TSから始まるヒロインアカデミア   作:破戒僧

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どうも、破戒僧です。
令和元年、年末に見たヒロアカの映画で火がつきました。面白すぐる、書くしかない。

またしても勢いのみで書き始めましたので、お目汚しかもしれませんが、よければ見ていってください。
感想などいただけると作者は喜びます。

では、どうぞ。


第1章 TS少女と雄英高校
第1話 TS少女と入学試験


『もう大丈夫……私が来た!』

 

 ……このニュース、というかこの映像……もう何度テレビで目にしただろうか。

 特に狙って探さなくても、この国に住んでいるというだけで見る機会が多い、多すぎるこのVTRは、昔の大災害の現場を映した映像だ。

 

 倒壊したビルだか何かから、筋骨隆々のヒーローっぽい見た目のおじさんが、1000人だかの被害者を救いだした映像。それも、たった1人でだ。

 

 そりゃあんた、機械も何も使わずにたった1人で1000人救ったってなれば、マスコミも騒ぐだろう。人々はこぞってその人を褒め称え、一躍ヒーローになれるだろう。

 

 けど、この場合の『ヒーロー』ってちょっと違うんだなあ……。

 

 私が前に住んでいた世界では、『ヒーロー』ってのは、英雄的な行いをした人に対する賞賛であると同時に、あくまで比喩表現だ。

 テレビの中に現れるような、仮面のバイク乗りとか5人1組の戦闘部隊とか、あるいは光の国出身の銀色の宇宙人といった、超常的な存在を現すものじゃなかった。あくまでそれは、フィクションの中だけだ。

 

 何を当たり前のことを言ってるのかって? いや、それがねえ……どうも違うらしいんだよね、この世界ではさ。

 

 簡潔に、2つの事実を言おう。

 

 まず1つ目。この世界には……『ヒーロー』が存在している。

 それも、テレビ画面の向こうにしか見ることのなかった……超人的な力を使って、悪の怪人と戦って世界の平和を守る戦士、という意味でだ。

 

 そしてもう1つ。

 さっきから『この世界』とか『前に住んでた世界』とか、何を言ってるんだろうと思ってる人も多かっただろうが……ああ、すまない、自己紹介が遅れたね。

 

 私の名前は、『栄陽院(えいよういん) 永久(とわ)』。15歳。

 前世男、現在女の……どこにでもいる『TS転生者』だ。

 

 ……そんなんどこにもいないって? わかってるよ。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 前世、それこそどこにでもいるサラリーマンだった私が、何の因果かこうして2度目の人生を、しかも性別を変えて歩むことになってから、もう15年が過ぎたわけだ。

 それも……こんな、明らかに元の世界とは違う世界で。

 

 ここは確かに日本であり、そのへんに立っている建物やら道路やらといった風景は、私の記憶にある前世のものとさほど違いはない。

 せいぜい、ちょっとばかり近未来的な建物やら構造物がそこかしこに見られるくらいだ。

 

 なのでここだけ見れば、私は『なんだ、元の世界か、同じような世界に生まれ変わったんだな』くらいに思って、TSしたはしたなりに2度目の人生をエンジョイしただろう。前世の価値観に依存して困るようなことも、特段ないだろうし(性別が違うことによるものを除けば)。

 

 しかし1つだけ、この世界は……私が元いた世界と大きな違いがある。

 

 この世界には『個性』と呼ばれる……どう考えても『超能力』あるいは『特殊能力』にカテゴライズされる力が存在する。

 しかも、それは限られた一部の人間がもっているとかではなく、世界総人口の8割が持っているというのだから驚きだ。

 それを風刺してか、今のこの世界は『超人社会』だの『超人時代』だの呼ばれてるらしい。

 

 『個性』の種類は十人十色、千差万別。ものを引き寄せるとか視力が人よりいいとか、地味、ないし危険度が少ないようなものもあれば、超人的なパワーが出せるとか、炎や電撃を操れるとか、ファンタジーの中でしか見られないような、派手で危険度が大きいものも存在する。

