TSから始まるヒロインアカデミア   作:破戒僧

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第140話 残酷な真実、数多

 

 オーバーホールの撃破、及び、そこに取り込まれていたナイン、キメラ……そして、既に気絶していたスライス、マミーの捕縛。

 

 危険度に差はあれど、ネームドヴィラン5人という大戦果を挙げた、雄英高校1年ヒーロー科プラスアルファだったが、その直後、勝利の余韻に浸る暇もなく……事態は動き出す。

 

 もっとも、その後に起こったことに関しては、彼ら、彼女らが特に何か関わる、あるいは巻き込まれるよりも前に、事態は勝手に推移し……そして終わってしまったのだが。

 

 周囲を警戒しつつも、一息ついていた彼らの元に、突然の破壊音と……それをかき消して余りあるような大声が響き渡った。

 特に後者のおかげで、一体、少なくとも誰が来ていて何が起こっているのかについては、すぐに生徒達は把握し……すぐに動ける者が、移動して様子を見に来た。

 

 そこで目にしたのは……

 

「マイク先生……に、相澤先生も!?」

 

「ブラドキング先生にミッドナイト先生まで……」

 

「不用意に出てくんな、下がってろお前ら!」

 

 ウォルフラムとキュレーターを相手に大立ち回りを繰り広げる、イレイザーヘッド、プレゼント・マイクの姿。

 

 直後、ブラドキングが自分達と『敵』2人との間に割り込む。距離を詰めつつ、とっさにかばうような形で。

 ミッドナイトだけは動こうとしないが、風上に立っていることからその意図は読めた。

 

 ウォルフラムは銃火器や軍用ナイフを使ってイレイザーをけん制しているが、『個性』を使う様子はない。否、使えないのだ。イレイザーが消しているから。

 

 一方で、異形型であるキュレーターは、使おうと思えば使えるだろう。だが、変身に多少なりとはいえ時間がかかる上に、正しく音速で攻撃が飛んでくるプレゼント・マイクと、一息吸えば一瞬で終わってしまうミッドナイトが射程圏内にいる以上、隙を晒すわけにはいかない。

 

 ほどなくして、

 

「……こりゃ無理だな。やってやれないことはねえが……相性が悪ィ。退くぞ、キュレーター」

 

「ち……この分じゃ、長引くと応援が来るか。おい、ワープ!」

 

「黒霧、ですよ。名乗ったはずですがね」

 

 その瞬間、2人の背後に黒霧が現れ……ゲートを開く。

 2人はそこに飛び込んで姿を消し……

 

「逃がすか!」

 

「待ちやがれ……待て! 白雲!」

 

 先程までも怒髪冠を衝く勢いだった2人が、さらに頭に血を登らせた。相澤は捕縛布を飛ばし、マイクは声を衝撃波にして。

 

「おい、イレイザー、マイク! 不用意に……」

 

「……白、雲……?」

 

 常の彼らにはない、まさしく『不用意』な追撃に、やや驚いたブラドキングが叫び……その一方で、聞こえて来た不自然な単語に、ミッドナイトは疑問符を浮かべた。

 

(それって確か……高校時代の2人の同級生の名前じゃ……? なぜ今、そんな名が……)

 

 ミッドナイトの思考が終わるよりも先に、ゲートは閉じる。その場に、沈黙が戻ってきた。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 その数分後、戦闘が終了したことで、生徒達はかけつけた相澤の号令によって集められ……全員の無事が確認されたところだった。

 敵は倒れ、あるいは去り、イレイザーら教員も駆けつけた。ようやく、この惨劇の夜が終わったのだ、と、一同は安堵して……は、いなかった。できなかった。

 

 これだけの規模の襲撃があったのだ、当然、戦場となった病院は、病院『跡地』とでもいうべき状態になっている。まともに建物の形が残っている部分が、果たして何割残っているか、というほどに。

 

