「なあ、スキルの習得ってどうやるんだ?」
翌日。隣の席に座っているカズマが、そんなことを聞いてくる。反対の隣にはめぐみんが座ってご飯を食べている最中だ。
「スキルの習得?それならカードに出ている、スキル習得可能なスキルってところから……。そう言えば、カズマは初期職業の冒険者だったね。それなら、ギルドの人が誰かにスキルを教えてもらえば習得可能になるって言っていたよ」
私は上位職の魔法戦士だけど、冒険者の職業がどういうものなのか、気になりギルドの人に聞てみたのだ。
「教えてもらう?」
「うん。まず目で見て、そして使用方法を教えてもらう。そうしたら、カードに習得可能なスキルという項目が現れるから、ポイントを使って習得する感じかな」
こういうのは、めぐみんやアクアに聞いた方が早いと思うのだけど……なんで私に聞いてきたのだろう?
「じゃあ、シオンからスキルを教えてもらえば、使えるようになるということか」
「そうだね。補助スキルもあるし、やってみる?」
「そうだな。じゃあ、飯のあとに教えてもらう……」
「そうですよカズマ!つまりカズマも爆裂魔法を使えるのです!」
「きゃっ!」
「うおっ!」
めぐみんが私の話の最後を聞いていたのか隣から飛び出てきた。
「習得に必要なポイントはバカみたいに食いますが、冒険者はアークウィサード以外で爆裂魔法を覚えることができるのです。爆裂魔法を覚えたいなら幾らでも教えてあげましょう。さあ、私と爆裂道を歩もうじゃないか!」
「ちょ、落ち、落ち着けロリっ子!つーか、スキルポイントってのは今3ポイントしかなんだが、これで習得できるものなのか?」
「ロ、ロリっ子……!?」
ロリっ子と言われためぐみんは、落ち込んで沈んでいく。
「なぁ、シオン。俺が爆裂魔法を覚えるなら、どのくらいスキルポイント欲しいんだ?」
「冒険者は習得に普通より多くのポイントが欲しいらしいから、爆裂魔法ともなると、ポイントを年単位で貯めないとダメじゃないかな?」
「待てるかそんなもん」
カズマの言葉を聞いて、さらにしょんぼりと項垂れ、ご飯を食べ始めた。
「なあ、アクア。お前なら便利なスキルたくさんもってるんじゃないか?何かお手軽なスキルを教えてくれよ。習得にあまりポイントを使わないで、それでいてお得な感じの」
アクアがカズマの質問にしばらく考え
「……しょうがないわねー。言っとくけど、私のスキルは半端ないわよ。じゃあ、まずはこのコップを見ててね。この水の入ったコップを自分の頭の上に落ちないように載せる。そして、この種を指で弾いてコップに一発で入れるのよ。すると………」
これ絶対宴会芸だ……。カズマも同じことを思ったのだろう
「誰が宴会芸スキルを教えろっつったこの駄女神!」
「えぇーーーー!?」
めぐみんに続き、アクアもショックを受けしょんぼりとしながら、使う予定だったろう種を指で転がしてる。頭にコップを載せたまま器用だよ……
「キミ面白いね! キミがダクネスが入りたがっているパーティーの人? 有能なスキルが欲しいなら盗賊スキルなんてどうかな?」
突然の笑い声が横から聞こえてきた。見れば隣のテーブルには二人の女性が居た。
一人は昨日のクルセイダー、もう一人は身軽な格好をした銀髪の少女。
「盗賊スキルってどんなのあるの?」
「よくぞ聞いてくれました!盗賊スキルは罠の解除に敵感知、潜伏に窃盗。持ってるだけでお得なスキルが盛りだくさん!キミは初期職業の冒険者なんだろ? なら、盗賊スキルは覚えるのにスキルポイントは少ないしお得なスキルだよ。どうだい?今なら、クリムゾンビア一杯で教えてあげるよ」
それだけで教えてくれるんだ……しかも、どのスキルも役に立ちそうなものばかりだ。
「よし、お願いします! すみませーん、この人に冷えたクリムゾンビアを一つ!」
カズマが教えてもらうため外に出た後。多分今頃盗賊スキルを教えて貰っている頃合だろう。
「ねぇ、めぐみんの魔法は兎も角、アクアなら便利なスキルあるんじゃないの?アークプリーストなら、回復とか、補助魔法とか」
「ダメよ!それだと私の存在意義なくなるじゃない!!」
いや、人手いた方がいいじゃない……。と言うかめんどくさいこと言う……
「ちょっと待って下さい!私は兎も角ってなんですか!我が奥義、爆裂魔法はとても素晴らしいスキルじゃないですか!なにせ、全ての敵に絶大なダメージを与えることができるのだから!」
めぐみんが胸を張って言っているが。
魔力切れで動けなくなるじゃないですか……。一撃を撃ったあとに動けなくなったらどうなるか、身をもって知ったのに。
あぁ、早く帰ってこないかなー
数分後、カズマが帰ってきた。
「おかえり、カズマ。……なんで盗賊の人泣いてるの?」
「いや、これは……」
カズマが答えずらそうにしていると
「うむ。クリスは、カズマにパンツを剥がされた上にあり金毟られて落ち込んでいるだけだ」
はい?
「おいあんた何口走ってんだ!待てよ、おい待て!間違ってないけど、ほんと待て」
間違ってないの!?え、本当にそんなことしたの!?
「公の場でぱんつを脱がされたからって、いつまでもめそめそしてもしょうがないね! よし、ダクネス。あたし、悪いけど臨時で稼ぎのいいダンジョン探索に参加してくるよ!下着を人質にされてあり金なくなったしね!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! アクアとめぐみん以外の周り女性冒険者の目まで冷たい物になってるから!シオン、頼むからなんとか言ってくれ、お願いします!」
う、うん……まぁ、潔白を証明すればいいのかな?
「ねぇ、カズマが覚えたスキルってどんなの?」
「スティールというスキルで、相手から何でもランダムで何か奪い取るってスキルだ」
「じゃあ、パンツ以外も奪えるんだ……。よし、じゃあ、私のショートソードを奪ってみてよ。これでショートソードを取れれば、パンツ以外も取れるということになるしね」
「そういうことか!わかった。じゃあ、いくぜ、『スティール』!」
うん?右手のショートソードは手元にある……。……あれっ、なんか下半身の方に違和感が……なんかスースーする。
それの正体が分かった瞬間、顔が熱くなる。きっと赤くなっているのだろう。
「……ごめんカズマ。流石に、弁護できない……」
「ほんっとすいません」
カズマの右手には私のぱんつが握られていた。
それによってカズマを見る目が更に冷たくなった。主に女性冒険者からの視線が。