 

 さらには、『異形型』なんてカテゴライズされるものに至っては、およそ人間には見えないような見た目をしている者もいるくらいだ。

 

 今も私がこうして普通に歩きながら周囲を見渡すだけで、2、3人はそういう見た目の人(?)を見つけることができる。

 前から歩いてくる大学生くらいの兄ちゃんの頭には角が生えてるし、私の数歩手前を歩いている女子中学生(多分)は、見た目が普通の人間だが……髪の毛が植物の蔦とか茨みたいな感じだ。車道を挟んで向こう側の通りを歩いているサラリーマン風のおっさんに至っては、顔が完全にライオンである。勇猛そうな雄ライオンがびしっとネクタイを締めて、腕時計で時間を気にしながら走ってる光景は、ちょっとどころじゃなくシュールだ。

 

 そして、そんな状況を誰もおかしいと思っていない。

 この世界では、これが普通なのだ。

 

 ふと私は立ち止まり、横を見る。

 ショーウィンドウの大きなガラスに、私の『今の』姿が映っていた。

 

 率直に言って、かわいい。美少女だと、自信もって言える。

 顔も整ってて可愛いし、肌はシミ一つなく色白。目元はちょっとツリ気味で気が強そうに見えなくもないけど、気にする人は少ないだろう。

 スタイルもよく、出るとこ出てしまるとこしまっている。女性らしい体つきだと言っていいし、手も足もすらりと長い。

 

 中学生には見えないくらいに膨らんだ胸元は、すれ違う男性の2人に1人はチラ見、あるいは二度見してくるくらいの魅力はあるだろう……私も元は男だ、気持ちはわかる。自分の胸だが。

 気にしないから見るくらいなら好きにしてくれ、ただし触ってくるのは許さん。

 

 サラサラの黒髪は、肩口くらいまでのセミロング。女子たちにうらやましがられるレベル。中学に上がりたての頃、特に手入れも何もしてないって言ったら超驚かれた。

 邪魔なのでばっさり、男と同じくらいの長さにまで切りたかったんだが(ベリーショートっていうのかな)、キレイなのにもったいないって止められて、以来何となくこの長さに落ち着いた。もっと長くすれば? って言ってくる友達もいたが、これ以上長くすると洗うの大変なんだ。

 

 身長188㎝(去年の春にやった身体測定時。今はもうちょっと伸びてるかも)と、女子にしてはかなり大柄なのは賛否別れるかもしれないが……総合的には美少女と言っていいだろう。

 

 ……最低限、人間っぽい見た目でよかったと思う。性別は違うけど。

 いや、異形型個性の人たちを悪く言うわけじゃないが……ほら、どうしても個人的な価値観ってもんはあるから。まして中身が転生者だとさあ。

 

 ネット小説とかで、スライムとかドラゴンとか、鬼とか剣とかに転生した作品はいくつも知ってるけど、実際そんな境遇になったらパニックになるし、生きていけないだろうし、私。

 

 そんなことを思ったところで思考を切り上げ、私はまた歩き出す。

 余裕をもって行動してはいるが、無駄に時間を使って万が一にも『遅刻』なんてことになったら笑えない。絶対に間に合うように行動しなくては。

 

 何せ今日は……高校受験当日だ。

 

 前泊でホテルを取って今日の日に備えていた私は、本日これから、この世界のヒーロー教育の中心とも言っていい学府である『雄英高校』を受験するのだから。

 

 

 ☆☆☆

 

 

『今日は俺のライブへようこそー! エヴィバディセイヘイ!!』

 

 ……ここは受験会場、だよな?

 

 なんか、夜のクラブとかにいそうなDJっぽい見た目の人がはっちゃけたトークをかましてるんだが……受験生のこと『リスナー』って呼んだぞ?

