東方紅魔郷 〜 Fate or Destiny. 作:あめじすと
─???
「うん......あれ?生きてる......のか?」
「目が覚めたようね」
目が覚めると赤い部屋にいた。
自分は出血が酷かったはずと思い、体を見ると、包帯が巻かれておりどうやら看病されたらしい。
そして目の前には少女がいる。
しかしその背中には、
「私の館の前で血を流して倒れているなんて......命知らずなのかしら?」
「はぁ......すまない。助けてもらって何より」
少女は興味のある目でこちらを見ている。
一体自分にどんな用があるのだろう。
「私はこう見えても500年は生きているわ。敬語で話しなさい」
なんと彼女は500歳を超えているという。
少女と例えていいのかわからないが、一応敬語を使うことにしよう。
「紹介が遅れたわ。私はレミリア・スカーレット、この館......“
「は、はい......私は天澄仁太郎です。数時間前にこの世界に来ました」
この館は紅魔館というらしい。
よくわからないが、床や壁、家具まで赤いな......
「あらそう......それはご苦労様。見たところ......住む場所も無いみたいね。よかったらうちに住まない?もちろんタダではいかないけど」
唐突に、彼女はここに住むか提案してきた。
なんでも働き手が不足しているのと、興味本位だからだという。
「そ、それは......」
「いいのかしら?住む気がないのなら今すぐ外に返してあげてもいいのだけど」
彼女はニヤニヤしながらそう告げる。
結局、半ば強引な形で住み込みで働くこととなってしまった。
そして明日は、ここの従者に紅魔館の案内をしてもらうそうだ。
「ふふ......せいぜい頑張ってちょうだい。それと......さっき味見したけど、貴方B型ね。気に入ったわ」
「そ、そうなんですね......」
「ええ、そうよ」
最後にそう言われたのち、部屋まで案内してもらった。
部屋は2階の突き当たりにあるようだ。
怪しく灯る蝋燭が、薄暗く廊下の角を照らしており、いかにも吸血鬼の館らしい。
......考えてみれば彼女は吸血鬼なのだろう。見た目から想像できる。
「ここが貴方の部屋よ。くれぐれもあちこち勝手に触らないこと、わかった?」
一言いうと、彼女はさっきまでいた玉座まで戻って行った。
それはさておき、部屋に入るとしよう。
「すごいな......」
部屋に入ると、とても整った洋室だった。
何から何まで赤いことはさておき、まるで高級ホテルに来たみたいだ。
美しさに見惚れていたが、時計を見ればもう午前0時。
明日は案内があるため早く寝なくては......
窓の外に見える星と月を見ながら眠ることにした。
─翌朝
「はぁ......よく寝た......」
時計を見ると午前6時。
季節が夏なので割と明るい。
この館も夜の間は、いかにも魔物の館だが朝となると立派な館だ。
カーテンを開けると、朝の日差しが差し込み気持ちいい。
そう感じていると、扉を叩く音が聞こえた。
コンコン
「起きてらっしゃいますか?天澄さん」
扉を叩く音が聞こえた後、女の人の声が聞こえてきた。
おそらく昨日言ってたメイド長だろう。
今日は確かこの館の案内だっけ、返事を返そう。
「はい、起きてます」
「わかりました、それでは失礼します」
扉が開き、そこから現れたのはかなりの美人だった。
見た感じ、同い年か1つ上と言ったところだろう。
青いメイド服を着ていて、銀髪に鋭い目をしている。
想像してたメイドとは違ったが、それは置いておこう。
「はじめまして、
「こちらこそ、今日はお願いします。十六夜さん」
「ご丁寧にどうも、下の名で構いませんわ」
「じゃあ......咲夜さん......で、いいかな?」
「はい、構いません」
軽く挨拶を交わし、早速紅魔館の案内が始まった。
部屋を出て階段を降りるとホールが広がっており、そこから外へ出た。
─正門
「大きな門だなぁ......あれ、誰か寝てる?」
まず飛び込んで来たのは大きな門で、高さは4mくらいある。
館の周りには、それと同じくらいの柵が取り囲んでいる。
次に飛び込んで来たのは門の前で寝ている人物。
カーキをベースにした人民帽、チャイナドレスを着た、紅い髪の女性だ。
「............」スピー
おそらく門番だと思うが、寝ていて大丈夫なのだろうか。
同じ場所にずっといて、眠くなるのはわからなくも無いが......
少し気になっていると......
「............」シュッ
「ふぎゃっ!?」グサッ
「......!?」
突然門番にナイフが刺さった。
咲夜が動いたように見えなかったが、一体何が起きたんだ?
それよりも刺さった人は無事なのだろうかと咄嗟に駆け寄る。
「大丈夫ですか?怪我は......」
怪我を心配し、刺さった箇所を見たのだが特に深い傷は負っていない。
それどころか、苦しんでいる様子でもない。どういうことだ?
「痛ててて......あれ?貴方は....あ、昨日の人か!......と、咲夜さん!?」
「はぁ......まったく......天澄さん、この
「なんか私ひどい言われ方した気がするんですけど?......まあよろしくお願いします!ため口でもいいですよ!」
「あはは......天澄仁太郎です。よろしくお願いします」
「さて、それじゃあ美鈴。庭の案内はお願いね」
そう言うと咲夜は館へ戻っていった。
次は美鈴さんに案内してもらうようだ。
そうして紅魔館の庭の案内が始まった。
─庭園
「これは......綺麗だなぁ」
「はい、ここでは毎日水やりをしてます。最初は大変かもしれませんが、慣れれば割と楽しいものです。......まあ私じゃなくて妖精メイドの仕事ですけどね」
案内が始まり、まず最初に来たのはガーデニングだ。
主に
本当に何から何までこの館は赤い。
その後も案内は続けられ、一通り教えてもらった。
さて、次は門番の仕事の案内だ。
「次は門番の仕事ですね。こうやって館の前にいるだけの簡単な仕事です。とっても暇ですし、天澄さんにもぜひオススメします」
「さっきの咲夜さんの様子からして......いつも寝てるのか?」
「うっ......」グサッ
どうやら図星のようだ。
まあ楽な仕事ならしてみたい気もするが、それで門番が務まるのだろうか。
......簡単な案内が終わると館から咲夜が戻って来た。
次は地下に行って図書館の案内に行くらしい。
彼女に一旦別れを告げ、館内に戻ることになった。
「それじゃあ美鈴、引き続き門番を頼むわよ。......くれぐれも寝ないように」
「は、はいっ......それじゃあ天澄さん、また今度〜」
「天澄さん、ガーデニングはどうだったかしら?妖精メイドはあまりやくに立たないんだけど」
「いや、割と綺麗でした。紅で統一されていて、まるでこの館の統率力......が、体現されてる......みたいな?」
地下へ向かう途中、咲夜と会話を交わす。
会話の中で、敬語は堅苦しいと、咲夜にもタメ口を使ってもらうことにし、引き続き地下へ足を進めた。
今度はどんな場所だろう。
人物紹介
レミリア・スカーレット
紅魔館の主で吸血鬼。
幼い少女の姿をしているが、年齢は500歳以上。
夜の散歩帰り、館の前で倒れている仁太郎を拾った。
十六夜咲夜(いざよい さくや)
紅魔館のメイド長で住民達を仕切っている。
年齢は仁太郎と同じか1つ上くらい。
特に美鈴に厳しい。
紅美鈴(ホン メイリン)
紅魔館の門番。
よく仕事中に寝るので、その度に咲夜に怒られている。
気さくな性格で子供に好かれやすい。