「転属......ですか。もしかして左遷でしょうか?」
「いや、そういうことではないんだよ。むしろ栄転だ。ただ......そう、君、海星ステラ嬢のことは知っているかい?」
「もちろん存じ上げておりますとも。むしろ今皇国臣民の中で彼女のことを知らない人間を探すほうが難しいでしょう。で、それがどうしたというのですか。......まさか。」
「うん、まあそのまさかなのだよ。はい、これが辞令。転属はなるべく早急にということで後任ももう来ているから、二週間後までに引き継ぎよろしく。」
「そんな表情をするな。......まあいい。兎に角そこに書いてある通りだ。後任のものたちにはあとで君の研究室に向かわせるから、今のうちに周りに伝えておけよ。あ、但し転属先は機密で頼むよ。一応これが偽の辞令だ。」
「なんでまたそんな偽装工作じみたものを......まあいいです。受けますよ。というか、受けるしかないじゃないですか。」
「まあ、そういうものだと割り切ってくれ。あ、転属先の住居は気にしないでいいよ。上が用意してくれるらしいから。後で詳細を送っておくよ。」
「はあ、まあ、それはご苦労なことで。ではこれで、失礼します。」
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『次は、南部駅〜、南部駅〜。お出口は左側です。南部駅を出ますと、次は芳養駅に停車いたします。』
今私は東京からはるばる和歌山くんだりまでやってきている。このあたりは山と川ばかりだから、本を読むくらいでしか時間を潰せない。
おっと、自己紹介がまだだったな。私の名前はアンゼルム・サイルスト。正確にはアンゼルム・ザイフェルト(Anselm Seifert)だが、曽祖父がドイツから日本に帰化したときに担当者が名字を聞き間違えてこうなった。曽祖父も曽祖父で面白がって修正しようとしなかったから、今もこうなっている。先祖はスカンディナビア系ドイツ人で、私のこの真紅の髪は先祖代々受け継いできたものだ。今は父の影響で心理学者をやっている。
つい先日までは東京大学で心理学を教えていたが、あの辞令のせいで和歌山まで来ている。たしかに箔は付くし、給料も上がるが、なんでこんなところまで来てお上りさんの教育係兼カウンセラーをしなきゃならんのかと思わなくもない。
父は「大変名誉なことだから精一杯頑張ってきなさい」と言っていたが、たった一人をみるだけなので、どうせ暇になるに違いない。精一杯頑張らずともよかろう。まあ、暇になった分だけ趣味に没頭できると考えればいいか。
『次は、紀州田辺駅〜、紀州田辺駅〜。お出口は左側です。田辺南方記念館へは、こちらです。紀州田辺駅を出ますと、次は紀州新庄駅に停車いたします。』
おや、もう着きそうだ。大きい荷物は先に送ってあるから身軽でいい。駅前まで迎えの車が来ているらしい。黒のリムジンと言っていたが、たかがカウンセラー一人にそんなに金をかけなくてもいいのにとは思う。
惚れた。
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サイルスト:
稀代のマッドサイエンティスト。
普段は軍施設の最深部で、実験に明け暮れている。
好きなことの話となると、途端に饒舌に。
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・好きなこと:人の心、陰謀論、軍事関連、海星ステラ(new!!)
・”好きなことの話となると、途端に饒舌に。”......これってオタクの習性そのものじゃないか(歓喜)
・東京都立川市出身。東京都杉並区在住→和歌山県田辺市在住(new!!)
・説明文の二行目に関する話が一切出てきていないって......?これから話すんだよ。
・文中にもあった通りスカンディナビア系ドイツ人を先祖に持つ。クォーター。(祖父が純ドイツ人)
・会話文は書くのが楽。
・後二人
・なんか今回ははやくかけた。
・この作品は実在の企業、団体、個人その他には何も関係がありません。似た名前の何かがあっても、この作品には一切関係がありません。
・”サイルスト”ってどこの言語かご存じの方いらっしゃいますかね......。わからな過ぎてかなり強引になった。()