 言動だけならともかく、髪型や服装といった見た目も考慮しても、とても教師には……いや、雄英高校はヒーローが教師をやってる学校だったな。それもあって、スーツ着用とか学校っぽい被服規定みたいなのはなかった気もする。

 

 だからってあの格好はどうなんだと思わざるを得ないが……あの人普段から、授業する時とかもああなんだろうか。テンション高いな……誰もコール返してこないのに。

 

 まあそれはいい。実際説明してくれる内容はまともだし。なるほど、市街地を模した試験場で、仮想『(ヴィラン)』を相手にした実戦形式の試験か。

 その撃破によって手に入る『ポイント』を競う。つまり、いっぱい倒せばいいわけだ。シンプルでいい。

 

 プリントを見る限り、ロボっぽい見た目のようだが……強度はどんなもんかな。止める、あるいは破壊すればポイントになるって話だし、相応の頑丈さに調整してあるんだと思うけど……

 

(……ま、何とかなるだろう。フィジカルには自信あるし)

 

 説明の最中、なんだか真面目そうなメガネの人がプリントの内容について質問したり、その流れ弾で別な受験生がディスられる場面があったが……気にするほどのことでもないので、あんまり聞いてなかったし覚えてない。

 ただ、その後に説明された内容は聞いていた。倒しても加点されない、0Ptのお邪魔虫がいるってか。

 

 ……嫌な予感がする。『見つけても無視推奨』とか言われてるけど、そういうのって何かしら無視できない要素が含まれてること多いよね?

 

 その後に聞かされた、この学校の校訓……『Plus Ultra』。

 『更に向こうへ』って意味らしい。ナポレオンの言葉だそうだ。うん、いい言葉だとは思う。できればもうちょっと真面目な雰囲気の中聞きたかったと思わなくもないけど。

 

 まあ、もしかしたらあの先生も、受験生たちの緊張を和らげる目的であんな風に言ってくれてたのかもしれないし…………普段からあんな感じである可能性も、否定できないけど。

 

 でもまあ……そのへんがどうなのかは、後でわかるだろう。

 この試験に受かって、雄英に入学しさえすれば。

 

 さて、ジャージに着替えて『試験場』とやらに行くとするか。

 

 

 ☆☆☆

 

 

「ハイスタートー」

 

 気の抜けた声が、何の前触れもなく試験場に響き渡った。

 スタート地点に集まっていた受験生たちが、『えっ?』とでも言いたげな顔で、声が聞こえてきた方を見る。

 

「どうした!? 実戦にカウントダウンなんざねえんだよ! 走れ走れ、賽は投げられ―――」

 

(あーなるほどそういう感じね)

 

 最後まで聞き終わらないうちに、私は地面を蹴って走り出す。いい趣味してやがる、と心の中で悪態をつきながら。

 

 ガチガチに緊張しているであろう受験生たちを相手に、明らかに狙ったもの言いだ。

 しかし、言っていることは筋が通っているのも確かだ。もし本気でヒーローになるというのであれば、いつどこでどんな事件が発生し、あるいはどんな(ヴィラン)が暴れ出すかなどわかったものではないのだから。

 

 まあ、それにしたってどうかとは思うが、どっちにせよ今はそんなことを考えている暇はない。悪態も反省も後でいい。とにかく狩りを始めなくては。

 

 幸いと言っていいのか、仮想敵はすぐに見つかった。走り始めてすぐに、曲がり角を曲がって何体もこっちに向かって走ってくる。

 他の受験生たちより一拍早く走り出せたのに加えて、自慢じゃないがこの長くて強靭な足のおかげで、一気に距離は詰まっていく。あわててスタートしたその他大勢を置き去りにして。

 

『標的発見……ブッ殺ス!』

 

 ……口の悪いロボットだな。

 開発者は何を考えてコレ……(ヴィラン)を意識してだろうか? 安直だな。

 

 まあいいかと小声でつぶやきつつ、私はそいつ目掛けて突っ込みながら拳を振りかぶる。

 向こうも負けじと突っ込んでくるが……遅い。遅すぎる。

 攻撃のために向こうが動くより先に、懐に飛び込んだ私は、その頭部分めがけて拳を振りぬいた。

 

 ――バキャァッ!!

