「うっ……うぐっ……。ぐすっ……。生臭いよう……」
「カエルの体内って、臭いけどいい感じに温かいんですね……。知りたくもない知識が増えました……」
カエルに食べられた二人は、カエルの体液で凄いことになっている。めぐみんは魔力が切れているため、動けない状態なので、カズマが背負っている。
あのあとカエルが出てきていたらと思うと、ゾッとする
「今後、爆裂魔法は緊急の時以外は禁止だな。これからは他の魔法で頑張ってくれよ。めぐみん」
「使えません」
「聞き間違いだと思うから、もう一度聞くけど何が使えないの?」
「……私は、爆裂魔法しか使えないんです。他には、一切の魔法が使えません」
「……本当?」
「……本当です」
「……マジか?」
「……マジです」
「「「……」」」
黙り込む私達三人。そんな中泣いていたアクアが会話に参加してくる
「爆裂魔法以外使えないってとういう事?爆裂魔法を習得できる程、スキルポイントが貯まっているなら、他の魔法を習得してないわけがないでしょう?」
それを聞いてカズマが不思議そうな顔をしている。アクアがその顔を見てカズマに説明している。
スキルポイントは職業に就いた時に貰える、スキルを習得するするためのポイント。優秀な者ほど初期ポイントは多いらしい。私のポイントは多かったけど、何に振ればいいか分からないから、取り敢えず3つだけ習得していた。
そして、爆裂魔法は複合属性といい、火や風系列の魔法の深い知識が必要らしい。更に習得するときに大量のスキルポイントを使うので、他の魔法は簡単に習得できる。
「私は爆裂系魔法が好きなんじゃありません。爆裂魔法が好きなのです!確かに、他の魔法をとっておけは冒険は楽でしょう!…でも、ダメなのです。私は爆裂魔法しか愛せない!だって、私は爆裂魔法を使うためだけに、アークウィザードになったのですから!」
「素晴らしい、素晴らしいわ!非効率ながらもロマンを求める姿に私は感動したわ!」
……何も言えない。こだわりがあるのはいいと思う。言えたとしてもここまで。カズマも私と似た感じの考えだったのか
「そっか。多分茨の道だろうけど頑張れよ。それじゃあ、ギルドに着いたら今回の報酬を山分けにしよう。まぁ、また機会があればどこかで会うこともあるだろう」
その言葉を聞いた時、めぐみんの手に力が入るのがわかった。
「ふ……。我が望みは、爆裂魔法を放つ事。報酬などおまけに過ぎず、なんなら、食事とお風呂とその他雑費を出してもらえるなら、我は報酬無くてもいい。だから、必死に手を離そうとしないで下さい!もうどこのパーティーも拾ってくれないのです!お願いします!荷物持ちでも何でもしますから!私を捨てようとしないでください!」
必死にカズマにしがみついて大声で言うめぐみん。カエルの体液を含めこの状況は誤解される。私が辺りを見渡すと、街の住人がこっちを見ていた。
「やだ、あの男。女の子を捨てようとしている…!」
「見て!その近くには粘液まみれの女の子を連れているわよ!」
「どんなプレイをしたのよ。あの変態!」
この様子に、アクアはニヤニヤして、めぐみんも口元を歪め
「どんなプレイでも大丈夫ですから!先程のカエルを使ったプレイだって越えてみせ」
「よーし、わかった!めぐみん、これからもよろしくな!」
めぐみんは、このパーティに入ることが出来た。
「あの、私は……私も入っても良いかな?」
「ん?めぐみんは兎に角、シオンは即戦力だぜ?というか、これからもお願いするよ!」
「うん、分かった。これからもよろしく」
私はこの世界に来てパーティーに入れた。
「取り敢えず、皆風呂入ってこい!周りの視線が痛てぇんだよ!!」
カズマside
「はい、確かに。ジャイアントドードを三日以内に五匹討伐。クエストの完了を確認致しました。ご苦労様です」
冒険者ギルドの受付に報告を終え、規定の報酬を貰い一息つく。仕留めたカエルの内一匹はめぐみんの魔法で消し飛ばされクエスト完了報告でどうなるかと思ったが、冒険者カードには、倒したモンスターの種類や討伐数が記録されて行くらしい。
俺は低レベルの冒険者ほどレベルが上がりやすいらしいので、カエルを五匹狩ってレベル4になっていた。
「……しかし、本当にモンスターを倒すだけで、強くなれるもんなんだなぁ……」
「ではジャイアントトード二匹の買い取りとクエスト達成報酬を合わせまして、十一万エリスとなります。ご確認ください」
十一万か……買い取りで一匹五千エリス、二匹で一万。達成報酬が十万……合計十一万で、四人で分けると二万七千五百円。
苦労にあってねぇ……。
まぁ、仲間には強かったシオンがいてくれるし、上手く工夫すれば簡単にクエストクリア出来るだろ……。
ダメだ、クエストボード見たけど、甘くないな……この世界
「どうかしたの?カズマ」
そんなことを考えていると、扉からシオンが入ってきた。
お風呂上がりだと言うのに、フードを深く被っている。そこまでして見られたくないのか?