 だが……生徒達が、勝利の余韻や、安堵に浸ることができない理由は……やや不謹慎ながら、そんなところではなかった。

 

 自分達の目の前で、かつてないほどに怒りを迸らせている、A組担任・相澤がいるがゆえだ。

 

(やべえよやべえよ……何コレ? 相澤先生メッチャ切れてんだけど? 何、やっぱ俺らやり過ぎた? 病院施設ここまでぶっ壊れちゃったし……)

 

(いや、コレやったの『敵』だから! ていうか、今回はほら、あの変なアナウンスで戦闘許可、しかも公的っていうか、法律に基づいて出たっしょ? なら問題ないはず……)

 

(じゃあ何で相澤先生あんなブチ切れてんだよ! 俺にはマジで除籍される5秒前にしか見えねーよ! M・J・5だよ畜生!)

 

(上鳴、変な単語作んな、爆豪じゃねんだから)

 

(俺が何だっつんだ殺すぞしょうゆ顔コラァ!)

 

(小声で怒鳴るな爆豪……無駄に器用だなお前)

 

「お前らちょっと静かにしろ、全部聞こえてるからな」

 

「「「すいませんでした!」」」

 

 喋ってなかった面々まで一緒になって、A組全員の声が揃った。その一糸乱れぬ統率に、隣で整列して見ていたB組がちょっとぎょっとしていた(含、担任:ブラドキング)。

 

 通算除籍指導回数120回オーバー。さらには、その後に『続き』があるとはいえ、昨年度、受け持ったクラスを丸ごと1つ除籍処分にまでした過去を持つ相澤。

 入学から4ヶ月ともなれば、多少なりそういう噂も生徒の耳に入ってくし、仲良くなった2年、3年の先輩から、その恐怖の実態を聞いた者もいる。

 

 それを鑑みれば、生徒達から多少の畏怖は向けられていても仕方がないかもしれないが、だからといってきっちり統率され過ぎではないか、という思いをブラドキングは禁じ得ない。

 

 とはいえ、A組の懸念やら恐怖は、今回に限って言えば不要なものなのだが。

 

「……心配しなくても、別に何か処分とかは考えちゃいないし、そもそもお前らに怒ってるわけでもない、安心しろ」

 

「え、そうなんですか?」

 

「ああ……単なる別件だ。怯えさせちまったことはむしろ詫びる」

 

 その言葉に、目に見えてほっとするA組一同。

 しかしそれならそれで、『一体何でこんなに怒ってるんだ?』という疑問が今度は出てくる。

 

 生徒である自分達を傷つけられて……というのも考えられなくはないが、重軽傷者多数だった林間合宿の時よりも、一応全員(一部は治療済みとはいえ)軽傷で済んでいる今の怒り方が激しいのは、やや違和感がある。

 

 加えて、相澤だけでなく、プレゼント・マイクも一緒になってブチ切れているという状況が余計にわけがわからなくさせていた。この2人は確か、高校時代からの仲だったというのは聞いたことがあるが、それに何か関係があるのだろうか?

 

 相澤もマイクも、何も言わない。

 隠しきれない苛立ちを滲ませて……しかし、聴力に優れる耳郎や障子が聞き取ってしまう可能性を考えて……心の中にとどめている。

 

 先程知ってしまった、あまりにも残酷で、悪趣味で……はらわたが煮えくり返るような事実を。

 

 

 

 遡ること十数分前。

 

 病院が、超がつく危険度のネームドヴィラン4人(ナインの部下も加えれば7人)に襲撃されたという報告は、雄英にも当然入っていた。

 警備員や、駆けつけたヒーローが軒並み蹴散らされたという凶報もセットになって。

 

 それを受けて、相澤ら4人の教師兼ヒーローが出動し、病院にいる一般人、及び生徒達の救助と『敵』の撃退に赴いた。

 

