異世界で俺がモンスター娘達と契約しまくる話。   作:ワロリッシュたん

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Stage5 依頼

この世界で主に金を稼ぐ方法は三つ。

一つ目はモンスターを狩ったり、冒険をして得た宝石などの換金アイテムを店で売る方法。

これは、冒険者やトレジャーハンターなどがよくやる手法だ。

ある程度のレベルの戦闘能力を保持していれば、安定した収入が入る。

しかし、俺はなるべくモンスターの殺生をしたくないし、戦闘能力に自信があるわけではないので、この方法は却下。

 

次の方法は、飲食店などに就職する方法だ。

これは誰でも金を稼ぐ事が出来、安全というメリットはあるが、一度就職してしまえば、そこから移動は殆ど出来ないというデメリットがある。

俺はこのはじまりの街で一生過ごすつもりはないし、何よりここにはモンスター娘がいない。

俺のハーレムロードの為にもこの方法は却下させていただく。

そして何より、ぼっちの俺がまともな場所に就職できる気がしねえ!!!

 

最後は、依頼(クエスト)を成功させてその報酬で金を稼ぐ方法だ。

これは収入が安定しないのがデメリットだが、様々な種類があるのがメリットだ。

あと、高額な依頼はとことん高額なのも魅力的だ。

・・・・その分危険性や難易度は上がるんだがな。

そして何より、資格とかが必要無いからいいよね!

とりあえず、せっかくだから俺はこの依頼という方法を選ぶぜ!

 

というわけで、今は依頼屋に来ています。

ここでは依頼の発注・受注、報酬の受け渡しが行われており、様々な種類の依頼がコルクボードに貼ってある。

生憎、俺にもエリーゼにも読めはしないんだけどな!

 

「すいませーん、1番報酬額の大きな依頼はどれですかー?」

 

文字の読めない俺は店主に聞くしか無い。

1番報酬額の大きな依頼を尋ねた理由は、はじまりの街は規模が小さい街なので簡単な依頼ばかりで、報酬額も少ないはずだから、1番くらいで丁度良いと思ったからだ。

あと、なんでも1番がいいのさ、1番が。

 

「お、小僧。

腕に自信があるのか?」

 

「ええ、まあ、人並みには…ね。」

 

「そうか!

なら、あんた、この小僧はどうだ!?

緊急なんだろ?」

 

店主が話しかけるのは、依頼屋の隅のテーブルに座っていた依頼主と思われる男性。

青いニット帽をかぶり、無精髭を生やした小柄だが威厳のある顔つきをしている、年齢は40代後半くらいだろうか。

彼は立ち上がり俺を一瞥する。

その視線は俺の右手の甲に止まった。

・・・・あ、やべ、契約者だって事がばれた。

咄嗟に契約者の印である痣を左手で隠すも時既に遅し。

俺の滑稽な立ち振る舞いに男は笑って

 

「別に隠すことは無い。

少年、一つ聞きたい。

君は一体何と契約しているのかね?」

 

・・・・少年って呼ばれるような歳じゃないんだけどな。

まあ、恐らく50を越えてる店主のおっさんや40代後半らしき依頼主の男性。

彼等から見れば俺はまだまだ、少年だし小僧だろう。

 

「吸血鬼です。」

 

「・・・・ほう、吸血鬼か。

ところで、その吸血鬼は今は一体何処に?」

 

「あ、呼んだ方がいいですか?」

 

エリーゼには、店の外で待っていて貰っている。

 

「ああ、頼む。」

 

一旦店の外に出る。

そこには、日傘を差してつまらなそうな表情をしたエリーゼがいた。

彼女は店から出てきた俺を見つけると笑顔で駆け寄って来て

 

「エイト!やっと終わったのか!?」

 

「いや、まだだ」

 

エリーゼはうなだれてがっかりしている。

確かにずっと外で待ち続けるのは退屈で嫌だろうな。

労いの気持ちを込めて頭を撫でてやると、目を閉じて気持ち良さそうな顔をする。

・・・・犬みたいだな。

まあ、鬼なんですけどね!

泣く子も黙る吸血鬼なんですけどね!

 

「エリーゼ、ちょっと店の中まで来て欲しい。」

 

「どうして?」

 

「お前を見たい奴がいるからだ。

でも、しゃべるなよ。

しぃーだからな。」

 

俺は人差し指を口にあてる。

人間の住む街で暮らす為にエリーゼに守らせている最低限の約束三か条がある。

それは

『(人を)殺さない

喋らない

血を吸わない』

である。

殺さないも血を吸わないも同じじゃないかって?

その通りだよ!

でも三か条の方がキリが良いだろ!

