「ブレイキンドが出た!?」
昼過ぎ、二吉さんから連絡があった。どうやらブレイキンドの残党が湧いたらしい。
械「すぐ行きます!」
俺は部室を飛び出し現場に急行した。
〜現場〜
械「ブレイキンドはどこだ!?」
周囲を見渡す、するとそこにはブレイキンドだったと思われるものがあった。
械「誰の仕業だ…?焦げてる…クリムゾンか?」
?「そんなのと一緒にしないでほしいな。」
械「誰だ!…聞いた事あるなこの声」
?「思い出したのか、覚えてたのか…まあどちらでもいい、久しいなホロス。」
械「ラー…」
ラー「お前はずいぶん姿を変えたようだな、まあ私と違い継承することで生き延びることを選んだようだしな。」
械「その話は…知らないな」
ラー「完全に思い出した訳では無いのか。まあいい、教えてやろう。」
「あれは今から何千、何万年前の話、ホロスとラーというライダーが誕生した。そしてそれから数年後、ヤツが現れた。」
械「ヤツって誰だ?」
ラー「後で言う、黙ってろ。」
「ヤツは多くの文明を破壊していった。それを阻止するため俺たちは力を尽くした。結果ヤツを封印という形で止めたが…その時に俺たちは人智を超えてしまった。俺は神として、ライダーとして一体化の道を選び、お前は人を思い、神としての道を逸れライダーシステムとしてたくさんの刻を過ごした。」
械「で、ヤツって誰なんだ?」
ラー「はぁ…文明を破壊した、シヴィトロイってヤツだ」
械「それで、そいつがどうしたんだ?」
ラー「復活した、おそらくだがブレイキンドの怨霊とでも言えばいいか、それがシヴィの元に集まり封印を解いた。」
械「そんな…」
ラー「よく考えたものだ、ブレイキンドを放置すればそのまま滅び、倒せば自分が復活する。ほんとに汚い野郎だ。」
械「じゃあ倒しに…」
ラー「無理だ、少なくとも今のままのお前ではな。暴走を克服したのは褒めてやる。しかしまだまだ甘いところがある、そんなんじゃ返り討ちにあうだけだ。」
械「じゃあどうすれば…」
ラー「俺を超えてみせろ、試練だ。俺と戦い、お前のその左手を俺に触れられたらお前を認めてやる。」
械「そういうことなら…!変身!」
『アルケミストマッチ!』
俺は変身すると同時に大きく加速し触れようとする、しかしラーは既にはるか上空にいた。
ホ「…ッ!いつの間に!」
ラー「場所を変えよう。」
すると周りは住宅地のようになる、しかし人気はなかった。
ラー「もちろん反撃はさせてもらう。試練だからな。」
そういうとラーは手から光球を出す、それはどんどん膨らんでいきこちらに向かって落とす。
ホ「まずっ…!」
咄嗟にボトルを変えUMAキックになる。ワープをしなんとか回避する。
ホ「このまま!」
俺はやつの後ろにワープし触れようとする。
ラー「そんな子供騙しが通用すると思うなよ。」
ラーは俺の左手を交わしカウンターの後ろ蹴りをしてくる。
ホ「ぐっ…!これが通用しないなら!」
俺は体を液状化させ街に溶け込む。ビルを移動しラーがこちらを見失うタイミングを伺い攻撃に出る。
ホ「今!」
周りから紙のようなものを出し奴を捕らえる。そしてビルを蹴り飛ばし大きく加速し触れようとする。
ラー「さっきよりかは考えたようだが、まだまだだな。」
四肢を燃やし紙を振りほどくとパンチを繰り出してくる。
ホ「これは…!受け止める!」
ラー「なに!?」
俺は右腕に備えられている盾でパンチを受け止め。左手を出す。
ラー「隠れている間にフォームチェンジとは想像以上だ…だが!」
奴に触れようとすると目の前から姿を消す。周囲を見渡すと地面に着地していた。
ラー「今のは瞬時に動いただけだが、ヤツはこの世界の事をよく見ている。お前やクリムゾンの力はヤツも使えると考えていい。」
地面に降りつつラーに問う。
ホ「ここでの戦闘は平気なんですか?」
ラー「あぁ、ここは俺が作り出した特別な空間だ。人間はもちろんヤツも見れない。」
ホ「なら…好き放題できますねッ…!」
左腕のホルダーにバイクのボトルとホルスードのボトルを装填する。
『スピニングウィンガー!』
『ゴッドバード!』
バイクとホルスードは姿を変え、巨大な丸のこチェーンソーのようになる。
ホ「ブイブイ言わすぜ…!」
チェーンソーと化したタイヤを回転させ地面を引き裂きながら進んでいく。
ラー「今のお前にはそんな芸当も出来るのか。」
ラーは上空へ逃げる。
ホ「これは予測済み…!」
タイヤを地面から引き剥がしそこから羽を飛ばす。
ラー「ぐっ…」
ラーは一撃喰らいよろける。俺はタイヤを地面に突き立てその反動で上空へ上がる。
ホ「これで!!」
『アルケミストフィニッシュ! グラッピングクロー!』
タイヤは瞬時に巨大なクローに変わりラーを捕らえる。
ラー「ツメは燃やせないが…だがさっきと同じだ!」
ラーは力尽くで抜け出しカウンターを仕掛ける。
ホ「そこに俺はいない!」
金色の装甲のみをその場に残し、俺は黒い鎧につつまれたホロスになる。そしてラーの死角からロボットアームを喰らわせた。
ラー「がはっ…!…これで試練は終わりだ。」
ラーは一瞬ダメージを負ったような反応を見せたが、すぐに切り替えた。
械「ありがとうございます。ラーさん」
ラー「言っておくが、シヴィトロイはこんなもんじゃないぞ。もっと力を最大限使うんだな。」
械「はは…ラーさんは一緒に戦ってくれないんですか?」
ラー「神になった代償か、人の世にあまり長くいれないんだ。すまないな。」
械「そうなんですね…」
ラー「まあ、頑張れよ。それと、お前にこれを渡しておく。ここぞという時に使うんだな。」
械「これは……はい、俺がこの世界を守ってみせます…!」
ラー「…頼もしいな。」
そういうとラーは天空へ消えていった。
あと3、4話で終わりです