毎年行われる『雄英潰し』という慣習の存在により、実力はあるものの、ある種ハンデを背負っているも同様の条件にある雄英高校。
今回はしかし、開始早々にその全員が1次試験を突破するという事態になった。
永久の『風雲雄英城』あってのものである点は否めないが、自分達に有利なステージを作り、その上で連携によって『全員での勝利』を勝ち取るという結果は、ヒーロー公安委員会にとっても、無視できるものではない……いやむしろ、重要視すべき点だった。
今回の試験、いや今回以降の試験においては、公安はよりいっそう、ヒーローに『個の力』だけでなく『群としての優秀さ』をも求めた内容にしていく方針になっている。
オールマイトの復帰が絶望視されている今、その穴を補う力が要る。
しかし、あれほどの実力及びカリスマを持つヒーローはそう簡単には現れない。
今現在No.2、繰り上げでNo.1の地位に就くことが確実視されているエンデヴァーですら、衰えたオールマイトとの間にすらも、圧倒的な差があった。
個人の強さでは、『穴』を埋めるのは最早難しい。いやそもそも、オールマイトという圧倒的な『個人』に、治安やら何やらを依存してきたのが問題だった。
これからのヒーローには、オールマイトが1人で背負っていたそれらを、結束・協調によって補うことが求められる。公安委員会及び警視庁はそう未来を見据えた上で、この判断を下していた。
実際、例年の試験から見ると、その難易度も方針も、決して小さくない転換になっているため、観客席でこちらの様子をうかがっている相澤達は、冷静を装いつつも驚き、そして自校の生徒達のことを考えて、多少なり不安になっていた。
それを理解しつつも、必要な能力を持っている者を見極めることこそ試験の本質だと、眠い頭に鞭打って試験を目良は監督していたわけだが……現在彼は、率直に言って驚かされていた。
(今年の雄英は粒ぞろいですねえ……あの生徒一強のように見えて、1次試験も2次試験も、各自の協力及びその個々の実力が光っている。努力や経験あってのものだろうが……とんでもない世代だ)
今現在、既に始まっている2次試験。
課題は『救助』。会場内に散らばっている要救助者を、いかに的確に救助できるかを見るものだ。
もちろん、その要救助者は、本物の怪我人ではなく、役者……どころではない。
『HUC』――『Help Us Company』という団体に所属する、いわば『要救助者のプロ』であり、救助に当たる生徒達の採点すら行う。彼らを助ける過程で、どれだけ点数を稼げるか……ではなく、持ち点から『減点されないか』が判断基準となる。
すなわち、ただ自分の力を誇示するだけのワンマンプレーはむしろマイナスであり、いかに他者と――それが例え他校の生徒であっても――協力して効率よく、時に役割に徹してでも、救助にあたれるかが重要となる。
そして、その採点基準において……今年の雄英高校、1年A組は圧倒的だった。
『こちら八百万! エリアF4要救助者2名救助完了!』
「こちら栄陽院了解、同エリアにおいて暫定発見されている要救助者全員救助完了を確認。八百万班はそのまま、隣接するエリアE4へ。未探索のエリアだから、移動して要救助者捜索に当たれ。蛙吹班、先程新規に要救助者発見の報告が入ったが状況詳細は?」
『けろ、人数は2名。うち1名が水辺にいるから私が行く予定だけど、老人でケガをしていて出血もかなりあるから体力の消耗を避けるために遠浅の部分を大回りする予定よ。その他は現在救助中、トリアージはいずれもイエロー。急を要しないから安全と負担軽減第一で作業中、応援は不要よ』
「救助見込み、応援不要、了解。……入電。こちら栄陽院、どうした緑谷?」
『こちら緑谷班! 新たに要救助者2名発見、トリアージグリーン1、レッド1! レッドの方は出血が酷くて処置に急を要するけど、背中から腰に掛けて痛みを訴えている。状況から背骨に損傷がある可能性があり迂闊に動かせない! 固定具がいる、瀬呂君か八百万さんを応援に欲しい!』
