「神鳴流奥義 斬魔剣」
人々が眠りについている深夜の時間帯に1人の少年“桜井悠斗”が剣を振るって目の前にいる鬼を斬り裂いた
「そっちも終わったみたいだな悠斗」
「紅丸、そっちも終わったのか?」
「あぁ。何体倒した?」
「今ので5体だ。そっちは?」
「俺も5体だ。歯ごたえがなくて10秒で終わっちまったがな」
悠斗に話しかけた少年“新門紅丸”は心底つまらなさそうな顔で答えた
「どうだ。久しぶりにやらないか?」
「こんな場所でお前と戦ったら辺り一面廃墟になっちまう。後で爺さんに怒られるのは俺達だぞ」
「っち」
悠斗の返答に紅丸は舌打ちをする
「そういえば明日、いやもう今日か。新しい先生が来るのは」
「・・・デスメガネの歳離れた親友だったか?」
「それと裏の世界での英雄の息子でもあるって話だ」
「興味ねぇな」
「相変わらず、興味のないことにはとことん無関心だなベニは」
話を切り上げ立ち去っていく紅丸を見て悠斗は肩をすくめると、夜空に浮かぶ星々と三日月を見上げながら呟く
「原作が始まる・・か。俺っていうイレギュラーがいるこの世界はどういった風に進むんだろうな。まぁ、波乱万丈、刺激があるから人生は楽しいってあのバグなおっさんも言ってたし、なるようになるだろう」
「悠斗、何ボーっと突っ立てんだ?さっさと帰るぞ」
「おう」
紅丸にせかされ悠斗は足早に歩き、森から出て行った
そして翌日、正確には早朝
「以上が昨日の深夜に自分と新門紅丸が倒した敵の数と成果です」
「ふむ。今まで中級クラスの者が何度か来ることはあったが、同時に6体とはの~~」
「この都市には相手が狙う理由が2つありますからね。そのうちの1つは俺なんですけど」
「悠斗君」
「学園長が気にする必要はないっすよ。自分が蒔いた種ですから」
「・・・悠斗君」
「まぁ、いつかは刈り取りますけどね。鬱憤も込めて一生消えることのないトラウマも刻み込む予定ですよ」
「そ、そうか。こういうのもなんじゃがやりすぎんようにの~」
黒い笑みを浮かべる悠斗にこの都市の最高責任者である老人“近衛近衛門”、別名“現代のぬらりひょん”は軽く引きながら言った
「ん?なんか騒がしくないっすか?」
「言われてみればそうじゃの?っというかこっちに近づいて・・」
「学園長先生!!」
ドアを壊れそうな勢いで開き、体操服を着た女子生徒が部屋に入ってきた
「明日菜ちゃん?」
「ゆ、悠斗さん!?何でここ(女子中)に!?」
「ちょっと学園長に用があってな。木乃香ちゃんも久しぶり。しばらく見ない間にまた別嬪さんになったんじゃないか?」
「ややわ~~悠兄、褒めてもなんも出えへんで~~」
「そうじゃぞ悠斗君。出るとしたら木乃香の婿になるぐらい・・あいた」
「もうお爺ちゃんはすぐにそっちのほうに話を持っていくんやから~~」
近衛門の孫娘である少女“近衛木乃香”が何処からか取り出したトンカチで近衛門の頭を叩いた
「所でそこであたふたしている子供はなんだ?」
「そ、そうだった!学園長先生!」
悠斗の言葉にここに来た要件を思い出したのかオレンジ髪の少女“神楽坂明日菜”が近衛門に抗議を始めた
「木乃香ちゃん、説明プリーズ」
「はいな。実はな・・・・」
「成程ねぇ」
木乃香の説明を受けた悠斗は同情の視線を明日菜に向けた
「出会って早々“失恋の相が出ている”に加え好きな人に代わって担任になるにって言われればああもなるか」
いまだに抗議を続ける明日菜に悠斗は何とも言えなかったがふと時計を見ると移動しないといけない時刻になっていた
「学園長、遅刻間際何でここらでお暇させてもらいます。明日菜ちゃん、木乃香ちゃん、またな」
「あ、はい」
「またな~~悠兄」
悠斗は近衛門、明日菜、木乃香に別れの挨拶を告げると、いまだにワタワタしている少年“ネギ・スプリングフィールド”に話しかける
「ネギ・スプリングフィールドだったな?」
「え?は、はい」
「その年で先生なんて色々と大変だろうが頑張りな。それと、これ俺の連絡先だ。ここで会ったのも何かの縁だ困ったことがあれば連絡しな。相談ぐらいには乗ってやるからよ」
ネギにそういうと頭を乱暴に撫でまわして部屋から退出した
「やぁ、悠斗君」
「高畑先生」
悠斗が部屋から出ると映画に出てきそうなダンディっぽい男性“タカミチ・T・高畑”が声をかけた
「木乃香ちゃんから話は聞きました。いろいろと災難でしたね」
「ははは」
悠斗の言葉に高畑は苦笑いする。そして一呼吸置くと
「どうかな君から見ての彼は?」
「そうっすね~~、磨き上げられていない原石ってとこですかね?磨くものによって宝石にもどこにでもある石ころにもなるってところっすかね」
「ははは手厳しいね」
「事実を言ったまでですよ。そんじゃあ俺はこれで。これ以上は本当に遅刻しそうなんで」
高畑に一礼すると、悠斗は窓を開けて外へ飛び出していった