 

エリーゼは喋らなければ、人間とほぼ変わらぬ容姿をしているので違和感なく街の中に溶け込めるだろう。

エリーゼの手を取り依頼屋に戻る。

 

「それが、君の契約した吸血鬼か。

美しく気高い…私の想像以上だ。

これほどのモンスターと契約をした君ならば、私の依頼を完遂する事が出来るだろう。」

 

依頼主の男性は俺に握手を求める。

それに応じる。

これで俺は彼の依頼を受注した事になる。

・・・・何か大事な事を忘れているような気が。

 

「エイト、一体何をするんだ?」

 

エリーゼが耳打ちで俺に尋ねる。

あ、依頼の内容聞いてねえや!

てへぺろ!!

 

「・・・・忘れてた」

 

エリーゼは呆れた顔で溜息をつく。

・・・・ああ、好感度が下がる音が聞こえるえるえる。

 

「あの、依頼の詳細の方を聞きたいのですが・・・・」

 

「おっと、すまなかった。

君のような優秀な人に依頼を受注してもらって舞い上がってしまっていたよ。」

 

はははと笑う依頼主。

ほら見ろ!俺は悪くねえぞ!エリーゼ!

俺は悪くねえ!俺は悪くねえ!

 

「まずは、自己紹介から。

私はマルコ。

帝都で武器屋を経営しているしがない商人だ。」

 

「俺は瀬尾英人と言います。

まあ、旅人やってます。

で、こっちは吸血鬼のエリーゼです。」

 

自分とエリーゼの紹介をする。

・・・・おい、マルコのおっさん。

今、エリーゼをエロい目で見ただろ貴様ァ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・許せる!!

男は皆、変態であるべきだ!

俺だっていつも、エロい目で見てる!!!

むしろ俺はマルコさんが血の通った男だという確信が持てて嬉しいぜー!

しかし、エリーゼには指一本触らせんがな!!ドヤァ

 

マルコさんと視線が合う。

ふっ、流石だな。

これが40を越えた男性が纏うと言われる紳士の風格ってやつか。

彼からは絶対に女性に手を出さないであろう安心感を感じられる。

認めてやろう、マルコさん。

あんたは、ほんもんの紳士じゃけ!!

 

「では、依頼の内容の確認をしよう。

私はいつも帝都にいるのだが、不手際があって、ここの隣街に送るべき商品を間違ってここに送ってしまったのだ。

私は傭兵を雇い、一週間かけてここにやって来たのだ。

商品を手に入れたのはいいものの、ここ最近、この街から隣街にかけて、盗賊が出没するという噂を聞いたんだ。

傭兵だけでは不安になった私はここで腕利きの冒険者に護衛を頼む事にしたんだ。

しかし、全く私の求めるような者は現れない。

出発の時間がギリギリに迫った今。

君が現れたのだよ、英人くん!

これは運命、神の導きに違いない!」

 

「は、はぁ」

 

大袈裟なマルコさんの喋りに圧倒される俺。

この人、昔演劇やってただろ絶対。

喋りに完全にミュージカル入ってたぞ。

るるる〜♫とか、ららら〜♫とか言い出しても違和感なかったぞ。

 

マルコさんの話を噛み砕くと

"隣街まで護衛をしてくれ"

そういう事だろう。

依頼内容もそれで間違いないと思う。

まあ、話によると傭兵もいるらしいし、問題無いだろう。

 

おっと、もう一つ大事な事を聞き忘れてたぜ。

 

「あ、あの、報酬の方はおいくらで・・・・?」

 

「ああ、これくらいでどうかね?」

 

そういうと、マルコさんは指を三本立てる。

・・・・金貨3枚って事かな。

って、金貨3枚ってすげぇええええええ!!!

マルコさん超金持ちやん!

これで、暫く金には困らねえ!!

やたー!!

 

「金貨30枚でどうかね?」

 

ゑ?

マジすか?

・・・・30?

何だろう、凄すぎて逆に現実感が無い。

 

「ほ、本当ですか?

本当に30?」

 

「ああ、男に二言は無い。」

 

「いいいいいいいいいいやっほぉおおおおおおおおお!!」

 

つい、大声で叫んでしまう俺。

依頼屋にいるマルコさん以外の人間が痛い奴を見る目で俺を見ているけども、気にするものか!!

だって、金貨30枚だぜ?

2年くらい何もしないで暮らしていけるんだぜ!?

 

「あと、報酬は隣街についた時に現金で払うが良いかな?」

 

「勿論、構いませんよ!」

 

むしろ好都合だ。

そろそろはじまりの街を出て、他の街へ行こうとしていたところだったし。

移動代もタダ!

しかも着いたら大金を貰える!

こんな嬉しい事はありません!!