「了解。八百万、応答せよ。緑谷班より応援要請、トリアージレッド、脊髄損傷防止のため固定具を要する。場所はC7、対応可能か」
『八百万班了解、直ちに向かいますわ!』
ほとんどの者が、他者と相談しながらも個人で動く中で、雄英は最初から『組織』として動き始めていた。チームを組んで現場で身軽に動きつつも、無線を通して報告を密にし、逐一状況を報告して情報を共有しながらことにあたっている。
試験開始直前、試験としての設定が発表された段階で、永久は八百万に頼んで試験場の簡単な図面を人数分作成してもらい、それを縦横にマス目状に区切ってエリア分けをした。
その上でクラス20名を3~4人一組に班分けし、緑谷、爆豪、飯田、永久、蛙吹、八百万をリーダーとして、合計6班で行動を開始。
さらに永久をその中で『司令塔』役とし、各班からの情報の集約と情報の管理、状況に合わせた配置の指示等を一手に行う立ち位置とした。
どこで要救助者を何人見つけた、どんな状況、状態は、トリアージは……そういった情報を集約して全員で共有できるようにしておくことで、必要な人員を即座に手配し、またこの時、各自がいる場所を即座に把握するにあたり、事前に分割して用意したエリアの図面が役立つ。
1つ1つ単純とはいえ決して少なくない情報量を、永久はコスチュームの新機能も駆使して見事にさばいてみせた。
軍帽の鍔の部分に格納されているヘッドマウントディスプレイを使い、さらに音声入力機能で自分が口にしたこと、及び無線で入ってくる各班の情報を記録。必要に応じて適宜見返しながら、時に、複数の班から同時にあげられる報告にすら対応する。
『こちら八百万班、C7エリアでの処置完了しました』
『こちら緑谷、八百万さんに手伝ってもらって救助無事を完了。後は僕らの班だけで対応可能……あっ、内容ダブっちゃったかな? とりあえず八百万班、フリーで』
『こちら飯田班、G2エリアにて、瓦礫の下から要救助者の声がするのだが、暗くて位置及び状況が確認できない! そう深いところではないと思うが……』
『こちら蛙吹班よ。ちょっと大きな瓦礫がいっぱいあってルート確保が難しいの。場所からして、多少手段荒っぽくてもいいからどかせる人よこしてほしいわ』
「全部了解。八百万、G2エリアの飯田班合流、ライト作って照らしてやってくれ。緑谷班、救護終わったらさっきまで八百万班が向かってたE4エリアの探索に移ってくれ。爆豪班、今手空いてるな? H8エリアの蛙吹班に合流してルート確保の手伝い頼む」
『あぁ!? こっちも今忙しいんだよ、声はするけどどこにいるか見つからねえ! 探し中だ! 他の奴行かせろや!』
「お前の班、お前と切島と上鳴だろ? 感知タイプいないから姿が見えない奴の捜索は不利だ、私が行くからお前は蛙吹の方頼む」
『ふざけんな! 俺がやるっつってんだよ、誰がテメェの……』
「あっそう。あ、緑谷すまん、やっぱお前蛙吹の方に行ってくれ、なんか爆豪が俺には無理だって言ってて当てにできなくてだめだわ、お前なら楽勝だろうからちょっと代わりに……」
「ふざっけんな誰がんなこと言ったクソが! ぶっ壊してやるからとっととその瓦礫と蛙女の場所教えろやァ!」
(上手く使ってる)
(さすが司令塔)
無線の向こうでは、切島と上鳴がそのやり取りを聞いて感心していた。
ちなみにこの2人、『爆豪班』と銘打ってはいるが、1次試験に引き続き、単独行動をとる爆豪になんとなくついて行っただけである。
☆☆☆
「1次に引き続きあの女子か……いや、それに加えて個々の完成度も高いし……今年の雄英すごいな。マジでどんなカリキュラム組んでるんだよ? デート行こうぜ」
「行かねえ。……カリキュラム……も、まあなくはないだろうが……さっきも言っただろ。あいつらが勝手に火ィつけ合ってるだけだ。あとはまあ……経験、だろうな」