そんな事を考えていると、シオンは直ぐ近くまで来ていた。
「立ったままでどうしたの?」
「あ、いや、何でもない。近くの席に座るか」
「そうだね」
緊張しているのかもしれない。声の感じは優しくて可愛い声だし、フードから見える部分も整った顔に見える。顔を隠している理由を聞くのはまだいいかもしれない。嫌なことを聞くのは気が引けるしな。
「あー、日本に帰りてぇ」
「え?日本?」
あ、つい口に出ちまった。この世界の住人は日本のこと知ら無いのに。
「あー、いや。日本と言うのは」
「カズマも日本出身という事は、転生者なの?」
「――――――は?」
素っ頓狂な声を上げてしまった。シオンが言った言葉は正直に言うと驚いた。でも、転生者という事は
「じゃあ、シオンもそうなのか?」
「うん、私も日本出身なの」
やっぱりそうか!まさか、同郷の仲間がパーティーメンバーに居るなんてついてる。それから、俺とシオンが異世界の過酷さとアクア達について話していた。
「……すまない、ちょっといいだろうか?」
後ろから声がかかった。ぐったりしていた俺は虚ろな目で、シオンは特に変わらない表情で見る。
「はい、なんでしょうか?」
「なんでしょ……うか……」
俺は声の主を見て絶句した。
女騎士がそこには立っていた。見た感じ、クールな印象を受けるその美女は、無表情にこちらを見ていた。俺よりも若干身長は高いだろう、俺が165cmだから、170くらいだろうか。金髪碧眼の歳上ともなれば声が上擦った声が出てしまう。
「うむ………。この募集の貼り紙を見てきたのだが、もう人の募集はしていないのだろうか?」
その女騎士が見せてきたのは一枚の紙。
そう言えば、めぐみんをパーティーに入れてから剥がしてなかったな。
「パーティーの募集はしていますけど、あまりオススメはしませんよ?」
「ぜひ私を!ぜひ私をパーティーに!」
「「えっ?」」
「い、いやいや、ちょっと待って!色々問題があるパーティーなんです。仲間二人はポンコツだし、俺は最弱職で、さっきだって俺とシオン以外の人が粘液まみれに……」
「粘液まみれ!やはり先ほどの粘液まみれの二人はあなた達仲間だったのか!一体何があったらあんな目に……!わ、私もあんな風に……!」
「「えっ!?」」
今なんて言ったこのお姉さん。シオンも驚いた顔をしてるし、聞き間違いじゃないのか
「いや違う、二人の少女、それがあんな目に遇うだなんて騎士として見過ごせない!私はダクネス。クルセイダーというナイトの上級職だ。募集の条件に当てはまると思うのだが!」
この女騎士……ヤバい。目がやばい。落ち着いた雰囲気のお姉さんだと思ったのに、今や危機感知センサーが反応してる。シオンも似た反応だ……少し引いてる
「あのー、本当にやめといた方がいいですよ?仲間の一人はなんの役に立つか分からないし、もう一人は一日一発しか魔法が撃てないらしいです!」
「そうです、そして俺は最弱職。ポンコツパーティーなんで、他の所をオススメしま……っ!?」
俺達二人が必死に止めるが。
「なら尚更都合が良い!実は言い辛かったのだが、私は力と耐久力には自信があるのだが、その………あまりに不器用で攻撃が全くあたらないのだ……」
「じゃあ、剣のスキルを取れば……」
「それだと意味がないっ!必死に剣を振るうが当たらず、力及ばず圧倒されると言うのが気持ちいいのではないか!!」
俺達は顔を見合わせ、溜息をついて天井を見る。多分、思った事は同じだろう。この人も、性能だけじゃなく中身までダメな系だ……と
ここで、カズマとシオンが互いに転生者という事を共有しました。