付き合い始めてちょっと成長した二人とか書きたいけどあまり成長させても一瞬でキャラ崩壊するだけだから難しい。
なんでこんなにも秒でキャラ崩壊するんだろう?って思ったら、原作サブヒロインズって恋をしてないから照れたり恋い焦がれたりさせるだけでイメージがガラっと変わっちゃうんだよね。
二次創作ってむつかしい。他の二次作家さん達すごすぎ…
今日も一旦帰ったあと、夏蓮さんの家に向かう。夏蓮さんはお芋さんを食べたいそうなので、途中のスーパーでお芋さんをたくさん買ってきた。
ピンポーン
通い慣れた夏蓮さんの家。まだ初めてこの家に来てから一週間ほどしか経っていないが、ここはとても居心地が良くて、それこそ第二の我が家のように感じる。
「ん。紅音、いらっしゃい」
「はい!お邪魔します!」
「じゃあ今日もとりあえず、ゲームしようか」
「はい!」
「私の部屋、行こ」
夏蓮さんに招き入れられ、部屋に入り、家から持ってきたVRヘッドセットを準備する。私のヘッドセットは充電さえあれば外出先でも使えるタイプのやつだから、こういう時に便利だ。
そして、ふと、我に返る。
……
視線を上げる。視界に入ってきたのは夏蓮さんの部屋。派手ではない家具が点々と存在する中にやたら派手なロボットの人形がいい具合に存在感を出している。
………………夏蓮さんの部屋!?!?!?
「夏蓮さん!私、夏蓮さんのお部屋に入っちゃいました!!」
「……………」
夏蓮さんがキョトンとした目をして、数秒間目が合う。そして部屋の中をぐるりと見回して、また目があった。
「うん。部屋に、入れた……けど?」
少し顔の赤い夏蓮さん。最近、夏蓮さんの表情が少しずつわかるようになってきた。……これ、少し照れてるのかな?
「えへへ…夏蓮さんのお部屋…」
「そ、そういうのいいから」
夏蓮さんがさっさとヘッドセットを被ってベッドへ移動する。私もつられてヘッドセットを被り、壁に背中を預ける。
「……紅音もベッド使って」
ベッッッッッッ……!!!!
「別にいいから」
ヘッドセットから見え隠れする夏蓮さんの赤い顔を見ると、私の顔も熱くなってくる。
「じゃ、じゃあ失礼します…」
夏蓮さんの隣に体を埋める。
か…夏蓮さんのベッド!!夏蓮さんのベッドに寝転がってる!!!
隣に寝ている夏蓮さんの体は私よりも小さくて、こうして一緒に寝転がっているといつもとはまた違う可愛らしさを感じる。
「………」
「………」
夏蓮さんと目があった気がする。ヘッドセット越しだからわからないけど。でも、とりあえず、なんかすごい!!!顔が近い!!心臓がバクバクうるさくて、夏蓮さんに聞こえちゃいそう。
……ヘッドセットを被ってて良かった。もしこれがなくて至近距離の夏蓮さんと目が合っちゃったら………
「………!!!」
駄目だ!これ以上考えたら私……!!
「じゃあ、ログインしようか」
「え?あぇ?は…はい」
どこかぎこちない動作でログインする夏蓮さん。つまり、今は
心臓がうるさい!顔は熱い!もう何がなんだか分かんない!!!
「もう!!ログイン!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さっきまでの熱い体が嘘のようで、爽やかな風が牧草地帯を撫で、私の体を吹き抜けていった。おかげで、少しずつ頭が冷えて落ち着いていく。
……流石にいきなり紅音を部屋に上げたのはちょっと大胆過ぎたかな?でも、あの
…でもベッド一緒に使ったら嫌でも意識しちゃうのかな
とりあえず、オンラインモードをオンにして紅音と回線つなげよう。
えっと…紅音のワールドは……〔カゲロウ〕??
カゲロウ…陽炎……蜻蛉か。多分これかな?
おそらく紅音のものと思われるアカウントに接続し、紅音のワールドにログインする。
一変する風景。あたり一面を見渡すと…
あたり一面が豊かな緑色で染まっていた。
「え…何これ」
私のワールドとは全く違う悠々とした風景に思わず棒立ちになってしまう。
「あ…夏蓮さん!!」
「紅音……これ、何?」
「何って…私の畑ですけど?」
「私の所の畑はもっと小さくて荒れてたんだけど」
「あ、それはですね、このゲーム、害獣から守って出荷成功するたびに畑の状態が良くなっていくんですよ!」
「へぇ…」
それでこんなにいい状態の畑を……
…って紅音はこのクソゲーどれだけやりこんだの?