やや苦々し気な声音を交えさせて、相澤はMs.ジョークの冗談交じりのトークに返す。
(『病院跡地』及び『神野区』での総力戦を経て、うちの連中の頭の中には、死地で生き残るため、そして他を生かすために必要なことが何か……即座に状況を判断し、時に自分は役割に徹してでも他人に任せることの重要さが刻み込まれてるはずだ。加えて栄陽院は、もともと後方支援系の技能を優先・重要視して習得している上、状況を分析する能力は母親譲りだ。今回みたいなケースは、むしろ得意分野……奴は『司令塔』として、流動する局面で他を動かすことにこそ真価を発揮する)
最終決戦での『マトリョーシカアタック』然り、その前の暴走オーバーホールを含む敵や脳無達との戦い然り。
各自が最も力を発揮すべき場面で全力を出し、後は他を信頼して任せる。その繰り返しで、自分の教え子達が、あのプロヒーローすら簡単に死ぬ戦場を生き抜き、どころか見事決定打への道しるべすら築いてみせたことを、相澤は知っている。
否応なしにチームプレイの重要さを、そしてそれが生む力の大きさを知ることとなった。1+1が10にも100にもなるということを、実感どころか実証してみせた。
本来ならば、もっと時間をかけてカリキュラムの中で学んでいくはずのことだった。それを、死と隣り合わせの極限状況で彼らは知った。
とても『合理的』などとは言えず、素直に喜んでいいものかとすら思える。それでも、その経験は確かに彼ら彼女らの『力』になっている。
眼下に広がる光景は、それをこの上なくわかりやすく物語っていた。
(……ま、教師としては、結果を生かすことは考えても……決して喜ぶべきことじゃないんだが)
一連の事件において、雄英生徒42名がとった戦闘行為については、病院跡地のそれについては、ターニャが手を回した『超非常事態宣言』によって法に触れないとされてはいるが、その後の神野区での戦いにおいては、かなりグレーゾーンであったため、しばし公安委員会で協議されていたことを、相澤は知っている。
『敵連合』の黒霧によって42名全員が『拉致』される形でその場に現れた、という証言が、現場にいた複数のプロヒーロー達によってなされているため――ごく一部の者だけが、その裏にあったさらなる事情及び『奇跡』の存在を知っているが――自発的に規則違反を犯したわけではないことはわかっている。
また、オールマイトを含め、その場にいたプロヒーローの大半が重軽傷を負うほどの激戦だったこと、大量の脳無や強力なネームドヴィランがいたこと、世界最大級の危険度を誇る『オール・フォー・ワン』という存在がその場にいたことなど、『個性』を用いて応戦するに値する事情が十分にあったと認められた。
そして、やや俗な理由ではあるが……当時、各種放送局によって生中継でテレビ放送されたその光景を見た視聴者たちにより、生徒達を称賛・擁護する声が多数上がったことも大きい。
オールマイトやプロヒーロー達と力を合わせ、その身を盾にして道を切り開き、前代未聞の凶悪な『敵』を倒したその一夜の出来事は、当然ながら日本中、いやまたたく間に動画が拡散したため、世界中の知るところとなっている。
もちろん、無資格の未成年による『個性』使用や、他でもない『マトリョーシカアタック』を、無謀だなどと批判する声もあったが、それを大きく上回る規模の賞賛があり、言ってみれば、民意は完全に生徒達の味方だったのだ。
そして公安も、これから来ることになる『平和の象徴』不在の時代を乗り切るために、利用できるものは何でも利用することに決めた。『神野区』で生まれた英雄譚をその起爆剤とするために、生徒達の行動を処罰するという選択肢は、その瞬間完全に消失した。
結果として、厳重……ともつかないような口頭での注意だけで決着となったのだ。
そしてその、ある意味特赦とも呼ぶべき判断は、その場にいた全ての者達に対して向けられることとなった。
