TSから始まるヒロインアカデミア   作:破戒僧

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第146話 VS キュレーター

 エンデヴァーらがウォルフラムを打ち果たしたのと同じ頃。

 

 キュレーターを相手取っていたリューキュウと、その事務所に勤めるインターン生である波動ねじれは、そのあまりの攻撃力とタフネスに、さすがに攻めあぐねていた。

 

 リューキュウの個性『ドラゴン』は、その身を巨大な龍に変えて戦闘できる。その力は決して見掛け倒しなどではなく、並の『敵』であれば、片手で制圧できてしまうほどの圧倒的な近接戦闘能力を発揮する。

 

 波動ねじれの個性『捩れる波動』は、手や足から強力なエネルギー波を出して攻撃するものだ。なぜか螺旋状に『捩れて』しまうためにスピードこそ出ないものの、その威力は巨大化型の『個性』を持つ敵さえもなぎ倒してしまえる威力である。

 

 2人共、並の『敵』であれば相手にもならないレベルの戦闘能力を誇るが、ことここに至っては相手がそれ以上に規格外と言う他ない。

 

 ドラゴン化したリューキュウを軽く超える巨体に、その2人の攻撃を幾度食らっても揺るがないほどのタフネス。それでいて、肉弾戦はもちろん、『鯨』の潮吹きや超音波攻撃により遠距離戦にも隙がない強敵。

 

 ウォルフラム同様、国際的に活動し、幾度も各国のヒーローや警察組織による摘発をはねのけ、時に商売敵の裏稼業を力尽くで叩き潰している実績は伊達ではないということのようだ。

 

(現状は千日手、いや、こちらが劣勢……果たして、他のヒーローの加勢が届くまで持ちこたえられるかどうか……っ!?)

 

 リューキュウが、残り多いとは言えない体力を鑑みながら、どう戦ったものかと思案していたその時……その横を通り抜けて、巨大な影が突如現れた。

 

 いや違う、横を通り抜けた瞬間に、巨大な影『に、なった』のだ。

 

「復活のォ~……キャニオンカノン!!」

 

 ちょうど、波動ねじれに対して追撃を行おうとしていたキュレーターに、巨大化したMt.レディの飛び蹴りが直撃し、大きくたたらを踏ませる。

 

 それをさらに蹴飛ばす形で、反動で飛んで帰ってきたMt.レディは、地響きと共に着地した。

 その体には、先程まであったはずの傷がなくなっており、リューキュウは『ギャングオルカの話、ホントだったのね』と感心していた。

 

 雄英生の中に、一瞬で傷を治癒、あるいは修復してしまえるほどの強力な『個性』持ちがいたという話で、現に彼もその身に刻まれていたはずの傷を、服の損傷ごと直されていた。

 

 そのギャングオルカは、再び傷を増やしながら、『シャチ』である自分の上位互換と言っていい『鯨』の個性持ちのキュレーターを相手に、臆することなく近接戦闘で戦い続けていた。

 体格差を考えれば、有効打は与えられないことはわかりきっていたので、主にリューキュウや波動ねじれのフォローのために。

 

「痛った……なんつー石頭よ。鯨って頭全部頭蓋骨か何かなわけ!?」

 

「……巨大化しても所詮は女の一撃だな。図体だけの半端な野郎が、いまさら何の用だ?」

 

「野郎じゃないですー、女ですー! ふん、ちょっと前までの私と同じだと思ったら大間違いよ!」

 

 そう言いながら、なぜかMt.レディはその体を再び小さくする。

 

 何のつもりだ、と、キュレーターのみならず、リューキュウ達も同様に注目する前で……『持ってこォい!!』と腹に力を入れて叫ぶMt.レディ。

 まるで応援団か何かを思わせる、雄々しさすら覚える迫力である。

 

 すると、いつの間にかその背後に来ていた八百万と永久、そして泡瀬が、手に持っていた何かをぱぱっとマウントレディの全身に装着させる。加えて、そのいくつかを、

 

「泡瀬さん!」

 

「おう! 早業着工『ウェルドクラフト』!」

 

 泡瀬が『溶接』の個性で一瞬で組み合わせて結合し、そうして形作られたのは……鎧だった。

 

