前回の後日談的な意味合いのホワイトデー話です。
モブちゃんの名前、二個くらい考えたんですが、twitterでさっき日暮燈花ちゃんに決定しました!ヒグレトウカちゃんです!!意外とこのキャラ受け入れてくださってマジで嬉しいです!!今後も燈花ちゃんをよろしくです!!
というわけで約束の日のホワイトデー、私は隠岐ちゃん、佐備先輩、鹿尾野先輩の三人と、例のカフェに来ていた。
「わぁーーっ!!すごいいい雰囲気のお店ですね!!!」
「…去年行ったとこよりも気合入ってそうなお店だ」
今日の主役二人にはお店は好印象みたいだ。そういえば、私も初めて鹿尾野先輩に連れてこられたときはちょっと引いたっけ。
「じゃあ、入ろうか」
鹿尾野先輩について行って店に入る。
「わぁーーっ!!内装もきれいです!!」
……隠岐ちゃんって驚くと大体似たような反応するよね。
とりあえず予約してあった席に座り、一息つく。
「じゃ、僕たち荷物見てるから夏蓮と隠岐さん先に見てきなよ」
「いいんですか??行ってきます!!!」
「私も」
この店は注文でもケーキを頼めるけど、カウンターのショーケースまで取りに行けば自分で好きなケーキを選びながら取ることもできる。
もう待てない!といったような雰囲気で走り出す隠岐ちゃん。こらこら、店内は走っちゃだめだぞー。
「日暮さんも今日は付き合ってくれてありがとね」
「いえいえ。こちらこそ二回も連れてきてくれてありがとうございます」
「うん。どういたしまして。ちなみになんだけど、あの二人が一緒にいるところにいるのは初めて??」
「はい。そうですけど…」
「……頑張ってね」
え、それってどういう…………いや、何となくわかったわ。そうか。今まで間接的に話を聞いてただけで胸焼けしそうだった二人を間近で見続けなきゃいけないのか…
「…頑張ります」
いや、これ大丈夫かな…ちょっと不安になってきた…
「戻りました!!」
「次、二人行ってきていいよ」
ケーキを取りに行った二人が戻ってきた。隠岐ちゃんは何故か既に満足げな顔をしている。楽しんだんだろうなぁ。
「じゃあ、僕たちも行こうか」
「あ、はい」
二人に席を任せて私と先輩はケーキを取りに行った。
「うわぁ…相変わらずすごいケーキの種類…」
「ほんとだねぇ…」
前回も思ったけど、ここのケーキって本当に気合入ってるなぁ……
「あ、これ前回美味しかったやつですね」
「本当だ!僕もこれ食べよ………こっちは逆に前回食べなかったやつだね」
「そうですね、それも美味しそうです。私も食べよ」
「おっ、こっちのも美味しいんだよねぇ」
「いいですね!私にも一個取ってくださいよ」
「うん。はい」
「ありがとうございますっ!」
あー。これは楽しいわ。選んでるだけで隠岐ちゃんが満足そうにしてたのも頷ける。
「あ、これも美味しそう」
「本当だ。それ僕にもとってよ」
「あ、はい。どーぞ」
気づけば私も鹿尾野先輩も皿の上を大量のケーキでいっぱいにしてしまった。
「そろそろ戻りましょうか。二人も待たせてますし」
「そうだね……ただ、あの二人はそんな僕たちのこと待ってないと思うよ」
「えっ、それってどういう……」
気になって、席の様子を見てみるとーーー
「ほら、夏蓮さん、これ食べてくださいよ!ほら!!!」
「え、ちょ、それは恥ずかs……」
「ほら!!!!!!!!!!」
「ぅ……あむっ!!」
「えへへ…どうですか??」
「うん………おいしい」
ーーーイチャイチャと食べさせあっていた。というか、隠岐ちゃんが一方的に佐備先輩に食べさせているというか、絵面的には完全に餌付けなんだよなあれ。
……………っていうか、
「あっっっっっっっっっっっっっっっっっま!!!!!!!!!!!!!!」
「あれがずっと続くからねぇ……」
「えぇ……私、もう充分です」
「こればっかりは仕方がないよ…諦めよ」
「えぇ…………」
っていうか、私あの空間に戻りたくない。
「隠岐ちゃんは惚気の時と同じようなダメな感じになるんだろうなぁって思ってはいたけど…」
「え゛…隠岐さん、夏蓮の前以外でもあんな感じになるの?」
「まぁ、隠岐ちゃんは割と予想通りなんですけど……佐備先輩、あんなんになるんですか……」
もともとすごいクールなイメージだったから、何というか…イメージがすっごい勢いで崩れ去っていくというか…
「あぁ…意外でしょ」
「意外というか…まぁ意外なんですけど、なんか、すごいですね」
「うん」
鹿尾野先輩と目を合わせて互いに苦笑いを一つ。あの糖分過多空間に割って入る覚悟を固める。
「……戻りましょうか」
「そうだね」
「ただいま」
「戻ったよ」
「お帰り」
「おかえりなさい!!ここのケーキすっごい美味しいですね!!」
「だよね。僕も前に日暮さんと来た時にすごい美味しかったからさ」
「うん。葉も日暮さんもグッジョブ」
「……どうもです」
…………あれ?意外とすんなり受け入れられてる??さっきまであんなにイチャイチャしていたのに、すごい切り替え能力だな。え、鹿尾野先輩もなじんでる!?さっきのを見せられておいて私もこの空間に馴染めと!?