何を隠そう、相澤もそれにあずかった1人である。
幾度も生徒達に対する襲撃を許したことが学校の不始末となり、記者会見で頭を下げた相澤は、今後の展開によっては、教師を続けることが難しくなるかもしれない、とも覚悟していた。
入寮の時、蛙吹が『いなくなってしまうかと思って怖かった』とこぼしたが、相澤がその時に返した『俺もびっくりだ』という言葉は、冗談でも何でもなかったのだ。少なくとも、相澤にとっては。
雄英への風当たりという状況ももちろんあったし……ごく一部のみが知っている、『奇跡』についてのこともある。あの時、相澤とマイクは、聞こえて来た親友の……白雲朧の声に応えた。あの時の自分達の声が、あの大規模転移の発生に全く関係がなかったとは思えない。
考えすぎかもしれないが、それでも、原因の一端が自分達にあるという思いは消えず。
ゆえに、二重の意味で覚悟をしていた相澤だったが、前述の理由と、他にもいくつかある思惑からこうして教鞭をとり続けることを許され、そうなった以上は、今まで通り、いやそれ以上に生徒達を立派なヒーローに育て上げて見せると心に決めてここにいる。
なお、いざと言う時には生徒達の分の責任も自分が、と用意していた辞表は、出番を失って机の中にしまわれ……ようとしていたところを、プレゼント・マイクの手によって強奪され、問答無用でシュレッダーにかけられている。
『これからだろうが、俺達が気合入れなきゃいけねーのはよ』という、珍しく騒がしくない激励の言葉と共に。
きっとその時、彼の机の上に、学生時代、『A組の3バカ』が並んで撮った写真が置かれていたのは、偶然でも何でもないのだろう。
そんなことを考えてしんみりしていた相澤の横顔を、横目で眺めるMs.ジョーク。
彼女はかつて、幾度となく相澤を『個性』を用いて爆笑させようと挑んだ過去があるのだが、そのたびに一瞬早く相澤が『抹消』を発動させるため失敗してきた
が、何か今なら成功しそうな気がする、でもなんかそういうことして良さそうな雰囲気じゃなさそう、という相反する感情に苦しんでいたが……ふと眼下に広がる光景を見て、とりあえずそれも後回しにしようと思える程度には、その展開を面白いと思い、普通に相澤に声をかけた。
「見ろよ、イレイザー。またなんか面白いことになってるぞ」
「あ? ……!」
「おい、すげえな雄英、あんた達! さっきから見てるけど、1から10まで効率よく動いててさ」
「うえっ!? あ、ありがとうございます……」
「俺達も何か手伝えることないか? 俺達の学校、2次に残ったチーム、応用が効きづらい個性ばっかりでさ……行き当たりばったりだと救助するにも限界があるんだよ。あんたんとこの指揮系統なら、情報把握の網も広そうだし、適材適所で指示がもらえるんじゃないかって」
「それは……えっと、聞いてみますね」
「……!」
「はっはっは、いよいよ他の学校まで巻き込み出したぞ……その場その場で協力するだけならまだしも、指揮系統にまで組み込むって。仮免試験でコレはちょっと、前代未聞じゃないか?」
無線を使いながら、きびきびと動いて救助その他を進めていく雄英を見て、経験や知識はあるが、能力の相性などからどうしても手が進まなかった者達が、意を決して声をかけ始めていた。
その胸中にあったのは、試験に受かりたいという切実な思いか、それとも雄英の面々の手際に感銘を受け、少しでも学びたいと思ったからかはわからない。
だが、そこから確かに……試験場全体へ広がっていくほどの『流れ』は生まれたのだった。
「連絡を受けて来た、増強系個性2名! 状況は?」
「こっちの瓦礫を退かしたいんだ、手を貸してくれ! 1人はこっちを俺と一緒に、もう1人はそっちを支えてくれ!」
「よしきた。手の空いてる奴、運び出しを頼む!」
「こちらエリアG1! 救助中なんだが周囲の瓦礫が不安定で迂闊に動かせない!」
「おう、来たぜ! えっと……じゃあ、俺がテープで鉄筋やらそのへんを上手く固定するから……」
