は??え??うそでしょ??
30話目指して頑張るのでよろしくお願いします!!
隠岐ちゃんと佐備先輩を見送った私と鹿尾野先輩は二人でお化け屋敷の中を歩いていた。
『ヴヴヴァアアアァァァ!!!!!』
「うわっ!!」
「ぅおっ!!」
唐突に現れたゾンビに二人で似たような反応を取る。まぁ、二人共そこまで大きな反応を取るわけじゃないから自然と似通っちゃうだけなんだけどね。
「鹿尾野先輩、こういうのは得意なんですか?」
「うん。急に脅かされるのはちょっとびっくりするけど、怖いとかはないかな」
「へぇ…」
「う……うん」
鹿尾野先輩はこういうの得意らしい。だけど、それにしては何か様子がおかしく見える。
「鹿尾野先輩、どうかしました?」
「いや、夏蓮が……というか、隠岐さんがちょっと心配になってきてね……」
いや、たかがお化け屋敷で何をそんなに心配しているんだろう。っていうかそれ以前に、そもそもだよ?
「……仮にも女の子と二人きりでお化け屋敷に入ってまず出てくる感想がそれなんですね」
「え!?いや、ごめん!!もちろん日暮さんとこうしてるのも楽しいよ!!!」
「まぁ、鹿尾野先輩には気の利いた言葉とか一切期待してないから別にいいんですけどね」
「うぅ…そう言われると辛い……!!」
そもそも鹿尾野先輩は今日の遊園地だって完全に保護者気分で来てるから常に隠岐ちゃんと佐備先輩のことばっかり考えてるんだろう。まぁ、その気持ちはわからなくはないが、ここまで徹せられるのは鹿尾野先輩だからなんだろうね。当然、褒めてない。この人、この調子だと本当に今後苦労しそうだな…
「気にしなくていいですよ。ところで、隠岐ちゃんが心配ってどういう事です?」
「いや、夏蓮ってさ………お化け屋敷とかホラーゲーとか、脅かされると咄嗟に近くにあるものを殴る癖があるんだよね………」
「えぇ……」
ちょっと待って何その危険生物。
「でも…隠岐ちゃんならなんとかしちゃいそうな気はしますね」
「どういう事?」
「隠岐ちゃんってこういう時、狙ってもいないのにミラクル起こすんですよ」
「あー。なんとなくわかる」
それに、佐備先輩が隠岐ちゃん殴るとも思えないし、あの二人なら大丈夫でしょ。
「まぁ、今いない二人の事ばっかり気にしてても仕方ないですしね」
「そうだね。今はこっちを存分に楽しもうか。日暮さんと入るお化け屋敷って楽しいし。…………………殴られないし!!!」
「……最後の一言がなければ満点だったんですけどねぇ」
「なんでさ!?」
そこに気づけない内はいつまで経っても鹿尾野先輩は鹿尾野先輩なんですよ。精進しなさい。
「そろそろゆっくりできるアトラクションがいい……」
佐備先輩が少し疲れた様子で言う。相当頑張って耐えたんだろうな。鹿尾野先輩の視線が慈しみにあふれている。
「じゃあ次はあれいきましょう!!」
そう言って隠岐ちゃんは
「観覧車!!!!!!」
一瞬驚いた様子の佐備先輩と目が合う。小さく頷きを送っておいくと、その顔が少し安心したように見えた。
観覧車。佐備先輩と鹿尾野先輩との相談では、絶対に乗ると決めていたアトラクションだ。
「いいよ。観覧車。……ただ、これも紅音と二人で乗りたい。いい?」
「はい!!もちろんです!!」
「うん。じゃあ行こう」
「はい!!!」
二人が観覧車へと向かう。どうやら観覧車は空いているようで、ほとんど並ぶことなくゴンドラの中へと消えていった。
「……佐備先輩、上手くやれるかなぁ」
「うーん、夏蓮は大事な時にやらかすからなぁ……」
「お化け屋敷はなんとか乗り切ったみたいですけど……不安だなぁ……」
「まぁ、僕たちは信じて待とうよ」
「そうですねぇ……とりあえず、私達も観覧車乗ります?」
「そうだね、乗ろうか」
「じゃ、行きましょ」
「うん」
私達は既にゴンドラの中でイチャついているであろう二人の不安を胸の奥に押し込め、ゴンドラへと乗ったのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うわぁぁ…!!!凄いです!!高いです!!!」
