東方紅魔郷 〜 Fate or Destiny.   作:あめじすと

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EPISODE5:紅魔館の案内その1

 

─???

 

「うん......あれ?生きてる......のか?」

 

「目が覚めたようね」

 

目が覚めると赤い部屋にいた。

自分は出血が酷かったはずと思い、体を見ると、包帯が巻かれておりどうやら看病されたらしい。

そして目の前には少女がいる。

しかしその背中には、蝙蝠(こうもり)のような翼が生えており、人ではないことが(うかが)える。

妖艶(ようえん)な笑みを浮かべる少女と会話をする。

 

「私の館の前で血を流して倒れているなんて......命知らずなのかしら?」

 

「はぁ......すまない。助けてもらって何より」

 

少女は興味のある目でこちらを見ている。

一体自分にどんな用があるのだろう。

 

「私はこう見えても500年は生きているわ。敬語で話しなさい」

 

なんと彼女は500歳を超えているという。

少女と例えていいのかわからないが、一応敬語を使うことにしよう。

 

「紹介が遅れたわ。私はレミリア・スカーレット、この館......“紅魔館(こうまかん)”の(あるじ)よ。......さて、次は貴方が紹介する番よ」

 

「は、はい......私は天澄仁太郎です。数時間前にこの世界に来ました」

 

この館は紅魔館というらしい。

よくわからないが、床や壁、家具まで赤いな......

 

「あらそう......それはご苦労様。見たところ......住む場所も無いみたいね。よかったらうちに住まない?もちろんタダではいかないけど」

 

唐突に、彼女はここに住むか提案してきた。

なんでも働き手が不足しているのと、興味本位だからだという。

 

「そ、それは......」

 

「いいのかしら?住む気がないのなら今すぐ外に返してあげてもいいのだけど」

 

彼女はニヤニヤしながらそう告げる。

結局、半ば強引な形で住み込みで働くこととなってしまった。

そして明日は、ここの従者に紅魔館の案内をしてもらうそうだ。

 

「ふふ......せいぜい頑張ってちょうだい。それと......さっき味見したけど、貴方B型ね。気に入ったわ」

 

「そ、そうなんですね......」

 

「ええ、そうよ」

 

 

 

最後にそう言われたのち、部屋まで案内してもらった。

部屋は2階の突き当たりにあるようだ。

怪しく灯る蝋燭が、薄暗く廊下の角を照らしており、いかにも吸血鬼の館らしい。

......考えてみれば彼女は吸血鬼なのだろう。見た目から想像できる。

 

「ここが貴方の部屋よ。くれぐれもあちこち勝手に触らないこと、わかった?」

 

一言いうと、彼女はさっきまでいた玉座まで戻って行った。

それはさておき、部屋に入るとしよう。

 

「すごいな......」

 

部屋に入ると、とても整った洋室だった。

何から何まで赤いことはさておき、まるで高級ホテルに来たみたいだ。

美しさに見惚れていたが、時計を見ればもう午前0時。

明日は案内があるため早く寝なくては......

窓の外に見える星と月を見ながら眠ることにした。

 

 

 

─翌朝

 

「はぁ......よく寝た......」

 

時計を見ると午前6時。

季節が夏なので割と明るい。

この館も夜の間は、いかにも魔物の館だが朝となると立派な館だ。

カーテンを開けると、朝の日差しが差し込み気持ちいい。

そう感じていると、扉を叩く音が聞こえた。

 

コンコン

 

「起きてらっしゃいますか?天澄さん」

 

扉を叩く音が聞こえた後、女の人の声が聞こえてきた。

おそらく昨日言ってたメイド長だろう。

今日は確かこの館の案内だっけ、返事を返そう。

 

「はい、起きてます」

 

「わかりました、それでは失礼します」

 

扉が開き、そこから現れたのはかなりの美人だった。

見た感じ、同い年か1つ上と言ったところだろう。

青いメイド服を着ていて、銀髪に鋭い目をしている。

想像してたメイドとは違ったが、それは置いておこう。

 

「はじめまして、十六夜咲夜(いざよいさくや)と申します。本日は紅魔館の案内に参りました。名前は(うかが)っております」

 

「こちらこそ、今日はお願いします。十六夜さん」

 

「ご丁寧にどうも、下の名で構いませんわ」

 