 と言っても、甲冑のような重厚なそれではなく、プロテクターか何かを思わせる、急所と関節、それに手足の一部を覆う程度のもの。八百万の『創造』で作った超硬合金製のパーツを、永久が『分解と修復』で形を微調整して作り、泡瀬が組み合わせたものだ。

 特徴的なところとしては、背中にいかにもヒーローと言った見た目になるような黒いマントを、両腕と両足に重厚な手甲脚甲を装着している。マントはともかく、いかにも肉弾戦用といった姿だ。

 

「よぉしご苦労。そんでもって……『巨大化』!」

 

「小大!」

 

「……ん。……『大』」

 

 直後、Mt.レディの再びの『巨大化』に合わせて、小大が『サイズ』の個性を使い、装着している鎧を一緒に巨大化させる。Mt.レディは、鎧をまとった姿で、20m級の巨体となった。

 

 そこに今度は、塩崎が大量の『ツル』を出して、可動部や、鎧に覆われていない個所のいくつかに巻き付かせて保護したり、鎧ごと巻き付かせて接合を強めたり、鎧と体の隙間に入り込ませてクッション材代わりにしていく。

 

 そこにさらに、

 

「纏え『黒影』……その身をもって、降臨せし戦乙女の鎧となれ! 『深淵闇駆』!」

 

 夜の闇によってパワーアップし、巨大化した『黒影』が、ちょうどその巨大に見合った大きさとなっているMt.レディに覆いかぶさるように一体化し、鎧の上から『深淵闇駆』を発動。

 

 鋼の鎧と、茨と闇の衣を見にまとい、先程までとは全く違う姿となったMt.レディが誕生した。

 

「これぞ本邦初公開! Mt.レディ・Ver.UAスペシャルよ! この姿になった私を破れた者は未だかつていないわ……覚悟なさい鯨怪獣!」

 

「そりゃそうだろ、今日初めて使う……ってか、さっき考えたんだから。しかも八百万が」

 

「おだまり! 決め台詞の最中に要らんこと言わなくていい! ほら仕事終わったんだからとっとと下がってなさいあんた達は!」

 

 『はーい』と返事をして後方に下がっていく面々。

 ただし、常闇と塩崎だけは『個性』の関係上、その肩に乗ったままである。きちんと2人が捕まれるように、手すりと足場、それに風防まで計算して作られていた。

 

 そんなやり取りを見て、リューキュウやギャングオルカは『大丈夫だろうか』という思いを禁じ得なかった。

 波動ねじれは『楽しそうだなー』とか思っていた。

 

 そしてキュレーターは最早呆れ交じりで、特大のため息すらついていた。

 

「アホか……まるでヒーローごっこ……いや、こりゃもう完全にヒーローごっことか悪ふざけそのものだな。いっそ楽にしてやるのも1つの情けじゃないかって気がしてきたぜ」

 

「へっへーん、好き放題言ってられるのも今のうちよバーカバーカ!」

 

 余計に残念なことになる視線を受けながら、しかしMt.レディ・Ver.UAスペシャル(以降省略)は先程までに倍する勢いで踏み出し、瓦礫の地面を盛大に踏み砕きながら直進して……大きく振りかぶった拳を、キュレーターの頭にたたきつけた。

 

 が、その頭部でそのまま受け止められ、今度はしっかりと踏ん張って構えていたキュレーターは、僅かに体を揺るがせもせず耐える。

 

「っ……ホンット、硬いわね! 手甲つけててもこっちの手が少し痺れちゃったわ!」

 

「小手先の道具で埋まるほど、俺とお前の間の溝は浅くねえぞ……おら、どうしたこんなもんか」

 

 そう言って、逆に頭を突き出して押し返そうとするキュレーター。

 Mt.レディは、手をグーからパーに変えて、さらに両手を突き出してそれを受け止めるが、徐々に押し込まれていく。

 

「ふん……やっぱりヒーローごっ……!?」

 

 と、呆れ交じりにキュレーターが言おうとした瞬間、

 

