上弦の白兎   作:ヨーギラス

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合同部隊

【ソーマ・ファミリア】の襲撃から翌日、僕は朝目覚めるとやるべきことをやって支度を調えてダンジョンへと向かうのだった。

 

ダンジョンに向かっていると、ギルドの方が騒がしいことに気付き一度向かってみるとある張り紙に冒険者達が集まっていた。

 

僕は人だかりの中から出てきた白妖精(エルフ)の女冒険者から張り紙の内容を聞くことにした。

 

「すまない、あの張り紙には何が書かれていたんですか?」

 

「えっ、あぁ、なんでも昨日【ソーマ・ファミリア】の冒険者が大勢死体にされた上に塵みたいになって消えちまったらしいです。ギルドはこれを闇派閥(イヴィルス)の仕業かも知れないから注意しろとのことらしいです」

 

闇派閥(イヴィルス)・・・、すみませんこのオラリオに来て日が短いので教えて戴けませんか?」

 

「えぇ、構いませんよ。闇派閥(イヴィルス)は七年前にオラリオを恐怖を刻み込んだ集団のことです、当時の冒険者達が死力を尽くして打ち破ったそうですが」

 

「・・・そんな集団が居たんですね」

 

「えぇ」

 

「教えて戴き感謝します、お礼はダンジョンでの稼ぎの半分でどうでしょう?」

 

「いやいや、そんな大したことは教えてはいませんのでお礼なんて・・・」

 

僕の提案に対して白妖精(エルフ)の女冒険者は断ってくるが、更に言葉を重ねる。

 

「よく言いますよね、「無料(タダ)より怖いものは無い」「情報は武器であり宝」と」

 

「~~~~~~~~~っ、解りました・・・」

 

白妖精(エルフ)の女冒険者は葛藤の後、根負けしたように了承するのだった。

 

「では、部隊(パーティ)を組みますので自己紹介しましょう。僕は【ヘスティア・ファミリア】団員でベル・クラネルです、今日はよろしくお願いします」

 

「私は【ヘルメス・ファミリア】団員でローリエ・スワルです、こちらこそよろしくお願いします」

 

こうして、僕は他派閥の団員とダンジョンへと潜るのだった。

 

 

 

 

ローリエさんとダンジョンに潜って十階層まで降りてきた僕は迷い込んできたオークと対峙する。

 

階層についてはローリエさんが僕のLvを聞いてこの階層で行動することになった。

 

「グォオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

「死ね」

 

「グォオオオンッ!?」

 

襲いかかってくるオークを刀で一刀両断し魔石へと変えて回収する。

 

「すごいですね、クラネルさんオークを一撃で倒すなんて」

 

「そうなんですか?」

 

「えぇ、冒険者になりたてなのにオークを一撃で倒せるのは凄いです」

 

オークを一撃で倒したことをローリエさんが褒めてくれるが僕としては木偶を斬っているようにしか思えない。

 

「ぎゃぁああああああああああああああああああっ!!?」

 

「悲鳴っ!?」

 

すると、野太い悲鳴が聞こえたと同時に反応すると数名の男冒険者達が走り込んでくる。

 

「おい、お前らも逃げろ!!どっかの馬鹿が罠肉(トラップアイテム)をばら撒きやがってモンスター共が上がって来やがった!!ギャァアッ!!」

 

その言葉を最後に冒険者達はモンスターの波に呑まれた。

 

「なんですって!?」

 

「ほう・・・」

 

僕とローリエさんの反応は異なってはいるがモンスターの大量発生は不味い。

 

僕達も逃げたところでモンスターを地上に案内するようなものだ、ここで取るべき行動は・・・。

 

「ローリエさん、」

 

「クラネルさん、ここは逃げましょう」

 

「それはお一人でどうぞ、僕はここに残ってモンスターを食い止めます」

 

「何を言っているんですか!?」

 

僕の言葉にローリエさんは大声で怒鳴る。

 

「貴方は今自分が何を言っているのか解っているんですか!?」

 