「じゃあ......咲夜さん......で、いいかな?」

 

「はい、構いません」

 

軽く挨拶を交わし、早速紅魔館の案内が始まった。

部屋を出て階段を降りるとホールが広がっており、そこから外へ出た。

 

 

 

─正門

 

「大きな門だなぁ......あれ、誰か寝てる?」

 

まず飛び込んで来たのは大きな門で、高さは4mくらいある。

館の周りには、それと同じくらいの柵が取り囲んでいる。

次に飛び込んで来たのは門の前で寝ている人物。

カーキをベースにした人民帽、チャイナドレスを着た、紅い髪の女性だ。

 

「............」スピー

 

おそらく門番だと思うが、寝ていて大丈夫なのだろうか。

同じ場所にずっといて、眠くなるのはわからなくも無いが......

少し気になっていると......

 

「............」シュッ

 

「ふぎゃっ!?」グサッ

 

「......!?」

 

突然門番にナイフが刺さった。

咲夜が動いたように見えなかったが、一体何が起きたんだ?

それよりも刺さった人は無事なのだろうかと咄嗟に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか?怪我は......」

 

怪我を心配し、刺さった箇所を見たのだが特に深い傷は負っていない。

それどころか、苦しんでいる様子でもない。どういうことだ?

 

「痛ててて......あれ?貴方は....あ、昨日の人か!......と、咲夜さん!?」

 

「はぁ......まったく......天澄さん、この門番(バカ)紅美鈴(ホンメイリン)と言います。ついでに美鈴、この方はここに住むことになったから挨拶を」

 

「なんか私ひどい言われ方した気がするんですけど?......まあよろしくお願いします!ため口でもいいですよ!」

 

「あはは......天澄仁太郎です。よろしくお願いします」

 

「さて、それじゃあ美鈴。庭の案内はお願いね」

 

そう言うと咲夜は館へ戻っていった。

次は美鈴さんに案内してもらうようだ。

そうして紅魔館の庭の案内が始まった。

 

 

 

─庭園

 

「これは......綺麗だなぁ」

 

「はい、ここでは毎日水やりをしてます。最初は大変かもしれませんが、慣れれば割と楽しいものです。......まあ私じゃなくて妖精メイドの仕事ですけどね」

 

案内が始まり、まず最初に来たのはガーデニングだ。

主に薔薇(バラ)、ベリー系の植物があり、全て赤で統一されている。

本当に何から何までこの館は赤い。

その後も案内は続けられ、一通り教えてもらった。

さて、次は門番の仕事の案内だ。

 

「次は門番の仕事ですね。こうやって館の前にいるだけの簡単な仕事です。とっても暇ですし、天澄さんにもぜひオススメします」

 

「さっきの咲夜さんの様子からして......いつも寝てるのか?」

 

「うっ......」グサッ

 

どうやら図星のようだ。

まあ楽な仕事ならしてみたい気もするが、それで門番が務まるのだろうか。

......簡単な案内が終わると館から咲夜が戻って来た。

次は地下に行って図書館の案内に行くらしい。

彼女に一旦別れを告げ、館内に戻ることになった。

 

「それじゃあ美鈴、引き続き門番を頼むわよ。......くれぐれも寝ないように」

 

「は、はいっ......それじゃあ天澄さん、また今度〜」

 

 

 

「天澄さん、ガーデニングはどうだったかしら?妖精メイドはあまりやくに立たないんだけど」

 

「いや、割と綺麗でした。紅で統一されていて、まるでこの館の統率力......が、体現されてる......みたいな?」

 

地下へ向かう途中、咲夜と会話を交わす。

会話の中で、敬語は堅苦しいと、咲夜にもタメ口を使ってもらうことにし、引き続き地下へ足を進めた。

今度はどんな場所だろう。





人物紹介

レミリア・スカーレット
紅魔館の主で吸血鬼。
幼い少女の姿をしているが、年齢は500歳以上。
夜の散歩帰り、館の前で倒れている仁太郎を拾った。

十六夜咲夜(いざよい さくや)
紅魔館のメイド長で住民達を仕切っている。
年齢は仁太郎と同じか1つ上くらい。
特に美鈴に厳しい。

紅美鈴(ホン メイリン)
紅魔館の門番。
よく仕事中に寝るので、その度に咲夜に怒られている。
気さくな性格で子供に好かれやすい。
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