上弦の白兎   作:ヨーギラス

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報告

僕は本拠(ホーム)に戻ってくると、管理機関(ギルド)に報告していないことに気づき向かっていると背後から妙な気配を感じ振り返るとそこには鈍色の髪の給仕(ウエイトレス)がいた。

 

「驚かせてしまってすみません、魔石を落とされたので・・・」

 

給仕の彼女はそう言いながら小さい魔石を差し出してくる。

 

「そうでしたか・・・ありがとうございます・・・」

 

「私はシル・フローヴァと申します」

 

「それはご丁寧に。僕はベル・クラネルと言います」

 

そうやって互いに自己紹介を済ませると記さんがこう言ってくる。

 

「よかったら冒険後の食事に私の働いているお店にいらして下さい!!」

 

「お店ですか・・・?」

 

「はい、「豊饒の女主人」というお店です。料理もお酒も美味しいですから!!」

 

「それは楽しみだ」

 

「お待ちしております」

 

僕はシルさんと話した後、管理機関(ギルド)に向かうのだった。

 

しかし、僕には気になることがあった。

 

それは・・・。

 

「なんで女神が町娘のフリをしているんだ?」

 

神のやることは僕達下界の住人には理解が及ばないことを改めて思うのだった。

 

 

 

 

 

そうして、管理機関(ギルド)に着くとエイナさんを探すも本日は休日のようで不在だったため他のギルド職員に報告することにした。

 

「すみません」

 

「はーい、本日はどのようなご要件でしょうか?」

 

受付で声を掛けると対応してくれたのはエイナさんの友人であるミィシャ・フロットさん。

 

「あっ、エイナの弟くんか。今日はどうしたの?」

 

「弟ではありませんが、報告がありまして・・・」

 

「えっ、ダンジョンでなにかあったの?」

 

「いえ、器の昇華(ランクアップ)したのでその報告に来ました」

 

「そっか、器の昇華(ランクアップ)か〜・・・って、半月で器の昇華(ランクアップ)〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」

 

ミィシャさんの大声によって僕の最速記録(レコード)がオラリオに知れ渡った。

 

ベル・クラネル Lv.2 器の昇華(ランクアップ)所要期間・半月

 

 

 

管理機関(ギルド)への報告を終えた後、僕はダンジョンに来ていた。

 

それは器の器の昇華(ランクアップ)による激上した【ステイタス】のブレを修正するため。

 

二十五階層にてブルークラブを両断する。

 

「慣らし終わった」

 

そのブルークラブを切ったことで完全にブレは収まった。

 

しかし、ボクの心には物足りなさがあった。

 

すると、僕の眼に下層に存在する採取物(アイテム)の一つ迷宮珊瑚(アンダー・コーラル)が目に入り、更にその珊瑚の中には迷宮真珠(アンダー・パール)が確認できた。

 

下層の情報については他の上級冒険者の喋っている内容を傭兵時代のクセで盗み聞きしたものだ。

 

「ちょうどいい小遣い稼ぎになるか」

 

群生場所から少し採取させてもらい、無限城に収納する。

 

そして、更に下層へと進んでいくのだった。

 

 

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