転生したのでとりあえず剣技を極め最強を目指そう   作:白の牙

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それぞれの修行光景

 

 

 

 

 

 「よ、ほいっと」

 

 右手に持つ魔法具の銃とエヴァンジェリンの知り合いに作って貰った銃を左手に持って裕奈は遠くに配置された的を正確に打ち抜いていく

 

 「ふむ、動かない的だとは言え3日目であの命中精度、中々の腕だな。これならば次の段階に行くのも時間の問題だな」

 

 裕奈の修行光景を見ていたエヴァンジェリンは裕奈の命中精度に関心し、次に訓練メニューに行くのにさほど時間がかからないだろうと思った

 

 

 

 

 

 「朱乃ちん、とりあえず今まで教えた陰陽術のおさらいからにゃ。身体強化、結界、軽い攻撃の術をやってみてにゃ」

 

 「はい」

 

 別の場所では朱乃が黒歌に陰陽術について教わっていた

 

 「まずは韋駄天符 飛天駿脚 急急如律令」

 

 朱乃は2枚の霊符を取り出し、呪力を込めた後、軽く放り投げると、霊符はまるで吸い込まれるような動きで朱乃の両足に張り付き淡い光を放つと消えてなくなった。符に込められた力がしっかりと両足に付与された事を確認すると朱乃は周りを駆ける

 

 「うん、ちゃんとできてるにゃ。じゃあ次は結界にゃ」

 

 「はい。隔壁遮闇 急急如律令」

 

 朱乃は別の霊符を取り出し、呪力を込めると朱乃を守るように周りの障壁が展開される

 

 「ふむ」

 

 黒歌は朱乃の張った障壁の強度を確かめるため1枚の霊符を取り出し、手ごろな石を拾うと

 

 「み恵みを受けても背く敵は篭弓羽々矢もてぞ射落とす。裂空魔弾」

 

 呪詛を唱えると拾った石に印が描かれ、浮かび上がり、黒歌の指慣らし共に弾丸の如く飛び、朱乃の張った障壁とぶつかる

 

 「障壁の硬度も問題ないにゃ」

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 いきなり攻撃してきたことに内心びっくりした朱乃だったが、それを顔に出さないよう努めてはいたが声で丸わかりだった

 

 「次は攻撃にゃ。取り合えず、これに当てるにゃ」

 

 黒歌は空の空き缶を少し離れた位置に置き、それに攻撃するよう指示を出す

 

 「では、参ります。落雷」

 

 朱乃は霊符を取り出し、呪力を込めて空高く放り投げると、霊符から落雷が放たれ、空き缶に命中し、黒焦げにした

 

 「ふむ、攻撃のほうも問題ないにゃ。まぁ、通用するかは実際に実戦に出て使ってみないと解らなないけど、これなら次の段階にすすめそうにゃ」

 

 「次の段階ですか?」

 

 「そうにゃ。朱乃ちんには式神を創ってもらうにゃ」

 

 「式神?それはユウ君が見せてくれたあの子犬みたいなものですか」

 

 「あれは探索用の式神にゃ。朱乃ちんに創ってもらうのは戦闘用。一緒に戦ってくれる式神にゃ」

 

 そういうと黒歌はノートブックとペンを取り出す

 

 「式神を生み出すのに必要なのはイメージ力にゃ。まずはどんな式神にするのかを書いてみるといいにゃ」

 

 「・・・黒歌さんの式神はどういうのです?」

 

 「私?私のはこの子にゃ」

 

 朱乃に自分の式神について聞かれた黒歌は呪符を取り出して魔力を込めると1匹の黒猫が現れ、黒歌の肩に飛び乗った

 

 「これが私の式神の“クロ”にゃ。猫だけに猫の式神にゃ」

 

 黒歌は肩に乗っている自身の黒猫の喉元を優しくなでる

 

 「式神は偵察にも役に立つし戦闘でも一緒に戦ってくれるにゃ」

 

 「一緒に・・でも」

 

 「朱乃ちんの言いたいことは解るにゃ。こんな小さい猫がどうやって一緒に戦ってくれるのかって思ったにゃ?」

 

 「え、ええ」

 

 「ふふ、それについては朱乃ちんが式神を創った後の訓練で教えてあげるにゃ。取り合えず、今はどんな式神にするかのイメージを練るにゃ」

 

 「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 裕奈と朱乃の修行が順調に進む中、悠斗はというと

 

 「っく!?」

 

 「ケケケ、ナカナカノ反応ダナ」

 

 エヴァンジェリンが作った魔法人形であるチャチャゼロと戦闘訓練を行っていた

 

 「これでも喰らえ」

 

 「オォ!?」

 

 悠斗は刀を振るってチャチャゼロを弾き飛ばすとデコピンの構えをとり、中指に纏っている力を集中させ、弾くとともに弾丸のようにそれを飛ばしてチャチャゼロにダメージを与える

 

 「(ここだ!)」

 

 デコピン弾でさらに体勢を崩したチャチャゼロを見て好機と判断した悠斗は畳み欠けるために瞬動で距離を詰め、上段で構えた刀を振り下ろそうとしたが、体中に巡っていた力が一気に抜けていき、地面に膝をついた

 

 「(ここでガス欠かよ!?)」

 

 「ケケケ、オシカッタナ」

 

 「ふむ、難航しているようだな」

 

 「ゴシュジン」

 

 2人の戦闘訓練が終えるとエヴァンジェリンが近づき声をかける

 

 「桜井悠斗、咸卦法の持続時間はどれぐらいだ?」

 

 「・・大体20分ってっところっす」

 

 「及第点にはまだまだだな」

 

 「いやいや、20分も使えるようなら及第点じゃないっすか普通」

 

 「何を言う。タカミチなら半日は持つぞ」

 

 「高畑先生と比べないでもらいたいんですが」

 

 エヴァンジェリンの厳しい採点に悠斗は抗議を上げるが、同じものを使える人と比べられ苦笑いする

 

 「膨大な力を得るのはいいですけど、気と魔力を等しく消費するから魔法の併用も考えると長時間の使用はできないのでここぞというときの切り札にしていたんですよ」

 

 「成程。だが、持続時間が短いのは貴様の気と魔力の運用がまだまだ未熟だからだ。貴様の魔力量と気の総量を合わせ、魔法の使用も考えれば最低でも1時間は持つはずだ」

 

 「そんなに持ちますかね?」

 

「貴様の魔力量は“千の呪文の男”ナギ・スプリングフィールドに匹敵する。そのことも考慮した上での判断だ。ゆえに貴様は何もしない状態で1時間、実戦では30分間、咸卦法を維持できるよう気と魔力の運用の特訓をしろ。それができるようになったら、徐々に維持できる時間を増やしていく」

 

 「了解っす」

 

 こうして、悠斗も朱乃、裕奈、同様、自身のレベルアップのため、特訓を開始した


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