 

「なら、改めて依頼成立だ。

外で荷馬車が待っている、行こう。」

 

「はい!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

マルコさんに導かれるまま、彼の荷馬車に乗り込む。

馬車は、皇族のパレード等で見た事がある馬車によく似ていて、馬2頭で車を引く形の物だ。

馬の手綱を引くのはマルコさんが雇った傭兵2人。

彼等は甲冑を身につけていてその素顔や表情は見れないが、俺とエリーゼを歓迎はしていない気がする。

そりゃそっか、自分達の仕事を奪われたみたいな感じに見えちまうだろうからな。

 

そして、俺とエリーゼはマルコさんの御好意で馬車の車に乗り込む事になった。

傭兵さん達には本当に申し訳ないっす!ぐへへ

おっと、依頼が楽過ぎてニヤついてしまったぜ。

だって、このまま馬車に乗り続けるだけで大金が手に入るのですヨ?

体力も使わずに、何という楽なお仕事なのでしょうか!?

 

「では、英人くん。

少し私の質問に答えてくれるかい?」

 

馬車が隣街へ向かって走り出してから数分後、マルコさんは俺に話しかけてきた。

隣街までの道は一本道でその両側には森が茂っている。

彼は外の景色を見るのに飽きて、暇つぶしに俺に話しかけてきたんだろう。

 

「ひゃいっ、なんでしょうか?」

 

馬車に揺られてうとうとしていた俺はびっくりして変な声が出た。

 

「そんな緊張しなくてもいいよ。

ただの世間話だから。」

 

笑顔のマルコさん。

・・・・ふぅ良かった、寝かけてたのばれてないばれてない。

 

「けど、護衛依頼中に寝るのは良くないな。」

 

やっぱり、ばれてたー!!

超恥ずかしい、穴があったら入りたいっす。

 

「す、すいませんでしたァー!」

 

「はははっ、そんなに謝る必要は無い。

気にしてないから。」

 

・・・・流石、紳士マルコ。

優しすぎて後光が見えるぜ。

 

「じゃあ、質問をさせてもらうよ。

まず、どうして君は契約した吸血鬼の彼女に首輪をつけていないんだい?」

 

首輪。

それはモンスターの首につける事で奴隷であると周囲にもモンスター自身にも知らしめる物。

契約者は必ずといっていいほど契約したモンスターにつけさせるらしい。

 

「俺は、そういうの嫌なんです。

俺、エリーゼ大好きですから。

彼女に嫌な思いをさせたくないんです。」

 

俺は本心を述べる。

俺は全くエリーゼを奴隷として見れていないし、これから先も彼女を奴隷として見ることは無いだろう。

そんな彼女に首輪をつけさせることは俺の心が決して許さない。

・・・・あと、金銭面の理由もないわけじゃないけど。

 

エリーゼの方を見ると、彼女は顔を真っ赤にして俯いていた。(エリーゼが理解出来るのは俺の言葉だけなので、彼女には突然の愛の告白のように聞こえたのだろう。)

・・・・ふふふ、愛いやつめ。

 

「そうか、だからなのだろうな。

彼女の目がそんなに綺麗なのは。」

 

「目が綺麗?」

 

「そうだ。

普通モンスター奴隷達は皆、暴力等の調教の末、人間達を憎み世界に絶望するあまり、腐った濁り切った目をするものだ。

しかし、彼女は違う。

綺麗な瞳で尚且つ従順に君の言うことを聞く。

・・・・一体どういった手法をとったのかね?」

 

「・・・・秘密です。」

 

俺がモンスターと話ができるという事は口が裂けても言えない。

言った瞬間、俺の名はこの世界中に知れ渡ってしまう。

それだけは避けなければ!

俺はただ、モンスター娘ハーレムを作って静かに暮らしたいだけなのだから。

 

「ははっ、やっぱり教えてくれないか。

もしここで教えてくれたら契約者業界に激震が走るだろうしね。

 

最後に、君は旅人と自分の事を言ったね。

君の旅の目的はなんだい?」

 

「俺はこの世界を見て回り、何が正しくて、何が正しくないのか、自分の目で確かめたいんです。

 

(というのはついでで、本当はモンスター娘ハーレムを作りたいんです。)」

 

「何が正しいとは、どういう事ーーーーうわぁっ!?」

 

マルコさんが俺の答えに質問を求めようとした直後、煙幕が馬車を包んだ。

視界は黒く塗りつぶされ、何も見えない。

しかし、何者かが馬車に乗り込んだ気配がするーーー件の盗賊か!?

俺は咄嗟にその気配のした方へ向かって剣を突き出した。

 

「うっ」

 

俺の剣が恐らく掠ったのであろう、盗賊であろう男の小さな呻き声が聞こえた。

 

 

煙幕が晴れた頃には、盗賊の姿とマルコさんの商品の入っていた鞄はなくなっていた。

 

「くそっ!」

 

俺は馬車の壁に拳を叩きつける。

完全に油断していた。

 

そして、俺の見間違いでなければ、煙幕を焚いたのは紛れもなくマルコさんの雇った傭兵2人だった。

 

つまり、あの傭兵達は盗賊とグルだったのだ。

 




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