 纏っている部分から伸びた『黒影』の腕が、ゴッ!! と横から振りぬかれてキュレーターに直撃し、その巨躯をわずかにふらつかせる。

 その隙を逃さず、Mt.レディは、強く踏み込んでその巨体を押し戻す。

 

「……っ、こすい真似……を!?」

 

 かと思えばその直後、腰のあたりから伸びてきた『ツル』が、踏ん張ろうとしたキュレーターの足元に滑り込んで引っ掛けて思い切り別方向に引っ張って足を取る。

 

 バランスを崩したところに、

 

「まず一ぱぁつ!!」

 

 Mt.レディの飛び膝蹴りが、頭ではなくその顔面に直撃して蹴り飛ばす。

 

「ぐっ、が……このアマ……!」

 

「やっと一発いいの入ったぁ……ってそこで止まってあげるもんですかぁ!!」

 

 その直後、今度は肩口のあたりから、青い2匹のドラゴンが現れて首を伸ばし、キュレーターの両肩に噛みついて……蹴飛ばして離れそうになった巨体を強引に引き戻す。

 

(……!? あの青い龍は、軍服の生徒の……逃げたはずじゃなかったのか!?)

 

 後方に下がっていったはずの永久が、それどころかあの場にいた生徒ほぼ全員が、いつの間にか肩から延髄のあたりに乗って待機していたのを見て、さすがにキュレーターも驚く。

 いつの間に、どうやってあんな場所に、と。

 

 それでも、とっさに頭を前に出して構えたキュレーターだったが、Mt.レディは突如跳躍すると、そのままその体を『サメラ』が引っ張って、噛みついているキュレーターの体を支点にする形で、立体軌道のごとく空中で動かし……わずかな時間で横合いに移動。

 

 そのまま、変則的な『キャニオンカノン』を横っぱらに叩き込んで痛打を与える。

 

「まだまだァ!」

 

 さらに着地するより早く、『黒影』が2本の腕を伸ばして連続攻撃を加え、着地と同時に、Mt.レディが踏み出して殴りつけ、キュレーターがこちらを向く……ことすら許さずに、そのまま『黒影』の腕と合わせた4本の腕で、ドガガガガガ……とラッシュを叩き込んでいく。

 

 その様子を見ていたギャングオルカは、彼らの狙いに気づいて呟いた。

 

「なるほど……あの形態、狙っていたのはMt.レディの強化ではなく……『連携』と『手数』か」

 

 もともとキュレーターに対して有効打足りうる攻撃を放つことができるのは、よほど威力のある攻撃を放つことができる者に限られる。千差万別の『個性』、それだけの条件を満たすそれを持っている者は、プロヒーローの中にも限られるだろう。

 

 それに加えて、キュレーター自身もきちんと防御や回避を行って応戦してくるがために威力をそがれ、やはりそのバカげたタフネスに負けてしまうのだ。

 

 ならばどうするか。Mt.レディ達が……立案の八百万が導き出した答えは、単純だった。

 

 防御する暇がないくらいの苛烈さと頻度で、防御を許さないくらいの数を叩き込む。

 

 だが、単にタイミングをずらして交互に攻撃するだけでは難しい。相当に訓練を積み重ねた上でのコンビネーションならばともかく、急造のチームアップでは、別々に攻撃する以上上手くいかないだろう。それくらいの隙間があれば、恐らくキュレーターは多少なり対応してくる。

 

 ならば、全部1つにまとまってしまえばいい。

 

 ほとんど同じ場所ないし位置取りからならば、タイムラグは最小限になる。手を出すタイミングもつかみやすい。

 というか極論、隙あらば各自打っていくくらいの心づもりで問題ない。

 攻撃を繰り出す向きが同じ上に、的がやたら大きいということは、すなわち友軍誤爆(フレンドリーファイア)も起こりづらいのだ。

 

 Mt.レディが殴る。蹴る。

 常闇の『黒影』が黒い爪を立てた腕で叩きのめす。

 

 さらにそれを、永久の『サメラ』と塩崎の『ツル』が援護する。

 腕も足も、尾びれも、攻撃が形になる前に出足を潰す。

 

 それでも隙はわずかに生じてしまうが、そこにリューキュウや波動ねじれが飛び込んできてそれを潰し、再び攻撃が再開される。

 

