上弦の白兎 作:ヨーギラス
僕が東部にある
「ベル君!!」
「神様、今まで何方にいらしてたんですか?」
「ヘファイストスの所にお願いをしてたんだよ、それでこれを作ってもらったんだ」
神様はそう言いながら背中に背負っていた木箱を下ろし、蓋を開けるとそこには柄と鞘が黒一色の刀が入っていた。
「これは僕から君への
「よろしいのですか?」
「うん、ボクはダンジョンで君に何もしてあげられないからね」
僕はその刀を手に取り少し抜くと、その刃色は黒で刃紋は直刃の刀身が姿を見せる。
「ありがとうございます、神様。大事に使わせていただきます」
「えへへ、どういたしまして!!」
思わぬ神様からの贈り物に嬉しさを噛みしめていると路地裏の奥から殺気が飛んでくる。
「⁉」
「ど、どうしたんだいベル君⁉」
瞬時に僕は神様を守るために路地裏の方に立ち塞がり、神様の壁になる。
「神様、僕から離れないでください」
「う、うん!!」
そうして、警戒を強める僕と神様の前に現れたのは一人の
おそらくこの目の前に立っているのは【フレイヤ・ファミリア】団長である【猛者】オッタル。
「お前がベル・クラネルだな」
「えぇ、そうですが…」
「手合わせ願おう」
問いかけに答えるとオッタルは背負った二本の大剣の内一本を抜きそう言ってくる。
「な、なにを言っているだい君は⁉こんな街中で戦おうっていうのかい⁉」
「そうだ」
オッタルの言葉に驚き、声を上げる神様だったがオッタルは平然と答える。
そのあとすぐに、悲鳴が響き渡る。
「モンスターだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ⁉」
「なんだって⁉」
市民のその悲鳴によって周囲が混乱を起こす。
「これもお前のいや、お前達の仕業か?」
「そうだと言ったら?」
「とりあえずお前からケジメを取ろう」
その問答の後、僕は「炎刀・弦月」を抜いた。
「来い」
「ぬかせ、猪」
その言葉と共に縮地で距離を詰めるとオッタルが剣を盾に構え受け止める体制に入る。
「それは悪手だ」
僕が刀を振るい刀と大剣が触れた瞬間、大剣は抵抗もなく両断されオッタルの胸を切り裂いた。
「⁉」
「【
オッタルは目の前の光景に目を見開き、僕は冷淡にそう言った。
「何をした?」
「何をした?それすら理解できんのか、お前の鈍らを断ち切ったのだ」
問いかけてくるオッタルに僕はそう言って突き放す。
「面白い」
「面白い?なにを武人面をしている、主神も諫められぬ猪が」
オッタルの一言に苛立ちを覚えた僕はハッキリと言ってやる。
「こういった周囲を巻き込んだ悪ふざけを見逃すのは今回限りだ、またあれば主神諸共その首を飛ばす」
「それを俺が許すとでも」
「何を言っている、お前達眷族も送ってやると言っているんだ。感謝しろ」
「「……………………」」
険悪な空気が満ちる中、斬りあいにもつれ込みそうとなったその時一つの声が響く。
「なら、あなただけに絞ったら構わないのかしら?」
「⁉ フレイヤ様!!」
その声の主はオッタルの、【フレイヤ・ファミリア】主神・フレイヤだった。
「そうだ、僕が目的なら僕だけを狙え」
「解ったわ、今度からそうするわね」
「いや、そんなの許すわけないだろう!!」
今まで黙っていたヘスティア様が口を開く。
「フレイヤ、君はなんでこんな事を仕出かしたんだい?」
「そこの兎さんが気になったからよ」
「それでモンスターを解き放ってまでする事なのかい」
「そうね、流石にやり過ぎたわ。ガネーシャにも悪いことをしてしまったわ」
それに対して、ヘスティア様は顔を顰める。
「反省してないね」
「あら、してなかったらどうするのかしら?」
「……よし、ウラノスに押し付けることにしよう」
まさかの他力本願だった。
「ベル君、
「はい」
そうして、僕達は起こったこと全部を