 本来であれば、今の雄英からヒーローを動員するわけにはいかない。しかし、生徒達がひとところにまとまっているという状況と、その病院で超法規的措置が発動されているという緊急性、そしてトドメに、別件の『摘発』で有力な動けるヒーローがほとんどそちらに行っているという状況がそれを可能にし、根津校長に決断させた。

 

 放置していれば、生徒達はもちろん、数百人に及ぶ一般人が死傷される可能性がある。すぐに動ける4人が選別され、相澤達は数分後には現着していた。

 

 だがその直後に事態は急変する。

 

 丁度その時、緑谷がサイコフレームの光で戦場全体を照らし――光自体が届いていなくとも、多少なりその力は及んでいた――それが、思わぬ事態を引き起こしたのだ。

 

 サイコフレームの光は、いわば『心の光』。それを通して、触れた者達の心をつなぐ力がある。

 それにより、緑谷の存在の意思の強さを感じ取り、消えかけた永久の意識は覚醒した。

 

 永久以外にも、あの光の影響を受けて……不思議と勇気が湧いて出たり、恐怖が薄らいだり、気を失っていたところ目覚めた者達がいる。中には、緑谷の存在をふと感じた、という者や、共に戦っている他の生徒達と、無意識に共感できた者もいた。

 

 永久がこれを知れば、『サイコフレームだけじゃなくてGN粒子混ざってね?』という感想を抱いたかもしれない現象が起こっていたわけだが……これが、イレイザーヘッドとプレゼント・マイクにも作用したのである。

 

 そして……もう1人、この場に潜んでいた……黒霧にも。

 

 もっとも、ここに来ていた黒霧は、トゥワイスによる複製である。本物は、現在すでに神野区でエッジショットによって気絶させられている。

 だがそれでも、それは発動した。してしまった。

 

 その結果、あるつながりがあった3人の心は共鳴し……知ってしまったのだ。ある残酷すぎる事実と……そこに込められた、途方もない悪意を。

 

 『敵連合』の保有する戦力の1つ……『脳無』。

 たびたびニュースでも報道され、その存在が周知のものとなりつつあるこの怪人……もとい『改人』は、人間の死体を改造して作られている。

 

 生きた人間を改造して作られている者もいるかもしれないが、捜査線上に上がってきた者の中には、公的な記録上、既に死んでいる者とDNAが一致している個体も複数確認されている。

 

 少なくとも、今回は……その例に該当する。

 

 異形型の『敵』であると思われていた『黒霧』が、知性を持つ『脳無』であるということ。

 

 そして、そのベースに使われている遺体が……相澤とマイクのかつての学友……『白雲朧』のそれであるということ。

 

 サイコフレームの光を通した『心の共鳴』で、2人はそれに気づいてしまった。

 

 一体何が起こって、どうやって自分達はそれを『知った』のかを理解できたわけではなかったが、漠然と『それは事実である』という、妙な確信だけがあった。

 その結果が、あの激昂である。

 

 いっそ何かに八つ当たりしたいほどの憤怒を必死に押し殺しながら、相澤とマイクは、生徒達の点呼や状況の確認、雄英への報告をこなしていく。

 

 

 

 ……もう1人、それによって……目覚めかけている者がいるとは知らずに。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 神野区で始まった、オールマイトとオール・フォー・ワンとの決戦。

 

 周囲に誰も近づけないほどの凄まじい激突。

 それを、余波が届かない程度に離れたところで……死柄木は見ていた。

 

 逃げもせず、かといって手を出すでもなく、ただただ見ていた。

 

 黒霧が気絶しているため、逃げる手段がないというのもある。

 もっとも、AFOならば、『個性強制発動』という手段によって、無理やり黒霧の『個性』を発動させて彼らを逃がすことはできるのだが、それも蹴って。

 

『もう少しで何かつかめそうなんだ……先生。ここにいさせてくれ』

 

 そして、そういう意図はなかったとはいえ、彼の存在は……否応なしに、オールマイトの拳を鈍らせていた。

 

(彼が……お師匠の孫……? 彼女の……家族……!?)