 なお、波動の技『グリングウェイブ』は光を伴うため、下手をすると『黒影』が弱ってしまうのだが、それを見越して、発動を察知した瞬間に塩崎がツルで遮光幕を張り、それを防いでいる。

 説明する時間がないため、八百万はそれ自体作戦に盛り込んでいた。

 

 息もつかせぬ乱打に、キュレーターの鎧のごとき皮膚にも、さすがに傷が増えていく。

 

 だが同時に、その胸のうちの怒りもまた、ふつふつと膨れ上がっていた。

 

「調子に、乗ってんじゃねえェェエエェエ!!」

 

 咆哮と共に、その目に怒りを滾らせたキュレーターが、叩きつけられる連撃を無視して、強引に振りほどいて突っ込んでいく。

 

 止めようとしたリューキュウを押しのけ、ギャングオルカや波動、塩崎や永久の妨害もものともせずに、体に傷が刻まれるのも無視して飛びかかり……そのあまりの勢いに、Mt.レディも受け止めきれずに体勢を崩す。

 

 そして、そのまま頭を突き出して頭突き……かと思いきや、ぐあっと口を大きく開いた状態で飛びかかる。

 ずらりと並んだ鋭く巨大な牙。1本1本が人間の手よりも大きいそれを見れば、噛みつかれればどうなるかなど想像するまでもない。

 

 そのまま食いちぎらんとするキュレーターを、Mt.レディと『黒影』が4つの腕でどうにか止めるが、徐々に押し込まれていく。

 

「その不細工な面……削り取ってやる……っ!」

 

「誰が不細工よっ、この、美麗セクシー大注目株に向かって……けどっ、残念だったわね鯨野郎! 私達はむしろ……この時を待ってたのよ!」

 

「何……!?」

 

 Mt.レディの言葉に、キュレーターが驚いた直後のこと。

 その装甲の胸元にあった飾りのようなパーツが左右に開き、そこから……

 

 

「――この一瞬に、キラメく☆」

 

 

 青山が放った最大威力の『ネビルレーザー』が、大きく開かれていたキュレーターの口の中に放たれ……その上あごを貫いた。

 

「ごっ……がああぁぁああ!?」

 

 その一撃が命を刈り取る……などと言うことはなかったようだが、異変はすぐに起こった。

 

 動揺した隙に蹴飛ばして距離を取ったMt.レディ。その見ている前で、キュレーターの口から……恐らくは今、青山の『ネビルレーザー』が穿った穴から、ボトボトと多量の液体が流れ出てくる。

 

 異様な光景にぎょっとする者も多いが、これはMt.レディの言った通り、八百万が作戦の一環として狙っていた展開である。

 もし狙う機会があれば、という程度のそれではあるが。

 

「やはり……思った通りですわ。『脳油』……ありましたか!」

 

 彼女の有する膨大な知識の中には、鯨という生き物に関するものもあった。

 

 恐らくは、その外見からして、キュレーターの変形のモデルである『マッコウクジラ』……その特徴の1つに、『脳油』というものがある。

 

 潜水の際に使われる身体器官であり……そこにたまっている液体を個体にしたり液体にしたり切り替えることができるのだが、それは固めれば恐ろしく硬質になる。『個性』として磨き上げられているとすればなおさらだろう。

 先程からの驚異的な威力の頭突きや、ろくに攻撃を通さぬ防御力は、恐らくそれによるもの。

 

 しかしそれならば、それを抜き取ってやれば……キュレーターは、己の矛と盾を同時に失うことになる。

 

「Mt.レディの拳、『黒影』さんの爪、リューキュウの爪と牙、波動先輩の衝撃波……どれも外側から貫くには至らなかった。やるならば最も脆いであろう口の中から、それも至近距離で、貫通力のある一撃を。ある種の賭けでしたが、上手くいきました」

 

 青山の『ネビルレーザー』は、デメリットも多いが威力だけならばヒーロー科を合わせてもトップクラスと言っていいレベルである。至近距離で全力で放てば、厚さ1mを超えるコンクリートの塊すら容易く貫通するほどであり、うかつに人間に向けられないほどの殺傷力なのだ。