「あ、私の『個性』、磨いたものをツルツルにするので、体勢を低くして……そうすれば、引っ張る感じで運び出せると思います!」
「よし、それで行こう。もう大丈夫ですよー、もう出してあげられますからねー!」
「……っ! わかりました、ここと、ここのコードを切ってください。それで通電は止まって、漏電や、それによる火災などの二次的な被害もなくなるはずです!」
「了解した。誰か、切断ができる『個性』を持ってる奴はいないか?」
「俺が。俺の個性は、周囲の鉄分を操ってはさみやカミソリを作れる。コレで切ろう」
「なら頼む。にしても……君もすごいな、紅茶を飲んで目を閉じた時は何事かと思ったが、即座にこの基盤の内部構造を理解して……いやすまない。だからどう、という意味ではないんだが」
「いえ、構いませんよ。自分でも少し変わったというか、独特なプロセスを有するものだという自覚はありますから。その分、この『IQ』の能力自体には自信がありますしね。さあ、どんどん参りましょう! 司令塔、次の解体を要する危険物はどちらに?」
「こっちだ! この辺りで確かに声がしたんだ……探知系の『個性』は?」
「俺の『レーダー』で見てみる。生物が出す二酸化炭素を検知するから、呼吸さえあれば……っ! いた、あの位置……瓦礫の下になってる! やばいぞ、呼吸が浅い、急がねえと!」
「今連絡した! 『無重力』の個性持ちが来てくれるそうだから、大きさ関係なく瓦礫は退かせる! 現着まで1分強あるらしいから、私達はそれまでに、応急処置用の設備を整えよう! 呼吸が浅いってことは、えーと、考えられる症状は……」
「轟!」
「……何だ、坊主の奴」
「すまん、俺正直、お前のことやっぱりまだ好かん!」
「……それはさっきも聞いた。それだけか?」
「でも! そんな自分の都合で他の人の迷惑になったり、できることをしなかったり、助けられる人を助けられなかったりする方が嫌だ! だから……」
「……それだけわかってるなら十分だろ。別に俺のことは嫌いでいい、だから今だけは……ヒーローとしてできることを全部やれ。後になってから後悔だけはするな……!」
「っ……応! あ、轟、お前ちょっと今、っていうか何か前より熱くなってるな! 俺、今のお前はちょっと好きかもだぞ!」
「……ああ。……? 左、熱でも漏れてたか……?」
「いや、多分そういう意味じゃないと思う……」
「アオハルだねー」
「……まるで集団合同演習だな」
「あっはっは、いいじゃないかコレはコレで! こりゃこの国の未来も明るいかもしれないぞ?」
各学校の教師も、生徒も、もちろん公安委員会も予想もしなかった展開。
しかし言ってみればその光景は、『個』ではなく『群』としてヒーロー……の、卵たちが共闘し、1人1人が出せる限界以上の成果を上げていくその様は、彼らが望む未来そのものを描いているかのようであり。
Ms.ジョークの言葉は、冗談でも何でもなく、むしろこの先の未来が、決して暗黒に閉ざされたものではないということを、聞いていた者達の脳裏に、どこか予感させていた。
この十数分後、無事試験は終了する。
途中に『敵が姿を現し追撃を開始』というシナリオによる『対敵』の要素までもがプラスされたものの、そこでも変わらず冷静に戦況を判断し、最終的に50名を超える受験生達が協力して挑むための『司令塔』であり続けた永久。
彼女の采配により、救助の手は一切止まることなく、また襲撃してきた『敵』――役の、ギャングオルカを始めとしたヒーロー達――への対応も即座に行われた。
前線指揮官として、飯田や真堂、毛良など、各学校の中でも特に戦況判断その他が速く的確なメンバーを選任し、戦闘能力に優れる者達を選んで『対敵』の担当として配置。
救助活動の邪魔をさせないように応戦を任せ、残り少なくなった要救助者を一気に回収していき……ほどなくして、終了のブザーが鳴り響いた。