度か。」
「え?」
「妾はお主を良き好敵手だと思っていたのだがな、とんだ見当違いだったようだ。」
「・・・・どういうことですか?」
「お前のエイトに対する思いはその程度か、と言ったんだ!!
今はエイトの窮地だ、そんな時に直ぐに駆けつけられず泣き言なんて言えるか?」
「っ!?」
「お前が本当にエイトを思っているのなら、種族の壁など超えてみせろ!」
「・・・・エリーゼさん。」
「どうした?」
「スピードさっきの二倍でいいです、早く行きましょう。」
「・・・・そうこなくてはな。」
「ところで、何処に向かっているんですか?」
「街外れの墓地だ、そこにエイトがいる。」
「墓地、人攫い・・・・なんだか嫌な予感がします。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「・・・・なぁにこれぇ。」
地下室から脱出した俺達を待っていたのは墓地だった。
「地下室の次は墓地ですか・・・・ホラー嫌いになったぜ。
まあ、ラッキーな事にもうすぐ日の出だ。」
気絶していたので時間感覚が曖昧だが、恐らく午前5時から6時の間くらいだろう。
だから、明かりが無くても大丈夫な程度に視界は確保出来ている。
「とっとと、この墓地を抜けてしまおう。」
俺が一歩足を踏み出した直後、その足を何かが掴んだ。
「なんだ!?」
咄嗟に足元を斬りつける。
すると、急に足を掴む何かの力は緩んだ。
目を凝らして足を掴んでいたものを見るーーーそれは、人間の腕だった。
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」
何者かが立ち上がった。
目の焦点は合っておらず、身体の中が傷だらけで顔色も悪いーーー悪いというよりもこの色は死んでいる人間の色だ。
そう、その姿はゾンビそのものだった。
そして、そのゾンビの片腕が無いので、俺の足を掴んだのはゾンビだったというわけだ。
「・・・・マジかよ。」
「ねー、あの人凄い顔色悪いよー?
大丈夫かなー?」
「そんな呑気な事を言ってる場合じゃねえ!!逃げるぞ!!」
駆け出す。
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「一度死んだ人間をどうやって倒せっていうんだよ!?」
墓地を走る、走る、走る。
ゾンビから逃げるために走る、走る、走る。
どうして戦わないのかって?
勝てないからだよ!!
某ゾンビゲームなら頭を潰せばあいつらは動かなくなるけど、これはそんなヌルいもんじゃなかった。
試しにゾンビの頭を切り落としたらデュラハンみたいな姿になってもなお追ってきた。
それに、ゲームなんかと違ってあいつらは自分の本能に従った行動をしていない、まるで誰かに操られているように統率された行動をとっているんだ。
例えば、墓地の外に向かうと、その進行方向には必ずゾンビがいる。
「・・・・どうやら、何処かに誘導されてるみたいだな。」
「?どーいうことー?」
「犯人はゾンビを使って俺達を呼んでるって事。」
「呼んでるなら、行ってあげようよ。」
「そんなこと・・・・・・・・・・・・ありだな。」
恐らく、犯人は俺達を呼んでいるのだ。
だから、ゾンビから逃げ続ければ最後には犯人の元に辿り着ける。
犯人はゾンビを操る術者だろう。
ならば、その犯人さえ倒せばゾンビはただの死体に戻るはずだ!!
「行くぞ!」
「おー!!」
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私、オクタヴィア・ノーゼンにはかつて友人と呼べる人が一人だけいた。
彼女の名前はクロエ。
クロエ・フラットだ。
クロエも私と同じ魔女で、優秀な才能を持っていた。
さらに、性格も良くて誰にも分け隔てなく接することのできる優しい人だった。
話は少し逸れるが、純血と混血についての話をしようと思う。
私達の常識では、純血が正義で混血は悪といった、差別的なものが根付いている。
特に人間とモンスターの混血は禁忌とさえ呼ばれる程である。
しかし、混血には生まれながらにして特異な能力を得ることがある。
私の《多重詠唱》や《無詠唱魔法》がそれにあたる。
私の強力な魔法に対して周りは皆、私を妬んでいたが、クロエは違った。
彼女は私の魔法をみて、それを純粋に尊敬してくれたのだ。
彼女は私に話しかけてくれた。
凄く、嬉しかった。
そして、私とクロエはかけがえのない友と呼び合える仲になっていた。
しかし、現実は常に非情だ。
クロエは純血で私は混血。
その事実は何が起きても変わらない。
そしてその事実は、
私達を二つに裂いた。