「今、あっちの畑のとうもろこしが出荷間近なんですよ!一緒に見に行きましょう!」
「わかった」
移動してみると、そこでは収穫目前のとうもろこしが鬱蒼と広がっていた。
「で、何すればいいの?」
「基本的には水をやって状態を維持したり、肥料をやって作物のステータスを上げたりですね。あ、肥料はあげすぎてもだめですよ」
「……なるほど?」
とりあえず、水やってればいいのか。肥料に関してはよくわかんないから紅音に任せよう。
端から順にとうもろこしに水をやる。紅音が丹精込めてここまで育て上げたとうもろこし。それだけで自分の作物と同じくらいの愛着が湧くってものだ。
「私、実家が農家って前に言ったじゃないですか」
「うん。すき焼きの時に言ってたっけ」
すき焼きの野菜は紅音が実家から持ってきたものを使っていた。野菜のくせに、意外と美味しかった。
「……もし、夏蓮さんが私の家に嫁入りする事があったら、こんな感じで一緒に農作業するんですかね」
「……!!!」
そう言って微笑む紅音の姿がとうもろこし畑の中で引き立てられて一層可愛く見える。少し照れくさくなって、思わず目をそらしてしまった。
「…わかんないけど、悪くはないかもね、そういうのも」
「……!!!」
私の返しに今度は紅音が赤面する。そんな表情をしないで。こっちが照れる。……さっきから照れっぱなしだな、私。
「今度、私の家にも遊びに来てくださいね」
「うん。絶対行く」
「えへへ…ありがとうございます。楽しみにしてますね」
「…ふふ」
「…あはは」
お互いにそらしていた目を戻すと、急に目が合って少しドキッとしたけど、どちらからともなく笑いが込み上げてきた。
私達二人きりの畑。幸せな空間。思い返せば、付き合い始めた直後は、シャンフロ内でも二人きりにはなれなかった私達。いつも葉が一緒にいるからこうして二人になる事は今までも全然なかった。
それでも、とても自然体でいられる。紅音とは、二人でいたいと思える。私も成長したのかな……数日しか経ってないけど。それだけ紅音と出会ってからは毎日が濃くて、楽しかったって事だ。
最初こそ不意打ちみたいな告白で付き合い始めた私達だけど、今ならはっきり言える。紅音と付き合ってよかった。
「…この楽しい時間がいつまでも続けばいいのに」
紅音の呟きが聞こえてきた。私もそう思う。そう思ってるんだけど、あえて言うなら、
「紅音……それ、フラグ」
「へ?」
ふいに空が陰る。さっきまでの晴天はどこへやら、見渡す限り雲に覆われている。嫌な予感を感じる私の肌を突風が撫でた。
「……あれは、害獣?」
「…はい。それも、かなり強い害獣さんです」
かなり強い害獣……これから起こるであろう戦闘に身構え、ジョウロを握りしめる。
……なんでこう紅音との楽しい時間はすぐに邪魔されるのかな!!
一方その頃のモルド
「あぁ!!待って!!せっかく収穫したのに!!もうちょっと一緒にいさせてよ!!待って!!芋!!!僕の芋ォォォ!!!!」
ルストより遅れはするけどちゃんとルストと同じ道は通る。そんなルスモルが大好きです。
紅音は無邪気な光属性ちゃんだからこんな変な空気にはならないでしょ!!って思う人もいると思います。そういう解釈も十分あると僕自身も思うんですが、僕の紅音のそのへんの解釈って、『友達がたくさんいるからそういう類の話は当然入ってきて、知識としては知っている。ただ、異性と二人でいてもその時一緒に遊んでいるのが楽しくて恥ずかしさとかは忘れるけど、後で思い出して一人でちょっと赤面する』って感じでして、今回は【恋人】っていう大前提が紅音に恥ずかしさを意識させたトリガーで、夏蓮との二人きりの状況を意識せざるを得なかったって感じで書きたかった(文才的な問題で難しかったので無理やりあとがきで注釈させてください)
夏蓮はもともと異性と二人きりな状況で育ってきたからそういった恥ずかしさとかは感じにくいけど、やっぱり【恋人】っていう距離感を意識して、葉との距離感と比べたギャップから更に恥ずかしさを感じて、自分の中でどんどん恥ずかしさを感じていくタイプ。かわいい(かわいい)。