 

 ここに来る前に告げられた、衝撃的にも程がある事実。

 それに合わせて並べたてられた、壮絶と言う他ない過去。聞いてしまえば、歪んでしまっても当然とすら言えそうな。

 

 かつて、オールマイトの師匠……七代目『ワン・フォー・オール』継承者、志村菜奈は、『敵』の襲撃で夫を亡くし……『巨悪』との戦いを見据えて、息子である志村弧太郎を里子に出した。そして、自分に何かあっても、その子には関わらないで欲しい……と、オールマイトやグラントリノに言い残していた。

 

 それに従い、2人はその息子、そしてその家族を探すこともしなかった。

 それが……最悪の結果を招いたことに、オールマイトは内心ひどく困惑していた。

 

(今までどんな気持ちで……そんな彼を、我が物顔で追い詰めて……私は、何を、何ということを……! 何とか、話が……できれば……! 話を、せねば……!)

 

「考え事かい? 余裕だね、オールマイト」

 

「ぬぐっ!?」

 

 AFOが放った空気の弾丸がオールマイトを捕らえ、ビルをいくつも貫通させて吹き飛ばす。

 

 だがその数秒後には、跳躍して戻ってきたオールマイトが殴りかかり、ふたたび戦闘が再開される。

 

「凡その予想はつくよ。弔の話を聞いて、話をしようとか、説得したいとか思っているんだろう? 僕には珍しく善意で忠告しよう……無駄を通りこして余計なお世話だ、やめておくんだね」

 

「AFO……貴様、どこまで悪辣な……! お師匠の家族を探して、悪の道に引きずり込んで……! 私への嫌がらせか! それとも……」

 

「そういう一面がないとは言わない。彼女の家族を探した動機がそれであることも認めよう。しかしだねオールマイト……彼の境遇そのものには、僕は何一つ手を出してなんかいないんだよ」

 

「嘘を……!」

 

「嘘じゃない。実際あの時は、僕も本気で驚いた。長いこと生きてるが……あそこまでの悲劇が、それも、誰の意図したことでもなしに天然物で起こったのを見るのは初めてだった」

 

 ガキン、と硬質な音を響かせて、オールマイトの拳を弾くAFO。

 返す刀で放たれる薙ぎ払いに、『衝撃反転』の個性を使ってその威力をはね返し……体制が崩れたところに、突風を叩きつけて無茶苦茶な軌道で吹き飛ばす。

 

 宙に浮いたところに再びの空気弾。しかしオールマイトも空中で拳を放ち、強引にそれを相殺する。

 だが、踏ん張るものがない状態ではなったため、ダメージは軽微ながら、再びオールマイトは吹き飛ばされ、別なビルに突っ込んだ。

 

「『地獄への道は善意で舗装されている』というのは、僕が生まれた頃から存在する、ある種の格言だが……上手く言ったものだと思ったね。あの時ばかりは、素晴らしいものを見せてくれた君のお師匠の英断に感謝してしまったくらいさ。墓前に花を持って行って報告しようかとすら思った」

 

「お師匠にッ……そんなつもりはなかった! 彼女はただ……貴様のような『敵』から彼を、子供を守ろうと……巻き込むまいと!」

 

 叩き込まれた先のビルの中から、『テキサススマッシュ』の爆風が飛んできて……それをAFOは、同じく暴風で相殺する。

 

 その背後に回り込むように跳躍したオールマイトが、地面を殴りつけて足場を壊し、しかしAFOは別な『個性』で浮遊してバランスを崩すことはない。

 だが、それにより先程の自分と同じく踏ん張ることができなくなったAFOを、オールマイトは殴り飛ばす。

 

「だから素晴らしいんじゃないか。不器用だが混じりっけのない、純粋な善意と愛情……それが子供に、上手く伝わらずに歪み、孫に届くころには悪意と憎悪に変わった。まるで極上のワインのように、熟成が進んで、そして……あの子が誕生したんだ」