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俺とリサ(剣)はゾンビ達から逃げていると妙に開けた場所に着いた。
そこは地面に大きな魔法陣が描かれており、それが淡い光を放っている。
「どうやらこの魔法陣がゾンビを操ってるみたいだな・・・・」
「・・・・お兄ちゃん、なんか嫌な感じがするよ。」
オクタヴィアと契約して多少だが魔術の心得がある俺はともかく、恐らく魔術から縁のないリサすらも魔法陣の保有する濃密な魔力を感じている。
・・・・なんて言えばいいのかな、魔法陣の周りだけ空気が重いんだ、後頭部に重りを乗っけられたような感じ。
「うふふ、ご明察。
貴方の想像通り私の可愛い
凛とした声が墓地に響き渡る。
その声の主はこの墓地で1番大きな墓石の上に腰掛けている女性。
肩に掛かるくらいの青髪で白いローブを身につけた、ザ・魔法使いという雰囲気の女性だった。
俺に向かってニヤリと妖艶な笑みを浮かべるその女性。
しかし、その笑みの中に何かを憂いているような、そんな表情をしている。
「・・・・誰だお前は?」
「私はクロエ・フラット。
よろしくね、瀬尾英人君。」
口調はあくまで丁寧なものだが、目が笑っておらず、敵意を感じる。
そして、その目の奥の紅い輝きは・・・・。
「あんた、モンスターだな。」
「そうよ。」
「どうして俺の名前を知ってる?」
「このコに聞いたからよ。」
クロエと名乗った女性が墓石から降りて指を鳴らす。
すると彼女の側に一体のゾンビが現れ、彼女に跪く。
その姿はまるで彼女を守る騎士のようだ。
「こうやってね。」
クロエはその跪くゾンビの頭目掛けて思い切り腕を差し込んだ。
思わず目を覆うが、不思議な事に血が吹き出したりなどという事は無かった。
彼女の腕はゾンビの頭の皮膚をすり抜けているかのようだった。
その後、彼女はゾンビの頭から腕を抜いた。
その手にはブヨブヨの・・・・まさか。
「そして、これに聞いたのよ。」
「・・・・なんだそれは?」
「うふ、見たことないのかしら?
人間の、の・う・み・そ。」
彼女はニマッと笑う・・・・狂ってる、そう思った。
「私は魔女。
そして、使う魔術は死体を蘇らせる禁忌の魔術ーーー
こんな風にね。」
突然彼女は手に掴んでいたゾンビの脳味噌を握り潰した。
咄嗟に刀になっているリサを背に隠す。
こんなもの見せてはいけない。
だが、俺の想像とは裏腹に握り潰された脳味噌からは透明な映画のフィルムのようなものが大量に垂れ流された。
「これはこのコの生前の記憶。
私にしか詳細には見えないけどね。
けど、貴方はこのコの顔に見覚えがあるでしょう?」
クロエはグイッとゾンビの顔を俺の方に無理矢理向かせる。
彼女の言う通り、その顔は見覚えのある男のものだった。
首の周りを一周針で縫い付けられたような巨大な傷跡のあるそのゾンビの顔は生きている時は、『悪夢の魔導師』と呼ばれたの顔そのものだった。
「エドワード・・・・」
「せいかーい。
今は私の可愛いペットのエドちゃんだけどね。」
死霊魔術・・・・その言葉は俺だって知っている。
『死者蘇生の魔術』って言えば聞こえは良いかもしれないが、現実はそんなに都合良くは出来ていない。
死霊魔術はただ『死体』を『
・・・・ゾンビを作る魔術なんてキチガイじみてるな、まったく。
「死体は鮮度が命なのよ、だからエドちゃんは私が直接殺してペットにしようと思って目を付けてたんだけど、貴方に先を越されてしまったわ。」
「・・・・それは、残念だったな。」
「け・ど、エドちゃんを殺したって事は貴方の方が優秀な人間って事よね。
貴方には魔法が効かないって事は分かったから、可愛いペット達に任せる事にするわ、なるべく綺麗なペットにしてあげるから安心して死になさい。
さあ、ペット達!
お仕事の時間よ!!」
「なっ!?」
「凄いいっぱい・・・・どうしよう、お兄ちゃん!?」
クロエの言葉の直後、地面から大量の手が生えてきた。
「最初から地面に・・・・」
「その通り。
ペット達の心臓はもう止まっているの。
だから、地中でも水中でもどこでも活動可能なのよ。
そして、術者と魔法陣が存在する限りその肉体は不滅。
・・・・さあ、踊りなさい。」
ジリジリと迫り来る大量のゾンビ達。
その数は少なくとも100は超えているだろう。
そして、すべて不死の無敵軍隊ときた、やばいね。
余裕あるように聞こえる?
残念!本当に余裕の無い人間は、余裕あるように振る舞うのさ(意味不明)
しかもの力の源である術者と魔法陣の両方もちゃんとゾンビ集団が守ってやがる。
うん、詰んだ。
だが、一言だけ言わせてくれ。
「どうしてこの世界は火葬じゃなくて土葬なんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」