 

 叩きつけた拳は、仮想敵の顔面を粉砕し、首を砕いて潰し、その向こうにあった胴体パーツをも粉々に粉砕して……完全に破壊した。当然のごとく、全ての機能が停止し、動かなくなる。

 これで……1Ptか。

 

「うえっ!? い、一撃で粉々に……」

 

「マジかよ、すげえ! アレどうみても金属だぞ……あの女子何者だ!?」

 

 そんな声を後ろから聞きながらも、私は足を止めない。

 スクラップになってパーツを四散させる敵ロボと、すれ違うようにして走り抜ける。足を止めずに次の標的を探す。

 

 派手に音を立てたのがよかったんだろうか。今度は3体まとめて寄ってきた。しかも、全部2Ptか3Pt。

 

(ポイント高いだけあって、さっきのよりは頑丈そうだな。まあ、それでも……私には関係ない)

 

「エネルギーチャージ……腕力強化200%」

 

 意識して私の『個性』を発動させ、最初に接敵した2Ptを思いきり殴る。

 さっきよりも大型だったにも関わらず、仮想敵ロボはまたしても粉々になって爆散した。

 

 そのまま、後2体いるうちの1体の懐に飛び込んで、その胴体部分を下からつかんで持ちあげる。

 そしてそのまま、もう1体の方に、渾身の力で叩きつけた。

 

「りゃぁぁああ!!」

 

 ―――ごっしゃあッ!! ×2

 

 自重+私が投げつけた衝撃をモロにくらった2体は、原型なんて留められず、バラバラに破壊されている。どこからどこまでがどっちだったのかわからないくらいになっている。スクラップされたガラクタの集合体、って感じだ。

 

 ふと目の端に、さっきのパンチの時以上に驚いている受験生が何人か映ったが、別に気にするようなことでもないので、放っといてさっさと次の標的を探しに行く。

 ほら、あんたらもさっさと動かんと……敵がいなくなるぞ。

 

「しかし、3Ptでも結構脆かったな……こりゃ『個性』いらないかも。素の腕力で壊せるな……せっかくしこたま『チャージ』してきたのに」

 

 

 

 それからしばらく、見敵必殺、サーチアンドデストロイの精神で狩りまくっていた時のことだった。

 地響きがするような衝撃と、何かが崩れ落ちるような轟音が響き渡り……何かと思って周囲を見たら、正面にある建物の向こう側に、なんかドでかい動いてる影が見えた。

 

 まさかと思って、狭い路地を通り抜けて――途中にいた1Ptをすれ違いざまに蹴り砕いて――向こう側に出ると、やはりそこに居たのは、プリントにもあった0Pt敵……『お邪魔虫』だった。

 いや……デカすぎだろ。ビルくらい大きいんだけど。

 

 試験会場内を『所狭しと大暴れしてる』とは言ってたけど、マジで狭そうだなアレじゃ……動いただけで周辺の建造物ぶっ壊しまくってるもん。

 

 当然ながら、それを前にした受験生たちは一目散に逃げていく。走ってそこから離れていく。

 中にはもしかしたら、さっきのDJ先生(私の記憶が正しければあの人名乗ってないのでどう呼んでいいかわからぬ)の説明を聞いて『倒してみようかな』とか思った人もいたかもしれん。腕試しとか、アピール目的で。

 

 けど実際に見たらそりゃ……こんなヤバいもん相手にしたくないわな、倒せるビジョンなんて見えないだろうよ。逃げて当然だ。

 安全は保障されている試験だとかも言ってた気がするが、こんなん踏み潰されたり、破壊された瓦礫が落ちて来て当たった時点で即死してもおかしくないと思うんだが……

 

 ……それはさておき、だ。

 

「…………いけるか?」

 

 多分だが、私はここまでで、ポイント的には十分稼げたと思う。これ以上狩る必要はないんじゃないか、と思えるくらいに。

 そもそも、仮想敵もほとんど狩りつくされて残ってないしな。

 

 だとしたら、腕試しと……これを見ている教員とか試験官へのアピールも含めて、アレを相手取ってみるのも一興か? 破壊できるなら破壊してもいい、って言われてるしな。

 

 しかし、アレを壊すなら……流石に『個性』をフルで使わないことには……ん!?