「解っています、それにやるべき事があなたにはある。それはこの異常事態(イレギュラー)を一刻も早く地上に伝えることだ」

 

「!?」

 

冷静、冷静すぎる。

 

ローリエは目の前に居る白兎を思わせる少年に歴戦の雄の姿を見た、見てしまった。

 

「それにローリエさんのような綺麗で可愛い女性に死んで欲しくないですから」

 

「それじゃあお願いしますね」

 

そう言って少年は駆け出していくと同時にローリエは地上に向かって走り出す。

 

命を賭して自分を信じて送り出してくれた少年を救うために。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さて、・・・始めるか・・・」

 

【全集中 月の呼吸・捌ノ型 月龍輪尾】

 

僕は刀を変化させ、強烈な力で素早く繰り出す抉り斬るような横薙ぎの一閃を放つとモンスターは細切れとなっていく。

 

【全集中 月の呼吸・拾肆ノ型 兇変・天満繊月】

 

周囲を埋め尽くす量の渦状の斬撃を折り重ねて放たれると更にモンスターを細切れにしていく。

 

「これ・・・で・・・終わり・・・か」

 

そう言った瞬間、地響きが起こり十一階層へと繋がる出入り口が破壊され同時に一体のモンスターが姿を現す。

 

「これは・・・竜・・・、いや姿的には飛竜(ワイヴァーン)・・・か」

 

「グルゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

咆哮を上げる飛竜は両の眼で僕を捉えている。

 

「面白い、馬鹿の一つ覚えのように突っ込んでくるだけのモンスターは飽きていたところだ」

 

その瞬間、僕が見せた顔は闘争に溺れるいや、血に溺れる狂気に染まる悪鬼だった。

 

【全集中 月の呼吸・玖ノ型 降り月・連面】

 

開幕の一撃は譲らないと言わんばかりに刀を背中から前方に振るい、敵の頭上から降り注ぐような軌道の複雑かつ無数の斬撃を放つ。

 

確かにその一撃は飛竜を抉ったが、再生を始めていて踏みつけてくる。

 

「再生能力・・・、面白い」

 

再生能力があるのならば攻め方を変えるまでだ。

 

【全集中 雷の呼吸・陸ノ型 電轟雷轟】

 

踏みつけを躱しまだ癒えていない傷を中心に周囲にギザギザした雷のような無数の斬撃を繰り出し、敵の全身を切り刻む。

 

すると、再生しかけていた飛竜の肉体は瓦解し始める。

 

「これで終わり」

 

その一言と共に僕は飛竜の首を落とし魔石に変えるのだった。

 

そうして、全てのモンスターを殲滅させた僕は魔石や怪物素材(ドロップアイテム)を無限城に移動させると休息のために腰を下ろす。

 

「再生能力があるだけで只の木偶だったな」

 

そんな感想を言っていると九階層への入り口が騒がしくなってくる。

 

「クラネルさん!!」

 

最初にやってきたのはローリエさんで、その後ろからは救援の冒険者がやって来る。

 

「無事で良かったです、それでモンスターは何処に?」

 

ローリエさんはそう言いながら細剣(レイピア)を構えながらそう聞いてくる。

 

「遅かったですね、もう片付けましたよ」

 

「えっ?」

 

その返答を聞いたローリエさんは唖然とした顔をする。

 

「だから、もう終わりました。モンスターは全て斬り捨てました」

 

「えぇ~~~~~~~~~~~~~~っ!?」

 

ローリエさんは白妖精(エルフ)らしくなく大声を出して驚く。

 

「帰りましょうか」

 

この後、エイナさんからの説教をされることになるが別の話。

 

 

 

その日の夜、【ヘルメス・ファミリア】の拠点に戻ったローリエは今日出会った白兎の様な少年のことを思い出していた。

 

「クラネルさん・・・、ベルきゅん・・・」

 

少年のことを思い出すだけで気持ちが高揚し顔を赤く染める様になったのだった。

オリジナル団員とか必要ですか

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