 

 ゆえに、『その時』が来るまで青山には徹底的に隠れていてもらい、見事今、それが結実した。

 

 巨壁のようだったキュレーターの頭部が、少しずつしぼんでいく光景に、Mt.レディ達は作戦の成功を確信し、一気に攻勢に出る。

 

 降り注ぐ拳と爪の乱打。

 その衝撃を防ぐ盾をなくし、ダイレクトにダメージが叩き込まれていく。キュレーターはまたたく間に追い込まれ、体力を削られ、窮地に陥っていった。

 

「こん゛っ……の゛ぉ!!」

 

 キュレーターは死に物狂いで力をため、『脳油』を失っても使える能力である超音波を放つが、その瞬間、Mt.レディのマントが、まるで意思を持つかのように翻ってその正面を覆った。

 

 そこに届いた衝撃波は、そこに至るまでの瓦礫を粉砕する威力で進んでいたが……まるでそのマントに阻まれてかき消されたかのように、なくなってしまった。

 

「体育祭の時、芦戸さんと発目さんの試合で目にした防護シート……そこに使われている振動・衝撃吸収構造を再現したマントです。超音波対策にと作っておいたもの……そして」

 

「黒く塗っていたのは……この俺が潜むためだ」

 

 姿を隠していたもう1人……黒色支配の姿が、マントの漆黒の表面の中から浮かび上がる。

 

 黒い色のものの中に潜むことができ、その『黒』を操ることができる能力。それを利用して、いざという時にマントを操作して盾にする役割を担っていた。

 

 付け加えるなら、先程撤退したはずの、常闇と塩崎以外の面々がMt.レディの元に戻ってきていたからくりも、黒色が犯人である。潜んだ『黒』の表面を高速で移動できる黒色は、後方で翻るマントをレール代わりに、後方に下がった面々を素早くピストン輸送で肩の所まで運んでいたのだ。

 

「そして……いよいよ限界みたいね鯨野郎。これで、決まりよ!」

 

 再びマントを翻し、地面を蹴って一気に距離を詰めるMt.レディ。その勢いのまま跳躍し、両足をそろえて突き出し、足の裏からキュレーターに、正面から激突する。

 

 スリムな体系とはいえ、20mの巨体から繰り出されたドロップキックは、破滅的な音を立てて命中。加えて、鎧と体全体にまとわれていた『黒影』が両足部分に移動し、さらにそこに黒色が『黒影』そのものに潜り込んだ。支配……ではなく、サポートのために。

 

 とどめに、永久が『気象操作』で暴風を起こし、背後に放出して分出力に変え……

 

 

 

「キャニオンカノン・ダークネスブレイクスペシャルゥゥゥウゥ――――ッ!!!」

 

 

 

 ズガン! ズガン! ズガン! ズガンズガンズガンズガンズガンズガンズガズガズガズガズガズガズガズガズガズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ―――――!!

 

 蹴りの威力に加えて、漆黒の暴風のごとき勢いで黒影の腕に連撃が、しかも黒色のサポートにより恐るべき速さ・回転で連続して叩きつけられ、しかもそれが暴風に乗っての推進力が加わったことで、まさしく殺人的な威力に。

 瓦礫の地面をえぐりながら何十mも引きずられるように蹴り飛ばされ、ついに地面に潰されるように叩きつけられたキュレーターは、その周囲に浅く、だが巨大なクレーターを作って倒れ伏す。

 

 

 ガガガガガガ―――――ドッゴォォオオォオン!!

 

 

 その意識は、蹴りが決まっている最中に既に刈り取られていた。

 

 倒れ伏して数秒後、一拍遅れてその体が縮み始め……人間の大きさに。

 

 後には、ぴくりとも動かなくなって倒れ伏す、『個性』が解除されたキュレーターと、その眼前で、握った腕を大きく突き上げて勝利のスタンディングを見せるMt.レディが残った。

 

「完・全・勝・利っ!!」

 

 

 

 




最後の必殺キックは、某吸血鬼ライダーの最強形態の必殺技をイメージしました。
わからない人は、『エンペラーフォーム』とかで検索すると出るかも。
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