……はい、皆さん思い浮かべたと思います。それでは、皆さんお互いに比べてみましょう。
皆さんが完全に同じ説明をできるなんてことはないと思います。ちょっと解釈が違うなんて人もいたかもしれません。
そんないろんな人の“好き”に触れて、あなたは自分の“好き”に自信をもって、胸を張って“好き”を言えますか?
「すすす……すいません!!別に、お二人が間違ってるとかそういう意味じゃないんですけど!!!」
必死にサイガ-0が謝り始める。でも、それじゃあ全くわからない。
「ねぇ、『
「その………ルストさんと秋津茜さんはもうお互いがいないとダメで、ずっと一緒にいるっていうのは伝わったんですけど……」
「それって、私の知ってる『好き』とは違う気がしました」
そう答えるサイガ-0の目は、完全に回っちゃってたさっきよりもずっとしっかりしていて、そこに確かな意志が伺える。だからこそ……
「うん。わかんない。何言ってんの?」
「いや、その……なんていうか、ルストさん達の言ってた『お互いがいなかったら』とか、そういうことじゃなくて、“好き”ってもっとこう、ただ一緒に居たい感じといいますか…」
「………それ、何が違うんです?」
「その……一緒に居なければいけないから一緒に居るだけなら、それは縛られているだけです。離れ離れになりたくないから一緒にいるなら、それは依存しているだけです」
「………で?」
無意識に自分の声に冷気が纏っているのを感じた。茜も首をかしげている。このまま私達の“好き”を違うと言われても納得できない。
サイガ-0は一瞬怯えた様な様子を見せたが、直ぐにその目は真剣なものに戻った。そして、深く深呼吸して再び言葉を紡ぎ始める。
「……私はサンラクくんが…す…好き…です。ずっと…その…一緒にいたいと思ってます」
「ルストさん達みたいに、サンラクくんがいなくなったら生活にも支障が出ることはありません。まぁ、辛すぎて支障が出ることはあるかもしれませんが……」
「でも、それでも、サンラクくんと一緒にいたいんです!ただ、彼の笑顔をそばで見続けたいんです!!」
「『もし、居なくなってしまったら』っていう後ろ向きな気持ちじゃなくて、もっとこの気持ちは、前向きなものであってほしいから……!!」
「……それが、私の“
一気に言い終わったサイガ-0が肩で息をしながら私の目を見つめりる。その目の宿る力強い意志は、『この“好き”は絶対に譲れない』って訴えかけてくる。
「うん。言いたいことは分かった………でも、納得はできない」
「えっ………」
サイガ-0の言う事も正しいのはわかる。でも、私にも譲れない想いはある。
「好きな人と結ばれて、一緒にいるのが当たり前になったときに、離れ離れになるのが怖いのは当然のこと」
「それが強いから、相手のことが“好き”だって自覚できて、“好き”だって伝えることができて、“好き”を確かめ合うことができる」
「これも、ちゃんと私の“
「サイガ-0もサンラクと上手く行って、ずっと一緒に居るようになればわかるよ」
だから、私は茜が“好き”って胸を張って言える。例えそこにサイガ-0の言う『後ろ向きな気もち』があるとしても、全部ひっくるめて私は茜のことが好きなんだから。
この気持ちだけは恥ずかしいとも思わないし、曲げない。
「………」
「………」
少しの沈黙が流れる。
「…………よくわかんないですけど、とりあえず私はルストさんのことが大好きですよ?」
意外にも、沈黙を破ったのは茜の言葉。私達の話を理解してかせずかはわからないけど、その言葉には確かに私と茜が育んで来た“好き”が乗っていた。それはとても温かくて、やっぱりサイガ-0がなんと言おうと、私達の“好き”は間違っていないって確信できる。
うん。大丈夫。私はちゃんと
「うん。いい子いい子。私も好きだよ」
「えへへぇ……」
流れるように茜の頭を撫でる。ちょっとしたスキンシップも慣れてきたな。前よりも気軽にできるようになった気がする。
…決して私がシャンフロで身長を盛ってるから頭を撫でやすいとかじゃないから。
「レイ氏、お待たせ」
「に゛ゃ!?!?サンラクくん!?!?」
不意に現れた
「ん?秋津茜に……ルスト?なんかすげぇ組み合わせだな。モルドはいねぇの?」
「あ、サンラクさん、どうもです!!」
「モルドは今日はいない。私達だけ」
目を点にするサンラク。っていうかその反応サイガ-0と同じだ。そんなにこの組み合わせが珍しいか。………珍しいな。
「えっ、ルストとモルドって別行動できんの」
「……馬鹿にしてる?」
「いや素で驚くだろ。初めて見たわ」
「サンラクは人を見る目がない」
「んだとぅ!根拠をだせやぁ!!」
「交友関係。というかペンシルゴン」
「ッ……!!何も言い返せない……!!」
あの
「サイガ-0さーん、もしもーし、サンラクさんが来ましたよー」
「……!!……!!…!…!………もうだいじょうびです!」
「全然大丈夫じゃないです!!!」
サイガ-0は、なんていうか……筋金入りだな。大丈夫なのかあの調子で。
「大丈夫じゃないか?レイ氏割といつもそんな感じだし」
「えっ」
いつも?これいつもなの?好きな人にこれがナチュラルだと思われてるってそれはだめでしょ。
「こういうときは多少長くても付き合ってあげればなんとかなるぜ」
「付きアッ…………!!!」
自分で追い打ちかけてどうする。
「で、サンラク達はこの後どうするつもりだったの?」
「ちょっとこの先のエリアのエリアボスを狩りに行こうと思ってな」
「ふーん。また何か変なユニーク?」
「ちょっとラビッツ絡みでな。お前らも来るか?ルストはともかく秋津茜にとっても有益ではあるぞ」
「何が起こるんです?」
「ピーツのぼったくり商店でちょっと安く買い物が出来るようになる」
「ピーツさんのお店ですか!!」
「価格設定がちょっとおかしいだけで品揃えは悪くないからなぁ。あそこは」
ラビッツの話は私はよくわかんないけど、何となく茜はぼったくられてそうな気がする。何となく。
「ルストさん!!私たちも一緒に行きましょう!!」
「別にいいよ」
あ……でも、サイガ-0はサンラクと二人の方がいいのか?
「サイガ-0もそれでいい?」
「はい!!むしろ!!いてください!!絶対!!」
うぁ。すごい圧。そういえば私たちも付き合いたての頃はこうやってモルドを連れまわしたっけ。なんだか見てるだけで懐かしいものを感じる。
「んじゃ、決定な」
「はい!!よろしくお願いします!!」
「ルストさん…私が死んだら、あとはお願いします……」
いや、どれだけの覚悟を決める必要があるんだ。今までだってたくさんこんな機会あったでしょ。
「……それは自分で何とかしな。なんで私が」
「さっきの会話さえなければこんな意識しなくて済んだんですよ!!ルストさんたちのせいなんですからね……!!」
「……わかった」
うん。不安しか感じない。そんな今にも泣きそうな顔をしなくても。
「んじゃ、早速行こうぜ」
「はい!!行きましょー!!!」
「ほら、行くよ。サイガ-0も」
「あぁ…ちょっと待ってくださいよ…」
サイガ-0、気持ちはわかるけどここまで酷いか。でも、ちょっと前の自分を見ているようで、見てると少しほっこりした。
サンラクさん書くのめっちゃむずいっすね。
サンラクで二次書いてる人たち本気で尊敬します。