「うん。凄い景色……」
紅音が窓から周囲の景色を見回しながら歓声をあげる。遊園地の中心に位置するこの巨大観覧車からは、遊園地全体を見渡すことができた。
「夏蓮さん!!あれ、さっき私達が乗ったジェットコースターですよ!!」
「本当だ。………あ、あっちはさっきのお化け屋敷」
「ほんとだ!!わあぁ………」
紅音は完全に窓に張り付いて「うわぁ…」と繰り返しながら食い入るように景色を見ていた。紅音と一緒に景色を楽しみつつタイミングを見図りながら、私は予め用意しておいた
「ねぇ……紅音?」
「はい!どうしたんですか?」
私が名前を呼べば紅音は勢いよく振り向く。その笑顔は真正面の至近距離からまっすぐ私に向けられていて、ちょっとドキッとする。顔に出ないように努めながら、私は手元の小さな箱を差し出した。
「これ、あげる」
「……??」
「誕生日プレゼント。改めて誕生日おめでとう、紅音」
「……ッ!?!?」
受け取ってすぐはキョトンとしていた紅音も私のお祝いの言葉を聞くと、顔を赤くした。
「……あ、開けてもいいですか!?!?」
「うん」
満面の笑みで包装を解き始める紅音。包み紙を剥がし、蓋を開けたら出てきたのは……
一つの黄色いシュシュだった。
「紅音、髪はいつも縛ってるから便利かなって思って」
これは紅音が部活の間にデパートをウロウロしながら買った一品。日暮さんと葉が『自分で選びな』って言うからすごい悩みながら自分で一から選んだプレゼントだ。
「これで髪結ってあげる。後ろ向いて」
「~~~ッ!!お願いします!!!」
後ろを向いた紅音の髪を一度ほどく。艶やかなその髪に手櫛を通しながら、シュシュを受け取って一つにまとめていく。紅音の髪は凄く触り心地が良くて、いつまでも触っていたくなる。
髪を弄っていると「ん〜…」という甘い声が漏れてくるのがとてもかわいい。ゴンドラの窓に映った紅音の顔は気持ち良さそうで、私も笑顔になる。
ただ髪を結うだけの時間だけど、とっても幸せだ。
「………はい、できた」
「ありがとうございます!!……えへ、どうですか??」
振り返った紅音の頭で存在感を出す黄色いシュシュは、紅音の快活なイメージとぴったりマッチしてとても似合っていた。でも、それよりも今は、無邪気に笑う紅音の顔がそれ以上に魅力的に見えて、見惚れてしまう。
「…かわいい」
「………〜〜〜〜〜ッッ!!!!」
ポロッと溢れてしまった私の本音に紅音が顔を赤くする。最近の紅音にしては珍しく恥じらう姿がとてもかわいくて、もっと上手く褒めたくてもうまく頭が回らない。
「夏蓮さん…そんな真顔で言われると恥ずかしいです……けど、ありがとうございます……」
段々と声を小さくしていく紅音。もう耳まで真っ赤になっていて、視線は定まらない。どこか隠れられる場所を探すように視線を巡らせているが、ここは狭い観覧車の中。そんな場所はない。
「紅音?」
「はい?」
「好き」
「ッ!?!?」
さっきから赤面しっぱなしの紅音はもう余裕がなさそうだ。目をぐるぐる回しながら……
「ぅぅ〜〜〜ッッ!!!!」
思い切り私に抱きついてきた。
「すいません……ちょっと今は顔見ないでください……」
耳元から小さな声が聞こえてくる。
「……私も……大好きです」
消え入りそうな声が耳を撫でる。
そのまま抱き寄せると、とても心地いい。
あぁ、ずっとこうやって紅音を抱きしめていたい…
今日紅音が一つ歳をとって、半年くらい後には私が一つ歳をとって、そして来年また紅音が歳をとって、私が歳をとって………そうして大人になった私たちは、まだこうやって抱きしめ合っているのだろうか。
そうだといいな
絶対にこの子とずっと一緒にいよう。
そう決意して、私はもう一度紅音の頭を撫でた。
その髪には、
モルドにいろいろ言っておきながら自分は大して気にせずにデートする燈花ちゃん、君も大概だからな。でもかわいいから許す。
最近は燈花ちゃん動かすの楽しすぎて大変です。
感想お待ちしています!!!
最後に一言。
シャンフロ二次、もっと百合増えろ。