鉄華団団長とホロライブ   作:フォールティア

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探求心はおさえられない!




※誤字修正しました。
ご報告ありがとうございますm(__)m


るしあとオルガとネクロマンス

初夏も終わり、肌に張り付くような暑さと湿気が漂う梅雨。

嫌気が刺すような霧雨が降る外とは裏腹に、エアコンが効いた事務所の中でオルガは重々しく口を開いた。

 

「今日集まって貰ったのは他でもねぇ」

 

事務所の片隅、パーテーションで区切られただけの簡単な会議スペースで席に座った面々を見る。

兎耳を生やした小柄な少女、反対にある意味デカい騎士、褐色肌のエルフに海賊(船はない)。

順に、兎田ぺこら、白銀ノエル、不知火フレア、宝鍾マリン。

俗に言う、ホロライブ三期生の面々だ。

そんなメンバー達はそれぞれ同情的な目でオルガを見ていた。

 

「…………こいつをどうにかしてくれ。頼むから」

 

親指で指した先、オルガの背後に立っていたのは一人の少女だった。

エメラルド色の髪にルビーのような大きな瞳。

小柄な身体を暗い水色の蝶を模した服で身を包む少女の名は潤羽るしあ。

ここに居る面々と同じ、ホロライブ3期生のメンバーである。

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端は2ヶ月ほど前。

オルガがホロライブに入社して間もない頃。

友人Aから仕事を教えられながら、事務所のメンバーとの顔合わせがあった。

0、1、2期生とそこまではまあ普通というか無難に顔合わせがすんだのだが……3期生、とりわけるしあの反応は凄まじいものだった。

 

「一度死んだって本当ですか?死んで自己意識そのままに甦る感覚ってどんな感じですか?幽体離脱みたいにフワフワ~ってしたんですか?そもそも肉体が致命傷を負っていて魂の器として不完全なのにどうして同じ肉体が再生してあまつさえ同じ魂が収まったのかな?私気になります!から魂ちょっと抜いて良いですか?」

 

ダメです(無意味な抵抗)。

まあこんな反応だったのだ。

というのも彼女、元の世界では死霊術(ネクロマンス)を専門とした学生をしていたらしく。

そんな彼女からしてみたらオルガのような転生者の魂は探求心が擽られるらしく、断る暇もなく魂を一瞬だけ引っこ抜かれた。

死ぬかと思った(実際死んだようなもの)。

その時は偶然居合わせたホロライブ4期生で悪魔の常闇トワが即座に魂を引き戻してくれたので事なきを得た。

 

 

 

 

 

 

 

その後、友人Aから注意され暫くは大人しかったのだが……。

 

「最近、気が付くとずっと背後に立っててな……」

 

やはり探求心が抑えられなくなってきたのか、最近になって再び獲物を狙うような目でこちらを見ながら背後に立つようになったのだ。

ふぁんでっど(るしあのファンの総称)からしたら歓喜に打ち震え、寧ろ自分から魂を捧げそうな案件だが、オルガからすると気が気じゃないしジッサイコワイ。

ちらりと後ろを向くと、目線が合った。

 

「……(にっこり)」

 

何も知らない人が見れば誰しもが「乙女だ……」と評しそうな笑顔を向けてくれるが、オルガからすれば背筋が凍る思いだ。

 

「……と、言うわけで、同期のアンタ達に集まって貰ったわけなんだが」

 

「「「「諦めろ」」」」

 

即答である。

 

「この状態のるしあ止められる人、寧ろ居るのかな?」

 

とノエル。

 

「いや……居ないでしょ。私でも無理そうだし」

 

続いてフレア。

 

「シオン先輩と同じで研究モード入っちゃってるし、もういっそ満足するまで魂抜かせるとか?」

 

更にマリンが追い討ちを掛け。

 

「ぺこらか弱いから今のるしあには太刀打ちなんてとても出来ないぺこよ?ほら、こんなに可憐ぺこだし?」

 

「兎田の魂を差し出すか……」

 

「今の流れでどうしてそうなるぺこ!?」

 

ぺこらがオチを担当すr……いや今はそんなことはどうでもいい、重要なことじゃない。

 

「どうでもよくないぺこよ!?」

 

「案外いけるんじゃない?」

 

「ノエル!?」

 

「ぺこらちゃんの魂は一回抜いてるからいいのです」

 

「既にやられてたぺこぉ!?」

 

これぞ俗に言う「ぺこ虐」である。(様式美)

しれっととんでもない目に会っていたぺこらだが、そこはそれ。

これで思い付きの対策が一つ減ったわけだが……。

 

「うーん……」

 

速攻で諦めろと断じてきた割に、一同は悩ましげに首を傾げる。

ああは言うが、何だかんだ人が良いのである。

暫くの沈黙のあと、一同の中でも常識人(エルフ)なフレアが挙手した。

 

「そもそも思ったんだけど、るしあはオルガさんの魂抜いてどうしたいの?」

 

「研究Death」

 

もはや語尾が殺意しかない。

 

「具体的には?」

 

「転生者の魂の性質や肉体に及ぼす影響を調べるのです」

 

「そうした場合、オルガさんはどうなるのかな?」

 

「特に影響はないですよ?魂をちょこっと採取するけど直ぐに元に戻る程度です」

 

「だってさ、オルガさん」

 

るしあの答えを聞いてフレアは肩を竦めて見せた。

どうやらフレアとしては一度やらせてみたほうが良いという結論らしい。

実際、聞く限りだとあまりデメリットが無いようにも思える。

害が余り無く、それでるしあの気が済むのならそれに越したことはない。

というか最初から言って欲しかった。

 

「ところで今まで気になってたんだけど」

 

条件付きでなら許可してもいいかと考えをまとめたと同時、それまで吉○家の牛丼を食べていたノエルが声を上げた。

 

「抜かれた魂ってどんな形なのかな?」

 

そんな問いに対するるしあの答えは。

 

 

「え?全裸ですよ?」

 

さも当然かのようにそう言い切った。

 

「「「「「…………」」」」」

 

深呼吸。

 

 

「あれ?どうしたのです皆s」

 

 

 

「「「「「アウトォォォォォォォォォ!!」」」」」

 

真昼の事務所にオルガとるしあ以外の三期生の叫びが木霊した。

 

 

 

結果。

 

社報

 

潤羽るしあはオルガ・イツカの魂を抜くことを今後一切禁ずる。

 

友人A

 

 

 

 

「なんでですかぁぁぁぁ!?」

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