 

「それに目をつけて、悪の道に引きずり込んだのか……貴様は……!」

 

「放っておけばよかったとでも? 全てを失って茫然自失となり、とぼとぼと歩く彼を? まあ……君からすれば僕が拾ったこと自体が気に食わないんだろうね。でもなら、誰が拾えばよかったんだい? 彼が全てを失ってから1日余り……誰一人として彼を助けようとはしなかったぞ?」

 

「っ……!?」

 

「誰か他の人が助けるだろう。放っておいてもどうにかなるだろう。ヒーローが何とかしてくれるだろう……彼を目にした大人達は、ことごとくそんな風に言い訳して彼を避け、逃げ、突き放した。衰弱し、絶望し、生きる気力を失いかけ、ついには自ら辛い記憶を封印するまでになった1人の少年に……そのまま野垂れ死ねばよかったと?」

 

 路地裏でうずくまり、不良に蹴飛ばされ、明日か明後日には冷たくなっていてもおかしくなかった……その時はまだ『志村転弧』だった少年。

 

 若干5歳にして全てを失い、最後に残った命すら失おうとしていた彼の姿を、AFOは今でも覚えている。見えなくなった目に、その姿が焼き付いていた。

 

 自分が手を差し伸べた時の……安心でも警戒でもなく、困惑した表情も。

 他人に手を差し伸べてもらう、という経験にあまりに乏しかったがゆえの表情だった。

 

「熟成された悪意の中で育ち、社会の悪意にさらされて、そうして出来上がったのがあの子だ。確かに『敵』としてのイロハを……破壊衝動の解放の仕方や、裏社会の渡り歩き方をの教えたのは僕だが、それは彼を利用しようと思ってのことじゃない。……最初はそうだったがね、思い直した。見出したのさ、僕も……彼に、破壊と恐怖の象徴としての器をね。君が緑谷出久に見出した、英雄の精神と同じように。既に……継承も済んでいるようだしね」

 

「……気づいていたのか」

 

「むしろ隠すつもりがあったのか? 体育祭からこちら、あれだけ派手に活躍させておいて……僕が気付かないとでも? ああ、その頃はまだ僕が生きているとは思っていなかったのかな……まあいい」

 

 わざとらしく『痛たた……』と、オールマイトの拳を受け止めた腕を振るAFO。

 

 直後、その指先から長い触手のようなものを伸ばし、オールマイトを刺し貫かんとする。

 オールマイトはそれを回避して距離を詰め……超人的な反射で、背後から追ってくる触手をさらに回避。間合いにとらえたAFOに拳を叩きつけるが……受け止められる。

 

「もう君の中に『ワン・フォー・オール』はない……拳を合わせて気づいたよ。そうでなくとも……随分と衰えたようだな」

 

「ああ……お互いにな! 6年前とは戦法も、使う『個性』も違うようだ……激しく動くのが辛いなら、ベッドで寝ていればいいものを! 安心しろ、私が手配してやろう、飛び切り寝心地のいい……24時間監視付き、一言でも口を開けばナースコールになる、監獄のベッドをな!」

 

「それはありがとう。代わりと言っちゃなんだが、僕も君に棺桶くらいなら用意させてもらおう。埋葬と火葬、どっちがいい? 君は一応日本人だが、ホームをアメリカだという声も世の中には多いからね……それによって棺桶の材質と、墓のデザインを変えないと」

 

 一瞬遅れて、激突した衝撃が地面に流れて、その場の周囲の瓦礫ごとはじけ飛ぶ。

 

 人の領域を超越した力を振るう2人の戦いは、何者も邪魔に入ることを許さず、終わる兆しを見せず続いていく。

 

 ……そんな、死柄木も、連合メンバーも、遠くで飛んでいる報道のヘリも、見守っているしかない戦いの端で……

 

 

 

「…………ショー…………タ……」

 

 

 

 何かが、起ころうとしていた。

 

 

 

 

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