 

 その時、私の目に……ただ1人、逃げようと動く人の流れに逆らって……0Pt目掛けて逆走していく1人の受験生が映った。

 

(あれ? アイツ確か、説明の時にメガネの堅そうな奴にディスられてた……)

 

 見るからに気の弱そうな、もじゃもじゃ髪の彼は……腕試しやアピールのために0Ptに挑もうとしている……ようには見えなかった。

 顔が、表情が……必死だ。怖いけど、怯えてるけど、それを無視して、押し殺して飛び出しているような……そんな俗な目的とは全く別な理由で、必死で走っている感じに見えた。

 

 と同時に気づく。0Ptの進行方向上に……怪我でもしたのか、倒れて動けないらしい女の子がいる。そうか、あの少年は彼女を助けようとして……自分も怖いだろうに、それを押し殺して命がけで走ってるのか。

 

 しかし、正直危ないなそれでも……最悪2人共踏み潰されかねない。

 ……仕方ない、見捨てるのも寝覚めが悪いし、助けるか!

 

 しかし私の目の前で……女の子に駆け寄ると思っていたその少年は、地面を蹴って……凄まじい跳躍力で飛び上がったかと思うと、

 

 

『SMAAASH!!!』

 

 

 繰り出した拳の一撃で、ビルほどもあろう巨大な0Pt敵を、真正面から粉砕した。

 

(…………マジかよ)

 

 

 

 余りに衝撃的過ぎて、その光景に唖然として固まってしまった私。

 気が付けば、全てが終わっていた。

 

 その少年は、0Ptを完膚なきまでに粉砕したものの、その反動でか手足がバッキバキに折れてしまい、そのまま転落しそうになっていたところを……たった今彼が助けた女の子に助けられていた。瓦礫と一緒に浮かび上がって助けたように見えたが……触れたものを浮かせる個性か何かか?

 

 その2人が地面に着地して間もなく『終~~~了~~~!!』という声が試験場内に響き渡った。

 

 それを聞いた受験生たちのほとんどは、その場から立ち去って帰路につくが……私はなんとなく、倒れたままになっている少年から目を放すことができずにいた。

 

 怪我をしているらしい人たちが運ばれたり、その場で治療されている中で……彼は意識がないのか、身動き一つしない。

 よく見れば……腕や足があらぬ方向に曲がってしまっている……折れてるというか、砕けてるというか。あの超パワーの反動か?

 

 ……こんなになって大怪我して……ひどく危なっかしい子だ。

 けど……

 

(きっと、彼みたいな人が……『いいヒーロー』になるんだろうなあ)

 

 他人のために全力で、命をかけて動くことができる彼を見て……そう思えた。あの様子じゃ、打算なんてもんは頭になかっただろう、それこそ、反射的にと言っていいくらいの動きだった。

 彼にとって、人助けは……反射あるいは本能レベルで体を動かすほどの、強固な信念なのだろう。

 

 そして、それを理解した瞬間……

 

 

 

 ―――とくん

 

 

 

(…………え、何……コレ?)

 

 私の胸の奥で、何か……よくわからない感情のようなものが、鼓動を刻み始めた気がした。

 

 その正体が何なのか……私はまだ、何も知らなかった。何もわからず、理解できなかった。

 

 

 

 

 

 私がその時の鼓動の正体に気づくのは、もっとずっと後になってからだ。

 

 この私……『栄陽院永久』と、彼……『緑谷出久』の、

 そして、私と彼、それぞれの『個性』の出会い。

 その意味、そして……その行き着く先が何なのか。

 

 しつこいようだが、この時の私は、まだ何もわからなかった。

 

 

 

 

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