「あれ、燈花ちゃんどうしたの?」
「え?どうしたって何が?」
「いや、ちょっと様子が……」
そりゃさっきのさっきまであんなの見てて普通に話せる訳ないでしょ!!ナチュラルに会話に混じってる鹿尾野先輩がおかしいだけだから!普通は無理だから!!
「いや、美味しそうにケーキ食べてるなぁ…って思って」
「だって美味しいもん!!燈花ちゃんも食べよ!!」
「う、うん。いただきます」
隠岐ちゃんに押されて一つ食べる。美味しい。美味しいんだけど、
「………甘い」
「ケーキって甘いものだよ?」
「知ってる」
隠岐ちゃんたちのせいで甘いものはもうお腹いっぱいなんだよ。むしろブラックコーヒーを飲みたい。とりあえず、普通に笑顔で食べてる鹿尾野先輩が信じられない。
「夏蓮は辛党だけど、こういうのはどう?」
「美味しい。別に甘いのが嫌いなわけじゃないし。むしろ葉はこういうの好きだったよね」
「うん。僕は甘いのはいくらでもいけるからね」
鹿尾野先輩が
「あっ!夏蓮さん夏蓮さん!!これも美味しいですよ!!食べてください!!!」
「えっ、あっ、うん」
隠岐ちゃんに一口サイズのケーキを差し出される佐備先輩。さっきの流れだと、また隠岐ちゃんが食べさせてあげようとしてるんだろうけど…
「…」
「……ッ!!」
唐突に佐備先輩と目が合う。佐備先輩は私と目が合うとちょっと頬を赤くして……あ、私の前だとやっぱり恥ずかしい??え、照れてるの??かわいいかよこの先輩。
「…あむっ!!」
サッとケーキを加えてすぐに私から目をそらす。その顔は耳まで真っ赤で……
「ねぇ、隠岐ちゃん」
「どうしたの?」
「佐備先輩、かわいいね」
「燈花ちゃんもわかる!?!?」
「………!!!………!!!」
「うん。わかる」
本当かわいいかよこの先輩。
「日暮さん、勘弁して……」
「でも、夏蓮さんがかわいいのは本当のことですよ??」
「紅音、恥ずかしい……」
もう佐備先輩は顔一面真っ赤。うん。何回でも言える。
「かわいい」
「やめて……」
「ふふ…」
え、鹿尾野先輩、それどういう反応??っていうかそれどんな顔なの??
「夏蓮が恥じらっている……!!もう僕の前では一切気にせずいちゃつくようになったのに、まだ恥じらいの心が残ってた………!!」
「葉……いったん黙って……ッ!!」
あぁ、それでその顔……いや、やっぱり意味わからないや。それにしても割と本気で鹿尾野先輩の肩を殴る佐備先輩かわいいな。
「えへへ……夏蓮さんかわいい……あ、ケーキなくなっちゃった」
当然と言えば当然だが、自分でもケーキ食べながら佐備先輩にもケーキを食べさせていた隠岐ちゃんが一番にケーキを食べ切った。…私はまだ半分以上残ってるんだけど。
「私、おかわり取ってきますね!!」
隠岐ちゃんが一人で再びショーケースまでケーキを取りに行った。
「……もう、二人ともいい加減にしてよ」
「アハハ……すいません」
「ごめんごめん」
佐備先輩が本気で疲れてる……ちょっと申し訳なくなってくるけど、かわいいからいいや。
「あ、そういえば、先輩方は再来週のこと何か考えてるんですか?」
「ん?再来週って何かあったっけ?」
「えっと、誕生日ですね、隠岐ちゃんの」
「「え??」」
先輩二人絶句。あ、これ知らなかったやつだな。
「隠岐ちゃんの誕生日、25日ですよ、再来週の」
「……どうしよう、何も考えてない」
さっきまで真っ赤だった顔が一気に青ざめる。あぁ、この人本気で隠岐ちゃんが好きなんだなぁ。
「大丈夫です。まだ間に合いますよ」
「…日暮さんも手伝って!!」
「もちろんですよ!!」
“ぱあぁっ”と佐備先輩の目に光が戻る。あぁ、この笑顔は隠岐ちゃんが夢中になるのもわかる…
「二人とも、そろそろ隠岐さん帰ってくるよ」
「じゃあ佐備先輩、詳しいことはメッセで」
「うん。ありがと」
ほっとしたように佐備先輩の表情が緩む。そこにちょうど隠岐ちゃんが帰ってきた。
「ただいま!!」
「おかえり。それにしてもまたすごい量持ってきたね」
「みんなで食べれるようにね!!ほら、夏蓮さんどうぞ!!!」
「……ッ!!」
あ、これまた始まるやつだ。鹿尾野先輩とふっと目があって不思議と笑いが溢れた。そして、これが私達の役目なんだろうなって思いながら、二人で温かい目をしながら見守るのだった。
うん。楽しかったけど、やっぱり胸焼けを起こしそうだな。
………甘い。
甘ったるいけど、嫌いじゃないや。
次回予告!!
紅音ちゃんの誕生日(3/25)を目指して頑張って書きます!!
今回は夏蓮に照れ照れしてもらったんで、つぎは紅音ちゃんの番ですかねぇ……ふふふ……
今回も感想お待ちしています!!!!