空に輝く音速の矢(ソニックアローズ)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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第7話です。
書いて未完成のまましばらく放置してました()

では今回もごゆっくり、見て行ってください!


第7話

あの唐突な人事異動事件から2ヶ月後、川村一尉と牧野二尉は戦闘機資格を再取得し、TRとして飛行訓練を行っていた。

2ヶ月でORへと移行する予定とあって、訓練の時間は増え、5番機の訓練に至っては業務時間外でも現5、6番機2人による直々の訓練が行われるなど、気合の入りっぷりはすごいものだった。

 

そんなある日、流石に連日飛び続けて体力の消耗や精神面での疲労で事故が起きてからでは遅いと言うことで、5日間の連休が与えられた。

基地の外に出てゆっくりしてもよし、基地にこもって好きなことをしてもよしという事で、私は連休初日の午前中に行きたいところをメモして、基地周辺の探索を行うことにした。

2日目と3日目は宿舎でゆっくり過ごし、4日目はショッピングへ、5日目は行きつけのスイーツショップでスイーツを買い、家で満喫していた。

 

そして連休も明け、事務所で飛行前のブリーフィングをしていると、放送がかかり、川村一尉と牧野二尉の名前が呼ばれ、今すぐに基地司令室へ来いという事だった。

 

全員がまたなんかやらかしたのか…と呆れて2人が帰ってくるのを待っていると、戻ってきた2人は大きなダンボールをそれぞれ1つづつ抱えて帰ってきた。

 

「川村に牧野…なんだそのダンボールは?ってか何やらかしたんだ?」

 

「いや…僕らも記憶になくて内心ドキドキしながら行ったんですけど…」

 

そう川村一尉が言い淀んで牧野二尉に目配せすると、牧野二尉が、

 

「なんか…感謝状とそのお礼…?を貰いました」

 

「うんごめん、状況が理解できない、何があった?」

 

そう鳥居三佐が言うと、2人は順を追って説明してくれた。

 

 

「……つまり、川村は直売所に行って買った芋があまり美味しくなかったから農家に凸していい作り方を教えたら通常よりも成長速度や美味しさが段違いの芋ができてすっごい儲かったからそのお礼に芋を10kg貰い、牧野はそこで買ったツナ缶があまり美味しくなかったからそのツナ缶を加工したマグロ加工業者に行って色々いい調理方法やらなんやらを教えたらツナ缶やらの加工食品がすっごい売れて儲かったからそのお礼にツナ缶1年分を貰った……と?」

 

「「そういう事です!」」

 

「理由はすっげぇ酷いのにすっげぇ貢献しててもう笑うしかないんだけど」

 

そう鳥居三佐がツッコんだ後、とりあえずブリーフィングを再開し、飛行訓練を開始した。

一通り終えて着陸した後、私たちは業務終了時間まで、雑談して過ごすことになった。

最初は今回の訓練の感想戦のようだったが、次第に、今回の連休をどう過ごしたかに変わっていった。

 

「…って感じで、私はずっとゆっくりやりたいことしてました。あ、訓練後にみなさんで食べようと思ってケーキ買ってきてますよ!業務終了したらみなさんで食べましょ!」

 

「良いですね、なら私はそれに合いそうな紅茶を淹れるとしましょうか」

 

「ありがとうございます!あ、宮本三佐はこの連休、何してたんですか?」

 

「私ですか?私は船戸さんと水上機に乗ってショートランド泊地へ行った後、ショートランドの自然に包まれながらずっとキャンプしてました」

 

「キャンプですか…いいですね!どんな事をしたんですか?」

 

そう私が聞くと、船戸一尉が、

 

「まず瑞雲2機に乗って向かったんですけど、ショートランド泊地に置かせてもらってあったテントセットを持って宛もなく山をさ迷ったんですよ」

 

「え?宛もなく…ですか?」

 

ここでもう雲行きが怪しいが、そう聞き返すと、船戸一尉はさも当然と言ったような感じで「ええ、そうです」と答え、

 

「そこから程よく道も忘れた頃に水源を探しましたね、持ってきてる水は水筒1つ分でしたから。ねぇ宮さん?」

 

「ですね、何気にそれが大変でしたよね、前回とは別のところを進みましたし、程よい川がなかったんですよ」

 

「え?キャンプなのに水筒1つ分…ですか?」

 

「ええ、水は自給自足できますから」

 

「もちろん食料も最低限ですよ、自給自足できますからね」

 

もはやキャンプと言っていいのかわからない発言を聞き、困惑していると、それに続いて宮本三佐が、

 

「そこから程よい川を見つけてそこをキャンプ地にしまして。燃えるものを集めてパラコードを解いて火種にしてファイヤースターターで火を起こして水を蒸留して飲めるようにしたんですよ」

 

「あとは持ってきてたHK416で現地生物をハンティングしまして…後はそれを解体して…」

 

「最低限の調味料で調理して、持ってきてたお酒をキメて楽しみましたね、確か…3日間くらいでしたっけ」

 

「ですね、最終日は家でゆっくりするために早めに帰路につきましたね」

 

「それは最早サバイバルなのでは……?」

 

そう私が尋ねると、2人はキョトンとして、

 

「「え?楽しかったのでキャンプですよ?」」

 

と、答えてきた。

もうなんでもアリなのかもしれない。

 

「また2人はキャンプ行ってきてたのか、お土産とかはあるのか?」

 

そうニヤニヤした表情で鳥居三佐は言うと、船戸一尉がはぁ…とため息をついてから、

 

「そう言うと思って持って帰ってきましたよ、はい、イノシシの干し肉です」

 

「干し肉!?干し肉かぁ……」

 

「手作りするのめんどくさかったんですからね?何かあるだけありがたいと思ってください」

 

「アッハイ……」

 

そういつも通り鳥居三佐が軽くあしらわれているのを見つつ、今日の業務は終了した。




いかがでしょうか?
元となったソニアロ自体は人事異動が行われて1年経ったかな?って所です。
現在の5番機3番機がよく寝落ちて音割れを食らってますね…

ではまた次回、お会いしましょう!

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